ハーレム女王を目指す女好きな女の話   作:リチプ

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遂に今作品は一周年を迎えました!
いやー、感慨深いです!まぁ、一話目の投稿は一月三日なので正確には昨日で一周年なんですけど!
でも、一年も書き続けられたのはやはり読んで下さる皆様のお陰です。
これからも完結に向かって、ただひたすらに精進して参りますので、今後ともどうか『ハーレム女王を目指す女好きな女の話』をよろしくお願い致します!!


171『女好き、青キジ再び』

「スモやん中将!俺達もう1度島内へ行ってくる!」

 

「どうした…?」

 

宴中に突然どうしたのか、チンピラ海兵達が集まってスモーカーにそう話をしていた。そこにはジェット達の姿も見えて、何故か嬉しそうに顔を綻ばせている。

 

「毒ガスの弱点をシーザーに吐かせた!こいつらの仲間はまだ助けられる!」

 

「手伝って貰ってすまねェ…恩に着るぜ海兵さんよ!」

 

弱点があるんだ、でもそれは本当に良い情報だね!

死んだと思ってた仲間達をまだ助けられるって分かったからジェット達も明るい表情だったのかぁ。

 

「私も手伝おうか?」

 

「イリスさん…!何から何まですまねェ…!頼む!」

 

「いーよ、また今度美女でも紹介してくれたらチャラにしてあげる」

 

「キャハ!最低でも私くらいの女じゃないとダメよ!」

 

「「「条件厳し過ぎるだろ!!」」」

 

ミキータはスタイル抜群の超絶美女だから…なかなか居ないと思う。…いやでも、私の嫁になってくれた天使達ってみんなめちゃくちゃ可愛かったな…。

 

「じゃあ、その間に俺達はタンカーの用意だ。ガキ共を送り出す準備をしねェと」

 

「タンカーはお前らが使うんじゃねェのか?」

 

サンジの言葉にスモーカーがそう疑問を投げかけた。

ルフィ曰く、子供らの出航を確認しないとウチも絶対船を出さないってナミさんとチョッパーが言っているらしい。スモーカー達以外の海軍を待つのも時間がかかるから、タンカーを利用してくれとの事だった。

 

「宴もそろそろお開きでしょ?私はジェット達の応援に回るから、子供達の事はよろしくね!…あ!そのタンカーってもしかしてたしぎちゃんも乗っていくの!?もっとお話ししたかったけど……!!うう…またね…!」

 

「……ええ、“また”」

 

「…?」

 

ふっふっふ…首を捻ってますねぇスモーカーくん。これは私とたしぎちゃんだけの秘密…あなたになんて言わないやい!!

 

「ルフィ!先に出航してていいよ!私は後で追い付けるからー!」

 

「ああ!早く来い!」

 

大きく手を振ってみんなと一旦別れ、島の中へと戻っていく。

聞けば、毒ガスに包まれた人達は、体を包んでいる毒ガスの塊を砕いてやれば割れて動けるようになるのだとか。

包まれた状態で半日以上放置すれば死ぬらしいが、それまではさっき言った手順で助けられるらしい。叶の技の余波で割れてないのが不思議だ…。

 

 

 

「茶ひげの仲間もガスに呑まれてたの?」

 

「ああ…もう少し早くシーザーの本性に気が付いていれば…!だから一刻も早く助けてやらねェと!」

 

半日なら時間はまだ余裕があるくらいだけど、それはあくまでも平均的な数値だろう。個人の体力差とか、その時の健康状態にも左右されるだろうから茶ひげのいう通り早いうちに助けた方が絶対に良い。

だったら……、あ、起きてやがるな…このネボスケめ…!

 

「出てきて、王華」

 

「はいはーい、ちょっと寝起きであんまり話聞いてなかったけど、事情は分かってるよ〜、研究所内と外の仲間を助け出す、でOK?」

 

「いや、外だけだよ、中には毒ガス入ってないし、研究所はぶっ飛ばしたし」

 

寝てたから分からないんだよね!いやーでもね、寝過ぎだと思うよ私は!すっっごく大事な所で起きてくれなかったんだからね、もう!

 

「ぶっ飛ばしたって……うわ、ホントだ…何コレ、隕石でも落ちたの?」

 

「いや、その跡は叶の仕業」

 

「え!?叶と会ったの!?」

 

ええもうホントばっちり会いましたとも!ややこしい事になったけどね!

…というのをさらっと王華に説明しておいた。本気で申し訳なさそうにしてたから、なんだか逆にちくちく言っちゃった私が悪いのではと思うようになってきた…いや、よくよく考えたらどっちも悪くないよ、うん!

