ハーレム女王を目指す女好きな女の話   作:リチプ

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11『女好き、北を目指す』

「できたぞ!!海賊旗!!」

 

海上を漂う最中、ちゃんとした海賊船“ゴーイング・メリー号”も手に入った私たちは海賊旗を作るところから始めようと言うことになった。

オニオンの旗を塗りつぶしてた頃から考えると…何というか感慨深いものではある。

ちなみに今完成したのはルフィ作の海賊旗だ。

全体的に絵がふにゃふにゃしており、麦わら帽子を被ってるってことだけは何とか分かる出来栄えだ…つまり絵心がない。

 

「よし、絵のことなら私に任せて!」

 

意気揚々と旗に絵を描く私。海賊旗ならこれでしょ!

 

「じゃん!」

 

出来上がったものを見せる。

ルフィは首を捻り、ウソップは呆然とし、ゾロははぁ〜とため息。

愛しのナミさんに至っては般若と化していた…何故!?

 

「あんた…この絵、なに?」

 

「なにって、ナミさんにキスする私マーク!」

 

「海賊旗を描くんでしょうが!!その旗を船に付けてもただの飾りよ飾り!」

 

私は最高傑作だと思ったのに、どうやらみんなには不評のようだ。

 

「海賊旗は“死の象徴”のハズだろ…。…まァある意味恐怖だけどよ」

 

「どこが恐怖なの!私のナミさんに対する愛で詰まってるでしょ!!」

 

「だからそれのどこが海賊旗なんだてめェ!!」

 

そのままゾロと掴み合いの取っ組み合いになりそうになったが、本当にそうなったら勝てる気がしないのでやめておこう。

 

「ウソップならこういうの得意なんじゃないの?」

 

とりあえずウソップに振ってみた。

結果は上々で、ウソップは結構芸術に長けていたので海賊旗はウソップ作のもで決定したのだった。

うん、やっぱりゴーイング・メリー号の海賊旗って言ったらこれだよね。凄くしっくりくるよ。

 

完成したということで、残り一つの海賊旗にも同じマークを描く。ゴーイング・メリー号のマストは2本だからね。

そして帆にも同じ絵を描けば…。

 

 

「よし!完成っ!!これで海賊船ゴーイング・メリー号の出来上がりだ!」

 

「おー」

 

船を見上げて感嘆の声を上げる。いや、普通に圧巻だよね。

 

「ん?」

 

不意にルフィを見ると、何やらせっせと大砲に砲弾を詰めていた。

おー!大砲もついてるのか、なんかかっこいいね!

 

そして遠くに見える岩に狙いを定めて発射した。残念ながら的には当たらなかったが大砲を撃つ瞬間を目の当たりにする日が来ようとは…。

 

「うまく飛ばねェもんだな」

 

「よしっ、ルフィ、次は私がやる!」

 

袖を巻くってふんすと大砲に弾を追加する。

 

「そんな体でよく砲弾を持てるよな」

 

「ウソップくん、私はこう見えても19歳なのだよ、砲弾くらい持てるのは当然さ」

 

「いやそれは違うだろ」

 

ビシッと突っ込むウソップ。

 

「よーし、発射!」

 

ドウン!と勢いよく飛んで行った砲弾は、岩のすぐ真横を通り過ぎて海に落ちた。

 

「あーっ!惜しい!」

 

「やれやれ、俺に貸してみろ」

 

ウソップが得意げに長い鼻を鳴らして大砲を撃つと、見事に命中した!

す、すごい!あれ、ウソップってONE PIECEじゃ狙撃手だったんだっけ?

 

「んナ!?言っただろう?俺は“狙い”に関しちゃすげェのさ。恐れ入ったら俺をキャプテンと呼んでいいぜ」

 

お調子者ではあるかもしれないが、狙撃の腕は確かな物だった。

 

そうして、海賊旗や大砲の試運転などを終わらせた私達は船内で少しの間体を休めることにした。

誰も外に居ないのはまずいのでは?と思うかもしれないが、その辺が適当なのが麦わらの一味である。

 

「そろそろ昼だし、ご飯にする?私が作ってもいいけど…」

 

ちらっ、とナミさんを見ると、悪戯な笑みを浮かべて頬杖をつく。

 

「私?いいけど、高いわよ?」

 

「な、何円ですか?」

 

「円?」

 

「あ、いや何ベリーですか!!」

 

仕方ないよね!だって無人島生活長かったし!!?ベリーなんて言うの最近知ったし!?

 

「でも、本来ならコックを勤めてくれるような人がいれば一番いいのよね、せっかく立派なキッチンがあるのに」

 

「うんめェ肉作ってくれねェかなァ…」

 

コックかぁ…。麦わらの一味には居た気がするけど…。

 

うーん…、と忘れてる記憶を何とか思い出す作業に没頭していた時、外のデッキで誰かが叫んだ。

 

「出てこい海賊どもォーっ!!てめェら全員ブッ殺してやる!!」

 

「おぉ、海賊旗の効果かな?」

 

一人感心してるとウソップとナミさんに変な目で見られた。いや、何かおかしなこと言った?

