「ーーーーーという訳で、財宝は全部あげちゃったしビッグ・マムにもケンカ売ったしで、もー本当に色々あったけど、探してた人の手掛かりは見つかったから良しと言う事で!」
「「財宝全部あげた!?」」
「「四皇にケンカ売ったァ!?」」
ん?
ウソップとチョッパーがビッグ・マムに喧嘩を売った事実を嘆くのは予想してたけど、財宝を全部あげた事に関してナミさん以上に声を張り上げて驚いてるネプチューンと右大臣に私は首を傾げる。
「ハァ…まぁあんたがやった事なら仕方ないかもしれないけど、何で全部あげたのよ」
「あげるって言っちゃった手前、やっぱりちょっと欲しいです…とは言い出しづらくて…ごめん」
軽く頭を下げると、ミキータが私を庇う様にナミさんとの間に入ってきた。
「ナミちゃん、そう言う事なら仕方ないわ、イリスちゃんだって悪気があった訳じゃないもの」
「ミキータ…!」
うんうん、その通りだよ、私だって本当は財宝全部ナミさんにあげようと思って…!
「だから財宝を売ったお金で買おうとしてた、今のイリスちゃんに合うサイズの露出度が高い服とか華の国の服とかは諦めて…今夜は大人しく裸で遊びましょ?」
「ん?」
「フフ、久しぶりね、イリスと“アソブ”のも」
「んんん???」
「ミキータもロビンもやる気ね。はぁ…本当はイリスにアレコレ着せて楽しみたかったんだけど…ま、メイド服は手に入ってるからいっか」
んんんん???何かヤバめの空気だぞ〜?メイド服?んん??
「ホロホロ…逃げられそうもねェな、女王」
「ぺ、ペローナちゃん、助けてくれるの…?」
「……いや、私はあいつらに誘われてるから…」
つまりナミさん達と一緒に私をアレコレするって訳ですかね!!
はは…ハ…分かった…コレ逃げらんないやつだ…。
いや、そりゃあ私だって嬉しいよ?みんなと一緒にそういうコトするのは久しぶりだし。だけど限度ってモノがあるじゃん?私の体は1つだしさぁ、“私”を出して相手して貰うのもイヤなんだよね…自分の分身にすら嫉妬するからね私は!
「…あ、でも今夜はダメかも。私達は明日の夜まで我慢するわ」
「えっ、そう言われるとそれはそれで寂しいんだけど」
「私達がイヤってワケじゃないのよ、ホラ、後ろ」
後ろ?……あ、しらほしちゃん。相変わらずなんて可愛さ…!
「出航は明日の朝、つまり今夜はまだここに居るから…出航までしらほしの傍に居てあげなさい」
「…そういう事なら、喜んで」
もうそろそろ地上も夜になろうとしているのか、陽樹イブが取り込む光も薄くなり始めていた頃だ。つまり、魚人島に夜が訪れようとしていた。
ご飯に関してはさっきの宴で充分食べたし…。
「じゃあ早速しらほしちゃんとイチャつきに行こうかな、いこ、しらほしちゃん」
「あ、はい…!」
目指すは硬殻塔、ここなら今夜、2人だけでゆっくり過ごせるハズだ。
2人きりになるのなら…やってみたい事もあるし。
***
「イリス様…、あの…どうしてお洋服をお脱ぎになられているのですか…?」
「破れない為かな」
硬殻塔に入った途端、脱ぎ脱ぎと服を脱いでいく。
端から見ればマジモンの変質者だけど、端から見るのはしらほしちゃんしか居ないから気にする事も無い。
「倍加」
ぐぐ…っ、と私の体が大きくなっていく。普段は服を破りたくないからやらない巨大化だ。
1度だけドラムでやった事はあるけど…あれは黒歴史みたいなモノだから無かった事にしといて下さい…。
「じゃーん!どう?しらほしちゃんと同じ大きさだよ」
「わぁ…凄いです…!人間様のお体はこんな風になっているのですね…」
「ちょ…あんまりソコは見ないで欲しいかなーって…どうせ後でやるんだろうけど」
どこをガン見されてたかは恥ずかしいからあんまり考えない様にしよう。
ずっと裸なのもどうなのかと、しらほしちゃんが自分の上着としらほしちゃん用の大きなタオルを貸してくれたので服を着て腰に巻いておく。
「…イリス様、改めまして、本当にありがとうございました…!皆様の命を救って頂いただけではなく、ノアも無事で…」
「ノアが無事なのはしらほしちゃんが海王類を呼んだからって理由もあるけどね。それにお礼ばっかつまんないよ、明日には発っちゃうんだからもっとしらほしちゃんのコト教えて欲しいな」
「わたくしの……」
例えば好きな食べ物とか、キュンとするシチュエーションとか!
