ハーレム女王を目指す女好きな女の話   作:リチプ

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120『女好き、目的地変更、必然の寄り道』

私が天竜人を蹴ったと聞いた途端、明らかに動揺している3人に首を傾げる。そんなの気にする人だっけ、特に女帝さん。

 

「そんニャ事をしでかして中枢の“最高戦力”から逃げ切れている奇跡…!事件の日からたった2日でこんな遠い土地へ到達している事実、色々と理解し兼ねるがな…。小娘の方の異名は『逃げ足の女王』…流石の逃げ足と言った所じゃな」

 

「ちょっと待ってよ、私、その名にはほんと異議申し立てるからね!それに天竜人の事もさ、あのヒト私の嫁を買おうとしたんだよ、そりゃ許せる訳ないじゃん!」

 

ほら、ルフィだってうんうんと頷いてるし。

あの時はケイミーちゃんを助けなきゃって必死だったし!!

 

「ーーーでは、天竜人に手をあげたのは事実か」

 

「足ね、踵落とし」

 

「…まだそんな、大バカ者(・・・・)が……この世界におったのか…!!命を顧みず、“天”に挑んだ彼の様な者が…!」

 

私が女帝にそう言えば、彼女は手の平でその小さな顔を覆い隠して涙を流した。

…何か、相当なワケありっぽいね。

 

「この世界が私を拾っただけだよ。それに…彼って…?ああ、勿論言いづらいなら言わなくてもいいからね」

 

「いや…そなたらには、全て話す。そなたの魚人の友が額に刻むシンボルの意味も…!」

 

意味…海賊団のマークってだけかと思ってたんだけど、もっと深い意味が隠されているって事…?

疑問に感じて眉を寄せれば、女帝は再び背中を向けて髪を避けた。背中の中心に焼き付けられた蹄の様なマークがしっかりと見える。

 

「これは…“天駆ける竜の蹄”…「天竜人」の紋章じゃ」

 

「!!」

 

「「世界貴族」に飼われた(・・・・)者に焼き付けられる…一生消える事のない“人間以下”の証明…!!」

 

は……、と口から声が漏れた。女帝はすぐに上着を羽織り、私の目を見る。

 

「わらわ達三姉妹は…その昔……、…世界貴族の奴隷だった…!!」

 

 

そこからは、それはもう酷い話だった。

女帝…「ボア・ハンコック」が12の頃に3人とも人攫いの手に掛かり売り飛ばされ、その先で天竜人に買われ、奴隷として天竜人の物となった。

記憶は始終蘇るらしく、当時はその環境から何の希望も見出せずに死ぬ事ばかりを考えていたと…。

話の途中でサンダーソニアが頭を抱えて奇声を上げたのを見て、私はその時彼女達が負わされた屈辱や絶望が計り知れない物だと察する。そして…それを“オシャレ”だと抜かしたどこぞのバカに対する怒りも…。

 

「ーーだが、4年経ったある日の夜、世界政府が青ざめる様な事件が起きた。天竜人には誰も逆らわない、それが鉄則の世界…あの赤い土の大陸(レッドライン)を素手でよじ登り天竜人の住む聖地マリージョアへ1人乗り込んだ男が居たのじゃ。彼こそが…後に魚人海賊団を率いる冒険家…“フィッシャー・タイガー”。魚人達を多く虐げるその町の“奴隷解放”の為…彼は力の限り暴れ回った…。種族として人間を嫌ってはいても奴隷達に区別せず何千人ものあらゆる種族を解放してくれたのじゃ。わらわ達も決死の思いで逃げた…!彼には計り知れない恩がある…!!」

 

それは…まるで英雄みたい…いや、英雄だ。

そこで捕まっていた女帝…ハンコック達の様な立場の者からすれば、それは暗闇に灯った一筋の光。必死にそれを見失わない様に逃げてきたんだろう。

そしてその光を生み出したのが…フィッシャー・タイガー。

 

「タイガーは多くの魚人達を海へ解放したが、奴隷だった者達の烙印が消える事はない…世界政府を敵に回したタイガーはその者達と“タイヨウの海賊団”を結成し外海へ飛び出したのじゃ…!まるで呪いをかき消す様に…皆の体に刻まれた天竜人の紋章を太陽のシンボルに変えて!」

 

「…!」

 

