ハーレム女王を目指す女好きな女の話   作:リチプ

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212『女好き、ネコマムシの旦那』

最後まで話を聞けば、ベッジはネコマムシが駆け付けた事で不利を悟って逃走したらしい。サンジとシーザーは連れ去られてしまったけど、こうして助けてくれとメッセージをくれたんだからなんの迷いもなく助けに行ける!

 

「私達ってカイドウとも一戦やる予定なんだよね?どうせなら分かれて行動しない?カイドウ組とサンジ奪還組。サンジの方は私とナミさん、ロビン、ミキータ、ペローナちゃん、シャルリアでどうかな」

 

「それはお前が嫁と一緒に居たいだけだろ!」

 

「でも合理的ね。一味揃って出向いちゃったら全面戦争を仕掛けるみたいに見えるかもしれないもの。イリスの案は極端だとしても、分かれるのは間違っていないでしょ?じゃあメンバーだけど、サンジ君奪還組はまず私、それからイリス」

 

「お前も言ってる事変わらねェよ!!」

 

さっきからウソップ、突っ込んでばかりで大変そうだね。なんて自分の言動を棚に上げながらそう思う。

嫁を全員連れて行けたら1番良いんだけど、それはそれで人数が多くなっちゃうからなぁ。

 

「ったく、アイツもこの大変な時にビッグ・マムにまで絡んでんじゃねェよ」

 

「ゾロは何か思うとこがあるの?」

 

「当たり前だ、考えてもみろ、俺達は今止まらねェレールに乗ってんだ。シーザーが言っていた事だが、「SMILE」の最大の取引相手はカイドウだ。パンクハザードの研究所を壊してドフラミンゴを怒らせた様に、ドレスローザの工場を壊しちまった今……次にブチ切れる男は『四皇』カイドウだ!この国を滅ぼした“ジャック”然り、もう遠い存在じゃねェ…俺達を追って来るのは時間の問題だぞ!カイドウと近々やり合うってのはお前もさっき自分で言ってただろ、イリス」

 

まぁ……ゾロの言ってる事も間違ってはいないけど…。

 

「サンジが心配ならそう言えば良いのに」

 

「あァ!?」

 

「つまりゾロはこう言いたいんでしょ?『カイドウとやり合うって時にビッグ・マムなんかと遊びやがって!お前が居ねェとうちの頭脳(ブレイン)が1人減ってしまうだろ!』って」

 

「ンな事いつ言った!?叩っ斬るぞてめェ!!」

 

あれ、ゾロさんすこーしだけど耳が赤いですねぇ!図星突かれて照れちゃってますか?ぷぷー!!

 

煽ってたら鞘に手を掛けたから慌てて引っ込みました。

 

「カイドウの件は一先ず置いておいて、サンジがビッグ・マムの元へ向かってくれたのはありがたいです。私達の敵は大海賊だけじゃない、この世界に落とされた巨大な狂気……狂神も居るんです。ビッグ・マムの下でどうにか沙彩をこちら側に引き込めれば大きな戦力アップが見込める、そうは思いませんか?」

 

「待て、先程から聞いていればお主ら、カイドウと戦を交えるつもりでござるか?」

 

「そうだよ?流石にワノ国の侍といえどもカイドウの事は知ってるんだね」

 

錦えもんの反応は少し気になるけど、変に詮索する必要も無いだろう。単に四皇の1人と事を構えようとしている事実に驚いているだけかもしれないし。

まぁ、ビッグ・マムともやり合おうとしてるから実際には四皇2人か。なんなら後に安城さんも控えているから3人になる。……改めて考えたら凄い事になってるなぁ。

 

「では、ビッグ・マムの元へ向かえるのは最大4人ですわね」

 

「そうね、先行組が向こうで潜伏してくれるのなら、日を跨いで更に3人は可能だわ」

 

シャルリアとロビンが私では理解できないレベルの話をしているので、視線だけでナミさんへと助けを求めてみた。

 

「…?」

 

あ、これナミさんも分かってないパターンだ。首を傾げて考えてるし、可愛いし。可愛いはいつもの事だけど!

