ハーレム女王を目指す女好きな女の話   作:リチプ

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40『女好き、火拳のエース登場』

「あ、あいつがMr.2…、ボン・クレー…!?」

 

「ビビ!お前顔知らなかったのか!?」

 

ルフィがビビ王女に問うが、ビビ王女が突き詰めたかったのは会社のトップ…クロコダイルの正体だけ。つまりその下の構成員の情報についてはその際ついでで入手できた物でしかないのだろう。

 

「ええ…私、Mr.2とMr.1ペアには会ったことがなかったの…能力も知らないし…!」

 

「確かに、それなら仕方ねェな」

 

ウソップも納得した様に頷く。

 

「噂には聞いてたのに…Mr.2は…、大柄のオカマでオカマ口調、白鳥のコートを愛用してて背中には“おかま(ウェイ)”と…」

 

「「気付けよ」」

 

あかん、私もつい突っ込んじゃった。

…ま、この際気付かなかったのは仕方がない、…ミキータもMr.2は見覚えがないってさっき言ってたしね。

 

「さっき、あいつが見せた過去のメモリーの中に父の顔があったわ…!あいつ一体、父の顔を使って何を……!?」

 

「…さっき何か言おうとしたのはそれだったんだね、でも、そうなるとマズいよ、だって王女の父って事はアラバスタの王でしょ?」

 

そんな人に成り代われるって事は…それこそ反乱中の国を揺さぶりかねない何かを…!!

 

「そりゃ、厄介な奴を取り逃しちまったな」

 

「ウソップ、あいつ敵だったのか…?」

 

チョッパーはMr.2と仲良くなったもんね、あんまり飲み込めないトコもあるのかも…。

 

「確かに…敵に回したら厄介な相手よ…!あいつがこれから私達を敵と認識しちゃったら…!さっきのメモリーでこの中の誰かに化けられたりしたら、私達、仲間を信用できなくなる」

 

「キャハハハ!ナミちゃん、そこまで深刻に考える必要はないわ」

 

「え?」

 

ニヤリ、と何か思い付いたような顔をするミキータに一味全員の視線が集まる。

 

「誰かのマネをするってことは、知らない事はマネ出来ないってことよ!つまり…今私達は対策(・・)が打てるって事じゃない」

 

「な、なるほど…!ミキータあったまいい!それで、その対策って?」

 

「そうねぇ…例えば体の何処かにマークを書いておいて、怪しいと感じたらすぐ見せ合う…とか」

 

「でもそれじゃあよ、そのマークをあいつが見た時一緒にマネされちまうぜ?」

 

「そんなもん、包帯でも巻いて隠せばいいじゃねェか」

 

「…そっか、そうすれば二重の確認が出来る…!」

 

多分あまり考えずに言ったのだろうルフィの言葉にビビ王女が納得する。

だけどルフィの方法は確実だ。包帯の中にある印が私達の本当の印だけど、それを知らない人からはみんな同じ所に付けている包帯自体がMr.2への対策だと考えるだろう。

 

そんな感じで決まり、これでMr.2への対策はバッチリになったのだった。

でも、こうして先に出会わなければ彼の能力は危険極まりない物だったろう…。

 

 

 

***

 

 

 

あれから1日、船は変わらず最高速度でアラバスタを目指しているのだが…何せ食料が無いのだ。どれだけサンジが上手くやっても無いものは無い。いつもの飯時も通常よりかなり少なめの物しか出なかった。

とはいえそこは流石サンジ、少ないとはいえ味はすっごく美味しいし、男性陣より何故か私達女性陣の方が量多かったけど。

 

「メシ〜……にくぅ〜…」

 

だらん、と脱力しているのは我らが船長、ルフィである。

完全に自業自得とはいえ、彼がここまでやられているのは初めて見たかもしれない…。

 

「はぁ、ルフィ、しっかりしてよ、ご飯ならもうすぐお腹いっぱい食べられるわよ?」

 

「本当か!!?肉か!!?」

 

「それは知らないけど…」

 

「と、言うことは、アラバスタの海域にでも入ったの?」

 

私がナミさんに尋ねると、そうよと頷いた。

ついにアラバスタかぁ…ビビ王女みたいな可愛い王女様がいる国ってだけでも期待値MAXだよね!ほんと!

