ハーレム女王を目指す女好きな女の話   作:リチプ

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124『女好き、大監獄の署長』

「くっそ〜!!どこ行ったの!!」

 

結局逃げ足が速い2人には逃げられ、その辺を探し回る事数10分…あちこちから戦闘音はするけど、多分これはルフィだろうし。

 

「もう1回高いトコから見てみようかな」

 

さっきの柱ほどは高くないにしても、例えばあそこの分厚い壁の上なんかは結構高いよね。

 

「よっと…、ん?…あれ、もしかして…」

 

壁を登り切ってその真下を見れば、そこには下からモクモクと浮かび上がる煙と耐性を倍加させていても暑く感じる程の熱風が吹き出ている大きな穴があった。

私が登り切ったこの足場は、その大きな丸い穴の縁だ。

煙はかなり下から出てるようだから…もしかしたらここを降りればそこがレベル4なのかもしれない。

 

「……!何…?」

 

近くですんごい爆発音が聞こえた。

私の居る場所とは丁度反対方向からかな、…とりあえず行ってみよう。そうした方がいい気がする。

 

 

急いで反対側の縁までぐるりと回って走れば、そこにはルフィとMr.3、バギー、そしてまさかのボンちゃんが居た。…え!?ボンちゃん…!?良かった、生きてたんだ!

 

「あ、イリス!!」

 

「Mr.3も居るじゃん!最初からルフィと行動すれば良かった…!ていうかそれよりボンちゃん無事だったの!?」

 

「んがっはっはっは!!ジョーダンじゃなーーいわよーう!オカマは死なないのよ〜〜う!!久し振りねィ、女好き!」

 

オカマ不死身説!?

近くで倒れてる牛みたいなのも気にはなるけど、とにかくMr.3も居るようだし良かった!

 

「それよりここの天井どんどん高くなってるけど、エレベーターか何か?」

 

「おーホントだガネ、ガラガラと音もするしどういうトリックを使っているのかと思えば…」

 

「いやこれ私達が…!」

 

「「落ちてる〜〜ッ!!?」」

 

足場が崩れて下に落ちてるだけじゃん!!さっきの爆発音が何なのかは分かんないけど、絶対それが原因でしょ!

まずい…今の私でも暑さを感じる程の熱風…この下にはもしかすると床が無いなんて事も考えられる…!マグマみたいなものに入っちゃったらそれこそ終わりだよ!!

 

「く…!」

 

やっぱり落下地点に床はないみたいだね…!ボコボコと沸騰した湯みたいな…まさにマグマのようなものがそこにはある。だけど近くに床もあるみたい。跳べば何とか届きそうだ。

 

「ふん!」

 

ボンちゃんとルフィはほっといても何とかなるとして、Mr.3とバギーはダメそうだから抱えて床のある場所まで落ちる前に跳んだ。

よし…なんとかレベル4にも到達出来た!…ここってほんとにレベル4だよね?

 

「ここがレベル4?」

 

「そう、ここはレベル4…「焦熱地獄」!間違っても下に落ちちゃダメ!本当に死ぬわっ!」

 

確かに…さっきも見たけど落ちれば痛いでは済まなそうだ。

 

「あつッ!ここの床さっきのフロアの床より熱ィじゃねェか!オイ女好き、てめェおれの足持て!」

 

「わかった、この下捨てればいいの?」

 

「うォーーい殺す気か!!?」

 

「ん〜がっはっはっは!だーらしないわねーい!心頭滅却すれば火もまたオカマ!まあでも気持ちは解るわ…ここは上の階より少々暑いもんねい。…ん?ああ…少し暑いわ、うん、ちょっと焼ける感じするかも……熱っつうゥウウウアア!!!!」

 

「「「おめェが1番暑苦しいよ!!」」」

 

ボンちゃんのキャラは初めて会った時と変わらないなぁ。何だか懐かしくなってきた。

 

「ん?」

 

「どうしたのルフィ?」

 

「ん〜まそーな匂いがした様な気が……あっちだ!」

 

「ちょ…!」

 

そのまま走り去って行ったルフィを止める事も出来ずに、仕方が無いからMr.3を引っ張ってついていく事にした。

Mr.2が言うにはその先には調理場があるらしく、バギーもお腹が空いている様でそこに行くのは珍しく肯定的だ。

 

「見つけたぞ!麦わらと逃げ足だ!他にも何名かいる!捕まえろ!!」

 

「おっと…!」

 

このフロアでも追いかけられるのか…!全く面倒だよね!

