ハーレム女王を目指す女好きな女の話   作:リチプ

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素でペダルとサドル間違えてたの恥ずかしすぎますね(笑)


114『女好き、天竜人だろうと嫁』

「じょ、嬢ちゃん!しっかりしろって!」

 

「うぇ…っ、ゴホッ、ゲホッ!み、水に潜るならそう言ってよ…!死ぬ…!」

 

みんなより先にスタートを切ったのは良いけど、トビウオが助走をつける為に水中に潜り…まぁお察しの状況になった。

ライダーが助けてくれなかったら死んでた…水怖い。

 

「嬢ちゃんが咽せてる間に人魚の居場所が分かったぜ!体はもう大丈夫か?」

 

「大丈夫かって言われたら寒いし力出ないし最悪だけど、大丈夫」

 

「悪かったって!!」

 

今は助走をつけて空中に飛び出したトビウオに飛び乗る事で同乗が叶い、ケイミーちゃんが居るという1番GR(グローブ)のオークションハウスへと向かっていた。

 

「くー!みんなもう着いてるんでしょ!?出遅れたー!!真っ先に出たのに!」

 

「だが嬢ちゃん、下を見てみな!」

 

「下?」

 

ちらりと下を見ればそこには大きな建物があった。看板には『HUMAN』と書いてあり、間違いなくここがオークションハウスだろう。

 

「え、早いね!」

 

「まァざっとこんなもんよ!どうする、下がろうか?」

 

「いや、いい!ありがとね!」

 

バッと飛び降りて屋根に着地する為防御力を倍加させる。結構高さあるからきちんと耐久値上げとかないと落下死しちゃ…、

 

「う…!?へっ!?」

 

屋根、脆ッ!!

着地した瞬間にズボッ、と屋根が衝撃に耐えきれず私を中に落とす。ちょ…潜入しようと思ってたのに〜!!

 

あ!!ケイミーちゃん居た!でも“商品”としてっぽいね…ステージ上で水槽に入れられてる。

ナミさん達も来てたのか!観客席で…あ、そっか、競り勝って正攻法で助けるつもりなんだ!

 

「でもごめん〜…このままじゃ私目立っちゃうよ…!」

 

会場内が騒がしいのもあって、私が屋根を突き破って落ちている事に気付いてる人は1人も居ない。

あー…落下地点に誰も居なきゃ良いけど…。

 

「5億で買うえ〜!!5億ベリィ〜〜!!!」

 

「…あ?」

 

丁度私の落下地点でそんな声がした。シャボンの様な透明マスクを頭全体に覆った奇抜ファッションの小太り男が…ケイミーちゃんを5億で買うと言ったのか?

 

「誰だか知らないけど…!!!!」

 

ケイミーちゃんは私の嫁(予定)だ!!!金で買える様な存在じゃないっての!!

それに5億なんて高すぎて正攻法じゃ敵わない、ここはもう無理矢理にでも正面突破で行こう!サンジ…技借りるよ!…えー、一般人だから…、

 

5倍灰(ごばいばい)…!」

 

落下しながら体を縦に回転させて勢いをつける。う…結構目回る…。けど…!

 

粗砕(コンカッセ)!!!」

 

「ブフゥッ!!?」

 

加減はしたけど、かなりの勢いをもって放たれた踵落としが奇抜ファッションの脳天に落ち、彼は目玉を飛び出させた後に気を失った。

めんごめんご、まぁ…ケイミーちゃんを買おうとした罰ってことでどうか1つ。

 

「い、イリス…!?」

 

「ナミさん!やー、ごめん!ケイミーちゃん助け出すのはやっぱり正攻法じゃ難しそうだから攻撃しちゃった!」

 

「それはいいけど、あんたが今気絶させた男は天竜人よ!」

 

………。

ぐるりと周りを見る。あー…皆さん私の事をヤバい人を見る目で見てますね。

……やっちゃった!!

いや、でもやっぱり天竜人とはいえケイミーちゃんを買おうとしたんだから脳天踵落としくらいは当然じゃない?ね?

