ハーレム女王を目指す女好きな女の話   作:リチプ

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109『女好き、夢の世界の特訓』

「改めまして!」

 

バン、とブルックが手配者を床に置きながらルフィの前で跪く。お、賞金首だったんだ。

 

「申し遅れました…!私、死んで骨だけ、名をブルックと申します!フダツキでございます!通称“鼻唄”のブルック!懸賞金3300万ベリー!昔、とある王国の護衛戦団の団長を務め、その後ルンバー海賊団船長代理“音楽家兼剣士”。今日より麦わらのルフィ船長にこの命!お預かり頂きます!皆さんのお荷物にならぬ様に、骨身を惜しまず頑張りますっ!!ヨホホホホ!!!」

 

「私もついでに挨拶しとくか。『ゴーストプリンセス』ペローナだ。そっちのお前達は私の怖さをよーく知ってるな?ホロホロホロ…覚えておけ、私はいつでもお前達を裏切る事が」

 

「イリス庇って包帯だらけの奴が何言ってんだよ」

 

「うっせェネガっ鼻!!これは、その…イメージアップだ!」

 

命懸けのイメージアップだねー。顔真っ赤にしてるとことか、もう言葉に出来ないくらい可愛い。

 

「鼻唄、お前からすれば私と同じ船に乗るのは嫌か?」

 

「美しいお嬢さんと同じ船に乗れて、嫌な気持ちになる男がこの世界に居ますか?」

 

女の私でも嫌な気持ちになんてならないっての!私は例外かもしんないけど。

 

 

…とまあ、こんな感じで平和に挨拶は済み、宴はまだまだ続いた。

それが終わってからもサニー号に積み込んだ財宝をナミさんが仕分けしたり、ブルックの船で大切に保管されていたルンバー海賊団の遺骨を運び出して土に埋め墓を造ったり、それなりに忙しい日々を送り、早2日が過ぎた。

 

そして今、遂に次なる島…魚人島を目指すべく、被害者の会と共にサニー号の前に集まっていた。

 

「……はぁ」

 

「イリス、どうしたのよため息なんか吐いて。昨日の朝からちょっと様子が変よ?」

 

「ああ…宴初日の日にね、王華が私に用事があるっていうから夢の中で会ったんだけどーーーーー」

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「……ん」

 

『あ、来た来た』

 

「…なにこれ」

 

宴ではしゃいで疲れていた私は、ペローナちゃんの胸に飛び込んで即睡魔に堕ちた。

そして呼ばれた通り、今この夢の世界に来た訳ですが…なんか、以前の様な暗闇じゃない。完全にどこかの部屋の中だった、それもかなり快適な感じの。

 

「何この80Vはあろうかと思われるデカ液晶テレビ!!壁一面に並べられてる本棚!!ソファー!テーブル!その上の高級そうなお菓子!!なにこれ!?」

 

『エアコンもあるよ、つける?』

 

「この空間で暑いとか寒いとかの概念無いでしょ…。ていうか本当に何これ」

 

いつのまに私の夢世界は金持ちになったんだろうか…。私の懸賞金に比例して記憶内装が豪華になっていくシステムでも働いてるんですかね?

 

『タネ明かしをすると面白味も何も無いんだけど、記憶の世界だから私の記憶にある物は何でも取り寄せられるんだよね。ついでに言うと場所も自由自在』

 

「わっ…!」

 

パチン、と王華が指を鳴らせば、見渡す限り真っ白の果ての見えない空間へやってきた。

せ、精神と時…いや、何でもない。

 

『今日からはここで、私と特訓しよう!』

 

「…へ?」

 

『寝ながら特訓出来るなんてお得だよね。この方法を見つけた私を褒めて欲しい!』

 

「ま、待って待って!特訓?王華も言うように私今寝てるんだけど…夢の中で特訓して何になるの?」

 

私がそういうと、ハァ〜と肩を竦めながらため息を吐かれた。何この気付かない私が悪いみたいな雰囲気。

 

『肉体の強化も良いけど、ここでするのは主に“覇気”と“ペイント”の特訓だよ』

 

「覇気…!……ペイント??」

 

『そう、ペイント』

 

何でペイント?私の将来の夢はハーレム女王であって画家では無いんだけど…。

 

『この先、どーーしても必要になってくる能力だから死ぬ気で覚えて。今のペイント力が仮に1だとしても、期限までに50までは上げてもらわないとダメだから』

 

ペイント力って何…。

だけど王華の顔は真剣だ。これで冗談でした、とは言わないだろう。……多分。

 

