ハーレム女王を目指す女好きな女の話   作:リチプ

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132『女好き、女王(クイーン)化発動』

「エースは返して貰うぞ〜っ!!!」

 

「倍加!」

 

ルフィが手に持つマストを三大将に放り投げた。その際にマストに触れ、大きさを倍加させる。

 

「用があるのはイリスなんだが…」

 

ルフィが放り投げたマストは青キジが一瞬で凍らせた…が、ルフィはそれを読んでいて、凍ったマストに“スタンプ乱打(ガトリング)”をぶち込んだ。

それによってマストは砕け散り、青キジ達へと残骸が降り注ぐ。

 

「ギア…2!!」

 

「ちょ、速っ…!」

 

その隙にルフィが3人の横を通り過ぎ、私も最大まで速さを倍加させてルフィに続く。と言っても30倍じゃルフィのギア2には追いつけないんだけど。

 

「んん〜、遅いねェ〜〜…」

 

「!!」

 

文字通り、光の速さで私達の前に移動してきた黄猿の蹴りをモロに受け、私の目の前をルフィが吹っ飛んでいく。

見聞色が使えなきゃ本当に何も見えないし、気付いたら移動してて怖いよこのおじさん!!

 

「お前の相手は俺だ、まーゆっくりしていけ」

 

私の前には青キジが立ち塞がった。

今、私達の足場は氷じゃない。だから奴の機動力はそこまで高くはない筈だが…それでも今の私より遅いなんて事は無いだろう。

 

「いい加減にしてくれないかな…!人1人処刑するだけでこんな戦争になるんなら、処刑なんてやめたらいいじゃん!」

 

「お前達が海賊である以上は仕方がねェ事だ。例えお前が市民を襲って無かったとしても、海賊というレッテルだけで恐れられているだろう。それだけでも罪は罪…その上火拳は海賊王の息子、海軍としても見逃す訳にはいかねェのさ。…まー、俺は別にどっちでもいいんだが」

 

ぐぬぬ…!何も言い返せない…!

私は海賊…前世でいう犯罪者だ。青キジの言っている事は正しいし、私のしている事は間違っているんだろうね。

だけど…!

 

「私の正義は、今はエースを助けろって言ってる。黒ひげを止めろって言ってる!犯罪者上等…!罪なんていくらでも重ねて来た!!邪魔を…するな!!」

 

青キジに突撃して拳を振るう。それは簡単に受け止められ、私の腕はその瞬間にパキパキと凍っていくが、そんなの何の問題も無い!

 

「そんな使い捨てに気を配ってていいの?ちょっと視野狭いんじゃないかな!30倍灰(さんじゅうばいばい)!」

 

青キジに掴まれていた私の腕がフッと消えた。当然だ、何故ならソレは私が能力で増やした腕…本物じゃない。

 

熱腕(ヒート)!!去柳薇(さよなら)ァ!!!」

 

熱を倍加させた私の拳が青キジの顔面へと突き刺さる。もっとも、奴にダメージなんて入ってないだろうけどね…!

だけど一旦頭は砕けてる!今がチャンスだ…!

 

「あなたの相手なんてしてられるか!」

 

そのまま青キジを通り過ぎて処刑台を見れば、今にもエースの首に刀が落とされようとしている瞬間だった。

まずい…時間を取られ過ぎた…!女王(クイーン)化も去羅波(さらば)も間に合わない…っ!!

 

「あっ…!」

 

刀が振り下ろされる直前に、執行人2人へと砂の斬撃が襲い掛かる。

いつの間にかこっち側に来ていたんだ…!そうか、奴は飛べるから…!

 

「貴様…白ひげに旧怨があるお前は我らに都合よしと思っていたが!!ーーーークロコダイル!!!」

 

「あんな瀕死のジジイ、後で消すさ…その前にお前らの喜ぶ顔が見たくねェんだよ!!」

 

こいつがビビ達にした事は許してやんないけど、今回ばかりは本気で助かった…!あんな一瞬じゃ私の女王(クイーン)化も間に合わないし…!