 

「うわァ!!?」

 

今度は会場の入口から何かが突っ込んできて、砂埃の中から騒がしい話し声が聞こえてきた。

…ルフィとゾロ!それにしてもタイミング良いね。…あ、空からロビン、ウソップ、ブルックも来た。全員集合したみたい。

 

「ルフィー!私、天竜人蹴っちゃった!大将来るってー!」

 

「え!?何があったんだよ!!」

 

「ケイミーちゃんを買うって言うから!!」

 

「なら仕方ねェ!!」

 

だよね、仕方ないよね。うん。だからペローナちゃん、そんな泣きそうな顔しないで下さいお願いします。

 

「じゃ、やる事は決まってるわね?まずはケイミーを助けるわよ!」

 

「舞台裏のどっかにあると思うわ、ケイミーちゃんの首輪の鍵!」

 

首輪ァ!?…ホントじゃん!ケイミーちゃん首輪付けられてるじゃん!

…ムカつくなぁ、あの首輪。

 

「待ってイリス、あの首輪は無理に外そうとすれば爆発する仕掛けよ。下手に触らない方がいいわ」

 

「…ふふ、心配しないでロビン、鍵なんか要らない…ちょっと助けてくるよ」

 

タッと階段状になっている観客席から跳び、ステージにあるケイミーちゃんが入った水槽前に着地する。

ふむ…水槽は頑丈にフタされてるし、フタにケイミーちゃんの首輪の鎖が繋がれてるから無理に開けると彼女の首を閉めかねないな。ホント性格の悪い設計で腹が立つ。

なら…。

 

ケイミーちゃんにちょっと離れてて、とジェスチャーを送ると伝わったのか出来るだけ端の方に寄ってくれたので思い切り水槽を割った。

水に衝撃が吸われて破片がケイミーちゃんに飛ぶなんて事も無いし、無事に彼女もそこから脱出させられた。後は首輪だけど…。

 

「爆発は、『無理に』外そうとするから起こるんでしょ?なら、首輪は外さずに外すね(・・・・・・・)

 

「え?」

 

心配しないで、とケイミーちゃんに微笑んで首輪に手を添えた。

…首輪の機能はそのままに、そして首輪を外す事もしない。私にはそれが出来る…そうでしょ…!!

 

「倍加…!」

 

ぐぐ、と首輪の大きさが倍になり、小さなケイミーちゃんの頭からスポンと抜き取った。

外さずに取る…大きさを変えられる私には造作もない事だよ。ドヤ。

 

「ケイミ〜!ニュ〜、ありがとなァ女好きィ!!」

 

「何言ってんだか、別にあなたの為に助けた訳じゃないっての」

 

私の女を私が助けるのは当たり前じゃん!

 

「…ッ!!!おのれ、下々の身分で息子に手をかけただけじゃ飽き足らず、購入する予定の人魚まで解放したな!!!首輪も外すとは何を考えているんだえ!この世界の創造主の末裔である我々に手を出せばどうなるか…!!」

 

踵落としで沈んだ男と同じ服装の天竜人が、私とケイミーちゃんに向かって銃を乱射してきた。

だけどそれはサンジが間に入って相手が手に持つ銃を蹴り上げた事で治まった。

 

「生憎、うちの女王様に世界(・・)のアレコレは通用しねェんで」

 

「貴様…!ロズワード聖に!!」

 

天竜人の護衛も続々と出てきたが、ただの分厚い鎧を纏った雑魚だ。サンジだけじゃなく他の面々も動き出した今となっては相手にもならない。

 

「じゃ、あげるよ、大切な首輪なら自分で付けてたらいんじゃない」

 

輪投げの様に首輪を投げ、綺麗にその天竜人の首に通して倍加を解除する。

 

「き、貴様…!!!な、な…何を…ッ!?この私に…奴隷の首輪など…ォ!!」

 

「嬉しすぎて感無量って感じ?うんうん、似合ってるよ」

 

はは、態度は相変わらず大きいけど暴れなくなったね。あんまり動いたら爆発する仕掛けなのかな?自分で取ろうとしちゃダメとか?