 

「後ろに見えるあれら(・・・)もアラバスタが近い証拠だろ」

 

「あー…一杯居ますねェ…」

 

振り返るとそこには10隻を越える船がメリー号と同じくアラバスタへ向かおうとしていた。

しかも全ての帆にB・W(バロックワークス)のマークが入ってるし、先の話でも出ていた通り社員達がこの地へ集まろうとしているのだろう。

 

「あれは恐らく『ビリオンズ』!オフィサーエージェントの部下達よ…」

 

「敵は200人は堅いって訳だ…」

 

「それもB・W(バロックワークス)社精鋭200人。ウイスキーピークの賞金稼ぎとは訳が違う!」

 

「でも、あんなのに構ってる暇はない筈だよ」

 

どれだけビリオンズとか言う集団が居ようが、私達は10人しかいないのだ。本来の標的を見失う訳にはいかない。

 

「そろそろ上陸だろ、しっかり締めとけ」

 

ギュ、と下手に解けないよう左腕の印の上に包帯を巻く。

 

「港が見えたぞ!」

 

「西の入江に泊めましょう、船を隠さなきゃ」

 

何だかんだで私達は海賊だし、船が見つかると事だ。

 

「よし!」

 

ルフィも包帯を巻き終え、ずい、と左腕を前に突き出す。

私もルフィの隣に立って同じく左腕を出し、みんなも円になって中心に向かうよう左腕を出す。

 

「とにかく、これから何が起こっても…左腕のこれが『仲間の印』だ!!…じゃあ、上陸するぞ!!」

 

そうして、私達はついにアラバスタへと上陸を果たしたのだった。

 

 

 

 

***

 

 

アラバスタ 港町『ナノハナ』

 

 

 

「にーくーーー!!メシーー!!」

 

「ちょっ!」

 

上陸した途端に走り去ったルフィに声をかけるも、今の彼を止められる筈もなく手は空を切る。仕方ない、無理だよああなったら。

 

「キャハ、流石キャプテンは猪突猛進ね」

 

「考えてないだけよ、あいつには自分が賞金首だって事を自覚して欲しいのよね」

 

はあ、とナミさんがため息をつくが、ゾロはほっとけと言った。そりゃそうだ、仮に海軍に見つかったとしてもあの時のスモーカーでも出てこない限りはルフィをどうこう出来る筈もない。

 

「…待って、あれは…!Mr.3の船!?あの船は確かドルドルの実の能力を動力にしてる筈…来てるんだわ、この国に…」

 

確かにあの時ルフィは彼をぶっ飛ばしたけど…その後どうなったのかまでは見てなかったからなぁ。

 

「とにかく今は飯と…格好をどうにかしようぜ?おれ達が海賊とバレたら…まぁそれは何とかなるかもしれねェが、王女はマズイだろ?」

 

「そうだね…ちょっとサンジ、悪いんだけどお使い頼まれてくれる?」

 

「いいとも、レディの頼みなら断れん!」

 

本当なら自分で行きたい所だけど…私も一応賞金首だからね。

 

「服と、私達のご飯をよろしくね、後はこれから砂漠を越える為の物資と…まぁ内容は任せるよ」

 

「おお!行ってくる!」

 

ダッ、と走り出したサンジの顔は輝いていた。どうせ何か良からぬ事を考えているに違いない。

 

 

ーーーーーーー

ーーーーーー

 

 

「って思ってたけど最高だよサンジーーーッ!!!」

 

「そうだろ!?いやーみんな可愛いなぁ♡」

 

帰ってきたサンジが手にしていた服をナミさんを含めた美女3人組が着た結果、それはもうどえらい美しかった。

ちなみに今はナノハナの外れに隠れてます。

 

「でもこれ、庶民と言うより踊り子の衣装よ…?」

 

「キャハ、私は結構好きよ?似合う?イリスちゃん」

 

「バッチリーーー!!!」

 

お腹を曝け出した踊り子の衣装……いい…、えっち!!!

 

「でも砂漠を歩くには…」

 

「疲れたらイリスに抱いて貰えばいいじゃない」

 

「いつでもうぇるかむ」

 

ビビ王女だけが苦笑いではあるが、ナミさんとミキータは普通にノリノリだった。

私は特にこれと言って特徴のない服だった。サンジも流石に私をそういう対象には見てないって事か…いや、流石って何?幼児体型って事でしょ!?ねぇ!!

