ハーレム女王を目指す女好きな女の話   作:リチプ

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新世界 パンクハザード編
160『女好き、カミカミとウィザウィザ』


魚人島を出た船は、いよいよ偉大なる航路(グランドライン)後半の海、「新世界」に向けて上昇を続けていた。

そんな中…私は目の前で揺れ動く幾つものぽよんに圧倒されている。

 

「な、なんかみんな…全体的にぽよん様成長してない…?」

 

「胸が?それを言うならイリスの胸の方が成長激しいじゃない」

 

「キャハ…気になるなら触ってもいいわよ?勿論私は気になるから後でイリスちゃんのおっぱい揉ませてもらうけどね!!キャハハ!!」

 

ミキータが笑いながら私の胸をガン見していて流石に苦笑いが零れた。

…で、今どんな状況かと言うと…女性陣みんなでお風呂に入ってるという訳ですね、はい。

 

久し振りにサニー号のお風呂を堪能したいというナミさんの言葉に賛同したら、即座に目を光らせたミキータが私の肩に手を置いて意味深なサムズアップ…。

そこからはロビンもペローナも来て、まぁ…こうしてみんなで入る事になったのだ。

 

「イリス、私はどう…?まだ綺麗かしら」

 

「何を気にしてるのかは知らないけど、ロビンは幾つになっても綺麗だよ」

 

そういえばロビンはもう30歳だもんね、私も21歳だし、いつのまにか大人になったって感じ。

王華と足せば私は39歳?おふ…あと1年で40歳…。

 

「女王、私の背中洗え」

 

「ああ、うん。よいしょ…」

 

「そこ前じゃねェか!!背中って言っただろ私は!」

 

いや…背中向けてるけど、前に無防備なぽよんがあると思ったら我慢出来なくて。

 

「まぁまぁ、いいじゃないペロちゃん。イリスちゃんが揉んでくれるなら喜んで差し出しておくべきよ!」

 

「私はお前みたいにそいつの事ばっか考えてる訳じゃねェんだ!」

 

「そういえば、魚人島で最初散り散りになった時にイリスが居なくて慌てふためいていた人が居たような気がするわね」

 

「うるせェ!喋んなロビン!!」

 

可愛いなぁペローナちゃん。ていうか嫁みんな!絡んでるトコ見るのも最高!

 

「…それで、真面目な話をするけど…イリスの探してた人って言うのが四異界のサアヤって事?」

 

ああ、そうだった。私がお風呂で襲われない様にこの話を持ち掛けたんだった。ペローナちゃんのぽよんの魔力に思考が奪われてたよ。

 

「そうみたい、王華もそうだって言ってるし…、みんなは知ってるの?」

 

「むしろ何で知らねェんだ、『超彩のサアヤ』って言えば四皇ビッグ・マムの右腕だぞ」

 

「カミカミの実だっけ?神様?」

 

ビッグ・マムの右腕と言っても、タマゴ男爵は確かサアヤとビッグ・マムは同等の強さって言ってたよね。

ただ表立って行動しないから海の皇帝に名を連ねる事は無いそうだけど。

 

「神様じゃないわ。カミカミって言うのはつまり…ワポルって覚えてる?あいつの上位互換みたいなものよ」

 

ワポル…覚えてはいるけど能力ってなんだっけ、バクバク?

食べた物を自分の力にするとか…だった筈…。最終的に倒したのはルフィだし、私はあの時戦闘に参加しなかったから印象が薄いんだよね。

 

「カミカミの実…対象となる物の一部を噛む(・・)事で、対象の特徴を自分の物にする。例えば超彩がイリスの髪の毛を1本でも噛めば…その時点でバイバイの実の力を得る事が出来るのよ」

 

ロビンの説明に心の中でため息をついた。そりゃ…確かにとんでもない能力だ。相手の能力までコピーしてしまうなんて…そんなのカミカミというよりコピコピじゃないの??

