ハーレム女王を目指す女好きな女の話   作:リチプ

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うおお!50!
実際は番外編とか0.5があったけど、正式な話数としては今回が50回目です!感慨深い〜!


偉大なる航路(グランドライン) ジャヤ編
50『女好き、本日の天気は晴れのち船』


「おー、もう追って来ないね海軍も」

 

「んー…」

 

「突き放したって感じかな?」

 

「んーー……」

 

「…ねぇゾロ、ルフィ達どうしたの?」

 

「知らねェよほっとけ」

 

「さみしーーんだよー……」

 

シクシクと涙を流すルフィ、ウソップ、チョッパー、サンジ。

結構一緒に旅したビビやカルーが居なくなるのは確かに寂しいけど…。

 

「イリスは寂しくねーのかよォ…」

 

「そりゃ寂しいよ、けど私がいつまでもメソメソしちゃ…残るって決断したビビに申し訳ないもん。お姫様に相応しい女でありたいの」

 

「おめェ…そのナリじゃどうやっても相応しくはがぺっ!?」

 

ナミさんの鉄拳制裁を受けたウソップが白目を剥いて沈んだ。

 

「いいのよイリスはこれでも!ね、ミキータ」

 

「キャハハ、むしろ抱きしめる時は丁度いいわ。抱き枕としても優秀よね」

 

「あら、なら今度私にも抱き枕さんを抱き締めさせてもらってもいいかしら?」

 

「ええ勿……え!?」

 

その場にいるみんなで一斉に声を上げる。

突然美人の声が聞こえたと思ったらそこにはロビンが居たからだ。

 

「おおおおおおおおお!!!!!ロビン!!何でか知らないけど美人が船に!」

 

「…色々問題はある女だけど、あんた好きそうよねこういうの。ちゃんと管理できるならメンバーに入れてもいいんじゃない?」

 

「お、おいおい待て待て、何呑気に言ってんだ。相手はB・W(バロックワークス)でクロコダイルのパートナーだぞ!!いつの間にか船に乗ってたんだぞ!!」

 

そんなウソップの肩にナミさんがぽん、と手を置いた。

 

「諦めてウソップ、イリスの夢がまた一歩近付くのよ!」

 

「おめェもイリスが絡むと大概アホだな!!」

 

「…。イリス、ね。あなた…私に何をしたか忘れてはいないわよね?」

 

へ?まだ手は出してないけど?

 

「イリス、もうやることやったの?いつよ、そんな暇あった?」

 

「やってないよ、まだ」

 

「もうおれこいつらに着いてけねェ…」

 

がく…と項垂れるウソップはとぼとぼと後ろに下がっていった。

そりゃそうだよ、ウソップには別の夢があるんだから私に着いて来れる訳ないじゃん!夢の道は1つだけ!なんちて。

 

「いいえ、耐え難い仕打ちを受けました。責任…とってね」

 

「いえす!!!まずは嫁に来たらどう??そうだね!私も最近ちょっとは慣れてきたから今夜にでも責任取るよ!ばっちこーーーーーーーい!!!!!」

 

 

流石に話が進まないからとミキータに止められました、いやだって責任って…責任って言ったじゃん…!!

 

よくよくロビンの話を聞けば、私のメンバー入りは置いといて一味の仲間に入れてくれという事だった。

なんだ、そういう事なら私じゃなくて普通ルフィでしょ。

 

ちなみにロビンの一味入りは私が熱烈に歓迎してルフィは割と考えずにいいぞ、と返事した。私が気に入った女性だから悪い奴じゃねェだろって。

 

「い、一応このおれが取り調べをする!ルフィが良いっつってもこの女は元敵だ!罠って事も考えられるだろ」

 

「そりゃそうだ。オイイリス、お前もそれくらいなら文句ねェだろ?」

 

「まーね、ついでに好みのタイプとか聞いといて」

 

軽く手を上げて了承した。将来的には私の嫁なんだからあんまりいじめないでよね。

 

そんな感じで各々普段通りの船生活に戻った。

サンジは私達のおやつを作りに、ルフィとチョッパーはロビンが船に生やした腕で遊んでいる。

悪魔の実なのは間違いないけど…何の実??ニョキニョキ??

                       ※ハナハナ

               

 

 

「ーー8歳で「考古学者」そして“賞金首”に」

 

「考古学者?」

 

「そういう家系なの。その後2()0()()ずっと政府から姿を隠して生きてきた。子供が1人で海に出て生きて行ける訳も無く…色んな“悪党”に付き従う事で身を守ったわ。お陰で裏で動くのは得意よ?お役に立てる筈」

 

「ほほう、自信満々だな…何が得意だ?」

 

「暗殺」

 

「ルフィ!取り調べの結果危険すぎる女だと判明!!」

 

ロビンは悪戯っぽく笑う顔も美しいなぁ…。

今まで会ってきた女性とはまた違った雰囲気の美女というか…あぁ、神よありがとう。もし謁見する事が可能ならば全力で祈りを注がせて貰います!