そっか…蹄の紋章の上から太陽の紋章を新たに刻んだんだ…。そうすれば奴隷だった過去は周りからは分からないし、奴隷以外の人達にも同じ紋章を刻めばもう特定など出来る筈もない。

だからハチの額にそのマークがあるからと言って、ハチが奴隷だったとも言い切れないって事だろう。

 

「ちニョみにフィッシャー・タイガーはもう死んで、魚人海賊団は…いくつかの一味に分裂したようじゃがな…」

 

というと、アーロンとかもその系統だったって事か。

 

「くしくもわらわ達は奴隷であった時…余興で口にさせられた“メロメロの実”と“ヘビヘビの実”の能力のお陰で国をダマし(・・・)…秘密を守る事が出来ている。もしあの時そなたがソニアの背中を庇ってくれなければ、そなたがわらわの身を自由にしてくれなければ…わらわ達はもうこの島にはおれぬ所であった…。誰にも過去を知られとうない…!!例え国中を欺こうとも…わらわ達は一切のスキも見せぬ!!もう誰からも支配されとうないっ…!!誰かに気を許す事が恐ろしい…!…恐ろしうて…かなわぬのじゃ……、っ……!」

 

「…ルフィ、ちょっと私の体持ち上げて」

 

「おう」

 

ハンコックが涙ながらに語った過去と背中のマークの全て…それらを聞き終わった私はルフィに頼んで体を動かして貰う。

ベッドを降りて、床に膝をついて額も床に擦り付ける様に置いてもらった。所謂…土下座だ。

 

「…!そなた、何を…」

 

「私が最初、あなたの背中を見て言った事が…どれ程クズな行為だったのか分かった…。こんな謝罪で許される様なものじゃないと思う、本来はあなたに、そしてその妹達に殺されたって文句は言えない…!だけど…私は今死ぬわけにはいかないから…だから、私からこんな事言うのはお門違いだって分かってはいるけど、許して欲しい…!!ごめんなさい…!!」

 

知らなかった、で済まされる内容では無い。彼女達の心の傷を…私はあの時抉ってしまったのだろう。

自分から傷つけておいて許して欲しいだなんて…いくら何でも最低だと思う。

だというのに…、

 

「もう、よい…。何も知らない者が見ればこれはただの焼印じゃ…。だが、これだけは聞かせてくれぬか?」

 

こんな、あっさりと…私を許してしまうの?

 

……それはまずい。

…私特有の発作が…!

 

「そなたは…、奴隷であったわらわを…蔑むか?」

 

「絶対に、蔑んだりしないし、もし今後そんな輩が現れれば私が許さない…!!だから…私の嫁になって!!」

 

「えっ」

 

ニョン婆の口から間抜けな声が漏れる。

だって…だってさ!私、彼女達に何したと思う!?本当に許されざる事をしたからね!だと言うのに簡単に許してさ、しかも話を聞く限りでは闘技台で背中を隠したルフィと手伝った私に感謝までしてるって…!?そんなのさ、あぁそうだよ、そんなの…私が嫁にするのを我慢出来る訳ないじゃん!!そりゃー私は彼女達に酷いことしたよ?だけど嫁にするのは我慢出来ない!

 

「…ふふ、そなたを気に入ったぞ。わらわの話を聞いて…まだその様な冗談で場を和ませるとは…。目的地を言え、船を貸そう」

 

「えっ」

 

今度は私の口から間抜けな声が漏れる。

涙を拭いながらそう言ったハンコックへ訂正の言葉を並べたいけど、何かそういう流れでも無くなってきた。せめて体を動かす事が出来れば…!体をォ〜…!!

 

「本当か!?おれ達シャボンディ諸島に行きてェんだ!」

 

「ちょ、ちょっとルフィ…!まずは冗談と思ってる事について訂正を…!」

 

「それは後でもいいじゃねェか、イリスならいつでも出来るだろ?」

 

何その信頼は〜!仕方ないね!ルフィがそう言うなら仕方ない!…誰か今チョロいって言った?

 

「ルフィ…そしてイリスと言ったな、出航は明朝、九蛇の海賊団にシャボンディ諸島まで送らせる。今夜は航海に向けて骨を休めておけ」

 

…1番最初に会った時には想像も出来ないくらい優しい声だ。やっぱり私は…この人を嫁にしたい…!