 

で、何とか茶ひげやジェット達の仲間も全員見つけ出す事に成功して、固まったガスを叩き割って茶ひげに積み上げていく。便利だなーワニタウロス。

 

「さ、流石に重い…!」

 

「ミキータにも残って貰ったら良かったかな、失敗した…。あ、王華もありがと、そろそろ必要無いだろうから女王(クイーン)化も解くね」

 

「はーい」

 

女王(クイーン)化も解除し、だくだくに汗を流す茶ひげにみんなでエールを送りながら元の宴をしていた場所まで戻ってきた。時間で言うと大体1時間は経過したかな…?仮死状態の人は見聞色で気配を探れないから探すのに苦労した…私や叶の技の余波で固まった所とは違う場所まで飛ばされてたりもしたから余計に大変だったかも。

 

……ん…?

 

「……、茶ひげ、ジェット部隊、ストップ」

 

…さっきまでは居なかった、デカい気配の持ち主が近くに居る。

それに、スモーカーの気配が小さくなってる…?まずい、何か起きたんだ!!ナミさん達は…良かった、とりあえず一旦出航してくれたみたい…!

 

「どうかしたのか?イリスさん」

 

「…それを確かめてくるから、絶対にここから動かないで」

 

それだけ言い残して走り出した。スモーカーを死なせる訳にはいかない…!たしぎちゃんが悲しんでしまう…っ!

……んぁ!?

 

「や、やばい…!!」

 

スモーカーともう1人の新たな別の気配の近くまでやってきた私は、スモーカーを助ける事なく近くの岩場の影に滑り込んだ。

スモーカーを見捨てた訳じゃない。私が助けなくとも…“あいつ”が先に助けたから身を隠す事を優先したのだ。

 

…スモーカーを殺そうとしていたのは…間違いない、どこからどう見てもドフラミンゴだ。ドフラミンゴはスモーカーにトドメを刺そうと右腕を振り上げて………その状態で固まっていた。何でって…氷でだよ…!こんな事出来るの、あいつしか…っ!

 

「あらら…あの女探して来てみりゃ…兄ちゃん、随分面白そうなコトしてんじゃないの」

 

「……!」

 

…あ、青キジ…!!で、出たぁ…やばいの出たぁ…!いや、落ち着け私…これはただのトラウマ…!今の私なら何も恐れる事はない、そう、深呼吸しよう。クールになろう。

 

何とか心の平穏を保ちつつ状況を観察していれば、凍らされた筈のドフラミンゴは簡単に氷を破って出てきた。

近くにスモーカーも居るから本気で凍らせる事が出来なかったんだろうけど、ああもあっさり突破するんだからドフラミンゴも相当強いんだろうね。

 

「…フッフッフ…!お前と戦う気はない…!しかしその男の口を塞げねェんなら、俺も取るべき行動を変えよう!」

 

「…やめとけ、お前じゃアイツに勝てねェよ」

 

「癪だが…その通りだ。あんな怪物、2年の月日が経った今となっちゃ相手したくはねェ……が、俺もバカじゃねェ、対応策は練ってある」

 

…もしかしてアレ、私の話?いやいや…それは流石に考えすぎかな、自意識過剰って言われちゃうかも。

 

「生半可な対策は意味ねェが…ま、精々頑張んなさいよ」

 

「生半可?…フッフッフ…!!例えば俺のバックに居るのは…四皇の1人、カイドウ」

 

「裏の情報を得てる者なら常識じゃねェか」

 

「そしてもう1人が…」

 

もう1人…?と青キジが眉を潜める。裏の情報とやらは知らないけど…バックに四皇が居るって凄いな…。

…私も居るようなものか、2人ほど…。いやでも、その内の1人は元四皇だから!引退してるから!!

 

()()……()()だと言ったら……どうだ?」

 

「ッ…!!?」

 

「!!」

 

れ、レイ…!?まさか、ドフラミンゴと組んでるの…!?

何に驚いたかって、誰かと徒党を組む様なタイプだとは思ってなかったから余計に驚いた。あのぶっ飛んだ考えの人でも誰かを利用しようと考えたりするんだ…。ああ、そういえば1番最初に出会った時も黒ひげ海賊団を利用してたんだっけ。

 

「……コリャ、確かに驚いた。そいつァ誰かの面倒を見るようなタマか?」

 

「いいや、奴は本物の怪物だ、俺では手に負えねェ。だが…厄介な“女王”を潰す駒としてならその効果を存分に発揮してくれる。…フッフッフ…そこで隠れているつもりの女王にでも伝えておけ」

 

「ぅえ…っ?」

 

バレてた!!?流石に気配は消し切れなかったか…!