 

「よっし!じゃあ危険かどうか私が確かめてくる!!ロビン、ちょっと寝室に行こう、手取り足取り胸取りちょめちょめ取り調べてくる!!!」

 

「やめとけバカ、大体本当にそうなったら狼狽るのが目に見えてるぜ」

 

「う、うっさいわ三刀流!」

 

「それ悪口なのか…?」

 

私を含めた女性陣や、ルフィチョッパーウソップの3ば…ごほん、賑やかな男性陣にいつも通りのサンジは既にロビンを迎えてるがゾロはまだ警戒しているようだ。

私が言うのも何だけども、1人くらいはああいうポジションについてくれた方が一味としても…そして多分ロビンとしても安心だろうね。怪しいのはロビンだって分かってる筈だろうし、いきなり全幅の信頼を置かれても困るよね。

 

「ん?やば、雨降ってきた?」

 

コツ、と上から何かが降ってきて船に当たる。いやでも雨にしては音が硬いな。あられか?ここは偉大なる航路(グランドライン)だし…いきなり雪とかあられが降り始めてもおかしくないか!

 

「ね、ねぇイリスちゃん…これ、雨でもあられでもないみたいよ…」

 

上を見て目を見開くミキータに釣られて私も上を向くと…。

ああ、確かに雨じゃないし、あられでもないね!!いやー、でもこれなら槍が降る方が現実的だよ、まさかね、いやまさか…。

 

「船が降ってくる何てねー」

 

「「言ってる場合かァ!!」」

 

ドォン!!

と空から降ってきた一隻の大きなガレオン船が海面に直撃する。

よ、良かった…船の真上なら危なかった…。

 

「ナミさん、ミキータ!ロビン!」

 

神背(ヒューマ)で“私”を増やして女性陣はガッチリホールドする。

ガレオン船が落ちた衝撃で荒れ狂う波や、まだまだ降ってくる船の残骸からとにかく3人を守り通した。

 

「はぁ…何だったの…今の…。空から船が…」

 

「空にゃ何もねェぞ…」

 

偉大なる航路(グランドライン)って凄いなー、船も降ってくるんだもんなー」

 

もう半分現実逃避だけどね…あんなの誰だって訳わからんわ。

 

「あ…!!どうしよう…っ、記録指針(ログポース)が壊れちゃった!上を向いて動かない…!」

 

「!…違うわ、より強い磁力を持つ島によって新しい記録(ログ)に書き換えられたのよ…!指針が上を向いているなら“空島”に記録(ログ)を奪われたと言う事…!!」

 

空島ぁ???

…いやでも聞いたことあるな?と言うことは本当にあるのかな??

まぁここ漫画だしね…空に島が浮かんでてもおかしくはないか、何たって人が伸びる世界観だし…。

って事はさっきのガレオン船…そこから落ちてきたって事になるのかな?

 

「じゃあ空島行く?」

 

「え?あんた空島とか言う訳わかんないモノ信じるの?そりゃ…あんたが信じるならついてくけどね…」

 

ナミさんは少し半信半疑の様だけど、絶対あるよ空島は、だってONE PIECEだし。

 

「正直、私も空島については見た事もないしたいして知ってる訳でもない…」

 

記録指針(ログポース)が壊れたって事は?」

 

「いいえ、赤目さん、今考えなきゃいけない事は記録指針(ログポース)の故障箇所ではなく、空へ行く方法よ」

 

赤目さんって私??みんなの事は狙撃手さんとか、航海士さんとか呼んでるのに???確かに私何の役職もないけど???赤目さん?????

…ぅぅ…オチビさんって言われるよりはマシだけどさぁ…!!

 

ルフィとウソップは落ちたガレオン船に探検だとか言って乗り込んで言った。…それ一応残骸が浮いてるだけだからいつ崩れるかわかんないんだけど…ルフィ大丈夫?