数もかなり居るようだ、パッと見ただけでも100人は居るかな?

 

「でも…固まって向かってくるのは悪手だと思うよ?ルフィ、しゃがんで!!30倍灰(さんじゅうばいばい)去羅波(さらば)一文字(いちもんじ)!!」

 

前方から大量に押し寄せてくる人の波を、私の放った横薙ぎの斬撃が払っていく。

今ので半数は削ったかな?

 

「ゴムゴムのォ!花火!!」

 

「「うわぁあああ!!!」」

 

お、初めて見る!

まるで打ち上げ花火のような見た目の技だ。跳躍したルフィを中心に四方八方からパンチや蹴りが入り乱れていて、広範囲の敵を倒すのには有効そう。

 

「あー腹減った。今ので終わりか?」

 

「ぽい。…何かさっきからやけに軽いけど…Mr.3どうし…た!?」

 

私が掴んでいたMr.3を見れば、そこに居たのはもう殆どが熱で溶けたMr.3の蝋人形だった。

しまった…!良く見ればバギーも居ない…逃げられた…!

 

「ごめんルフィ!私ちょっとMr.3を探しに…」

 

「待って女好き!上!!!」

 

「ッ…!?」

 

ボンちゃんの声に咄嗟に反応してルフィを掴んで後ろへ跳べば、さっきまで私達が居た所にゼリーのような形状をした紫色の何かが落ちてきた。

それは床に触れるとジュワー…と溶け出して…いや、違う…床がソレに触れて溶けてるんだ…!

 

「ネズミ共ッ!!」

 

「今度は何!?」

 

ゼリーの様な何かが落ちてきた場所へ、今度はかなり大きな体の男が落ちてきた。真っ黒な制服に身を包み…何やらお偉いさんのような帽子を被ってツノが生えてるその男は…、

 

「ま、マゼラン〜!!?」

 

そうボンちゃんが叫んだ。マゼラン…?誰だろう。

だけど分かるよ…この人は強い…!オーラがさっきまで会ってきた奴らとは違う…強者のオーラがする…!

 

「熱いなァ…焦熱フロアは…」

 

ポタ、とその男が流した汗の一滴が床に落ちただけで、汗が触れた床は黒く溶けていく。

 

「ふ、2人共戦っちゃダメよーう!!そいつはインペルダウンの監獄署長マゼラン!!“ドクドクの実”の能力者なのよう!!」

 

「ドクドク…!?毒か…!厄介な…」

 

「いかにも、そうだ。…この歴史ある鉄壁の大監獄に侵入するとは…署長である俺の顔にドロを塗ってくれた訳だ…。目的は分かっている…!ポートガス・D・エースの元へは行かせやしない」

 

…!な、何で私達の目的が…!?ルフィとエースが兄弟だって事がバレたの…!?バレるとすればどこから…ガープか?

 

「ここへ一体、いつの間にどの様にして侵入したのか、後でじっくり話して貰おうか…!」

 

…ハンコックの事まではバレていない様だ。一先ずそれは良かった。

 

「残念だけど、それだけは何が起きても言わないよ!後、あなた毒だって?残念だけどそれが私に効くのかな!!全・倍加(オールインクリース)!」

 

署長が出てきたとなればこいつさえ倒してしまえばインペルダウンも楽勝だ。

一定時間能力が使えないのは痛手だけど、時間的にマリンフォードまでは全然余裕で使用可能になるだろう。だから今は… 女王(クイーン)化だけは出し惜しんでコイツに勝つ!!

 

「はあああ!!30倍灰(さんじゅうばいばい)去柳薇(さよなら)!!」

 

「ぬ!?」

 

まさか真正面から殴りかかってくるとは思わなかったのか、マゼランの無防備な顔面に私の拳が突き刺さった。

 

「…ぐ…ゥ!」

 

コレ普通に毒効くね!!というよりこの毒がおかしいのか…私の30倍毒耐性を貫いてくるなんて…!

