――――本当のことを言えば。
猗窩座には、
片時も途切れることなく、自分のことを呼ぶ声を聞いていた。
『――――……さん』
だが、それらの声を猗窩座は無視した。
己の内側に閉じ込めて、蓋をした。
鬼の本能に溺れたのではない、自分の意思でそうしたのだ。
何故ならば、
今はまだ、その声に応じることは出来ないと思ったからだ。
だが、同時にこうも思っていた。
いったい、いつなら良いのだろうか。
どこまで行けば、この声に応じて良いと思えるようになるのだろうか。
心のどこか、奥底で、猗窩座はずっとそう考えていた。
「行くぞ、杏寿郎!」
「来い、猗窩座!」
だが、それも今日までだ。
無惨が滅び、鬼も滅びる。自分も、滅び去る。
不思議と恐怖はなく、むしろ安堵さえあった。
永遠に訪れないはずだった終わりを目の前にして、猗窩座は己の死を思った。
自分はいかに死すべきか?
そんなことは、猗窩座にとって考えるまでもないことだった。
戦って、戦って、戦い続けた生き様だったから。
だから滅びる時も、自分は戦って滅びるべきなのだ。
「……………………」
「……………………」
名を呼び、構えて。
しかし両者は動かなかった。
一定の距離を空けて、睨み合う形になっていた。
そして最初の一声だけで、後に続く言葉も何も無かった。
(ど、どうして動かないんだ……?)
隠や、知己のように経験の浅い剣士は、2人が固まった理由がわからずに困惑していた。
しかし柱や鱗滝、あるいは炭治郎達のように
(空気がヒリついていやがる……)
不死川の目には、杏寿郎と猗窩座が繰り広げる
2人はすでに
見える者には、それが見えている。
そして同時に、力ある者達は猗窩座が
当然だ。無惨の死によって、猗窩座の肉体はこうしている間にも死につつある。
「……兄様」
そして、瑠衣も見た。
刹那の瞬間、何の前触れもなく、現実の2人が動くのを見た。
決着の時を、瑠衣は見ていた。
じっと、見つめていた。
◆ ◆ ◆
決着は、まさに一瞬だった。
杏寿郎と猗窩座の交錯は、たったの一撃で終わった。
しかしそれだけに、両者共に全霊の一撃だった。
「ぬ……!」
まず、杏寿郎が血を噴いた。
傷口の多くは背中だった。
身体の内側から外へ衝撃が抜け、弾けたかのようだった。
そして実際、それは猗窩座の拳打が身体の前面を穿ち、背中の傷口となって現れたものだった。
つまり、外傷以上に身体の内側の負傷が深刻だった。
「兄上!」
「大丈夫だ。大人しくしてろォ」
逸る千寿郎を、不死川が押さえた。
杏寿郎は確かに血を噴いた。
だが逆に言えば、それだけだった。
彼は倒れることなく立ち続け、一方で。
「…………見事だ」
一方で、猗窩座は膝をついていた。
頚に、切断の痕が見えた。
杏寿郎の日輪刀が、正確に猗窩座の頚を斬っていたのだ。
だがすでに頚の切断による死を克服している猗窩座にとって、それは死を意味しない。
ただ、
(……不思議な気分だ)
以前の猗窩座であれば、頚の再生と同時に追撃を放っていただろう。
いや、頚の再生を待たずに攻撃していたはずだ。
あるいは無惨が健在であれば、まだ攻撃しようという気にもなったかもしれない。
だが今は、そういう気にはなれなかった。
(嗚呼、俺は……俺は、
もはや思い出すことさえ出来ない、記憶の彼方の
古い記憶の彼方にいる誰かに赦しを請いたい。考えるのは、それだけだった。
それだけで十分だと、そう思えた。
それだけを持って、敗残の身として、地獄に行きたい。