 

「この船が例えどんな怪奇な事態に飲み込まれようとも…例えどんなパニックに陥ろうとも… 記録指針(ログポース)だけは疑ってはいけない、これは鉄則よ。この海(・・・)では疑うべき物は寧ろ頭の中にある“常識”。その指針の先には…必ず島がある」

 

「そう言う物なんだ…」

 

ええ、と言ってロビンは落ちてきた物の1つ…棺桶を開けた。

 

「きゃっ!ちょ、ちょっとロビン!それ…骸骨入ってるじゃない!」

 

「私もそう言うのは苦手かも…。ミキータは平気なの?」

 

「あー……、その、あまりイリスちゃんには、言いたくないんだけど…。死体は見慣れてるのよ…」

 

あ、そりゃそうか、元オフィサーエージェントだもんね。

 

「あはは、そんなの気にしなくていいよ、ミキータはミキータなんだから」

 

「……、ふゥ!…さて、今日の夜が楽しみね」

 

あかん…押しちゃいけないスイッチ押しちゃった…。

 

「そ、それで?ロビンは何やってるの?」

 

「フフ…それは見てのお楽しみよ」

 

ガチャガチャ骸骨を弄って、砕けてる部位をつなぎ合わせて頭蓋骨を完璧に復元してみせたロビン。

生粋の日本人にその生骸骨はキツイよ…。日本人ならみんな分かってくれるよね!?

 

「ここに空いてる穴は人為的なもの」

 

「ははーん、そこを突かれて殺されたって訳かコイツは」

 

頭蓋骨の上に穴が数箇所空いてるのを見て言うロビンにサンジが答えるが、どうやらこの穴は殺人目的ではなく真逆の医療目的だったそうだ。

 

チョッパー曰く、昔は脳腫瘍を抑える時に頭蓋骨に穴を開けていたそうだけど…でもそれはずっと昔の医術らしい。

 

「そうね、彼が死んでから既に200年は経過してるわ。歳は30代前半…航海中病に倒れ死亡、他の骨に比べて歯がしっかり残っているのはタールが塗り込んであるせい。この風習は“ 南の海(サウスブルー)”の一部の地域特有のものだから、歴史的な流れから考えてあの船は過去の探検隊の船。……あった、南の海(サウスブルー)の王国ブリスの船「セントブリス号」…208年前に出航してる」

 

ペラペラと何かしらの資料を捲りながら言ってるロビンだが、何故こんな頭蓋骨1つでそこまでの情報を得られるのか…凄すぎ。

 

「おいみんな!やったぞ、すげェもん見つけた!!」

 

丁度探検から戻ってきたルフィが見ろ!と地図を広げて見せてくる。

ああ、船が沈んだから帰ってきたのね。

 

「ってこの地図…空島の!」

 

「“スカイピア”…本当に空に島が!?」

 

やはりあの船は一度空島に行ってたのか…それで理由は分かんないけど落ちてきたと!

 

「やったぞウソップ、チョッパー!!空島はあるんだ〜〜!!!夢の島だ!夢の島へ行けるぞォ!!」

 

「何だか私もテンション上がってきちゃった…っ、楽しみだね、空島!」

 

「上がるのはいいけど、そこまではどうやって行くのよ。空よ?」

 

うーん…確かにそうだよね…。

情報も何も無いから、そこへ行くにしたって行き方も何も分かんないし。

 

「じゃあさ、ルフィとゾロとサンジがさっき沈んだ船に行って手掛かり探せばいいじゃん」

 

「おれ泳げねェぞ」

 

「そこはウソップに潜水服でも作ってもらおうよ」

 

「ってオイ、いくらおれでもんなモン作れる訳」

 

 

 

***

 

 

 

「作れたぜ!」

 

「言ってみただけなんだけど…ウソップって本当に手先器用だよね」

 

まさか本当に作るなんて思わないじゃん?

樽を上手く繋ぎ合わせて立派…とまでは行かなくてもきちんと潜水服になってるし。これならルフィだって水に触れなくて済むから安心でしょ。

 

「てめェは来ねェのか」

 

「バカね、海中なんて危険な所にイリスを行かせる訳ないじゃないの。ほら行った行った」

 

「鬼かてめェら…」

 

そう言いながらも3人は海へ潜って行った。

…正直行ってみたかったけど…海の探検。

 

ルフィ達と船を繋ぐロープは私が持っている。この役目があるから何だかんだ言いながらゾロも大人しかったんだろうな。

 

「こちらイリス、みんなそっちはどう?」

 

『こちらルフィ、怪物が一杯居ますどうぞ』

『ここは巨大ヘビの巣か!?』

『こちらサンジ…うわ、こっち見た!!』

 

「OK」

 

「OKか!?」

 

コクンと頷くナミさんに突っ込むウソップ。ヘビの怪物がうじゃうじゃ居ても心配ないでしょあの3人なら。

 

と、その時前方から謎の音楽に合わせた歌と共に一隻の船が現れた。

……何?猿??

 


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