大勝利!!!
超特急で仕上げたお話なので誤字脱字や矛盾点多めかもしれません。
タンッ……
薄暗い空間で小さく鈍い音が響く。
俺はその音の出処に目を向けつつ、自身の手元を見て眉間にシワが寄るのを感じる。
現在俺と手持ちの三匹が一つのテーブルを囲うようにして一つの遊戯をしているのだが、俺と二匹の表情は苦しい表情だ。……もう一匹はそもそも表情が存在しないのだが雰囲気からして機嫌が良さそうだ。
タンッ……
今度は左前から先程と同じ様な音が聞こえ、俺の番になる。もうほぼどうしようもない状態だが、順番を回すためテーブルの上にある小さいモノを掴み……そのまま目の前に置いた。
そして右側に順番が回り……
べのめのん!
"上がり"の宣言がされた。
その宣言に合わせてウツロイドが手元にあるモノを開示する。13個もあるモノを器用に波打つように前に倒し、最後に自分の掴んだモノをその隣に置く。
平和・ツモ・ドラ2……そして"海底摸月"
親満で4000オール。
俺と他の二匹はそれぞれ手元にある点棒を苦々しい表情をしながらウツロイドに渡す。
そう、俺達は今"麻雀"と言う遊戯をしている。
南1局一本場
使った牌を全てテーブルの真ん中の空いた穴に押し入れ、穴を閉じるとテーブルからガシャガシャとやかましい音が聞こえてくるが、そんな事を気にしている余裕は無い。
現在半荘戦を行っており、宅を囲むメンバーは
俺(南)
ウツロイド(東)
エルフーン(北)
ドレディア(西)
そして既に東場が終了し、現在の順位は
一位 俺
二位 ドレディア
三位 ウツロイド
四位 エルフーン
そして先程ウツロイドが親満をかまして、一本場に突入している。
これが唯の一本場なら何の問題も無いが、ウツロイドの連チャンだけは不味い。
ウツロイドの"オカルト"は連チャンし始めたら手が付けられなくなる。
"ビーストブースト"は連チャンする回数に応じて場の支配を強めていく。つまりこのまま上がり続けると、誰もウツロイドの"海底摸月"を止める事が出来なくなるのだ。2本場になれば手牌が一気に進まなくなり、3本場になればほぼ場を手中に収めていると言ってもいい。
テーブルからの騒音が鳴り止み、牌がせり上がってくる。親のウツロイドが真ん中のサイコロを転がし、それぞれの手元に牌を持ってきて、再びゲームが始まる。
先程は特に場の支配も無かったのでそれぞれが自由に役を作っていたが、運悪く上がりまで持って行けず、ウツロイドに海底を掴ませる事態に成ってしまった。
故に、今度は場の支配がまだ弱い内に子の一人と二匹で親を流す事に集中する事をアイコンタクトで確認する。
そして確認した後の数巡後、ドレディアの捨て牌に反応してそれを鳴く。
「ポン」
白3枚を脇に寄せ、牌を捨てる。
俺が役牌を鳴いたのを見たからか、エルフーンとドレディアは協力して俺の当たり牌になりそうな物を捨てに行く。
順位で言えばトップである俺に振り込むのは余りよろしく無いのだが、そのような事は"ビーストブースト"の脅威の前には瑣末な事だ。今一番必要なのは早さと言う事を互いに理解している。
俺も最低限の役ができた事で、ただひたすら早さだけにこだわった手作りをしていく。そして何巡か一向に手が進まない状態になったが、それでも早い段階から協力したからか海底数巡前に何とか完成させる事が出来た。
「ロン、白のみ。1000点」
鳴き続けて、最後には裸単騎の状態になったが、そこにドレディアが上手く差し込みをしてウツロイドの連チャンを止められた。
俺とドレディアは何とかなったと安堵し、ウツロイドは親が流された事に少し悔しそうだ。
南2局
親がエルフーンに移り、エルフーンがニコニコしながら真ん中のサイコロを転がす。
……だがその笑顔に対してどうしようもない違和感を感じる。ただ自分の親番が回ってきて嬉しいのは解るが、それだけじゃ、あそこまでの笑顔には成らない。そう、あの笑顔は"イタズラ"が成功した時の――
「……まさか」
出た賽の目は「5」。山から牌を取っていくに連れて嫌な予感が加速する。そしてその予感は正しく、牌が全員に行き渡った時にソレは起こった。
ぷぷわ〜ん♪
エルフーンが手牌を前に倒す。文句のつけようが無いくらいちゃんと上がりの形が出来ていた。
天和、役満だ。
…………コイツ、やりやがった。証拠は無いが今浮かべてる笑顔だけで確信を得るには十分すぎる。ただ、言いたい事が色々有り過ぎる。
自動卓で積み込みとかふざけんな!!!
お前の"いたずらごころ"で"イカサマ"や"トリック"をしていたとしても自動卓でどうやったんだよ!
