ハーレム女王を目指す女好きな女の話   作:リチプ

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154『女好き、2つの強さ』

「調子に乗りやがって…!!クラーケン!広場へ出ろ!!!」

 

「クラーケン?」

 

…わ、やっぱりあの時のスルメか。

でもいいのかな?そいつルフィの友達だけど。

 

「たった13人だクラーケン!踏み潰して来いっ!それで終わりだ!!」

 

「ギャハハハハ!!海底生物の恐ろしさを知るがいい!!」

「おお!バカのクラーケンだ!」

「あいつはデタラメに強ェぞ!!」

 

新魚人海賊団の面々はクラーケンの登場に大はしゃぎだ。

海中ですらルフィに負けてるのに、地に足ついてる今どうやって私達がスルメに負けるのさ。

 

「まだ分かんないの?デタラメに強いってのは、こういう事を言うんだよ」

 

指を銃の形で構えて、海賊が密集してる場所に指先を向ける。

 

30倍灰(さんじゅうばいばい)

 

私を中心にオーラが渦巻き、服や髪がパタパタと忙しなく風に揺れ…体中を巡る覇気を指先に集中させ…、

 

覇銃(ハガン)

 

バゴォォン…ッ!!とまるで爆発でも起きたのかと錯覚してしまう程の火力を誇る覇気の塊は、まるで大岩程の大きさを誇って私の指先から放たれた。

当然、こんなのを奴らに直撃させたら私はその瞬間から大量殺人鬼に早変わりなので、奴らの丁度頭上を狙い、物凄い勢いのエネルギー弾が通り過ぎていった余波だけでその場にいた海賊達を吹き飛ばしていく。

 

広場を囲う壁を貫き、どこまでも遠くへ飛んでいくその巨大な弾丸は威力を衰える事なく、魚人島のシャボンすら飛び越えて遥か彼方に消えていった。

 

「……な、なんだこいつ…!は、外してくれて助かった…!あ、あんなの当たったら…死んで…!」

 

「分かった?デタラメってのはこういう事を言うんだよ、ちなみに全然本気じゃないけど、もう1発撃とうか?」

 

「ヒィイ!も、もうやめてくれェ!!」

 

周りを見るとみんなも私の方を見て口をぽかんと開けて見ていた。良いね、その反応、なんか気分が良い。

 

「30倍って…あれで!?」

 

「んー?信じられないなら50倍で撃とうか?チョッパー」

 

「いや!良い!!おれ達まで余波にやられちまうよ!」

 

「でも、イリスちゃんがそれくらい強くなるのはある意味当然ね。バイバイの実っていうのはそれ程強力な能力だから…」

 

そうなんだよね。四異界とやらに選ばれるのも納得だよ。2年前は素の私が雑魚だったから倍加してもあんな感じだったけど、海楼石を付けた修行で私は素の状態でもそれなりに戦える様になったからね。

肉体的に成長したのも大きいと思う。

 

スルメも今の私の攻撃を見たのと、ルフィが「友達だろ、また乗せてくれよ!」と彼特有の純粋過ぎる呼びかけをした事によってホーディを裏切り、私達の味方となった。雑魚相手ならスルメでも充分無双出来るから、単純にこっちの戦力が余計増えただけとなる。

 

「いいかスルメ、お前はここでイリスと一緒によわほしを守るんだ!」

 

「私もあっちこっち動くから、ペローナちゃんの事もお願いね」

 

「は?いや、私はお前に……、あ、な、何でもない、忘れろ!」

 

「分かってるって、後で襲ってほしいんでしょ?」

 

「んなわけねェだろ!!」

 

えー…そんな事言っといてお預けするの?でも今のは襲われても文句言えないでしょ?誘い受けかな?

 

コクン、と頷いてしらほしちゃんとペローナちゃんの後ろに周り守る態勢を取るスルメを見て、ルフィはよし、と笑いかけてホーディの所へ再度駆けていった。

 

「…クラーケン!!よくぞしらほしを捕まえた!!そのまま握りつぶせ!!」

 

「!!」

 

「北極で平和に暮らすお前の兄弟…その居場所は分かってる。俺達ならいつでも容易く殺しに行けるんだぜ、なにせ伝説の種だ、死体でも高く売れるだろうな!!…それが望みならこのまま俺を裏切るがいい!!」

 

「とか何とかあのアホーディは言ってるけど、分かってるよねスルメ」

 

よっ、としらほしちゃんの肩に飛び乗って、スルメと顔を合わせる。

 