 

「ぐ…!こ、この…下等な豚が…!!!何をやってる!!早く捕まえろ!!こやつら女は剥製にして、男はエサ抜きガリガリ奴隷の刑にしてやるえ!!…そして私は、そんな奴隷達に踏まれて人生を過ごしていきたい…」

 

「ネガティブ・ホロウ!…クソ!こうなりゃヤケだ!やっぱお前らと居るとロクな事にならねェじゃねェか!」

 

(ブレス)!キャハハッ!剥製ね…イリスちゃん以外の誰かにジロジロ見られるなんてごめんだわ!!1万キロ(ブレス)プレス!!」

 

「ぎゃあああ!!!」

 

ロズワード聖と呼ばれていた男もペローナとミキータの技で沈み、それを見ていた女の天竜人が「お父上様ーっ!?」と叫ぶ。くそ、天竜人のクセに可愛いな。

 

「ろ…ロズワード聖まで…!」

「また罪を重ねたな海賊!イカレてるぞコイツら!!」

「しかもあいつ、ロズワード聖に首輪を付けたぞ!?どこまでイカレてやがんだ!!」

 

イカレてるのはどっちだ、このクズ共が。人を商品にするっていう考えが気に食わないんだよ。

 

「このシャボンみたいなマスク外しなよ、せっかくの美人がくっきり見えないじゃん。後フェイスベールも」

 

ケイミーちゃんをハチに預けて女の天竜人の前まで移動し、シャボンマスクを割ってニタリと笑う。

彼女はガタガタと私を見て震え、それでも偉そうな瞳の色が消える事は無い。それこそが天竜人のプライドであり、あるべき姿とでもいうのか…どうでもいいけど。

 

「名前、なんていうの?」

 

「っ…誰が、…下等な者に高貴な私の名前を…!」

 

「おのれ海賊め!シャルリア宮にまで手を掛ける気かァ!!」

 

後ろから私に殴りかかって来た鎧の腹に振り向く事なく後ろ蹴りを放ち吹き飛ばす。

 

「へぇ…シャルリアかァ…」

 

「ぐっ…使えない奴らアマス…!」

 

将来的には私ってハーレム女王な訳だし、天竜人の1人や2人嫁にしておいても問題ないよね?それにそもそも可愛いんだよこのコ。ちょっと性格に難ありだけど。

 

「周りの護衛達は私や仲間に手も足も出ず、あなたの家族やあなた自身も私に敵わない…どうしよーかなー?ここであなたを殺しても、別に私は困らないし?むしろ奴隷達からはヒーローみたいに扱われるかもね!」

 

「…何故、私を亡き者にして奴隷達が下々の民を崇めるのかえ。理解が出来ないアマス」

 

「そりゃ、奴隷にされて、しかもその言動…かなり酷い事をしてきたんじゃないの?」

 

「酷い…?下々が私達、高貴なる神の一族の言いなりになるのは当然アマス。そこに悪感情が芽生える方が考え難いと言うもの…」

 

なんか凄い事言い出した。

そもそも、私達との価値観が違う…?例えば、産まれた時からずっと自分は高貴なる存在で、それ以外は家畜以下だと教えられて来たらどうなるのだろうか…。自我が成り立っていない段階から既にこんな事を当たり前の様に教えられ、刷り込まれ…洗脳じみた事をされた子供は…きっと目の前の女性みたいになってしまうんじゃないのか?

 

「…1つ私から言える事は…あなたは神の一族でも何でもないって事だよ」

 

「何を…!!ブッ!!?」

 

シャルリアの顔面を私の蹴りが刺さり、後方へ吹き飛ばした。それを見て1番驚いていたのは彼女の護衛ではなくナミさん達だ。

コツコツと1歩ずつゆっくりとシャルリアに進む。彼女の様な貧弱な体でも意識がギリギリ飛ばない様に加減したからまだ気絶はしていない筈だ。

 

「どう?痛いんじゃない?…そう、蹴られたら痛い。殴られても痛い。銃なんかで撃たれればもっと痛い」

 