 

「その能力で複数の能力をコピー出来る事から、彼女は『超彩』と呼ばれる様になったわ」

 

「だけど『超彩』は滅多に表へは出てこねェ。奴の懸賞金額が12億止まりなのはそれが理由だ。もし本気で暴れ出せば…それこそ第5の海の皇帝が誕生するだろうな」

 

四異界ヤバイのしか居なくない??私も相当ヤバイって自覚してるし、レイは普通にヤバイし。ヤバイしか言ってないけど!

 

「…まぁ、だからサアヤとは会わなくちゃいけないから、ビッグ・マムのトコには絶対行くんだけど…王華は『グリーンビットの魔女』も気になってるみたい」

 

「また四異界…、もしかして四異界って全員イリスと関わりあるとか言わないでしょうね」

 

「残念だけど、その可能性は高いよ」

 

そもそも『四異界』なんてものがONE PIECEには無かったそうだからね。

でももし四異界が全員私と王華が探してる人達だったとしても、レイは安城さんで確定してるから…1人は私だし、『超彩』は沙彩だし…魔女が美咲か叶だったとしても後1人の手掛かりだけが無いんだよね…。

 

「『グリーンビットの魔女』…彼女もあまり人前には姿を見せないそうね、まるで超彩も彼女も…誰かを待っているみたいに」

 

そうだとしたら、間違いなく待人は王華だろうけどね。

 

「魔女の能力は『ウィザウィザ』だっけ」

 

「そう…彼女の能力は正直…私としては羨ましくもあるのよね…」

 

「ナミさんが?」

 

…ウィザウィザだから……、あ、ウィザードって事か!

私の顔を見て気が付いた事を察したロビンが、カミカミの時と同じ様に解説してくれる。

 

「火・水・風・雷・土・光・闇…これら全ての自然の力を、まるで魔法の様に自在に生み出し、操る事が出来る能力よ」

 

「メラメラとゴロゴロとピカピカとヤミヤミを混ぜてるって事ぉ!?」

 

「それに水、風、土を追加しているのが魔女の能力よ。因みに水の力で氷を生み出したりも出来るそうだから、ヒエヒエも兼ねてると言えるわね」

 

強すぎでしょ…超彩より超彩してるけど。

 

「だけど自然系(ロギア)じゃないから攻撃は当たるのよ、当然イリスちゃんの方が強いわ!!」

 

私の方が強い情報は果たしているのだろうか…!戦ってもないし分かんないけどね…負けないけど!

 

「魔女の情報だけ多いのは、彼女は超彩や狂人とは違って海賊では無いから、普通に海軍と連絡を取り合っているからよ。海軍に誘われたりもしたそうだけど、自分はここを離れられないからと断ったみたい」

 

なるほど…四異界って別に海賊につけられる異名じゃないもんね。なんかヤバそうな能力だなぁ…って思われた人につけられるんでしょ。

サアヤと違って自分の手の内を隠す必要もない訳だから、どこかで能力の詳細が知れ渡ったんだろうね。

 

「とにかく、用があるのは魔女と超彩って訳ね!なら当然私達も探すのは手伝うわ…!…だから今はゆーーーっくり体を休めないと」

 

とかなんとか言いながら私の体に手を這わせてきたミキータ。ちょっとぉ?体を休めるって言ってたのは何だったのぉ?

 

「っ…キャ!」

 

「わっ…!」

 

な、何!?急に船体がかなり揺れたんだけど!?

 

「みんな大丈夫!?」

 

「ええ…、ったく、上昇気流に乗るまでは穏やかな海流の筈なのに何をやってんだか…!」

 

「やっぱりあいつらだけ甲板に残したのは間違いだろ、早く戻るぞ!」

 

「ま、待ってみんな!まだイリスちゃんを堪能してないわ!!」

 

「はいはい、後でね!」

 

後でって、それ言うとしても私のセリフだよね!?

そりゃあいいけどさ!