「……杏寿郎」
声は、小さく、掠れて。
「感謝する」
舌が崩れて、音にさえならなかった。
しかし、杏寿郎にはそれで十分だった。
彼らは敵同士で、殺し合った仲で、そして――不思議な繋がりだった。
だから杏寿郎は膝を着くことなく、消えゆく猗窩座に背に向かって、言った。
「さらばだ、強き
猗窩座の肉体はもう、ほとんど崩れていた。
もちろん、耳も無い。聞こえるはずも無い。
だが杏寿郎と同じく、猗窩座にもそれで十分だった。
十分なのだと、杏寿郎にはわかっていた。
「逝ったか、猗窩座」
鬼は消えて。
その場には、青い彼岸花だけが残った。
知る人ぞ知る、
それが鬼の手向けになるとは、何とも皮肉なことだった。
◆ ◆ ◆
終わった。
今度こそ終わった。そんな空気になった。
隊士、そして隠達の喜びの声が爆発するまで、そう時間はかからなかった。
「炭治郎さん」
「あ、珠世さん……」
禰豆子を見ていた炭治郎の傍に、珠世がやって来た。
そう言えばと、炭治郎は思った。
珠世も愈史郎も鬼だ。そして鬼は無惨と共に滅びる。
だとしたら珠世も、と思ったのだ。
「大丈夫です」
だが、珠世は笑っていた。
少し顔色が悪かったが、消滅する、という切迫感は感じなかった。
「私と無惨の縁は、何百年も前に切れています。だから、無惨の死で私が消滅することはありません」
そして、と、珠世は続けた。
そっと、禰豆子の頬に振れながら。
「禰豆子さんも、大丈夫です」
元々、禰豆子は他の鬼とはどこかが違っていた。
最初から無惨の支配の枷が外れていたし、無惨もその存在に気付かなかった程だ。
つまり禰豆子は、とっくの昔に無惨から独立していたのだ。
だから無惨の死で、禰豆子が消滅することは無い。
「本当か!? 本当に大丈夫なんだろうな!?」
「うええええええええ良かったあああああああっ!」
「ええ、大丈夫。ただ、少し……身体が、重くなる……だけで」
「珠世様、もうお休みに……!」
禰豆子が死なない。
伊之助、善逸、愈史郎の騒ぐ様が、遠くに感じた。
その場にへたり込んで、炭治郎は禰豆子を見つめた。
覚悟していたのに、失わずに済むと思うと、もう駄目だった。
修行が足らない、と自分を律する必要は、もう無いのだ。
「炭治郎」
そこへ、鱗滝と冨岡がやって来た。
元々、口数の多くない2人である。
せいぜいが肩に手を置いたり、頷いて見せるぐらいだ。
しかしそれが、炭治郎にはたまらなく嬉しいことだった。
(嗚呼……)
良かった、と、ようやく思うことが出来た。
顔を上げて周囲を見れば、それぞれの「終わり」を目にすることが出来た。
死にゆく者達の終わり。
そして、生き残った者達にとっての終わりであり、始まりだ。
「兄貴……」
「……おう」
玄弥が、不死川――兄に、声をかけているのが見えた。
不死川はそっけない態度だったが、もうかつてのように突き放したりはしないだろう。
「師範!」
「カナヲ。アオイも来なさい」
蝶屋敷の面々。カナエを支えている。
亜理栖の血で身体を動かしていた彼女は、また不自由になるのかもしれない。
けれど、きっと心は不自由ではない。
そう確信させる光景だと、抱き合う少女達を見ていて思った。
(……終わったんだ)
この時に至って、炭治郎はやっとそう認めることが出来た。
そしてそんな風に「終わり」を共有する場に、息せき切って駆け込んで来た者がいた。
ひょっとこの面を被った少年。
つまり、小鉄だった。
◆ ◆ ◆
小鉄は走っていた。