 

「青キジは…!」

 

ちらりと後ろを見れば、奴は私を気にしながらも青白い炎を纏う男と戦い始めた。

誰か分かんないけど青キジを止められるって凄いね!パイナップルみたいな髪型はかなり斬新だけど!

 

「逃げ足!もう逃げられんぞ!!」

 

「逃げる気なんて無いっての!!どいて!」

 

前に立ち塞がった海兵を蹴り飛ばして先へ進む。

だけどすぐにまた海兵が現れ、殴っては現れを繰り返す。くそ…流石にキリが無い…!

 

 

「ウオオオオオオオ〜〜!!!!」

 

「!?な、なに…!?」

 

1つだけ壁が上がっていなかった場所から、鯨をモデルにした船が突っ込んできた。

オーズが引き上げたんだ…!船には白ひげを始めとしたさっきまで壁の中に居た人達がみんな乗っているとみていいだろうね。

 

「広場に入ったぞォ〜〜!!!」

「エースを救え〜〜〜っ!!!海軍本部を攻め落とせェ〜〜!!!」

 

そして白ひげが船から広場へ飛び降り、手に持つ薙刀を振るえばそれだけで何10人もの海兵が塵の様に飛んでいく。いくらなんでもバカ火力過ぎでしょ…!

 

「野郎共ォ!!エースを救い出し!!海軍を滅ぼせエェェ!!!!」

 

「「「ウオオオオオオオォォオオオ!!!!!!」」」

 

ビリビリとその雄叫びだけで空気が震えているかの様に肌が感じ取った。

滅ぼすまで行かれたら困るんだけどね…嫁にしたい人だって居るんだから。

 

「女王…!ここは通さん!!」

 

「!!…うぐ…っ!」

 

走る私の目の前に現れた海兵の蹴りを腕でガードするも、その威力はかなりのもので受け止めた筈の腕が震える。

私を“女王”呼びなんて珍しい人も居るんだね…しかも強いし…!

 

「いったいなぁ…!女の子に蹴りかかるって、それでも海兵なの!?」

 

「貴様をただの女とは思っていない。まだ本気を出していないと見える今の内に討ち取らせて貰うぞ…!」

 

「…っ、私の女王(クイーン)化を知ってるの…!?」

 

刀で斬りかかってきた海兵の攻撃をすんでで避け蹴りを放つも(ソル)で躱されて逆に蹴り飛ばされる。

この人、本当に強い…!ただの海兵じゃないな…!

 

「げほっ…!…ぐ、あなた、誰…っ?」

 

「私は海軍本部中将、モモンガ。エニエス・ロビーのバスターコールにも参加していた…といえば分かるか?」

 

「…なるほどね」

 

あの場に居たから私の事を知ってるのか…、それに中将って…大将の1つ下だよね?そりゃ強い筈だよ。

 

「ふぅ…、全く、この戦争は本当に面倒だよね…!私のやるべき事は多いし、何より役割が重要過ぎる!それに成功したって嫁が増える訳でもないし、メリット少なくない?私だって死にたくはないっての!」

 

「なら、何故この場に居る!本当の力を出すこともなく、ただ無様に逃げ回るだけ!この戦争の規模に怖気付いたのならば、今この場で私が討ち取ろう!!」

 

「…何故この場に居るのかって?」

 

再度斬りかかってきたモモンガの刀を小太刀で受け止め、腹に足裏で蹴りを放って無理矢理距離を取らせた。

つまんない事聞くじゃん、そんなの決まってる!

 

船長(キャプテン)の為だよ…!数少ないメリットにルフィの為だって理由が含まれてるのなら、私はそれを全力で頑張りたいって思えるんだ!!」

 

更に後ろへ跳んでモモンガとの距離を伸ばす。これだけあれば充分な筈だ、私がーーーー女王(クイーン)化を使用する為の隙を埋める距離は。

 

王華…ごめん!さっき思い付いた考えがあるから、今使わせてね…!