でも明日の明朝出発で、ハンコックも一緒に来る様な言い方じゃなかったからな〜!今から明日の朝までのどこかで口説いておかないと…あとマーガレットも。

 

「あ…忘れてた。あのさ、重ね重ね申し訳ないんだけど…パレットと絵の具無い?」

 

「?町にはあると思うけど…案外素敵な趣味を持ってるのね」

 

「はは…まぁね。あるなら良かった、また買ってくる」

 

それが無かったら始まらないからね…。いつもは夢の世界で練習してるから、念じればパッと手に持つ事が出来るけど現実ではそういう訳にもいかないし。

 

「よい、それも明日までにわらわの方で用意しておこう。今すぐ必要ならすぐにでも持って来させるが…」

 

「え、いいの…?遠慮しないよ?くれるっていうなら貰うからね!でも今すぐは大丈夫かな、明日でお願いします」

 

「聞いたな、ソニア、マリー。明朝までに用意を済ませておく様に伝えておけ」

 

はい、と返事をして部屋を出て行く2人。

本当に何から何までありがたいなんてモンじゃないよね。

いつエースを助けに行くのか分かんないからパレットの用意は早めにしておかないといけないし。

 

 

 

***

 

 

 

 

「うめェ!イリス、これうめェぞ!」

 

「ふふふ…料理なんかで喜ぶとはまだまだ…もぐ、美味しい…けど!見て周りを!女の子だらけのこの空間を!!」

 

現在私とルフィは、九蛇城の大食堂でこの国の民や戦士達と宴を開き盛り上がっていた。

ルフィは当然料理をばくばくと食べ、私は素晴らしきこの空間にほろりと涙を流す。

 

「わーホントに伸びた!」

「はい、もう終わりよ」

「え〜もう1回!」

「じゃあ次私!」

「その次私!」

 

「食いづれェな!なんだ人の体つついたり伸ばしたり!!おれを触るくらいならイリス触れよ!!」

 

「記念に男を触りたいってコ達が多いのよ、ほら」

 

綺麗なお姉さんがルフィの横に一列に並んだ物凄い長蛇の列を見せてきた。その手には1タッチ20ゴルと書かれている看板が…。商売魂逞しいな…。

 

「いいなぁ…私もチヤホヤされたい…!私、実は男なのー!!!」

 

「「「それは無い」」」

 

そ、そんな…!ルフィだけそんなの…ずるい…!!

 

「触らせて〜!」

「つつかせて〜!」

 

「やめろおめぇら!メシ食えねェ…おい!……こうなったら…!」

 

バッと腕を伸ばしてこの場にある1番大きな肉を掴んでルフィは逃げた。そしてそれを追いかける女の子達…。

…どんだけ人気あるの、さっきまで沢山人居たのに、今じゃ殆ど人が居ない…ぐすん、私の人気の無さに涙が出てくる…。

 

「寂しそうね」

 

「!…あ、マーガレット!!」

 

動けないのでくでーんと机に上半身を預けていると、隣にマーガレットが座ってきた。良かった、私にはまだ彼女という光が残ってたんだ!うう…状況も相まって天使に見える…。

 

「寂しいなんてもんじゃないよ…だけどもう平気!マーガレットが来てくれたから」

 

「そう、良かった」

 

そう言って柔らかく微笑むマーガレットに少し赤面してしまう。あれ…マーガレットってこんな感じだっけ。もっとこう、男勝りな喋り方をしていた記憶があるんだけど。

 

「マーガレット、なんか喋り方とか…雰囲気柔らかくなった?」

 

「?…ああ、最初会った時の話ね。そりゃあ侵入者には言葉遣いも荒くなるわよ。…だけど、もうあなた…イリスは侵入者じゃなくて蛇姫様の客人、そして私達の命の恩人だもの、いつまでもあんな態度は取れないでしょ?助けてくれてどうもありがとう、イリス」

 

「いいよ、命の恩人だとか気にする事無いのに。それなら、お礼として私の嫁は来てくれたりしない?」

 

「最初も言ってたわね、私なんかで良いの?」

 

おおっと、ダメ元で誘ってみたら案外いい感じの返事きた!もう黄猿顔負けの光の速さで頷いておこう!