それに1番最初に言った“覇気”の特訓。確かにそれを行うならこの空間はうってつけだね。

あの技術は肉体を鍛えるというよりも、主にイメージが重要だっていうのは薄らと理解していた。ならば別に起きている時でなくとも特訓自体は問題なく出来るだろう。

 

「…分かったけど、それで、私は何すればいいの?」

 

『ほい』

 

またも王華がパチンと指を鳴らせば、私の目の前にナミさんのめちゃめちゃリアルな等身大フィギュアが色を塗られていない状態で現れた。

…ぽよんがえっちだ。

 

『イリスもこの夢の世界なら、私と同じようにイメージで物を創造出来るよ。まずはパレットと絵の具、筆を取り出して』

 

「うん。…むむむ……。あ、出た」

 

『じゃあ、早速塗ってみようよ。今のレベルを知りたいし』

 

「…ナミさんでしょ?いつも見てるのに出来ない訳ないじゃん。もっと難しいお題じゃないと成長なんてしないと思うけどーーーーー」

 

 

 

 

ーーーー

 

 

 

 

『…うーん、…見事、としか言いようがないかな。あれ程美しいナミさんをここまでヤバい見た目に出来る才能に震えるよ』

 

「な、ナミさん…!!そ、そんな…私、ナミさんに何て酷いことを…!!」

 

『海賊旗にナミさんとキスする自分のマークを描いたり、画力自体は悪くないんだろうけど…塗りのセンスが壊滅的だったね』

 

「ぐ…倍加すれば何とか…!!」

 

『技術力を倍加は出来ないでしょ…』

 

ち、ちくしょーー!!!ナミさんを汚してるみたいで、興奮…は今回のケースではしないかな!普通に申し訳なくて心が痛い!

 

『さ、じゃんじゃん行くよ。ナミさんに申し訳ないって思うのなら一刻も早く上達してね』

 

「お、鬼!!悪魔!!!せめて違う人にしてよ!!」

 

『はいミキータ』

 

「ちがーーーう!!!!」

 

 

…とまぁ、こんな感じで特訓は続いた。

ある程度塗りが終われば、次は覇気の修行に入る。修行と言っても素人2人しか居ないから、目隠しをして王華の攻撃を避ける、という分かりやすい見聞色の修行方法だけだ。

ちなみに夢の世界なのに何故か痛い。変にリアルな仕様いりません。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「ーーーーという訳で、肉体的にも精神的にもボロボロです…」

 

「へぇ…私も行ってみたいわね、その夢の世界とやらに」

 

「だめだめ、あんなナミさん見せられない…!…う、思い出しただけで頭痛が…!申し訳なさから来る目眩がァ…!」

 

がく、と項垂れてナミさんの胸に飛び込む。今癒されておかないと、夜が地獄なんだから!!本当に申し訳ないんだよ!大好きなナミさんをあんな…あんな風にしてしまう自分が情けない…!くー!!

 

 

「別れ難いなァお前ら、もう2.3日宴やってこうぜ!」

 

「だめだ!次魚人島なんだ!おれ楽しみなんだ!面白ェ奴いるんだろうな〜〜!!」

 

被害者の会の1人の誘いはルフィが断った。

魚人島か…。…人魚…!!

 

「ナミさんのマーメイド姿が見たいなー」

 

「キャハ!私ならいつでもなってあげるわ!今すぐ海に飛び込めばいいかしら!?」

 

「死ぬわよ、あなた」

 

そのままミキータを離さないでねロビン。彼女なら本当にやりかねない。

 

「人魚さんのパンツ、見せて頂いてもよろしいんでしょうか…」

 

「オイオイバカな事言うんじゃねェ!!人魚は…パンツなんかはかねェよ…」

 

……ぶっ。

 

「ん?何だか生暖かい……えっ、イリス?あんた何よその鼻血!まさかさっきの想像して…って、今までそれ以上の事しておいて今更鼻血ってどうなってんのよあんたの脳は!」

 

「いや…あの、想像したら何だか…えっちで」

 

普通に考えれば下半身魚だから履いてないのが当然なんだろうけど…!

ナミさんで想像したのがまずかったか…いやでもナミさんのマーメイド…す、素晴らしい…!!