いつまでもこんな所でモタモタしてらんないの…!Mr.3だって探さなくちゃならないし、何より負けっぱなしは性に合わないから!!

 

「…ふぅ!…集中……!」

 

「ッ!!“逃げ足の女王”を狙え!!!変化を防ぐんだ!!!」

 

「もう…」

 

髪は伸びて、全・倍加(オールインクリース)時より身長は下がり、頭にティアラ、背にマントが出現する。

モモンガはそれを見て舌打ちをし、深く息を吸い込んで刀を構え直した。

 

「遅い…!100倍灰(ひゃくばいばい)!!黒刀(こくとう)去羅波(さらば)!!!!」

 

横薙ぎに振るった巨大で真っ黒な斬撃がモモンガに迫る。

背後は沢山の海兵、避けられる筈もなく彼はそれを刀で受け止めるが、完全に威力を殺し切れずに弾き飛ばされ後ろにいた海兵を何10人も巻き込んだ。

 

「エースは返して貰うよ!」

 

「オオ…逃げ足の女王〜」

 

「まった厄介なのが来たね!!ふん!」

 

走り出した私の横顔を蹴り飛ばそうとした黄猿の攻撃を避け、逆にその顔面に蹴りをぶち込んだ。

光の速さがなんだ!自分が速いだけで、動体視力まで上がってる訳じゃないんでしょ!

 

女王・倍加(クイーンインクリース)!」

 

「ーーーーーっと。あれ、もう女王(クイーン)化使ってるの!?」

 

「まぁね!考えはあるから許して!…エースを救うよ、カギはここにある!」

 

王華を呼んで、ポケットに入れていたカギを見せた。

今の私なら処刑台まで行くのはそう難しい話じゃない筈だ…!

 

「…いや、処刑台前にはガープが居る!ただの老兵じゃないよ…あの人は本当に強い!それにそのカギはそれ程重要でもないの」

 

「どうして?」

 

カギが無くちゃ結局エースを解放するなんて無理だと思うけど…!

 

「視力を倍加させて処刑台を見てみて。執行人2人のうちの1人…見覚えあるでしょ?」

 

「?……あ、…Mr.3!?」

 

さっきクロコダイルが執行人2人を倒した時に入れ替わったんだ…!そうか、あそこにMr.3がいるのならカギなんてどうとでもなるのか…!

 

じゃあこのカギは私が貰ってもいいかな?ハンコックからのプレゼントだし。

 

「…それに、多分もう黒ひげ達は来てる。だけど私達が奴らに奇襲するタイミングはエースを確実に救い出してから。…今使ってる女王(クイーン)化は…多分その時まで保たないよ」

 

「大丈夫、さっき考えがあるって言ったでしょ!」

 

「考え?どうせ無茶な事でしょ」

 

…なんか王華、私の考え透かしてない?伊達にずっと見てくれてた訳じゃないんだね。

 

「まぁ…そうでもないかも?イワンコフに頼もうと思ってさ」

 

「…はぁ、やっぱり無茶するんじゃん。ナミさんに怒られても知らないよ」

 

大丈夫大丈夫、バレなきゃ問題ない!

 

「アイス(ブロック)両棘矛(パルチザン)!」

 

「おっと…!」

 

背後から飛んできた複数のナイフの様な氷を最小限の動きで避け、それを行った人物…青キジに視線を向ける。

 

「やっとその姿になったか」

 

「何であなたってそんなに私を気にしてるの?この場には私より強い人だって居るでしょ」

 

流石にゴロゴロは居ないだろうけど。三大将で白ひげを見るのが1番良いんじゃないのかと思うんだけどね。

 

「ノ〜、馬鹿言っちゃいけねェよ、将来的に1番厄介なのは…間違いなくお前だろ」

 

「…なるほど、それは言えてるね」

 

「それに、俺としてはお前の事を気に入ってる。この間のリベンジも兼ねてって所だ」

 

「あなたからそんな言葉が出ても違和感しか感じないけど?」

 

リベンジとか…絶対そんな事考えてないでしょ。

 