青キジも普通に気が付いていたのか、これっぽっちも驚く事なく静かにドフラミンゴを見ていた。

やがてドフラミンゴは、連れていたバッファローと共にどこかへ飛んで行った…けど、ベビー5とモネはどこだろ、一緒にサニー号へ乗せてくれてるのかな?だったら良いんだけど。

 

「……じゃ、私もそろそろ…」

 

「あららら、ツレないじゃないの、せっかく2年ぶりに再会したってのに挨拶も無しか?」

 

「いやー…結構です…なんて、…はは」

 

逃げようとした私の前まで歩いてきた青キジに逃げ道を塞がれてしまった。それにしても、軍服着てない青キジってなんか新鮮だなぁ。

スモーカーや周りに倒れている海兵達の手当てを優先したら?と言って一旦誤魔化しておく。

よし…青キジが医療班を呼んでる間に私は逃げるとしますか…。

 

「それなら俺達が医療班を呼んでくるぜ、あの青キジと知り合いなんて流石イリスさん…!ゆっくり話をしていてくれ!」

 

「えっ」

 

「お、良いのか、そんじゃァ頼むわ」

 

えっ。

 

何やら勘違いしてるジェットの言葉に変な声が出ちゃった…。

彼らも良かれと思って言ってくれた事だからなんだか反論もしづらい…。

 

…ん?

 

「青キジ…なんか、その足おかしくない?もしかして…」

 

「ああ…コレか。ちょっと色々あってな、流石にお前にはバレちまうか」

 

「まぁ…明らかにそこの気配に違和感があるからね」

 

青キジの左足…間違いない、義足だ。

しっかりと確認した訳じゃないけど2年前はちゃんと両足あった筈だ。という事はつまり…失ったのは赤犬戦だろうね。

 

「で、片足失っちゃった青キジさんが私に何の用?」

 

「大した事じゃねェんだが……“狂神”の事について確認しておきたいのと、後はただお前と話すのが目的だ」

 

「ふぅん…?」

 

話すのが目的か…私との会話の中でレイの事や、その他に探りたい何かがあるのかな?青キジにしては周りくどいと思うけど。

 

「狂神レイ…奴は、お前の知り合いだったな?」

 

「私じゃなくて王華ね、戦争にも居たでしょ?白髪の可愛いコ。王華とレイは同郷なの」

 

「……オウカってのは、お前の能力で生み出すもう1人のお前…じゃねェのか?」

 

あー……この事を詳しく話そうと思ったら長いし、誰にでも言いたい内容でも無いからなぁ…。

なんか青キジとは妙に縁があるし、言っても良さそうな気もするけど……。

 

「まぁ、その辺は色々あってね。…で?レイがどうしたの?」

 

「俺は奴と接触を試み、1度だけだが話をする機会を得た」

 

「ふーん………、えっ!??話!?」

 

レイと…!?黄猿をフルボッコにしたって聞いたけど…良く無事だったね青キジ…。もしかしてその足って赤犬じゃなくてレイから?

 

「どんな奴か興味があったんでな、話をしたにはしたんだが…ありゃ、まともな思考じゃなかった。イリスさんイリスさんとお前の話ばかりでこっちの質問には何も答えねェ…向き合って話をしている筈なのに、俺は奴と会話している気はしなかった」

 

「因みに、その入州さんって言うのが王華の事だよ。彼女は私の事も眼中に無いみたいだった。…で?逃げ帰ってきたってわけ?」

 

「ま…そんなトコだ。知り合いなら代わりに奴について知っている事を聞いておこうかと思ってな」

 

「私もそんなに詳しくは知らないよ、ただ王華の同郷で、何かがおかしいって事しか」

 

そもそも私の知る安城 零はあんなに狂気に満ちてはいなかった。彼女がこっちの世界に来る意味も分かんないし、あそこまで王華達を殺す事に拘る理由も動機もさっぱりだ。

 

「奴は…狂神は、間違いなくそう遠くない未来で暴れ出す。奴は一方的に話を進めながらこう言った……『そろそろだ』と」

 

…そろそろ。

いろんな意味で捉える事が出来る言葉ではあるが…この言葉を発したのがレイってだけで危険な意図があると瞬時に理解してしまう。

そろそろ暴れるのか?そろそろ王華達を殺しに出るのか?…今はまだ、何も分からないままなんだけど。

 

「気を付けておく事に越した事はねェだろ?いずれデッケェ山が来るってのが分かっただけでも“上々”だ」

 

「レイの事だけに?」

 

「ん?……、アー…んなつもりは無かったんだが…思ったよりギャグのセンスはねェんだな、イリス」

 

「うっさいわボケ!」

 

確かにそうかもしれないけど、そんな事は心の中だけで留めておいて欲しかったかな!!形だけでも笑ってほしいな!!

 

「なんだ、話に付き合わせて悪かったな、俺の用はこれで終わりだ」

 

「もう?」

 

「話したかっただけだと言ったじゃねェか」

 

「あれホントだったの!?」

 

本当に私と話すのが目的だったのかこのオッサン…2年前から思ってたけど、この人何でこんなに私を買ってくれてるのか不思議でしょうがないよ。

 

「…じゃあ私行くから、ジェット達やスモーカーにもよろしく言っといて」

 

「ああ。次会った時は一戦どうだ?」

 

「結構です!!!」

 

間違いなく今は私の方が強いだろうに…何かコイツには苦手意識があるせいで戦いたくない。

ていうか私と話したくてパンクハザードまで来るってなんなの?もうストーカーでしょこの人!

…は、早くみんなを追いかけないと!

 

 

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