 

「ゾロはなんか盗賊というか…テロでも起こしそうだよね」

 

「あん?」

 

肉を齧りながら睨んでくるゾロだけど、いやほんとにそんな感じの格好だもん。アラブって感じ。

 

「ここ、何なんだ?さっきから鼻が曲がりそうだ…」

 

「そうか、トニー君は鼻が効きすぎるのね。「ナノハナ」は香水で有名な町なのよ、中には刺激の強いものもあるから…」

 

「これとか?」

 

シュッシュッと自分の体に香水をかけるナミさん。チョッパーが止めろと叫んでるが、……う、いい匂いだ…しゃぶりつきたい…!

 

「とにかく、これでアラバスタの砂漠を越える為の物資は揃った訳だ。ビビ、これから何処へ向かうって?」

 

「ええ…まず何よりも先に“反乱軍”を止めたいの!またいつ暴動を起こして無駄な血が流れるか分からない。その為にリーダーのいる“反乱軍”の本拠地…『ユバ』というオアシスを目指すわ」

 

「行き方とか聞きたいけど、まずは隠れて!」

 

ビビ王女の手を引っ張って壁際に寄せる。

 

「どうしたの!?」

 

「海軍が居た。…どうしてこの町に?」

 

それもえらい騒ぎ様だ、私達とは別の海賊でも現れたのか?

 

「キャハ、キャプテンが追われてるわよ?」

 

お前かーーーーーーっ。

 

みんな一斉にずるっと転けた。一昔前のコントじゃないんだから…。

 

「よう!!イリス!!」

 

「へっ!?」

 

しかもあろうことか追われてる最中に私を呼んでこちらへ走ってくるルフィ。ちょっと、せめてマいてから来てよ!!

 

「しかもスモーカーいるじゃん!!!」

 

ああああ!!これだからフラグって怖いんだよ!回収したくないのだけ優先して回収する世の中を許さない!

 

ダッシュで私達へ向かうルフィを追いかけるスモーカー。あの時の様にルフィを捕縛しようと腕を煙に変えて飛ばした。

 

「陽炎!!」

 

「えっ!?」

 

ルフィを捕まえる筈だった煙は、突如として現れた炎によって阻まれる。その炎を放った何たらハットって帽子を被ってる男の体が炎の様に揺れている所を見るに…能力者か。

 

「誰なの…!?あれ…」

 

「エース…!?」

 

「し、知ってるの?ルフィ…」

 

「ああ、兄ちゃんだ」

 

主人公のご親族の方でしたかーーーー!!!

 

「変わらねェな、ルフィ。コレ(・・)じゃ話もできねェ、後で追うからお前ら逃げろ。こいつらは俺が止めといてやる、行けっ!」

 

「行くぞっ!」

 

急いで水と食料を掴み抱えて走る。

それにしてもまさか、ルフィの兄に会うとは…。

 

「みんな、船に戻って!船で河から内陸に入るわ!そうすればその先は砂漠よ!」

 

ここへ来たのは必要物資調達の為って訳か!とにかく急ごう、海軍が来てしまう!

 

 

 

「船が見えた!乗り込んでイカリを上げよう!」

 

「…あ、カルー待って!」

 

同じく船へ乗ろうとしたカルーをビビ王女が止める。

 

「あなたにしか頼めない重要な仕事があるわ!このまま北のアルバーナへ先行して父にこの手紙を!これにはクロコダイルとB・W(バロックワークス)の陰謀、イガラムと私が調べ上げた全てが記してあるわ。そして私が今生きてこのアラバスタに…心強い仲間と共に帰って来てるって事が。…出来る?1人で砂漠を越えなきゃ」

 

「クエ!!」

 

出来る、と頷くのでビビ王女もそれ以上は何も言わずカルーの首に新しい満杯に入った水樽を掛ける。

 

「いい?砂漠ではお水は大切に飲むのよ。…じゃあ父に伝えて!この国は救えるんだって!」

 

「クエッ!!」

 

そう言ってカルーは船に乗らずに北へ走って行った。今速攻で水飲んでたけど…大丈夫かな?カルー。

 

「それじゃあ私達も行こう、時間もないんだし!」

 

「ええ!」

 

ビビ王女が船に乗り込んだのを確認して、すぐに船を出した。

 

「………」

 

「あれ、どうしたのミキータ?気分でも悪い?」

 