 

これは本格的に夜寝かせてくれなさそうだなぁ…と遠い目をしながら急いで体についた水分を拭き取り、服を着て甲板に出る。

…ってこの服メイド服じゃんか!!誰だこれ用意したの!!!ご丁寧に動きやすいミニスカだし!カチューシャもちゃんとあるし!!!魚人島で言ってたのはコレの事ですね!!

 

ーーーー着たけどさ!!!可愛いから!!!

 

「フフ、食べちゃいたいわね」

 

「キャハ!流石イリスちゃん…似合うと思っていたわ!本当は丈の長いスカートの方が好みなんだけど…」

 

私としては、スカートは動きづらいから普段着にはしたくないんだけど…。

って、メイド服は絶対普段着にはしないけどね!スカートが嫌って訳じゃないから、普通の!そう、ふつーー!のスカートとかワンピースならパジャマに使ったり、後はナミさん達とお出かけする時に着たりもしたいけど!

 

「め、メイド服はあと!今はさっきの揺れの原因を…ってええ!?なんか居る!?」

 

船から縄が伸び、その先をバカデカイ魚が食らい付いていた。既に狩った後みたいだけど…こんなでっかいの引っ張っててサニーは上昇出来るのかな?心なしか沈んでいってるような…。

それに目の前に見えてるこのでっかいヘビみたいなのは何…?白いし…ウネってるからやっぱりヘビかな?どこまで続いてるのか端が見えない大きさのヘビなんて流石新世界の海だ。

 

「…!大変、あれは白い竜(ホワイト・ストローム)!!?」

 

「ほわ…?」

 

あのヘビのコトかな。

 

「まるで生きた竜の様に突然海底に現れるという巨大な白い渦巻よ、この渦に捕まった船は後日…信じられない程遠い海で船だけ(・・・)発見されるそう。つまり、あれに捕まれば私達は全員死んでしまうわね」

 

「え!?それってマズいじゃん!」

 

全然ヘビじゃ無かった…あの渦を消せばいいのかな!?いやでも、そんな威力の技を放ったら間違いなくシャボン割れるし…!

 

「みんな!!急いであの渦から離れるのよ!!早くあの魚切り離して!!」

 

「「「え〜〜〜!!!?」」」

 

「魚と命どっちが大事なのよ!!あんなの引っ張ってたら身動き出来ないでしょうが!!」

 

だけどあの魚、サンジが調理してくれたら美味しいんだろうなぁ。

 

「マジでやべェぞ…!オイロボ!クー・ド・バースト使え!!」

 

「いや、スーパー手遅れだ!!」

 

「船体にしがみつけ〜〜!!!」

 

ズボ、と渦に魚が引き摺り込まれ、サニー号もその後直ぐに渦の中へ吸い込まれる様に入ってしまった。

これはまずい…!確かにとんでもない渦巻だ!!

 

「み、みんな…!捕まって!!」

 

左手でメインマストを掴み、右手は倍加で4本に増やしてナミさん達の手を握り締めた。

サニーのマストならそう簡単に折れないだろうから、私がこの手を離さない限りはナミさん達の安全は確保されてるね…よし。

 

「それにしても…」

 

なんて渦巻だよ…激し過ぎてどこまでもグルグルと回されていくんだけど…。

しかも結構速いし…どこまで連れていかれるんだっての。

 

 

ドン!!

 

 

「っと…!な、何!?止まった…?何かにぶつかったの?」

 

「え!?」

 

奇跡的にサニー号は渦を遮る何かにぶつかって渦外に放り出された。

…で、何にぶつかったのかと思って船の前を見てみると…。

 

「ら、ラブーン…!?」

 

ルフィがそう叫んで、目の前を優雅に泳いでいる何頭ものクジラの群れを見上げた。

 

…ラブーンでは無いだろうけど、同じ種だよね。みんなラブーンと同じように額に傷があるのは何でだろう…?