 

「何でお前ら詳しいんだ?」

 

「ああ、3年前ここへ来んのに通ってきたからな!サイコーだぜ魚人島!」

 

「ローラ、あんた達“新世界”へ行ってたの?」

 

ローラ曰く、どうやら新世界に行っていた(・・・・・)のではなく、新世界から“来た”らしい。

彼女の母も海賊をやってて、しかも凄い海賊なんだとか。

 

「あ、そうだわ。コレあげる」

 

「紙?」

 

ローラがナミさんに懐から取り出した紙を破いて渡した。

 

「ママのビブルカード、特別よ?ナミゾウと私は姉妹分だからね」

 

「…?ビブルカードって?」

 

「え?知らないの?」

 

「ローラ船長、ビブルカードは新世界にしかねェんすよ」

 

新世界にしかない紙?凄い効果ありそう。

月にある石と一緒で、新世界の紙って東の海(イーストブルー)とかで売ったらとんでもない値が付くんじゃないかな…。

 

「これはただの紙じゃないのよ、濡らしても燃やしても平気なの!自分の爪の切れ端をお店に持ってくと、それを混ぜて特殊な1枚の紙を作ってくれるわけ。それが別名、「命の紙」ビブルカード」

 

「へぇ、命の紙…」

 

「それを離れていく友人や家族に破って渡しておくの。見てて、これは私のママから貰ったビブルカードね」

 

ローラがビブルカードを手の平に乗せると、風も吹いていないのにずりずりと動き出した。

…ホラーで使えそう。

 

「離れたカード同士は世界中のどこにいても引き合うから、私はいつでもママのいる方角が分かるって訳よ!距離までは掴めないけどね。便利でしょ、ママのビブルカードに私がサインしとくから、いつか何かに困ったらこれを辿ってママに会うといいわ。その時は私も元気にやってたって伝えてね」

 

「…そういえば今思い出したんだけど、その紙、ルフィ…」

 

「あァ、おれ、それ1枚持ってるかもな」

 

アラバスタでビビ…じゃない。エースに貰ったビビ。…じゃない。ビビがビビ。

…アラバスタを思い浮かべたらビビに会いたくなってきた…。

 

ごほん。

アラバスタでエースに貰った紙きれがそうなんじゃないかな。それが俺とお前を引き合わせる、とかなんとか言ってたよね。

 

「そういう意味だったのか、コレ。…あり?ちょっとコゲて小さくなってる」

 

「ちょっとアンタ!それ見せて!!」

 

ルフィが取り出したビブルカードを見てローラが血相を変える。

…私は王華からの情報もあるから、大体予想はつく。「命の紙」なんて別名が付くほどの紙がコゲて小さくなってるって事は…つまり。

 

「…気の毒だけど、この人の命…もう、消えかけてるわよ!!」

 

「え、えェ!!?」

 

…さて、ここからどうなるのか。

王華が何も言わなかったって事は、まだ猶予はあるんだろう。…もしくは、既に未来が変わってて時期が早まったか。

いや、それは無いか。もしそうなら今頃心の底で喧しいくらいに声が響いてる筈だ。それが無いって事は、ここまでは王華の想定通り。

 

「ルフィ…助けに行く?」

 

「……いや、いい」

 

あれ、珍しい。こっからエースの元に向かうのかと思ったんだけど。

 

「私は寄り道したっていいよ?みんなも同じだよ、ルフィの為なら命張るって」

 

「私は嫌だからな。…オイ、聞いてんのか?オイ」

 

「…ししし!いいんだ、気にすんな。万が一本当にピンチでも一々おれに心配されたくねェだろうし、エースは弱ェとこ見せんの大っ嫌いだしな。行ったっておれがどやされるだけさ。おれ達は出会えば敵の海賊、エースにはエースの冒険があるんだ」

 

……流石兄弟、良く知ってるね。

…エースには、一層死んで欲しく無くなったよ。

 

「でも、本人が弱ると縮むだけなのよ。また元気になれば元通りになるわ」

 

「そっか。なら、会うのはそん時だ!その為にエースはこの紙をおれにくれたんだ!」

 

「…ま、ルフィが良いなら良いけど、助けに行くって決めたら教えてよね、手伝うし」

 

私がそういうと、ルフィは笑って頷いた。

…助けに行くタイミングは、絶対に来る。だから私もそれまで準備しておかないと…!…ペイントとか。

 

 

そして、私達はローラを筆頭にした被害者の会のみんなに見送られながらスリラーバークを後にした。

因みに被害者の会にはブルックの乗っていた船をフランキーが修理してプレゼントしたらしい。勿論、ブルックの許可は取っている。

 

…次は魚人島かぁ。人魚楽しみだなぁ…、人魚姫ってやっぱり居るのかな?居るなら当然嫁にするんだけど…!

人魚姫を嫁にすればハーレム女王にまた1歩近付きそうな気がする…!!

 

 

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