ハーレム女王を目指す女好きな女の話   作:リチプ

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189『女好き、少女、恋に落ちて』

「よしよし、どうやらあっちは上手くいったみたいだね」

 

「……」

 

うんうんと満足気に頷く私をモネが鋭い眼光で睨んだ。美女に睨まれても興奮するだけで怖くないよね?

 

あの後シャルリア達と合流してすぐ、私は割と久し振りの神背・倍加(ヒューマインクリース)を使って“私”に囮になって貰った。

デリンジャーは青キジやハンコックと違って相手を固めて行動不能!とかは出来ないだろうから、今頃何度攻撃しても平気そうにしてる“私”に困惑してる頃かもね。

 

「じゃ、外してあげるね」

 

「っ…」

 

モネの口からスカートだった布を抜き取り、ハンカチを取り出して口の周りを拭いてあげる。…流石にもう自殺をしようとは思わないよね?多分、目論んだ所で意味はない事は彼女自身が1番理解してると思う。なんたって自殺を阻止されたのはこれで2回目な訳だし。3度目の正直?言っとくけど次したら、犯すから。

…ってモネに言ったら、なんか身を震わせていた。心無しか私を見る目に怯えの感情が入ってる様な…いや、自殺なんてしようとしなければ何もしないから!!…あ、何もしないは嘘だけど!

 

「…ベビー5、あなた…若様に必要とされていながら裏切ったのかしら…?」

 

「残念だけど、ドフラミンゴの言う“必要”と私がベビー5に対して思ってる“必要"とじゃあ本気度も意味合いも違うからね!裏切るっていうか、そもそも裏切られる様な扱いをするのが悪いんじゃないの?」

 

「……誰もあなたに話しかけていないのだけど?」

 

「あ、因みにモネも必要だよ?」

 

「………」

 

うーん、手強い。シャルリアも顎に手を当てて何やら考える様にモネを見つめていた。

その視線に気付いたのか、モネもシャルリアと視線を合わせて怪訝そうに眉を寄せる。

 

「…何かしら」

 

「いえ…、ただ…何故そこまでドンキホーテの者に忠誠を誓っているのかと疑問に思っただけですわ」

 

「どういう意味?」

 

「そのままの意味です。あなたは一体、彼の何処に惹かれてそこまでの忠誠を?傲慢な態度に?圧倒的な強さに?誇るべき知性に?…いえ、違いますね、あなたからは…依存の気配がします」

 

「…!!」

 

シャルリアの言葉にモネは大きく目を見開いた。…けど、依存?どう言う事?

 

「依存そのものを否定は致しません、今の私も似たようなモノ…既に私の身は、心は…この御方を無くしては生きていけない様に成っています。しかしあなたの依存はそうではない、彼の為に自身を使い潰す事に喜びを感じているのでは?」

 

「ふふ、何を言うかと思えばそんな事?別に否定する必要も無い事よ」

 

「ええ、だからあなたは揺れているのでしょう」

 

その言葉にまたモネは軽く目を見開し、息を呑んで次の言葉を待つ。

…シャルリア、何でそんな事分かるの?私、全く分かんないけど。

 

「ドンキホーテの者に対する依存心は、きっとあなたの心の中でとても大きなモノとなっている筈ですわ。だけど、そんな中で…イリス様が現れた。あなたの当たり前を、それこそ当たり前の様に否定し、そしてあなたはその事に対して不快に思わなかった。…いえ、むしろ心地よかったのでは?」

 

「な…!?」

 

「だから、あなたは自分自身の中で揺れている、いえ、混乱しているのでしょう。とても良く分かります…私も、2年前はそうでしたから。当たり前だと思っていた事を当たり前に壊して下さった…私の英雄様に、当時はとても激しく心を揺さぶられた物です。今となっては、何が起ころうとも揺らぎはしませんが」

 

……あ、あれ?ちょっと待って。なんかその言い方だと…今まで全く効いてないと思っていたモネへの言葉が、私が思っている以上に効果あったって事じゃ…?

 

「断言致します、同じ依存でも、彼よりイリス様へと向けた方が幸せになれますわ」

 

「…っ!あなたが私の何を知っていると言うのかしら!?若と共に、あるいは若の為に!私は若の目的の為ならば、この命を捨てる事だって惜しくはない!!」

 

「そうですか、私は例えイリス様の為とはいえ自らの命を投げ打つのは惜しいですね。何故ならば、そうなってしまえば…私は2度とイリス様とお会い出来なくなります。それに何より…イリス様を悲しませてしまいますので」

 

「そんな事、私にはどうでもいい事でしょう!?」

 

さっきから、シャルリアは淡々と言葉を並べて行っている。だというのにモネは段々と言葉が荒くなって来ていた。…余裕が無い証拠だ。なんていうか…シャルリア、凄い。

 

「ええ、あなたの死など、『ドフラミンゴ』にとってはどうでもいいでしょう。良くて目的達成の為の布石程度。…ですが、イリス様は違います。あなたの命を尊重してくれます、大事にしてくれます、何があっても守り抜いてくれます、そして…本当のあなたを、見てくれますよ?」

 

「っ…」

 

「モネ、本当よ。私もこの命、若さまの為に使い潰すしかないのかと思っていた。…便利な女として、自分を残す事もなくこの世を去るのかと。でも、彼女はそんな私を許してくれなかったわ、私に残った選択肢は、彼女の隣を歩む事だけだった。…だけど、そこでは私自身を見てくれる。私自身を必要としてくれる。…私にとって、それは何よりも幸せな事だったのよ」

 

「ベビー5…」

 

「モネ」

 

がし、と戸惑うモネの両手を私の両手で包み込んだ。私よりも大きなその手は包み込むには足らなかったけど…でもその分、彼女の心だけは大きく包んであげたい。

じっと見つめれば、まだ揺れる瞳が私を捉える。今こそ長年彼女の心の中で成長してきたドフラミンゴへの忠誠心と、私の本気の心がぶつかる時だ。この揺れる瞳、私の方に傾倒させてやる…!!