 

「ねぇ、どうして4人なの?それ以上は多すぎるから?」

 

「いいえ、人数はもう少し多い方が良いけれど、私達はビッグ・マムの居場所を知らないわ。なら、辿り着く方法は2つ。その内の1つが4人までしか行けないのよ」

 

「おい、ロビン、勿体ぶらずにさっさと教えろ」

 

痺れを切らした様にペローナちゃんがそういえば、ロビンは軽く頷いて叶に視線を向けた。

 

「彼女の『テレポート』を用いるのよ。行ったことが無い場所でも問題無く移動可能な規格外の移動手段で」

 

「…四異界ってのは、頭のおかしい奴らって認識で良さそうだな」

 

なんで私をジト目で睨むのかなペローナちゃん!『テレポート』と私は関係ないのにどうして私まで頭のおかしいやつって思われてるの!?

 

「なるほど、『テレポート』は私を含めて最大4人が限度、確かにその方法ならば安易にあちら側へ侵入出来ます。そして、もう1つの方法というのは彼の事ですよね?」

 

「ええ」

 

叶やロビンは当たり前の様に話してるけど、ぶっちゃけついていけてない。テレポートで先行出来るっていうのは分かったけど……。

 

「説明をするなら、今向かっているネコマムシの旦那の下にペコムズが居るからです。さっきも言いましたが、ベッジの不意打ちで重傷を負ったペコムズはこの地で療養中です。彼の案内があれば私の『テレポート』は必要ないでしょう」

 

成程、と頷く。

先行組と後発組で分かれるって事か。確かにサンジの身の安全は保証されてるとはいえ、事を急いだ方が良いのは事実だろうからね。

先行組が電伝虫を持っていれば、後発組もスムーズに辿り着けるだろうし、早い段階でサンジの状況を探る事が出来るのも良い。

 

そんな訳で、カイドウ組とサンジ奪還組から更に派生して、先行組と後発組で分かれる事が決定した。まだメンバーは決めていないけど。

 

 

そうやって話し合っていると、気が付けば目的地である“くじらの森俠客団(ガーディアンズ)居住区”へと辿り着いていた。

私達が来る事は事前に通達があったのか、沢山のミンク族が出迎えてくれている。それにさっきルフィとドンパチやってた牛のミンクやゴリラのミンクもここに居るようだ。

ここはさっきの右腹の砦と違って戦場になったのか、建物や木々などに破壊の跡が見て取れた。

 

「おォ、ネコマムシ!!」

 

「錦か!元気そうで何よりぜよ!」

 

でか!

イヌアラシと同じくらいのバカでかい猫ミンクが身体中包帯だらけで陽気に近付いてきた。それを見たチョッパーは顔面蒼白だったけど。

 

「おいネコマムシ!お前なんで出歩いてるんだよ!絶対安静だって言っただろ!!」

 

「ニャニャ〜ン!かまんちゃかまんちゃ、気にするな!わしは自由を愛する男!悪いが医者の命令も……おっとっと…!どこ吹く風よ!」

 

「フラついてるだろ!?傷は癒えてないんだ!傷口が開くぞ!?」

 

「おー!ゆガラ達が麦わらの一味か、助かったぜよ!ありがとう!!」

 

「「ウッ!?」」

 

ルフィとウソップがネコマムシの強烈過ぎるガルチューをくらってワーニーから落ち一緒に転がっていく。あ、ネコマムシの傷が開いて包帯の隙間から血が噴き出た。

 

「私からも礼を言わせてもらおう、麦わらの一味!さっきは部下達が悪かった、侵入者に過敏になっていた」

 

「ん?」

 

近くの木の上から声がしたので見上げれば、木の枝の上に器用に立っている男の猫のミンクが私達を見下ろしていた。猫っていうか、豹?ジャガー?チーター?