それはもう走っていた。
何しろ最後の鉄で打った最後の刀を瑠衣に届けようとしていたのだから。
「この刀があれば、鬼なんていちころさ……!」
その一心で、ひたすらに駆けて来たのだ。
しかし現場に到着してみれば、もはやそういう雰囲気に無いことは明らかだった。
剣士や隠が歓声を上げているのを見れば、嫌でもそれがわかる。
「え、えー……終わった? 本当に?」
小鉄が到着したのは、無惨が死に、猗窩座も滅び、何もかもが終わった時だった。
もう日輪刀など必要ない。
はっきりそう言われたわけではないが、小鉄はそれを理解した。
もう、日輪刀が必要な時代は終わったのだ。
こうなってみると、陽光山が閉じたのは宿命だったのかもしれない、と思えた。
時代が、世界が、もう必要ないと言っていたのかもしれない。
小鉄が持つ日輪刀を最後に、陽光山も、刀鍛冶も。
役目を、追えたのだ。
「だとしても鴉で知らせるとかあったと思うんですよね。そういう気を利かせてくれても良かったと思うんですよね」
「う、悪かったって。でも俺達もいっぱいいっぱいだったんだよ」
「この、この」
「いて、いててて。やめろって」
後藤の腹を
もちろん、小鉄が刀を届けたいと思っていた相手だ。
「ところで、瑠衣さんはどこですか?」
「煉獄様の……あーっと」
もちろん、今さら日輪刀を渡そうというわけではない。
ただ、小鉄は瑠衣のために駆けて来た。
だから、きょろきょろと瑠衣を探したのだ。
「あ、すみませ……ん」
不意に、頭の後ろが柔らかいものにぶつかった。
振り向くと、そこに瑠衣が立っていた。
探し人を見つけた形だが、しかし小鉄は口を噤んでしまった。
何故かはわからないが、そうなってしまった。
「えっと、瑠衣さん……?」
見た限りでは、変わったところでは無かった。
怪我はしている様子だったが、そういうことではなかった。
目の前に立っているのに、
「瑠衣さん……?」
呼んでみても、反応は無かった。
そもそも瑠衣であれば、音もなく背後に立つなどということはしない。
思わず、刀を握る手に力を込めた。
どうしてそうしたのか、小鉄自身にもわからなかった。
◆ ◆ ◆
全部が上手くいった。
誰がどう見ても、大団円だ。
この世から鬼が消える。鬼によって人間が殺されることはもう無い。
それは、先祖代々続く煉獄家の悲願でもあった。
だから今日は、悲願が達成された記念すべき日だ。
喜ぶべき日だ。
祝福すべき日だ。
だからこそ、誰もが歓喜の声を上げている。
(これで良かったんだ)
このために、今まで苦しい思いをしてきた。
鬼殺隊壊滅の後も、諦めずに戦い続けて来たのだ。
それが報われたのだ。
死んだと思われていた者達も、無事だった。
(兄様も、千寿郎も、皆……皆が無事だった。生きていた)
嬉しい。嬉しい。嬉しい。
大切な人達が生きていて、これからも生きていける。
もう戦いはない。もう死ぬことはない。
これからの人生を、共に歩むことが出来る。
誰も、欠けることなく。
(良かった)
何度も、心の中で繰り返した。
これで良かったのだと。
何もかもが理想的な形で終わったのだと。
瑠衣は心の中で、そう繰り返していた。
(これで、良かった)
そっと立ち上がった時、小鉄の姿が見えた。
汗を掻いて、息を乱している様子が見て取れた。
何やら日輪刀を抱えていて、どうやらそれを届けに来てくれたのだとわかった。
ただそれも、今となっては意味がなくなってしまった。
(……意味がない?)