 

「ホラ見なさい!急いでこっちへ!体中が毒で触れもしない男にアンタ勝ち目ある!?さっきの場所まで戻って右折よう麦ちゃん!女好き!食糧は諦めてレベル5へ逃げ込むのよう!!」

 

「…ムダだ」

 

ペッと私に殴られて口内が切れたのか血を吐き出したマゼランが威圧しながらそう言葉を放つ。

耐久もしっかりあるようだ、今の攻撃では大したダメージにならないらしい。

 

「レベル5への階段前には獄卒長と3人の獄卒獣が構えている。このフロアからの脱出口は全て押さえてあるのだ!貴様等の逃げ場など既に無い!!毒竜(ヒドラ)…!」

 

ゴポゴポとマゼランの背中から竜の形をした毒の塊が現れ、私達へと放たれた。

私は咄嗟に体を捻って避け、ルフィもボンちゃんも走って避けている。

 

当たればお仕舞いって訳か…。私もさっきの激痛が全身に降りかかるとなるとまずいかも…!

 

毒ガス弾(クロロボール)

 

まるでガムの様に噛みながら己の口の中で毒を生み出し、ぷくっと風船ガムみたいに膨らましてそれを燃え滾る火の海の中へ吐き捨てた。

私達を直接狙わなかったのは勿論、その技が熱で引火し…、

 

ボォンーーッ!!!

 

「く…!」

 

こんな感じで大爆発を起こすからだろうけど…!この煙…これも当然毒だよね…!

 

「へックシュン!!ブエッキシ!!」

 

「ルフィ…!」

 

あれ、ボンちゃんは…?まぁ今はいいや、離れてくれてる方が良い。

それよりこの煙はくしゃみが出る毒か…これは私の倍加した耐性が防いでくれてはいるけれど、何でもアリかっての!

 

だけど…奴は毒!さっきの私の攻撃が通った所を見ても自然系(ロギア)じゃないのは間違いない!

攻撃が当たるのなら…無理にでも押し通る!!

 

30倍灰(さんじゅうばいばい)巨大な腕(グランデ・アルム)!!」

 

「ヘッキシ!!…ギア…エッキシ!…2!!」

 

去柳薇(さよなら)ァ!!!」

 

「JETバズーカ!!!」

 

ああああもう痛い!!!だけど私よりルフィの方が痛い!!我慢だ…!!

マゼランも流石に今のは効いたのか膝をつく。ルフィの腕もマゼランを触った事で肉が溶ける様な嫌な音が聞こえるけど、立ち向かう闘志が消える事は無かった。

 

「手を休める気は無いよ…!30倍灰(さんじゅうばいばい)拳雨(レインファスト)!!!」

 

毒竜(ヒドラ)!!」

 

「っ!?」

 

マゼランを殴る筈だった私の何10本もの腕は全て奴の生み出した毒の竜に衝撃を吸われてしまい、その上殴った時の毒飛沫が私に返ってきて体にかかる。痛い…焼ける様だ…!

 

「イリス…!ゴムゴムの〜!ツインJET (ピストル)!!」

 

「毒フグ!」

 

空気を大きく吸い込んだマゼランは、それを全て毒玉に変換させてルフィへと吐き出した。

ルフィはそれを避けるが、避けた先に毒竜(ヒドラ)が待ち構えていてルフィの脇腹を掠っていく。

ルフィの攻撃も私の攻撃も威力が足りない…!どうすれば…もうここで女王(クイーン)化使うしかないの…!?

 

「まだやるのか…流石に貴様にはなかなか俺の毒が効かないようだ。6億は伊達じゃないという事か。…だがやはり逃げ足の女王、戦闘能力は6億にとても及ばん」

 

「あっそ…!ルフィ、私も居るんだからあんまり無理しないで!」

 

「あァ…悪ィ…!」

 

女王(クイーン)化はまだ待って、攻め方を変えてみようかな。

 

パキ…と私の足下が凍っていく。床自体が暑いせいで凍っては溶け、凍っては溶けてを繰り返して蒸気が辺りを満たし始めた。

 

30倍灰(さんじゅうばいばい)…!」

 

「上か!」

 

煙で見えなかった筈なのに見つけるの速いなぁもう…!見聞色か!だけど、とりあえず1発!!