あと、私がハーレム女王を目指している事も言っておかないと…。

 

 

 

 

 

「ハーレム女王……なかなか気が遠くなる話ね。だけど…私をその1人に加えてくれるって事でしょ?それなら断る理由が無いわ。元よりあなたが居なければ無くなってた人生だし…捧げるならやっぱりあなたに捧げたい」

 

「ほ、ホント!?やった、ありがとうマーガレット!」

 

私の嫁になってくれる人達ってどうしてこうも聖人が多いのか…!ふっふっふ…やはり私の見る目が素晴らしいという事なのでは…!?

 

 

「うわあああああ!!おめェらしつこいな!メシ食わせろ!」

 

「待って〜!」

「触らせて〜!!」

 

 

1周して来たのか、外から騒がしい声が聞こえてきた。

はぁ…ここから良い雰囲気に持っていってキスの1つや2つしようと思ったのに、これじゃ出来ないじゃん!

 

「マーガレット、ルフィが静かにご飯食べられる場所ない?」

 

「うーん…あ、あそこなら…」

 

 

ここは一旦周りを静かにする事から始めようと思った私は、マーガレットに頼んで場所を変えてもらう事にした。

静かな場所に心当たりがあるマーガレットの案内で、まずはルフィを捕まえて女の子達を振り切りその場所を目指す。因みに私はマーガレットに横抱きされてる状態だ、最高!

 

「よっと、…あれ、お前らなんか距離近くねェか?」

 

「珍しく鋭いねルフィ。そりゃ当然、マーガレットはもう私の嫁だし!」

 

「なんだ、じゃあ後はあいつだけか」

 

そう、最終的にはもっとこの島で嫁にしたいコ達は沢山いるけど、とにかく今狙っているのはハンコックだ。

彼女自身が皇帝という立場だから会えるかどうかも怪しいよねぇ…どうしても会うのが無理そうなら無理矢理にでも会いに行くけど。

 

 

そんな感じでそれなりの距離を走り、この国の1番片隅にある家へとやってきた。屋根伝いに走ってきたのでバルコニーに飛び乗って周りを見ればニョン婆が椅子に座って新聞を読んでいる所だった。ここはニョン婆の家なのかな。

 

「どうしたニョじゃ、マーガレット」

 

「ルフィが村の女のコ達に大人気になっちゃって…」

 

「おー!豆バーさん!」

 

「まー男ニャど珍しいからニョー…ここは村の片隅、ゆっくりして……おぬし!豆て!!」

 

ちっちゃいから豆ばーさん?失礼すぎて安心する、ルフィらしい。

…そんな事を考える時点で私も充分失礼か。知らない間に随分考え方が海賊寄りになってるのかな。

 

「ここならゆっくり出来るね、マーガレット」

 

「そうね、じゃあ私はちょっとお茶を淹れてくるわ。良いですか?ニョン婆様」

 

「うむ」

 

ここには結構来るのか、迷いなくマーガレットは家の中へと入ってお茶を淹れ始めた。

でも確かにここの雰囲気は良いね…、静かで、風も気持ちいいし。

 

「バーサン新聞好きなんだなー」

 

風の帯(カームベルト)にはニュース・クーが来んニョでな…なかなか手に入らニュが…我が国の皇帝が“七武海”である以上この世の情勢くらい知っておかねばまずかろう」

 

ブッ、と何も口に入れていないのに吹き出しそうになった。え、え!?ハンコックってそうなの!?そりゃ強い訳だ…。

 

「ハンコックって七武海だったんだ…」

 

「蛇姫がこの国の皇帝、並びに「九蛇海賊団」の船長となったのは11年前。あのコはまだ若かったが、たった1度の遠征でその首に8000万の懸賞金を懸けられた。元々轟いておった九蛇の悪名と相まって、中枢の者達は即座に蛇姫を警戒し七武海への加盟を勧めてきたニョじゃ…。じゃからおぬしが蛇姫に勝った時は驚いたもニョよ」

 

あれ、気付いてたんだ。と言うことはニョン婆もかなりの実力者だね。

 

「…だが、今やその称号も剥奪の危機」

 

「え?」

 

「海軍本部からの強制招集に応じる気が蛇姫に無いニョじゃ。「七武海」と「海軍本部」が…「白ひげ海賊団」と戦争する為の強制招集じゃ、断れば剥奪は免れニュな」

 