「ゲホッ…っ、…ひィ…!」

 

「私達はこうして言葉も交わせる。多少の上下関係はあっても、明確な種族としての差なんて無い…じゃなきゃ、“神”が私の足元で転がってるなんてあり得ないよね?」

 

シャルリアのすぐ近くまで歩いて、倒れる彼女に近付く様にしゃがんだ。

 

「人を殺そうとするのなら、自分が殺される覚悟もするべきだよ。ほら、何泣いてるの?あなたが今までに直接的、もしくは間接的に殺してきた人達だってあなたと同じ様に怖かった筈だし、痛かった筈だし、無念だった筈だよね?」

 

「わ、私は…ッ、神の、末裔…!!わた、くしは…間違ってなど…!」

 

「間違っているか間違っていないかを考え出した時点で、とっくにあなたの中では迷いが生まれてるんじゃない?自分を恐れない、自分を殺せる相手が目の前に現れた事で視野が広がったんだね。…ただ安心して、私はあなたを殺さない」

 

震えるシャルリアの頰に手を当て、指をツー、と顎に向かって這わせていく。うん、流石に手入れの行き届いた、綺麗な肌だ。

 

「や、やはり、あなたも私に恐れて…」

 

「シャルリア、私の嫁にならない?」

 

「え?」

 

周りに居る客や、護衛兵と戦うみんなもギョッと私を見てきた。ナミさん達嫁一同は呆れた顔で笑っているけども。

 

「私の夢はハーレム女王。沢山の嫁を娶って、やがて世界一幸せな女になる。…その時は、私はあなたにも傍に居て欲しいな。そんな環境で育っておきながら…私の言葉で考えが揺らぐ様な柔く、優しいあなたに」

 

「……世迷言、を…。……そち、名は…?」

 

「これはこれはシャルリア様、私の様な下等な生き物の名を知りたいと?」

 

「う、うるさいアマス!私をこの様な目に合わせた者の名くらい、知っておきたいのは当然アマス!!」

 

焦ってるなぁ。なんか可愛くない?この人。鼻血垂らしてるし…、それは私のせいだけど。

 

「私はイリス。次に会う時はあなたを嫁に貰いに来るから…その時までに更に女を磨いておいてね。後…人としても」

 

ひらひら、と手を振って私を複雑そうに見るシャルリアから離れ、ナミさん達の元へ行く。まさか天竜人に嫁予約が出来るなんて思ってなかったなー、ラッキー。

 

「お前ほんとに見境いねェな、相手は天竜人だぞ…って言っても意味ねェのは分かってらァ!それよりイリス、早く逃げるぞ!海軍がこの会場を取り囲んでるそうだ!」

 

「ウソップ、何言ってるの?いくら海軍でもさっきの今で到着出来る訳…」

 

「それがイリスちゃん、どうやらオークションが始まる前から周辺で待機していたみたいだ。誰を捕まえたかったのかは分からねェが…、とあの野郎が」

 

クイ、とサンジが親指を差す方向には、足を組み、アザラシの様な柄のニット帽を被った男が大きな態度で座っていた。…う、凄く見たことある。王華が私の中で騒いでる気がした。

 

 

「ホラ見ろ巨人君、会場はえらい騒ぎだ」

 

 

「ーーーーーッ!!!」

 

「い、イリス?どうしたの?」

 

舞台裏の幕を破って、そこから巨人族の男と…白髪の老人が現れた。

私は反射的にナミさん達の前に立ち、咄嗟に女王(クイーン)化を使いそうになったのを堪える。

 

「……あのお爺さん…一体…!」

 

あの人が現れて、一瞬物凄い気迫を感じた。それはもう…青キジと相対している時と同じくらいの…とてつもない“強者”の圧。

 

「ありゃ商品じゃないか!どうやって檻から抜けて…」

 

商品!?あんなオーラ放つ強者が!?

