ようこそ実力主義者の教室へ。元脳筋は苦労する。 作:赤山大和
学校2日目。
授業初日なのだが大半は勉強方針の説明だけだった。
しかし、授業中の私語くらいならばともかく携帯をいじっている生徒への注意すらないのはどうかと思うのだが。
教師も気付いているのに無視している。
これは変だろ。
何かあると考えるべきだよな。
疑問に思いながら昼休みになった時に龍園の元に。
「どうした月村?」
訝しげな龍園に対して昨日と今日の時点での疑問を話す。商品や食品の無料販売。初日とはいえ教師のこちらへの態度。
違和感を覚える事を一通り話すと龍園は面白そうにしている。
「疑問に思うだけ他の奴等よりマシだな。ククッ。やはりこの学校は一筋縄ではいかなそうだ」
ふむ。
何らかの答えが龍園の中にはありそうだが。
「クラスメイトに授業の態度なんかを注意しておいた方が良いと思うか?」
減点の対象となれば困る事になるだろう。
「まだ必要ない。それに今は推測の段階だ。なーに焦る事はないさ」
「そうか。………俺もしばらくは何もしないでおこう。推測がある程度固まったら周りには話す事にする」
考えると、真面目に授業を受けろと言った所で周りが此方の注意を聞き入れるとは限らないしな。
システムのわからない内に無駄に騒ぐのは悪手かもしれないか。
龍園と軽く話して食堂に向かう。
食堂の中ではポイントを支給されたばかりである筈なのに山菜定食を食べている生徒がそれなりにいる。
試しに俺も山菜定食を食べてみるがあまり美味しいとは思えないか。これを当たり前のように頼む生徒が多いという事はだ。
やはり、来月から貰えるポイントは減少すると考えるべきだよな。
食事を終えて教室に戻れば椎名さんと話す事が出来た。
昨日借りた本についての話し。
まだ読んでいる途中ではあるがちょっとした感想や作品の意見を交わすが椎名さんは本当に本が好きなのだとわかる。
俺としても読んでいて面白かったのでごく自然に話せたと思う。
まぁ、美少女との会話で舞い上がる自分の単純さには少々呆れるが。
因みにこの2日が会話したクラスメイトは龍園と椎名さんと石崎だけだ。かろうじてボッチではないという事を喜ぼう。
『本日、午後5時より、第一体育館の方にて、部活動の説明会を開催いたします。部活動に興味のある生徒は、第一体育館の方に集合してください。繰り返します、本日――』
音楽と共に流れるアナウンス。
この放送に一部の生徒がざわつく。
放課後に第一体育館か。
まぁ、行ってみるか。
そして、放課後。
第一体育館にて部活動の説明会が行われる。
しかし、部活動か。
色々な部活があるわけだが中学時代に問題を起こした事を考えると空手や柔道の格闘技系は却下だよな。
それ以前に空手部は無いようだが。
となると球技系か水泳や陸上等の運動系か。
それか文化系の部活。
多分だが部活動で結果を出せばポイントの増加が有りそうなんだよな。生徒の実力を評価するそうだし。
経験が有るスポーツとなると体育の授業でやった野球かサッカー、バスケットってところか。
特に野球は中学3年の頃に近所の草野球チームの助っ人で経験したからボールの投げ方は教わっている。
バットもそれなりに振った。この学校の野球部はそれなりに強いらしい。
だけど、バットやグローブ等の道具にかかるポイントを考えると軽い気持ちでやるべきではないか。
バスケットのバッシュもかなり高いだろう。
となるとサッカーか?
スパイクやすね当て等を購入するとしても一万以内に済ませられるだろう。
だけどそこまで払ってやるのかと考えるとな。
う~む。
こんな考えの時点で入部すべきではないよな。
真面目に部活をやろうとしているならばポイントを気にして控えるなんて事はしないだろう。
部活に入って道具を揃えて途中で辞めましたなんて事をしたら道具が無駄になるし、部活を途中で辞めるという行為は学校からの評価に影響するかも知れない。
3年間続けるつもりでないなら手を出せないか。
文化部も色々とあるがピンと来ないし。
うん?
最後は生徒会か。
暫くは沈黙していたがそれに騒いだ生徒が黙ると明らかに空気が変わる。
会長さんの威圧感はハンパないな。
堀北学か。顔と名前は覚えた。
学年が違うから関わる事はないだろうが。
生徒会の話しが終わると解散となる。
部活動の申し込みをしているCクラスの生徒もちらほらと。
俺はどうするか。
ここまで来て悩んでいる時点でダメなのだろうな。
部活動は止めておくか。
鈍らない程度に運動はするつもりではあるが。
優柔不断な自分が情けない。
中学の頃ならば考えずに柔道部とか、もしくは適当に運動系の部活に入部したのだろうな。
考えて行動するようにしたと言えるが決断力を失ったともとれる現状には情けなさがある。
はぁ~気分転換に帰りは少し良いものを食べて帰るか。