青キジは私の言葉に小さく笑って、自身を中心に竜巻の様な吹雪を発生させた。…そりゃ使うよね、私と戦う気ならさ。

 

「… 氷の宝鎧(アイス・パッキン)

 

「今回は情けも何も無さそうだね…!」

 

吹雪が晴れたそこには、やはりあの時の様な氷の鎧に包まれた青キジの姿があった。

あの時よりもずっと強大なオーラで、一切の手加減が無い事が見て取れる。

 

「イリス、先行って。青キジは私が引き受けるよ」

 

「…了解、死なないでね。あなたは神背(ヒューマ)じゃないんだから死んだら死ぬんだよ」

 

「そう簡単に死ぬ訳ないでしょ?縋り付いてでも…私は生に足掻くからさ」

 

そう言って青キジに向き直った王華に一言お礼を言い、また処刑台まで走り出す。

ふと処刑台を見ると、また処刑が行われようとしている場面だった。白ひげは体へのダメージや、そもそもの歳のせいもあってか咳き込んで膝をついている。他の面子もすぐ動けそうな人は居ないか…執行人のMr.3もエースを助けるとてあそこに居るとも限らない。

なら私が何とかするしかない…!まだ制御もろくに出来ない覇王色…周りを巻き込まない様にと思って使わないでいたけど…!!!

 

 

「やめろォ〜〜〜〜!!!!!」

 

 

「……!!!!」

 

私が覇王色を発動させようとした時、ルフィが“覇王色の覇気”を発動させ空気を震撼させた。

敵味方問わない無差別の威圧は、執行人の2人をも気絶させる。

 

ルフィ…!ある程度目覚めているのは知ってたけど、こんな所で発動するなんて…やっぱり持ってるね!

それにMr.3…!彼もエースへ振り下ろそうとしていた刀の軌道を直前で変えて、もう1人の執行人の刀を弾き飛ばそうとしていたのはちゃんと見えたよ…!何だかんだ言ってもエースを救うつもりなのは分かった、これなら私達の作戦にも協力的になってくれる!!

 

「おい!しっかりしろ!」

「危ねェ、意識が飛びかけた!」

 

「気の弱い者は下がれ!ただのルーキーだと思うな!!革命家ドラゴンの息子だ、当然と言えば当然の資質…!奴をこの戦いから逃がすなよ!!逃がせばいずれ必ず強大な敵となる!!そして、敵にはもう1人その資質を持ったルーキーが居るのを忘れるな!!」

 

「私の事かな?あなた中将でしょ、なかなか強そうなオーラだもんね」

 

「ぬ!!?」

 

その男の頭上から話しかけ、ぐっと拳を構える。面倒な人は速いうちに処理しておいて損は無い筈…!

 

100倍灰(ひゃくばいばい)…!隕石の別れ(メテオ・アヴィオ)!!!」

 

ダン!と宙を蹴り真っ逆さまに下降してその男の顔面に拳を叩き込んだ。それだけで勢いは止まる筈もなく、地面へと叩きつけて大きなクレーターを生み出す。

 

「ま、こんなものかな」

 

とりあえず倒す事は出来たけど、攻撃が当たる直前、咄嗟に顔を引いて威力を消してたからすぐに目を覚まして起き上がってくる筈だ。

そんでもって次は同じ倒し方なんて出来ないだろうし…急がないと。

 

「ど、ドーベルマン中将を一撃…!?」

「誰だこの女…!コイツが中将の言ったルーキー…!?」

「ルーキーの女って言えば、大食らいと逃げ足だけだぞ!じゃあコイツは逃げ足なのか!?」

「で、でも逃げ足の賞金額は6億だろ!中将がこんなあっさり負けるとは…!!」

 

「ざわざわうるさい!自分の目で確かめてみたら!!」

 

去羅波(さらば)を連続して放ち、騒つく海兵達を蹴散らした。

逃げ足逃げ足と本当にうるさい人達だな…いい加減うんざりだっての!!