ふと起こった考えに、首を振った。
そんなことはない。
小鉄が懸命に走って来てくれたのは、自分達を助けてくれようとしてくれたから。
だから、意味がないなどということはないのだ。
そうだ。
意味がない、などということは無いのだ。
そんなこと、あるはずがない。
(だから、これで良いんだ)
だからこれが、正解の形なのだ。
(これで)
嗚呼。何て喜ばしい。
鬼は死んだ。皆が生きのびることが出来た。
こんなに喜ばしいことはない。
終わった。何もかもが、考え得る限り最善の結果で終わったのだ。
(良かった)
目を閉じる。
良かったと、心の中でもう一度唱えた。
そして。
(……
そして、瑠衣の言葉に。
(――――
次に目を開けた時、瑠衣の手には日輪刀が握られていた。
それは、小鉄の持っていた日輪刀だった。
◆ ◆ ◆
――――
陽が射したのはもう、いつ以来だろうか。
「素晴ラシイ!」
そんな世界の中心に、姉は立っていた。
ぱちぱちと拍手をしていて、まるで観劇でも見終わった後かのようだった。
ただし、最高傑作を見たというよりは。
出来の悪い、児童の
「実ニ、素晴ラシイ結末ジャアナイカ」
素晴らしい結末。
その通りだ。
何度も、そう何度も言うが、これ以上の結末など無い。
誰がどう聞いても、100人に聞けば100人が「そうだ」と言うだろう。
瑠衣も、同じ気持ちだ。
むしろこれ以上の結末を、どう望めと言うのだろう。
これ以上を望むなど、罰が当たるというものだ。
だからこれが、終わりで良いのだ。
千年に渡る「鬼退治」の物語、その最高の終幕として。
今日という日は、それこそ千年語り継がれるだろう。
「鬼ハ滅ンダ」
そう。
「皆ガ生キテル」
その通り。
「平和ノ夜ガヤッテ来ル」
そうだ。だからこの物語は、これで終わりだ。
ここで、幕を閉じるべきなのだ。
それが最も、美しい終わり方なのだから。
「ソウダネ。彼ラニトッテハソウダロウネ」
おかしな言い方をする。
それではまるで、自分が皆と違うようではないか。
自分だけが、鬼の滅亡を喜んでいないかのようではないか。
「ソウ、喜ンデイナイ。少シモ嬉シクナイ」
「そんなことない」
「ダッタラドウシテ」
どうして、お前は笑っていない?
「え……」
どうして、笑えないんだろう。
皆のように、胸の奥に湧き上がるような喜びを感じないのだろう。
良かった良かったと、頭の中では思いながら。
それを口に出せないのは、どうしてなのだろう。
「やめて」
違う。
蓋を、しなければ。
目を逸らさなければ、気付かないふりをしなければ。
そうしなければ、私は。
私は、もう。
「良イヨ。大丈夫、姉サンニ任セテ」
「やめて、違う」
「姉サンガ全部ヤッテアゲル」
「
「姉サンガ」
私はもう、今までの自分でいられなくなってしまう。
「姉サンガ、本当ニシテアゲル」
「やめて……!」
こんな。
こんな結末を。
私は、望まない。
――――だから。
◆ ◆ ◆
「瑠衣」
はっとして、顔を上げた。
目の前には杏寿郎がいて、自分に呼びかけたのは彼だとすぐにわかった。
まず思ったのは、何だろう、ということだった。
何故なら自分を見る杏寿郎の目が、酷く真剣だったからだ。
記憶にある限り、杏寿郎が自分を見る目は常に温かく、柔和なものが多かった。
鍛錬の時は厳しい
そう、まるで
「……兄様?」
どうして、そんな顔をしているのだろう。
どうして、そんな目をしているのだろう。
どうして、日輪刀を持っているのだろう。
どうして、そんな。
「瑠衣、それを渡すんだ」
「え……?」
言われて、手元を見た。
すると、自分があるものを持っていることに気付いた。
1つは小鉄の持っていた日輪刀だった。
何の変哲もない日輪刀で、瑠衣が持ったことで深緑に色が変わっている。
問題は、もう1つだった。
「これは……?」
左手の中に、
足元に金属製の鞄と、割れたガラス製の容器が落ちていていた。
中身は、おそらく自分が今持っている
だが、どうして自分は
――――青色の、彼岸花を。
「……?」