 

「好き」

 

「っ…!?」

 

ぐい、と手を引っ張ってその身を引き寄せて耳元で囁く。

何をしてるのかって?…愛を囁いてるんだよ!!もうこれしか方法無いよ!全力で、私が思ってる事を貫く!!貫き通す!!!モネが何も考えられなくなるまで、私はモネへの想いを全て吐き出す!!

 

「好き、好き、好き。愛してる、可愛いし、とっても綺麗…。その雪の様にしっとりと白い肌も、艶のある淡い緑の髪も、そして、恩義を忘れない尊い心も、何もかも美しいよ。だから私の嫁になって、私の女になって。あなたの身も心も全て、私に頂戴!」

 

「な、にを……っ、んむっ!?」

 

元よりモネは褒められるのに慣れていない。それは初めて会ったあの時に気付いた事だ。

そこに私の欲もぶち撒け、足を引っ掛けて床に押し倒し、奪う様に豪快なキスをかました。

 

「ん〜♪」

 

「ちゅ…んぅ、ふぁ…っ」

 

楽し気に、愉し気に、私は息つく間も無く舌をモネの口内に侵入させた。強引にこじ開け、逃げ回る舌を絡め取って私のものと一体化させる様に舐めとっていく。時折唇に吸い付き、だけど口の中では変わらず動き回る舌。

私が上を位置取っているからか、私の舌から滴る唾液は全てモネの舌を伝ってその口内を濡らしていく。こく、とモネの喉が鳴る度に私の中でとんでもない興奮の波が押し寄せた。

 

…一体私がどれだけキスの嵐に晒されながら今日まで生きてきたと思っているのか!どうだモネ!私が(半ば無理矢理)培った技術は!!

 

私と“そういうコト”をして来た嫁達は、例外なくテクニシャンである。夜な夜な求められては応じ、押し倒されては体を預ける日々…!再会してからはそれ程していないが、2年前はもうすんごいくらいしていたものである。もうね、凄かった。そりゃあ私だって嫌じゃなかったよ?ていうか、嬉しいし?だって嫁から求められてる訳だからね?でも…何事にも限度があると言いますか…。

で、みんなからの攻めを一身で受けるという事は、言うなれば私は1番“そういうコト”に対しての経験値が多い。普段は基本的に押し倒されている私ではあるけれど、みんなからあれやこれやをされ続けてきた私は…凄腕のテクニシャンになっていたのだ!!

 

「んっ…ちゅ…はぁん…っん!」

 

ほーら!ほーら見てこれ!モネの『とろん…』って感じの瞳!!しかもこの短時間でキスへの抵抗無くなってるからね!!…いやまぁ、抵抗しても無駄って思われただけかもしれないけどさ!!

 

「はぁ…っ、…とりあえず、これで唇は貰ったよ?こんな所じゃなんだけど、次はその体をまるごと頂くから。…そして、心もね」

 

耳元でボソッと呟けば、途端に顔を真っ赤に染めて私を睨むモネ。勿論威圧感ゼロである。だってリンゴだし。

 

「私の気持ちを全部、今すぐ伝えるっていうのは無理かもしれない。でも、さっきのキスで少しは伝わってくれたよね?」

 

「あ、なたが…っ、欲に塗れた、女なら誰でも良いっていう人って事は、良く分かったわ…!」

 

「もー、そんな事言ってー、顔に書いてあるよ?『もっとしてぇ…』って」

 

「ッ…」

 

…うん、効果は抜群、心も傾き始めた。

少し強引だし、なんならちょっとずるいかもしれないけど、卑怯だなんだは言ってられない。

きっとモネは愛情に飢えていた、それこそ…ドフラミンゴに依存し、自らの命を簡単に捧げてしまう程。だから私はそこを突いてやったのだ。モネの許容量を遥かに超える愛情を、誰が見ても分かるように、ドストレートに態度でも言葉でも示した。

 

「…わた、しなんか…」

 

「モネは可愛い」

 

「ぅ…、私は、あなたなんか…っ」

 

「私はモネが好き、大好き愛してる」

 

「ぁ……だ、だけど、若が…」

 

「その若サマより、私で染めてあげるよ、モネ。…そろそろ、自分を大切にしようよ」

 

最早モネの心は没落寸前だった。誰が見ても分かる程に、彼女の瞳は熱く私を射抜いている。ただその態度が、口から出てくる言葉が…自分自身の思いを否定している。だったら後は彼女自身に認めてさせてあげればいい。長い年月をかけて固まってしまったその価値観を、1発で破壊してあげるんだ。自分の心に、揺れる必要も感じられなくなるくらいの1発を!

 

「モネ。私の事…好きになって下さい!」

 

「…っ…」

 

モネの瞳から、水滴がぽつりと零れて床へと伝う。大人びた彼女の顔立ちだけれど、その表情はまるで幼い少女の様だった。そう…例えるならばそれは…

 

ーーー初めて恋をした様な、そんな、甘酸っぱいものだった。

 




強引過ぎましたかね?まあイリスですし、こういう事もあるでしょう(白目)
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