「え!?何だそれ、どうなるんだよっ!!」

 

流石のルフィでも驚いたのか声を荒げた。

そのタイミングでマーガレットがお茶を持ってきてくれたのでお礼を言い受け取ってひと口…あ、美味しい。

 

「呆れたもニョじゃ…無知にも程がある!ーーただ、その話はあくまで予測じゃ。しかし十中八九戦いは起こる!」

 

「どうして?」

 

「世界政府は打って出たのじゃ…“白ひげ”は仲間の死を決して許さぬ男、それを知ってなお……“白ひげ”の優秀な部下、ポートガス・D・エースの“公開処刑”を発表した…!」

 

………!!!!

 

「え…誰だって?」

 

「エース、“火拳のエース”じゃ」

 

「エースが…処刑…!?」

 

…間違い、ない…!!ここだ、このタイミングだ…!!

今夜は王華と色々話し合わないと…これからの作戦とか、私がどう動けばいいかとか!

…だから今はとりあえず…!

 

「ルフィ、次の目的地…変更で決まりじゃない?」

 

「!…わりい。…バーサン、エースはおれの兄ちゃんなんだ!!公開処刑ってどこでやるんだ!?」

 

「何と…!?…!…海軍本部を有する町、マリンフォードの広場…1週間後とあるニョで今から実質“6日後”か…!」

 

ふーむ…となるとやっぱり1度シャボンディに戻ってるような時間は無さそうだ。そのままマリンフォードへ向かうしかないだろう。

 

「マリンフォードまではどうやって行くの?」

 

「いや、今はまだインペルダウンに幽閉中じゃ、マリンフォードに行った所でエースはおらニュぞ。インペルダウンまでなら海賊船で1週間…海軍船なら4日という所じゃ」

 

何で海軍船はそんなに速いのかと尋ねた所、どうやら世界政府専用の海流があるらしい。

エニエス・ロビー、インペルダウン、海軍本部、変形した巨大な渦潮がこの3つの機関を繋いでいるそうで、それぞれの持つ正義の門を開閉する事で海流を流し込み3つの機関へ到達出来るって仕組みだそうだ。つまりその海流に乗れた所で、門が開かなければただ渦に乗り続けてぐるぐるするだけ… 外輪船(バトルシップ)さえあれば話は変わってくるんだろうけど。

 

「……!!」

 

ルフィが麦わら帽子からエースのビブルカードを取り出せば、それはかなり焦げて小さくなっていた。つまり…エースがかなり弱っている事を意味する。間違いなくスリラーバークで見た時より小さくなってる、急がないと手遅れになるんじゃ…!

 

「おれ、エースを助けに行きてェ!!」

 

「…!それがどれ程無謀な事か…この戦争がいかなる規模のものか、分かって言うのじゃな?」

 

「関係ないよニョン婆、家族が危険なら助けに行くでしょ?」

 

「………、…あい分かった。今世界一重要な囚人を助けるか…。そのチャンスが万に一つもあるとすれば今幽閉されておる大監獄に行くべきじゃな…マリンフォードの処刑場に連行されれば「海軍大将」と「七武海」がそのガードを固めてしまう」

 

…うげ、という事は最悪青キジとまた会うのかぁ…。絶対絡んでくるじゃん…嫌すぎる…!

 

「とはいえ、おぬしの兄が現在最重要囚人である以上、監獄の警備網も確かな戦力が傾けられておって当然、中に侵入するなどまず不可能」

 

「その辺の海軍船奪えば良くない?海軍本部が近いなら結構居そうなものだけど」

 

「待て待て、そんな力技を使う必要などない。これもまた可能性は薄いが…今日まで頑なに断り続けておる“七武海”の「強制招集」…蛇姫がもしこれに応じてくれれば…」

 

「なるほど…それに乗じてルフィと私を軍艦に乗せられる…!」

 

そうと決まれば早速ハンコックに頼みに行かないと!会える口実も作れたしラッキー!

…いやでもちょっと待って、ハンコックが強制招集に応じないのって世界政府からの招集だからかな…、だとしたら頼むのも申し訳ない…けど、頼むしかないんだよね。

どうしてもハンコックが嫌だと言ったその時にはその辺の軍艦でも奪ってインペルダウンへ向かおう。無理させたくないし。

 

 

 

 

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