 

「おい、誰だお前!!」

 

放っておくと船の設備を壊し始めたのでルフィが怒って出て行った。

 

「相手何人だ」

 

「一人だと思う、みんなで叩く?」

 

「鬼かてめェは。ルフィに任せとけ」

 

ゾロがそういうので私も大人しくしておくことにしよう。

 

「でも一人で海賊船に乗り込んでくるなんて、よっぽど自信あるんだね」

 

私も2回ほど似たようなことしましたね。

 

「でも、ルフィが優勢だぜ、相手も弱くはなさそうだが…」

 

そりゃあね、相手が悪すぎるよ。

数ある海賊船の中でこの船を選んでしまったのは運が悪すぎるとしか…。

 

「あ、ルフィが勝った」

 

ナミさんがほっと胸を撫で下ろす。あの胸を揉みしだきたい…じゃなかった。終わったのと同時にゾロが様子を見に外に出た。

 

どうやら侵入者の名はジョニーと言って、賞金稼ぎをしているらしい。

そんなジョニーは以前は賞金稼ぎだったゾロと知り合いらしく、ゾロのアニキと呼んで慕っている。

ここからが本題で、船に乗り込んできた理由が病気でほぼ寝たきりの状態になっていたヨサクという賞金稼ぎ仲間を一先ず安静にさせようと岩山で休んでいた所、私達が試運転で放った大砲に岩山を砕かれた報復だそうだ。

本当にごめんなさい。

 

病名は不明で、症状は突然青ざめたと思ったら気絶を繰り返し、しまいには歯も抜け落ちて古傷が開くなど…普通にめちゃくちゃ怖い。

 

実際にヨサクが船の上に寝かされている姿は、もう息をするのすら苦しそうだった。

 

「“ヨサクとジョニー”っつったらよ、時にはビビる海賊もいるくらいの名になったよ…何年も共に「賞金稼ぎ」やってきた大切な相棒だぜ…!!アニキ、こいつ……!死んじまうのかなァ…!!」

 

ジョニーが泣きながら力なく項垂れるのをゾロは呆然と見ているだけだったが、その時ナミさんが怒ったように声を張り上げた。

 

「バッカじゃないの!!?」

 

「何だとナミてめェ!」

 

「あんた、俺の相棒の死を愚弄するとただじゃおかんぞ…!」

 

そんな二人にナミさんははぁ、とため息をついて私達を見る。

 

「ルフィ、ウソップ!あんたもほら、キッチンにライムあったでしょ!?絞って持ってきて!」

 

「「ラ…了解(ラジャー)っ!」」

 

すぐに小樽一杯に絞って持っていくと、ナミさんがそれを飲ませてと言うので言う通りに飲ませる。

 

「壊血病よ、手遅れでなきゃほんの数日で治るわ」

 

「本当ですか姐さんっ!!」

 

「その呼び方やめてよ」

 

凄い、私なんて怖いなー、くらいしか思ってなかったのに…。

 

「一昔前までは航海につきものの絶望的な病気だったの、でも原因はただの植物性の栄養の欠乏。昔の船は保存のきかない新鮮な野菜や果物を載せてなかったから…」

 

「お前すげーな、医者みてェだよ」

「俺はよ、お前はやる女だと思ってたよ」

「当然っ、誰の嫁だと思ってるの?」

 

「船旅するならこれくらい知ってろ!!あんたたちほんといつか死ぬわよ!!あとあんたはいい加減にしろっ!!」

 

そんなこんなでヨサクは急死に一生を得て、何とか命を繋ぎ止めることができたのであった。

 

「でも、これは教訓ね」

 

「今回は対処が簡単だったからいいけど、本当なら医者がいてくれるのが一番だよね」

 

みんなで頷く。コックもそうだけど、医者だって船旅には必須なのだ。今回はみんなで意識のすり合わせを行えたと思っておこう。

 

「でも今回の件に関しては完全に栄養失調!コックがいれば起こることはない病気だね」

 

「よし決まりだ!次はコックを仲間にしよう!なにより船で美味いもん食えるしな!」

 

ルフィがそういうと、ジョニーが手を上げる。

海のコックを探すならうってつけの場所がある。そういうジョニーが言った場所は“海上レストラン”と呼ばれる場所らしい。

 

ここから北に2、3日船を進めれば着くらしいが、気をつけないとそこはもう偉大なる航路(グランドライン)のそばだという。

 

ゾロがずっと探してたという“鷹の目の男”という存在もそこには姿を見せた事があるらしく、ゾロの表情からは喜びと期待の感情を感じとる事ができた。

 

こうして、私たちは2、3日の間北を目指す事が決定したのである。

 

 

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