私は後者が知りたいかな…切実に!
「ほら、しらほしちゃんって頭に鯛焼きの飾り付けてるじゃん。しらほしちゃんの大きさに合うサイズのものって事は作って貰ったんじゃないの?」
「あ、はい…これは小さい頃にお母様が、わたくしのお誕生日に贈って下さったものです」
「そっか、じゃあ宝物だね。…ちょっと見せてもらっても良い?」
「少々お待ちを……、…どうぞ」
パチン、と飾りを外せば、結んであったしらほしちゃんの綺麗で長いピンクの髪がふわりと下に落ちた。
髪を下ろすとまた…一気に王女っぽくなるのはビビと一緒だね。と髪飾りを受け取りながら考える。
「うん、使い込んでるのは分かるけど、同時にすっごく手入れも入念にされてる、とても綺麗で想いの詰まった髪飾りだね。それに流石オトヒメ王妃、しらほしちゃんに良く似合うモノを用意できるなんて凄いよ」
普通鯛焼きの髪飾りが似合うなんて思わないでしょ。だというのにオトヒメ王妃はそれを作った…と。母の愛は凄い。
「ありがとうございます、きっとお母様もお喜びになられている筈です」
しらほしちゃんに髪飾りを返せば、それを再度付ける事は無くベッドの枕元の脇に置いた。
「イリス様の、そのオレンジ色の髪飾りは誰かから貰ったのでございますか?」
「コレ?これは私の黒髪に良く映えるだろうって言って、1年くらい前にベックマンって人がくれたの。しらほしちゃんのと違って良い話は何も無いけど…ただ何となく気に入っちゃってずっと付けてるって感じ」
巨大化した事で外したヘアピンを手の平で転がしながら言う。
王華は知らないけど、私はこういうのに興味なかったからなぁ、まさか自分がここまで愛用する装飾品が出来るなんて思ってもなかった。ていうか、多分オレンジ色だからずっと付けてるんだろうな。ベックマンもそれで「よく映える」って言ったに違いない。
「イリス様がずっと付けてる髪飾り…それはお宝ですね」
「私から言わせて貰えばしらほしちゃんの鯛焼きちゃんの方がずっと尊くて価値のある物だと思うけど」
しらほしちゃんが普段髪を留めている頭部を撫でる。そのまま体を寄せ、背中に腕を回して抱き締めた。
…ふっふっふ…普段はナミさん達に色々されちゃってる私だけど…しらほしちゃんはどう見たって完全に受け!私から攻める事が出来るというもの…。
しらほしちゃんはそういう事への耐性は無さそうだから、今日はキスだけにしておくけどね。でもリードは私がするよ?
「あ、あの…!ナミ様が仰ってました…イリス様は、こうされるとお喜びになられると…!」
「ん?」
とん、と体を押されてしらほしちゃんに押し倒される。
……あるぇ?何で私下なの?何でしらほしちゃんを見上げてるの??
「ちょ、ちょっと待って!私は別に…」
「…っ…やっぱり、わたくしではご満足頂けないのでしょうか…?うぅ…っ」
「あー!すっごい嬉しい!私今からしらほしちゃんに何されちゃうんだろー!楽しみーー!!」
くそったれ!!!
ナミさんもナミさんだよ、一体いつしらほしちゃんにこんな事吹き込んだの!…私がカリブーから財宝を取り返しに行った時かぁ…!!