 

「野郎共ォ〜!!!麦わらのルフィを、全力で援護しろォ!!!!」

 

…!白ひげ…!彼も気付いたか、ルフィの力に…!

戦闘能力じゃない、近くに居るものを自然と味方につける…この世界において最も驚異的な力…。私だってルフィの人柄に惹かれて今もここに居るんだ。

 

「若ェの!お前は暴れるだけ暴れてみろ!!!」

 

「!!…言われなくても!!!」

 

白ひげは私にまで声を掛けてきた。暴れてみろ、か…、なら、今私がする事は決まってる!

 

100倍灰(ひゃくばいばい)女王の(クイーン)戯れ(アデイオ)!!!」

 

腕の数を限界まで増やし、銃乱打(ガトリング)みたいに真っ黒に染まった無数の拳を放つ。

それは白ひげを狙っていた海兵達を纏めて吹き飛ばし、私は白ひげの隣に並んだ。

 

「何のマネだ…俺ァ暴れろと言った筈だぜ…」

 

「暴れるよ、あなたの隣でね。私があなたを援護して敵を引き付ける事がルフィを処刑台に到達させる1番良い方法だと思ったの」

 

「…グラララ…!!俺ァ白ひげだ…援護なんざいらねェよ…!!!グフ…!」

 

「寄る年波は越えられんか、白ひげェ!!」

 

白ひげが咳き込んで俯いた瞬間を狙って、対峙していた赤犬が拳をマグマに変える。

私が隣に居るってのに、そう簡単に白ひげを狙える訳ないでしょ!!

 

100倍灰(ひゃくばいばい)熱腕(ヒート)…!女王の慈悲なき拳(クイーンファストリテ)!!!」

 

「…!“逃げ足の女王”…!貴様も必ず消さにゃァならんのォ…!!」

 

ドォンッ!!!!

 

赤犬の拳と私の拳がぶつかり合った。うお…!熱を100倍上げてるのに熱い…!何の能力だ…?マグマっぽいけど、マグマって絶対3000度もないでしょ!…青キジもそうだけどコイツらの体どうなってるの!!

 

「ぐぬぬ…!!あなた達は言うよね、白ひげだとか、ゴールド・ロジャーの息子だとか、ドラゴンの息子だとか何だとか… 下らない(・・・・)事をさ!!!」

 

全力で赤犬の拳を押し除け、後方へと無理矢理下がらせる。…右腕は1本焼けたか。そりゃそうだ…まだ私じゃ大将には敵わない。だけどこれだけは言わせてもらう…!

 

「私から言わせて貰えば、白ひげもエースも、あなたもそこら辺の海兵だって何も変わりゃしない!!」

 

「…ほォ、面白い事を言うのォ…逃げ足ィ…!わしとそこの役も無い兵士が一緒じゃと…?」

 

「そうだよ?当たり前じゃん。ーーーー“男”なんだから!」

 

ニヤリ、と意地悪く笑えば赤犬は不機嫌そうに顔を歪め、白ひげは小さく口角を上げた。

人に優劣をつけようが、その命の価値に差なんてない。…とは言わない。だけど…少なくとも私にとってエースやルフィの出生はどうでもいい話だ。

 

「ああ、勿論あなたが女なら答えは変わってるけどね?」

 

「グラララ…!変わった小娘だなァオイ、そういうタイプは初めて見たぜ…」

 

「当然でしょ、私はこの世界に1人だけなんだか…ら!!」

 

左手で小太刀を振るって去羅波を繰り出し、辺りの海兵を一掃する。

でも流石は海軍の本戦力…この戦争に参加してからかなり倒してきたつもりだけど、まだまだ人数に衰えが見えない。

 

「…ぐ…!」

 

頭がふらつく…!王華を呼んでるから余計に覇気が持ってかれてるんだよね…!

だけど、まだ…!まだやれる!!

 

処刑台を見れば、私達が敵を引き付けて手薄になっていた隙を突き、イナズマが地面を切って処刑台へと続く坂道を作り出した所だった。

よし…道は出来た…!後もう少しだ!!

 

 

 


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