「私達があいつらに負けるとでも?…大丈夫、あなたの兄弟も、誰1人殺させやしない。何よりそんな事ルフィが許さない、だから大丈夫…私達にもあなたの家族、守らせてよ。それにしらほしちゃんを握り潰そうなんて考えたらブチのめすよこのタコ!」

 

ええ…みたい顔した後、スルメは覚悟を決めたかの様にキッとホーディを睨んだ。

そりゃそうだよ、この広場の状況を見て、一体誰がホーディに軍配が上がるなんて思うの?奴らにベットするアホがいるなら連れて来い!ボコって現実見せてあげるよ。

 

「おーおー…ルフィもホーディボコってるなぁ」

 

「ルフィ様…お強いのですね…!」

 

見ててホーディが可哀想になってきた。する攻撃は全て避けられるか防がれるかで全く効いていないし、逆にルフィの攻撃には吸い込まれる様に全て直撃している。

あ、また壁に吹っ飛んでった。これで何回目だ?…タフさは本当に一丁前だよね。

 

「…ん?なんか急に暗く……げ!?」

 

「あ、あれは…!」

 

しらほしちゃんが空を見て目を見開いた。流石に私もビックリした…というか、普通驚くよ…だってこんな…バッカでかい船が空を覆ってたらさ!

 

「魚人島の半分はあるんじゃないの…?この船…!」

 

「の、ノアです…!魚人街にあった筈なのに何故、こんな大きなものが……っ」

 

明らかにこの広場へ一直線に向かってきてる…。島のシャボンを突き破ろうとしてるのが1番危ない…!流石にここでシャボンが割れれば私も死ぬだろうし…壊していいのかな、アレ。

 

「ノア…!?あんなのが落ちてきたら居住区はひとたまりもないぞ!」

「避難しろ!避難!!」

「お、おい、なんか落ちてきたぞ!!」

 

国民達の中の誰かがそう叫んて上を指差せば、確かにノアから大きな何かが落ちてきていた。

 

「ホゲーーーーっ!!!?」

 

その大きな人の形をした生物は、私達の目の前に頭から落ちてきて痛みに声を張り上げる。

あんなとこから落ちてきてタンコブで済むのはなかなか頑丈な証拠だけど…同時にあの船には誰かがまだ乗ってるって証拠にもなった。

確かこいつは…海で1度会った…名前は……えーっと…覚えてないけど!デッケンの部下だったハズ…。

 

「いったァ〜!!足滑ったら〜〜!!バンらーれっケン船長〜!!おれが落っこっちまったらー!!舟を止めてくれ〜〜!!おれ死にたくないろォ〜〜!!」

 

「やっぱあいつか」

 

という事は、わざわざ私にボコられに来てくれたって訳?丁度いいや、雑魚ばっかで飽き飽きしてたトコだし…能力者ならまだマシでしょ。

 

「ちょっと行ってくる。スルメ、しらほしちゃんを頼…ふぎゅ!」

 

「お、お待ち下さい…!イリス様!」

 

むぎゅ、としらほしちゃんの両手で体を握られて動きを止める。

すべすべの手で包まれてすっごく居心地は良いけど、今はマズイかな…早くしないと来ちゃうよあの船。

 

「どうかした?」

 

「っ…ノアは、わたくしを狙っています…!デッケン様の“マト”はわたくしですから…!」

 

「……ちょ、まさか…!!」

 

しらほしちゃん…今とんでもなく危険な事考えてない…!?

 

『バホホホ!バホホホホホ!!ワダツミィ〜、お前を助ける事はもう不ギャ能!!この能力で飛ばしたものは何かに激突するか標的を仕留めるまで止まらねェ!!この魚人島と共に、しらほしの死に供えられる生贄となれェ!!』

 

「そんなーー!!?」

 

あ…ワダツミか。…いや、どうでもいいやそいつの名前は…!それよりしらほしちゃんだよ、なにその決意した瞳は…!

 

「…わたくしなら、あの舟の軌道を逸らす事が可能です…!ノアは来たるべき時まで動かしても、壊してもいけないとお父様が仰られていたのを覚えております…っ、ですから、わたくしにお任せ下さい!」

 

しらほしちゃんが自前のサンゴを握ってシャボンを出し、浮き輪の様に装着して空へ浮かび上がった。

…全く、どうして私が嫁にしようって決めた女の子は揃いも揃ってみんな天使なんだろう!私の人を見る目って実は凄いんじゃないかな!でもしらほしちゃんはまだまだ甘いね、もし仮に今のしらほしちゃんの立場にナミさんがなったのだとしたら、間違いなく1人で囮になろうなんてしなかった。

 

「よっ…と!」

 

「っ…イリス様!?」

 