「…で、では……い、……行きます…っ!」
「…うん」
目を瞑って、りんごの様に顔を真っ赤に染めたしらほしちゃんの震える唇が近付いてくる。
…可愛いな…こんな感じなら、私が下でも別にいっか…。
ふっくらとしたとても心地の良い感触が、ゆっくりと私の唇に吸い込まれる様に近づき…そして1つになった。
しらほしちゃんは両腕で私の両腕を掴みベッドに押し付けている。これは何というか、必死さの表れだ。ナミさん達の様に今から襲ってやるぜぇ…みたいな拘束ではない。そこがまた何とも…しらほしちゃんの純粋さが見て取れて無性に愛おしく感じた。
「…んっ…、…こ、ここからどうすれば……っ」
「…良いよ、しらほしちゃんのしたい様にしても。私の事、好きだって思ってくれてるのなら…本能でこうしたいっていうのがあるでしょ」
「…で、ですけど……」
よーし、もう一押しだね。ちょっと煽って、優しく教えながらしらほしちゃんとの初夜を始めるとしようかな。
「ほら…例えば…」
ツー…と私の太ももから胸までゆっくり指を這わし、小さな膨らみに手の平に包み込む。
「こことか…触ってみたいって思わない?」
「…わ、わたくしは……、っ…はぁ…」
瞳の奥に熱が宿り、興奮の為か息遣いが荒くなったしらほしちゃんが私の着ている服に手をかけた。
まだ震えるその手に私の手の平を重ね、大丈夫だから、と撫でてあげる。分かるよ、初めては緊張するよね…怖いよね。
だから私も、あの時のナミさんの様に…しらほしちゃんにはうんと優しくしてあげるんだ。
「…っ…イリス様…!」
「わ…。ん、いいよ…きて」
しらほしちゃんの手が、普段では考えられないくらい強引で力任せに動き、私の着ている服を上に捲り上げた。
…なんだか思ったよりしらほしちゃんに火が付いてるというか……私大丈夫かな、コレ……。
***
「……ぐすん」
「すー…すー…」
恨めしい程可愛い顔をして眠るしらほしちゃんの隣でこっそりと涙を流す。
無事にしらほしちゃんとの初ちょめちょめは終わったけど…1つ言わせて欲しい……上手すぎだよ、しらほしちゃん……!
そりゃあしらほしちゃんの興奮を煽ったのは私だよ?まさかあそこまで的面に効くとは思っても無かったけどさ!
結局何度も鳴かされたよ私は!ナミさん達としてる時との違いと言ったら、しらほしちゃんが私にあれやこれやしてる最中も上手くできてるか不安そうに見つめてくるって事くらいだよ!!可愛かったけど!!
「結局私はやられちゃうんだね……はぁ」
お酒が入れば私だってぇ…!!くぅうう…!!!
「…なんていうか私、やられちゃう事に慣れ過ぎてない…?」
もう完全に受ける事に特化し過ぎたのかな…だとしたらナミさん達が悪いよね!これはもう物申すしか…!!……いやー…やっぱりやめておこう、オチが見えた。
『大変だね、イリスも』
「ちょっと、さっきの見てないよね?」
『当たり前じゃん、その辺は弁えてるよ。しらほしちゃんの部屋に入ったあたりから繋がり切ったし』
突然話しかけてきた“王華”に適当に言葉を投げ返す。
彼女は、私の前世の人格だ。2年前は私が寝るか
私の方からも強く王華を呼ぶみたいに念じれば向こうには伝わるらしく、修行中とかで私が1人の時はこうして話す事も少なくは無かった。
尤も、こうして2人きりにならないと自重しているのか話しかけてくる事は無い。
「…じゃあ、沙彩の事は?」
『…うん、それは聞いた。間違いないよ…それは絶対に沙彩』
ここまで断言してるって事は、原作にサアヤってキャラクターは居なかったんだろう。
『グリーンビッドの魔女っていうのもONE PIECEには居なかった。あんまり期待し過ぎるのも良くはないと思うけど…』
「いや、期待していこう。変に意識しない様に考えたって…大切な人達との再会なんだから、どうしたって意識しちゃうだろうし。それなら思いっきり期待した方が得でしょ」
『イリスって本当に変なところでポジティブだよね…でも、ありがと』
王華達の過去を知ってるんだからそう思うのは当然だし、幸せになって欲しいとも思うでしょ普通。
生まれ変わった私だけが楽しむなんて、それは王華にも美咲達にも悪い。
「じゃあ、そろそろ寝るよ。すぐそっち行って修行する」
『これ以上強くなってどうするの…』
呆れ声の王華をスルーして、私は目を瞑った。
…王華はそういうけど、私はまだまだ強くならなくちゃいけない。
嫁を全員守る為には、私はこの星の端から端までを守れる力が居るんだから。
レイの事もあるし…気は抜けないよ。私がどれだけ強くなっていたとしても…ね。