日輪刀もそうだが、青い彼岸花を手にした記憶は無かった。
顔を上げると、杏寿郎は変わらず自分に日輪刀を向けていた。
兄が、自分に、刀を向けていた。
いや、意識がはっきりした。
するとどうだ。杏寿郎だけでは無かった。
周りを見れば、他の柱達も、いやその場にいる剣士全員が、自分に日輪刀を向けていた。
はっきり言って、困惑した。
「え……え?」
戸惑ったが、しかし青い彼岸花を手放そうとは考えなかった。
いや、考えたとしても身体はそう動かなかった。
それどころか逆に、瑠衣の手は青い彼岸花を持ち上げていた。
「瑠衣、やめろ」
わかっているよ、と、瑠衣は言おうとした。
しかしそのために開いた口は、言葉を発することは無かった。
大きく、本当に大きく開いたその口は、別のことをした。
青色の彼岸花、
誰かが悲鳴を上げるのを、瑠衣は聞いた。
植物。花弁だ。味などしようはずもない。
これまでに食べた何よりも苦く、熱く、不味く、そして。
血の味が、した。
◆ ◆ ◆
誰もが気を抜いている瞬間だった。
鬼舞辻無惨の滅亡――悲願の達成した直後ゆえの、空白の一瞬。
だから、誰もの反応が遅れた。
何より、信頼度の高さが彼らの判断を鈍らせた。
何しろ、相手は瑠衣である。
不信の気持ちなど抱きようもない。
鬼狩りとしての実績も、個人の人柄も、誰もが信用を置いている。
だから小鉄から日輪刀を奪い、青い彼岸花を手にしても、どこか現実と思えないところがあった。
「……瑠衣さん?」
だから、炭治郎も咄嗟には動けなかった。
その上、理解も出来なかった。
瑠衣が突然、
その事実を前にしても、何も出来なかったのだ。
「瑠衣!」
そして実際に事が起こってからも、誰も動くことは無かった。
そもそも、「動く」とはどういうことだろうか。
よもや、攻撃するということだろうか。
煉獄瑠衣を、攻撃するということだろうか。
本来、柱を含めたこの場にいる剣士達の判断は早い。
それは、鬼との戦いにおいて一瞬の判断の遅れが命取りになるからだ。
しかしその判断力は、あくまで鬼との戦いのためのものだ。
人間と、まして仲間と戦うことを想定したものではないのだ。
「何てことだ……」
誰かが、呆然と呟くのが聞こえた。
それはそうだろう。
よりにもよって。そう、よりにもよってだ。
あの瑠衣が、そんな暴挙に出るとは誰も思わなかったのだ。
「かつて……」
愈史郎に支えられながら、珠世はそれを見ていた。
「無惨は、無力な若者でした」
珠世は長年の流浪の中で、無惨の過去についても調べていた。
そしてそれは、産屋敷家の歴史をほぼなぞったものでもある。
だから輝利哉も知っていた。
鬼舞辻無惨は、病弱なただの若者だった。
それが鬼と――青い彼岸花を原料とした薬を服用した結果――なったことで、強靭な肉体と不老不死を得た。
だが黒死牟を見てもわかるように、呼吸や痣を持つ者が鬼になればより強力な鬼になる。
ではもしも、人間・鬼舞辻無惨よりも強力な人間が
鬼舞辻無惨よりも遥かに強力な、鬼の始祖と化したならば?
「夜明けだ! 太陽が……!」
そして、夜明けが来る。
闇の時間が終わり、光が満ちる。
本来は勝利の光となるはずだったそれが、その場の全てを照らした。
中には、ほっとした者もいただろう。
あの無惨でさえ、太陽は克服できなかった、と。
だが、しかし、嗚呼。
嗚呼、何ということだろう。
太陽の光を背に、鬼狩り達を
「素晴
「願
弱点は、存在しない。
頚の切断!
太陽の光!
どちらも効果が無い。
無惨系統の鬼が数百年かかった成果を、彼女は一時で達成している。
完璧な生命!
究極の生物!
鬼舞辻無惨が追い求めてついに叶わなかったそれに、彼女は一時にしてなったのだ。
有り体に言えば。
――――煉獄瑠衣は、人間を
最後までお読みいただき有難うございます。
懸命に頑張って。
頑張って頑張って頑張って。
でもそんな頑張りが、なくても良かったんじゃないか、無意味だったんじゃないか。
そう思った時。
人間は実に素晴らしい顔をすると、私はそう思っています(え)
それでは、また次回。