 

「でも、助かったね。クジラ達が居てくれたから渦から抜け出せたし」

 

「そうね…アイランドクジラの群れに出会うなんて…!」

 

「ビンクス〜の酒を〜、届け〜にゆっくよ〜〜♪ラブーン!!止まって聴いて下さい!ブルックです!!」

 

「落ち着け!クジラ違いだ!」

 

ウソップが混乱するブルックを何とか落ち着かせようとするけど、彼がああなるのも仕方ないよ…ラブーンに会うのが目的なんだし。

ラブーンは前半の海にいるワケだから、どうやったってこっちには来れない筈だ。私達が魚人島へ来るために飛び込んだ海溝の穴だってラブーンでは通れないだろうし。

 

「うおっ…!改めて見てみりゃ、イリスちゃんメイド姿か…!良く似合ってる」

 

「えへへ、ありがとう」

 

「服なんて何着ても変わらねェよ、な、イリス!」

 

「ルフィってもしかして私が女だって忘れてるんじゃないの??」

 

メイド服まで行っちゃうと確かにアレだけど、これでも可愛い服とか好きなんだよ私…。凄く興味があるって訳では無いけどさ…。

やっぱりサンジは女心良く分かってるなぁ…!

 

「それで、ナミさん達は無事だけど他のみんなは大丈夫?さっきの渦で飛ばされた人とかいない?」

 

「ああ」

 

うん、全員居るみたいだね、良かった良かった。

 

「じゃあ、どうする?早いとこクジラから離れる?」

 

「ううん、このままでいいわ。これだけ大きなクジラの群れは既に“海流”を生んでる、流れに逆らっては危険が増すだけなの。今はしっかり帆を張って船体をクジラ達と同じ方向に向けるのが1番良い!」

 

「よし、任せて!」

 

帆を動かし、海流を受けて船体をクジラと同じ方向に向けた。

やっぱりナミさんは凄いなぁ…私なんて戦闘しか出来ないのに。

 

「そうだ…ここはラブーンの故郷…!ご親族の方居られますか…!?」

 

あっ…群れから逸れたのがラブーンだから、この群れが故郷なのか…!

それに一早く気が付いたブルックが、船から身を乗り出してクジラ達に語りかける。

 

「50年前…群れから逸れた小クジラをお探しの方…!ご安心下さいね!彼は反対側の海で…元気です!今や大きく育っているそうです、どうかご安心下さい!!」

 

そう言って、バイオリンを取り出し『ビンクスの酒』を歌い始めた。ブルックだからこそ出来る、クジラ達と心を通わせる方法だ。

アイランドクジラはラブーンもそうだったけどかなりの知能を持っている。それこそ人の言葉を理解しているくらいだ、ラブーンがそうだった。つまり…このクジラ達にもその言葉は届いたという事だろう、1頭のクジラがサニー号の真下について、頭の上に船を乗せたのだ。

 

「お、乗せてくれんのか?」

 

「ブオオオ…!」

 

「このまま連れてって貰いましょ!みんな上昇海流に乗るみたい」

 

白い竜(ホワイト・ストローム)とかあったけど、何とか無事に新世界へ辿り着けそうで良かった!ブルックがクジラ達と打ち解けてくれたおかげだよ。

 

そのまま真上に昇っていき、すぐに海面が見えてきた。

この先が…新世界だ!

 

「海上に出るぞ!!」

 

ワクワクと言った感じのルフィがそう口にし、いつもの様にサニーの船首像へと座る。

来たよ…「新世界」!

 

船はみるみる内に海面に近づき、私達の胸の昂りもそれに比例して高まっていく。

そうして、遂に私達は新世界へと飛び出した。

 

「出たァ〜〜!!ウォオオ!!新世界〜〜!!」

 

うっわ…さっすが新世界!空は雷雨、風は強風!海は大荒れ逆巻く火の海!…てかほんとに燃えてるけど!!

 

「まるで地獄だね!望む所だよ…地獄の可愛い女の子達も嫁にしてやるー!!」

 

とにかく行くよー!美女の居る島ぁ!!!

 

 

 


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