「え?…キャハ、大丈夫よ、何でもないわ」

 

「……?」

 

何でもない様には見えないんだけど…詮索するのもね…。

でも恐らく、B・W(バロックワークス)のオフィサーエージェントがここに集結するから緊張してるとかだろう。

 

「大丈夫よミキータ、オフィサーエージェントだろうがクロコダイルだろうが、あんたに手を出す様ならイリスが黙ってる筈ないでしょ?」

 

「…キャハハ!そうね!」

 

そう言って笑うミキータに、私もナミさんも目を合わせて笑い合った。

 

 

「あ、そうだルフィ、何でさっきのエースって兄ちゃんが偉大なる航路(グランドライン)に居るの?」

 

「海賊なんだ、ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)を狙ってる」

 

兄弟だけどライバルって関係か、漫画でありそう。……漫画だった。

 

「エースはおれより3つ上だから3年早く島を出たんだ」

 

「しかし兄弟揃って悪魔の実を食っちまってるとは…」

 

「うん、おれもビビった、ははは」

 

「ん?」

 

サンジの言葉にルフィが笑いながら答える。ルフィも知らないのか…。つまりその3年間の間に食ったって事だよね。

 

「昔は何も食ってなかったからな、それでもおれは勝負して一回も勝ったことなかった」

 

「る、ルフィが一度も!?強いんだね…さっきのエースって人」

 

「そーさ、負け負けだったおれなんか、だっはっはっは!!でもいまやったらおれが勝つね」

 

「お前が」

 

不意に声が聞こえたと思ったら、スタンとエースが船に乗り込んできた。

 

「誰に勝てるって?よう、ルフィ」

 

「エ〜〜ス〜〜〜っ!!!」

 

うわ、こう間近で見たらこう…今まで感じた事のないような強者のオーラってのを感じるよ…!多分戦っても勝てないよね…。勿論、美女の奪い合いなら勝てるよ?余裕。

 

「あーこいつァどうも皆さん、ウチの弟がいつもお世話に」

 

「「や、まったく」」

 

ぺこりと頭を下げる。あれ、ゾロも下げてるじゃん…もしかして槍でも降る?

 

「とにかくまァ会えて良かった、俺ァちょっとヤボ用でこの辺の海まで来てたんでな、お前に一目会っとこうと思ってよ。…ルフィお前、ウチの“白ひげ海賊団”に来ねェか?勿論仲間も一緒に」

 

「いやだ」

 

「プハハハ、だろうな、言ってみただけだ」

 

その白ひげって言葉にウソップが愕然とする。ごめん、私その辺の知識無いからついてけない。

 

「オイ、話なら中でしたらどうだ?茶でも出すぜ」

 

「あーいや、いいんだお気遣いなく。おれの用事は大した事ねェから…ホラ、お前にこれを渡したかった」

 

そう言ってエースはぽい、とルフィに紙を投げた。

ルフィはそれを受け取って首を傾げてる。

 

エースはその紙がまた自分とルフィを引き合わせると言って笑う。

 

「できの悪い弟を持つと…兄貴は心配なんだ。おめェらもコイツにゃ手ェ焼くだろうが…よろしく頼むよ」

 

「そう思うならウチのクルーになれば?」

 

「だっはっはっは!!白ひげ海賊団の船員を引き抜こうって?ルフィ、おめェ結構面白ェ仲間見つけたじゃねェか!」

 

「そーだろ!?イリスだけじゃねェぞ、みんな凄ェんだ!」

 

ルフィが大きく腕を広げて言うとエースはニッと笑ってメリー号の横に付けていた自分の小舟に飛び降りた。

 

「もう行くのか!?」

 

「ああ、俺は今“重罪人”を追ってる…。最近“黒ひげ”と名乗ってるらしいが、元々は白ひげ海賊団の二番隊隊員、俺の部下だ。海賊船で最悪の罪…奴は仲間殺しをして船から逃げた。隊長の俺が始末を付けなきゃならねェって訳だ」

 

…黒ひげ、エース…か。

……何か引っかかるな…。これは、何か前世の記憶が影響してるんだろうか。

 

「ルフィ、次に会う時は…海賊の高みだ」

 

そう言い残し、エースは去っていった。

どうでもいいとは思うけど乗ってた船カッコいいな。炎を動力源にして凄いスピードで動いてたし。

 

 

 

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