それにお前だけ世界観が違ぇ!俺含めて周りが百合オカルト麻雀バトル物してるのに、お前のソレは戦後日本玄人麻雀バトルだ!しかもやるなら「2の2の天和」だろ!「5の天和」とか意味不明すぎる。どうやって他家の山に積み込んだんだ!
何だエルフーン?ジェスチャーか?……そんな……オカルト……ありえません?
お前が言うな!
いやそりゃあオカルト使ってないだろうよ!でも物理でやったにしろ玄人が自動卓で積み込みとかもはやオカルトだろ!
……何々、レベルを上げて……物理で……殴れば良い?
オカルトを物理で殴るな!
その後の南2局一本場は子の視線が全員エルフーンに向いていた事もあって、悪さが出来なかったのか、ドレディアの安手でエルフーンの親が流れる。
南3局
現時点の順位は
一位 エルフーン
二位 俺
三位 ドレディア
四位 ウツロイド
役満を上がったエルフーンが一つ頭抜けており、それに続く形で俺とドレディアがほぼ横ばい。そこから少し離れてウツロイドだ。
俺とドレディアはまだ親が残っており、点差も東場での点差が効いているのか、逆転はまだまだ可能な点差だ。逆に親がもう無いウツロイドはかなり高めの役を二回上がらなければ逆転出来ず、かなり厳しい状態だ。
全員の手元に牌が行き渡り、先程のような特におかしいイベントも起きる事なく、粛々と牌を掴んでは手牌と入れ替えたり、入れ替えなかったりを繰り返す。
数回それを繰り返して、一向聴から手が進みテンパった牌を見て考える。そこには満貫の手が出来ていた。
タンヤオ・平和・ドラ2
リーチを掛ければツモか裏1跳ね。ダマってればツモで満貫、ロンで7700。
順位を見ればエルフーンからのロン上がりが一番だが、そうそう都合よく刺せる自信はない。河を見る限り、上がり牌はまだ山に残ってる。次の親で連チャン出来る保証も無し、ここは勝負に出る所!
「リーチ!」
宣言と共に字牌を横向きにして河に置き、リーチ棒を出す。
待ちはピンズの両面待ち。
悪くは無い待ちのはず。
そしてリーチ宣言と共にゲームの流れが少し遅くなる。
ウツロイドは現物を切ってきたが、河を見る限りオリでは無い。
エルフーンはベタオリだ。ノータイムで現物を切ってきた。
ドレディアは……攻めてる。スジではあるがピンズを切ってきた。だが残念な事に当たり牌ではない。
そのまま一発が付く事も無く、ドレディアとウツロイドが全ツッパして、エルフーンが俺だけではなく他の二匹にも注意を向け初めた頃に、俺はどうしようもない危険牌を掴んでしまう。
ソーズの2
恐らく上家のドレディアの当たり牌。ドレディアの河は一貫してマンズとピンズで埋まっている。最低でも混一色、下手したら清一色。
しかしリーチを掛けてるのでそのままそれを河に出す。
ピュイ
案の定ドレディアの鳴き声が聞こえ、仕方無いかと思っていると、ドレディアは"13枚"では無く"3枚"の牌を倒した。
あっ……
ロンじゃない、カンだ。普通ならリーチを掛けているのでそのカンは有り難いのだが、この場合そんな事を言ってられない。
ピュイ!
王牌から掴んできた牌をそのまま暗槓。そしてドレディアの手は再び王牌へと伸びる。
もうオチが既に見えてしまっている俺は呆けた顔でドレディアを見つめる。
ピピピュイ!
もう一個カン!と恐らく言っているのだろう。そしてドレディアは掴んだ牌を静かに倒し、縁に寄せた時、"はなびらのまい"が見えた気がした。
ピピピピピュイ
清一色・対々和・三暗刻・三槓子……そして"嶺上開花"
数え役満。
ただし大明槓の責任払い。
俺は飛ぶ。
避けようの無い災害を受け、FXで有り金全部溶かした顔をしながら点棒を渡す。
最終結果は
一位 ドレディア
二位 エルフーン
三位 ウツロイド
四位 俺(飛び)
自分に親が回らずに半荘は終了し、例の顔に成りながら俺はめのまえがまっくらになった。
…
……
………
「酷い夢を見た」
ベッドの上で目を擦りながら朝日を顔に浴びる。まだ一日が始まってすらいないのに、とても疲れた顔をしながら、今日もまた農家の一日が始まる。
なお他のポケモン達の能力一覧
ドヒドイデ マイナス収支の時上がりやすい(じこさいせい)
ラティアス ピンズの清一色特化(こころのしずく)
テッカグヤ 上がるほど差し込みも放銃も出来なくなる(ビーストブーストB↑)
ジュナイパー ステルス&オリれない(かげぬい)
ルナアーラ 月齢での海底撈月
フェローチェ 上がるほど点数が高くなる(ビーストブーストA↑)
コータス ドラ爆(ふんか)
ガブリアス 脳死リーチ