鬼滅の刃―鬼眼の少女―   作:竜華零

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というわけで、第二部です(え)


プロローグ②

 ――――これは、おかしいのではないだろうか。

 自分が置かれている状況を俯瞰(ふかん)してみて、瑠衣はそう思った。

 もちろん、今さら悲劇のヒロインのように嘆いたりはしない。

 瑠衣は自分がヒロインだとは考えていなかったし、自分の扱いに対して不当を訴えようとも思っていなかった。

 

(まあ、今さら訴えるような()()もありませんしね)

 

 自分のこれまでのことを思えば、お姫様扱いやお客様扱いなど望むべくもない。

 そのくらいのことは、瑠衣は弁えている。

 だから今さらどのような状況に置かれたとしても、不平不満を口にするつもりは無かった。

 とは言え、だ。

 

(それにしたって、限度というものはあるでしょう)

 

 とも、思わずにはいられなかった。

 それ程に、今の瑠衣が置かれた状況は()()()()なものだった。

 ちら、と、視線を下に向ける。

 徐々に()()()()()()()()()()()()()()、瑠衣は溜息を吐いた。

 

(さて、どうしたものですか)

 

 煉獄瑠花()と離別したことで、瑠衣は不老不死を失っている。

 鬼の力も無く、かつて程の呼吸の力も無い。

 普通の人間よりも、ほんのちょっぴり優れているだけに過ぎない。

 

 もはや超人とはとても言えない。ただの小娘だ。

 なので、あんまりな状況を前にすれば「ええ…」という気分にもなる。

 (もっと)も、あんまりだ、と天に叫んだところでどうにもならない。

 

「ふーむ」

 

 別に本当に天に叫ぼうとしたわけではないが、視界を空に向ければ、そこには満点の星空があった。

 無数の星々が煌めいていて、都会では見られない素晴らしい宝石の夜空だった。

 これが原っぱに寝転んで見上げた景色であれば、さぞ心が癒されたことだろう。

 しかし今は、とてもそんな気分にはなれない。

 むしろ置かれた状況の深刻さがより深まって、また溜息を吐いてしまった。

 

「はあ……今の季節は、やはり冷たいのでしょうね……」

 

 頬を打つ冷たい夜風、掌に伝わる振動、足先に迫る水面――()()

 ()()()()()。比喩でも何でもなく、それは事実だった。

 胴体が半ばから折れ、舳先(へさき)側の先端部の手すりに掴まった形の瑠衣は、数秒後に訪れるだろう結末を前に、何度目かわからない溜息を吐いた。

 

(どうしてこうなったのでしたっけ)

 

 そして、今の状況に至るまでのことを思い返した。

 この期に及んで悠長なことだと自分でも思うが、どうしても考えてしまうのだった。

 いったいどうして、何故、こうなってしまったのか。

 今の自分の窮地(きゅうち)を生み出した、その原因を――――。




新章開始です。

ちなみにここからはぶっちゃけ遊び心で書くので、どうぞご容赦ください(え)
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