…あり得ない。普通に考えて、あの人を捕まえようと思ったらバスターコールでも足りないレベルだよ。

 

「れ、レイリー!?」

 

「おお、ハチじゃないか!久し振りだ!何しとるこんな所で、あれ程この島では出歩くなと言ったろうに」

 

「ニュ〜…でもよ、麦わら達に恩を返してェと…」

 

しかもハチと知り合いときたか。…ということは敵じゃない…のか?それなら良いんだけど。

 

「ふむ…少々騒がしさが過ぎるな。…さて」

 

「ぅ…!?」

「ぁ…ッ!?」

 

「!…これは…っ」

 

白髪のお爺さんから“覇王色の覇気”が放たれた。それは会場に居る護衛兵達を皆昏倒させ、私達はそれに目を見開く。

…って、シャルリアまで泡吹いて倒れてんじゃん!あの爺…!私の嫁(予定)を…!!

と言っても…手は出さないけど。今あの人とドンパチ起こせば間違いなく大将戦まで体が保たない。覇王色を使用したことで疑念は確信に変わったんだし。

 

「その麦わら帽子(・・・・・)は…精悍な男によく似合う…!!会いたかったぞ、モンキー・D・ルフィ」

 

「ルフィ…知り合い?」

 

「知らねェ…!誰だこの爺さん…!」

 

まぁ…知らない相手に一方的に知られるっていうのは私達にとって珍しい事じゃないし…。

 

「悪かったなキミら、見物の海賊だったか…。今のを難なく持ち堪えるとは半端者では無さそうだな」

 

お爺さんが感心した顔でさっきのニット帽と、後ろの方で立ってる逆立った赤髪の男を見て言う。

 

「ーーーまさかこんな大物にここで出会うとは…」

 

「…“冥王”シルバーズ・レイリー…!!間違いねェ、何故こんな所に伝説の男が…」

 

冥王?…なんか青キジの口からそんな名前を聞いたことがあるような無いような…。って、あの話の流れだとやっぱりこのレイリーって爺さんヤバい人だよ!!

 

「んでおっさん、おれに会いたかったって何だ?」

 

「んん…話は後にしよう!まずはここを抜けねばな…」

 

「…あれ、ペローナちゃん、大丈夫?」

 

ペローナちゃんがしくしく泣いてたから聞いてみれば、レイリーの名に驚いて涙が出てしまったとか。可愛い。

 

「笑い事じゃねェぞ…分かってんのかてめェ…冥王レイリーって言えば…」

 

「キャハッ、その話は冥王も言ってた通り後にしましょう」

 

コクリとミキータに頷くと、外から拡声器で海軍の声が聞こえてきた。

 

『犯人は速やかにロズワード一家を解放しなさい!直「大将」が到着する。早々に降伏する事を勧める!!どうなっても知らんぞ!!ルーキー共!!』

 

「あらら、私がやらかしたのに“ルーキー共”だって。ルーキーって私とルフィでしょ?もしかしてあなた達も?」

 

「フン、俺達を知らねェのか?情報は力だぜ、“逃げ足の女王”さんよ。噂に聞く麦わらのルフィのイカレ具合は見れなかったが、代わりに女王は見れた。文句はねェが…今大将とぶつかるのはゴメンだ」

 

逆立ってる赤髪の男がそういう。この人も…隣の覆面からも強いオーラを感じるんだよね。

 

「あー、私はさっきの様な力はもう使わんのでキミら頼むぞ。海軍に正体がバレては住みづらい」

 

さっきの様な力って…覇王色の覇気でしょ?あれか、私達が覇気を知らないと思ってるなー?そりゃあ私が居なきゃ知る由も無いけどね?どや?

 

「長引くだけ兵が増える、先に行かせてもらうぞ。モノのついでだ、お前ら助けてやるよ!表の掃除はしといてやるから安心しな」

 

「ぬ」

「…ふん」

 

逆赤髪の男がそんな事を言いながら外に出ていくので、挑発に乗りやすいルフィと、同じく乗ったニット帽が逆赤髪を追って外に出て行った。

 

…大将の居ない海兵程度ルフィ1人でも充分だと思うけど…私も出るか、多少手こずってナミさん達に危害が及んだら面倒だし。

 

 


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