軽く跳躍してしらほしちゃんの肩に掴まる私を見て、その大きく綺麗な淡い青の瞳を見開かせて驚く私の人魚姫。私の。

まだまだしらほしちゃんは甘い。…この私が、そんな危険な事を嫁1人に任せる訳がないじゃん。

 

「しらほしちゃんが誰にも負けないくらい強いなら任せたけど…力はそんなに強くないでしょ?」

 

「そ、それは…そうですけど…!」

 

「その代わり、あなたには人の為に、国民の為に命を懸ける勇気と心の強さがある」

 

「…!!」

 

その強さを持つ人を私はもう1人知っている。彼女…ビビも、国の為…自らの命すら投げうって数々の苦難を乗り越えていた。そしてその強さは誰にでもある訳じゃない…私に力が無ければしらほしちゃんや彼女の様な決断を下せたか分からないし…いや、多分出来なかっただろう。

 

「あなたが勇気を出して得たその答え…私にも手伝わせてよ。私には腕っ節の強さがある。でも喧嘩の強さだけじゃどうにもならない事もあるから…残りはしらほしちゃんが補って!しらほしちゃんに無い部分を私が補うから!」

 

「っ……はい…!!」

 

何も気休めでそう言ってる訳じゃない。本当に今はしらほしちゃんの勇気が無くちゃ島を救えないんだ。

今ノアはシャボンを突き破ろうとシャボンの形が大きく凹むくらいに接近しているから、この状態でノアを壊そうものなら攻撃の衝撃や破壊した破片でシャボンが割れかねない。だから1度しらほしちゃんにはノアを魚人島から引き離して貰う必要がある!

 

魚人島のシャボンさえ気にする事が無くなれば…後は私のターンだ!勇気のしらほしちゃんに変わって、腕っ節の私がノアをどうにかしてあげる!

 

「じゃあ、行こうか!」

 

上を見て、迫りくるノアへ近付いていく。下から突然居なくなったしらほしちゃんを心配する声が聞こえてきて、そういえば誰にも行ってくるって言わなかったっけ、とちょっと反省。ナミさん達にいらぬ心配かけたかも。

 

「わたくしなら、こちらです!!」

 

「おォオ!!俺の愛した女ァ!!」

 

ノアからデッケンの甲高い声が聞こえてきた。愛するな、私の嫁を。

 

「あなた様の“マト”はわたくしの命ではございませんか!!わたくし1人の命を奪う為だけに、リュウグウ王国の皆様まで巻き添えになさるのはおやめ下さいませ!!わたくしならこちらに!!!」

 

「おォ…何と美しいんだしらほし!心までも!!その身1つにこの災害を引き受けて国を守ろうというのかしらほし!!その美しきままに死に、我が胸に永遠に生きるがいい、しらほし!!」

 

「1人じゃないよ」

 

言葉尻に投げつけてきたナイフを人差し指と中指で挟む様に掴んで止め、投げ返してノアに突き刺す。ちょっとくらいなら壊れてもいいでしょ?アレもダメかな??

 

「あとしらほししらほし呼ぶなっつの。お前がその名を口にするのは私が許さない」

 

「バホホホ!!許さないからなんだ!?このノアが見えないのか!?能力者の俺ですら止める事が出来ないこの舟を貴様が止める事など不ギャ能!!しらほしと共に死にたいのなら死ねィ!!」

 

何言ってもダメだな、コイツは。

そういう奴は一旦ボコボコにするのが良い解決法なんだけど、今ボコってノアが落ちたら終わりだ。

 

ボッコボコにしたい衝動を抑え、とにかく今はノアから離れる為に私達は急いで竜宮城の入り口へと向かった。理由は島から海へ出る為の道が竜宮城しか無いからだ。

正面入口もあるけど、今は遠すぎて選択肢に入らない。その点竜宮城の入口はついさっきゾロ達が使った筈だから、まだ竜宮城への水道は繋がっている筈だ。まさか出る時に律儀に閉めたりなどしてないだろうし。

 

「…っ、良かった、やっぱり道は繋がったままだね!」

 

「はい…!」

 

竜宮城から伸びた水の道は、予想通りまだこの魚人島のシャボンと繋がったままだった。

しらほしちゃんはその“連絡網”と呼ばれる水道に飛び込み、その道を経由して海へ飛び出した。私もサンゴを握ってシャボンを出し中に入る。

後はこのノアを下に何もない場所へ移動させてデッケンをボコすだけか…!任せて…喧嘩ならもう、誰にも負けないから!!

 

 

 

 




最近ちょっと忙しいので、いずれ、もしかしたら更新ペースが落ちるかもしれません。
もしそうなれば事前に後書きなどで報告していきます。
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