 

氷脚(ジャリド)…!去鷹嫺(さようなら)!!!」

 

「ぐゥ!?」

 

マゼランの脳天をかち割る勢いで振り下ろした氷の脚が奴に再び膝をつかせる。

やはりここが元々暑過ぎるからか凍ってもすぐに溶けているけど、この脚に触れればそれだけで激痛でしょ。

 

「…なるほど、確かに厄介だ。聞いていた通り悪魔の実の中でも遥かに幅の広い力…。俺の能力も直接毒竜(ヒドラ)に飲み込ませるしか効果は無いのだろう……ならば」

 

「…?……!!!まさか…っ」

 

バッとルフィへ振り向くと、ルフィの背後から毒竜(ヒドラ)が今にも覆い被さろうとしていた。ダメだ、間に合わない… 女王(クイーン)化を…!!

 

「隙だらけだ!」

 

「しまっ…!!ぅ…」

 

ルフィに気を取られて一瞬マゼランから目を逸らしてしまった隙を突かれ、私は毒竜(ヒドラ)に飲み込まれた。

ま…ずい…ルフィも私と同じ様に全身に浴びて倒れている…。痛い…苦しい…!ダメだ…こんな所で、こんな所で負ける訳には…!!

 

…かなり、早いけど…!

 

「…間に合って……!!来て…!!王華!!」

 

「ーーーはいよっ!!お待たせ!!」

 

「何だと…!?」

 

私の姿形がガラリと一変する。それと同時に王華も現れた。…間に合った… 女王(クイーン)化!

 

「マゼランか…今のうちに体の毒飛ばしといた方が良いよ、ルフィじゃあるまいし女王(クイーン)化切れたら死んじゃう」

 

「了解。…体中痛いんだけどこれ治る?」

 

「治癒力100倍でしょ、人間の底力を信じよう!」

 

女王(クイーン)化を使った事で今マゼランに負ける事は無くなったと思う…だけど、これはまずい、エースを助ける為に使わなきゃいけない分を今使ってしまったんだ…!

 

「政府…いや、海軍め…情報を隠していたのか…!」

 

「まーね。…イリス、ルフィがマゼランにやられてるなら女王(クイーン)化を使うチャンスはまだ残ってる。だからまずはマゼランを倒そう」

 

「俺を倒す気で居るのか…!図に乗り過ぎだ!」

 

毒竜(ヒドラ)がその何個もある頭を伸ばして私と王華へ迫り来る。

使うチャンスがあるって何で…?まぁいいや、後で教えてくれるのなら…!

 

100倍灰(ひゃくばいばい)巨大な手(グランデ・ハンド)!!」

 

ある程度動けるようになった私が手を巨大化させ、毒竜(ヒドラ)を手の平で押さえて受け止め、その隙に王華がマゼランへ距離を詰める。

その腕は真っ白に染まっており、決着は早々に着ける気で居るようだ。

 

100倍灰(ひゃくばいばい)桜花(おうか)…」

 

「接近戦が出来ないと思っているのか…!俺はこの大監獄の署長…貴様等の様な多少名の知れたルーキーに敗れる程甘くはないぞ!!毒ヘビ!!」

 

近付く王華へと、腕を蛇の様に変化させて不規則に突きを繰り出した。だけど王華はその技を避ける事はせず、ただ真っ直ぐにそこへ拳を伸ばす。

 

絢爛(けんらん)ッ!!!」

 

「ッゴッハァ…!!!?」

 

毒ヘビの突き技を貫いて、桜舞う拳は美しくマゼランの腹に直撃してフロアの彼方へと吹き飛ばし…そして、遠くで奴が壁に激しくぶつかる音が響いて、ようやく辺りは静かになった。

 

「倒したの?」

 

「いや、かなりダメージは入れたけどまだ気を失う所までは行ってないと思う。自分でも言ってたけどマゼランはそんな甘い男じゃないし…何よりまだ本気も見せてない。不意を突けて良かった…今のうちにルフィを運ぼう!」

 

「運ぶったってどこに…!」

 

「レベル5にルフィを治せる人が居るから!そこまで行けば何とかなるし、もしさっきまでMr.3とバギー、それからボンちゃんも居たなら完璧!」

 

「じゃあ完璧だよ!早く向かおう!」

 

何か分かんないけど完璧らしい。…レベル5か、確か道は…最初の場所に戻って右折だっけ。

毒も大方引いてきた、早くしないと…今倒れる訳には行かない…!

 

 

 

 

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