例に漏れず、彼もミンク族特有の挨拶を起き上がってきたルフィにやっている。

 

「ペコムズなら目を覚ました、奥の建物だ。この一件は皆には内緒にしてある。サンジはいい奴だ、何か力になれればいいが…」

 

他のミンク族には聞こえない様に小声で話している辺り、彼がわざわざルフィにガルチューをしたのはああやって周りに声が漏れない為のカモフラージュだったのかもしれない。

 

「侍組はネコマムシと話してるでしょ?私達はちょっとペコムズのとこまで行ってくるね」

 

「私は残ります、どこから敵が襲って来るか分かりませんので」

 

「気にしすぎじゃ無い?ジャックはもう居ないんでしょ?」

 

「イリス、何も敵は外からやってくるとは限りません。既に付近に潜んでいる可能性だってあります」

 

叶がそう言うのならこれ以上は詮索しないけど、叶ってそんなに心配性だったかなぁ?

 

違和感に首を傾げつつ、私達はペコムズの居る奥の療養所まで向かった。一緒に着いてきたのはルフィとナミさん、ワンダとキャロットだけで、残りはネコマムシの元で待機している。ミキータやシャルリアは着いてきたそうにしていたけど、ペコムズが怪我人なのを考慮したのか何も言わずに大人しくしていたのが印象的だった。私の嫁、人間性からして女神だと思う。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「ペコムズもそう思うよね?」

 

「一体なんの話だ、ガオ!」

 

私の嫁はみんな天使で女神だよねって話だよ!!

 

「にしてもあんた、良く生きてたわね」

 

「半分は能力で回避した。ベッジの野郎……!…悪かったな、黒足は連れて行かれたか。もう結婚式からは逃れられねェ…」

 

「それなんだけどな、ペコマムシ、結婚て誰が決めたんだ?」

 

「そりゃ勿論、ウチのママとヴァンスモーク家の()()だ!」

 

つまり、サンジの父親って事か。

……どっちにしろ、ビッグ・マムの後ろ盾を得る為にサンジを利用している様にしか見えないから、サンジには悪いけど碌な親じゃ無いんだろう。

 

「サンジ君のお父さん?それってどういう人なの?」

 

「闇の世界じゃ有名な男だぞ、知らねェのか?まァ…簡単に言やァヴィンスモーク家は、“人殺しの一族”だ」

 

「暗殺一家みたいな?」

 

「いや…どちらかと言えば“海のギャング”って言った方が正しいな。「ジェルマ66(ダブルシックス)って名は知らねェか?別名を『戦争屋』と言うが」

 

ジェルマダブルシックス?戦争屋?どっちも聞いた事無い……いや、待てよ?そういえばその名前、何かの本で読んだ様な……。

 

「何言ってんの!?それは空想上の「悪の軍隊」でしょ!」

 

ああ、そうだ、そういえば2年前に新聞の絵物語を纏めた本が売ってて、買い出しついでにちょこっと立ち読みした内容に「ジェルマ66」って名が出てきたっけ。きちんと見た訳じゃ無いから内容までは覚えてないけど。

 

「いいや、実在する組織だ。そのトップに居るのがヴィンスモーク一家、ボスが黒足の親父なのさ」

 

「え!?」

 

ナミさんが驚いた様に声を上げるけど、ルフィは不機嫌そうな顔でペコムズに詰め寄る。

 

「なんか知らねェけどそんなのはどうでもいい!おれ達が知りてェのはサンジが戻ってこれるかどうかだ!結婚するならしても構わねェ!おれ達のとこじゃそんなの今更だしよ。だけどそれでおれ達がビッグ・マムの子分になるのはイヤだ!だから、そん時はお前らがおれの下につけ!」

 

「えェっ!!?」

 

ルフィのルフィ過ぎる話に文字通りひっくり返って仰天するペコムズ。身体中傷だらけみたいだけど平気なのかな。

まぁ、ルフィはなんだかんだ“形”を大事にする人だからこうやってわざわざペコムズに話を通してるんだろうけど、サンジを助けに行くのはもう決まってるからね。せめてペコムズの胃に穴が空かない事を祈ろう。

……背中には空いてるけど。

 

『はは、びっくりするくらい面白くなくて逆に笑える!』

 

人の心の中読んどいてそれは酷い!!今夜の特訓覚えてろ〜っ!!

 

 

……この時はそう呑気に考えていたが、今夜私が『王華部屋』へ訪れる事は無かった。

 

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