合衆国召喚~星条旗異世界にはためく~   作:アスタラビスタ

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14話

中央歴1639年 4月15日

アメリカ合衆国 ワシントンD.C.

 

 

 

大統領要旨説明室(ブリーフィングルーム)ではロデニウス大陸で遂行中の「オペレーション・ハーベスト」に関する状況説明が実施されていた。

壁面のディスプレイ前にシュナイダー統合参謀本部議長が立ち、手にしたレーザーポインターを用いて映し出されている地図を指し示しながら説明を行っていた。

 

「オペレーション・ハーベストは順調に推移しております。我が軍は3日前の4月12日に越境を開始したロウリア王国軍 1個師団と後続の2個師団相当も撃破致しました」

 

説明と共に敵地上部隊を示すアイコンが国境線を越えた所で航空部隊を示すアイコンが殺到し地上部隊のアイコンが消失する。

 

「また同日、空母ロナルド・レーガンから発進した攻撃機隊により航空施設及び指揮統制に対する攻撃を実施しました」

 

空母打撃群(CSG)のアイコンから幾つもの航空部隊のアイコンが現れロウリア王国各地に点在する目標に向かい、次々と航空施設を表すアイコンが消失する。

また地図にオーバーレイされる様に目標指示器により録画された空爆時の映像も流される。

 

「これによりロウリア上空の制空権は完全に掌握しました。また司令部攻撃の成果と思われますが一部では戦線離脱する部隊も出ている模様です」

 

空爆映像から画面が切り替わり、偵察機が撮影したと思われるカラー映像が表示される。

映像の中では歩兵や騎兵といった兵士や物資を運搬する為と思われる馬車が列を成して西へと後退していく姿があった。

 

「そして2日前の4月13日にはロウリア艦隊に対する攻撃を実施し、敵船舶2,200隻余りを撃沈しました。残存艦艇は港に撤退した事を確認しております」

 

そこまで説明を終えるとオブライエンが声を掛けた。

 

「ありがとう、議長。で、だ。ロウリアは侵攻を諦めたと思うか?」

 

「残念ながら大統領。その可能性は極めて低いと言わざるをえません。敵地上軍主力は現在このビーズルという都市近郊に集結しております」

 

 

【挿絵表示】

 

 

地図上に新しくアイコンが表示されアイコンの上部にビーズルと表示される。

 

「ここは国境からロウリア王国首都のジン・ハークを結ぶ交通の要所であります。予想される行動としてはこの都市近郊での待ち伏せ攻撃による撃破と追撃及び再侵攻であると考えております。そもそもロウリアの一貫とした政策としてクワ・トイネ公国に多く居住しているエルフや獣人、クイラ王国の獣人といった所謂亜人の根絶を掲げている事から現政権が存続する限りはまず確実です。これは珍しく意見が一致した国防総省(DoD)中央情報局(CIA)国家安全保障局(NSA)そして国務省の統一見解です」

 

シュナイダーの言葉にオブライエンは目頭を押さえてから言う。

 

「つまり本格的な侵攻作戦が必要という事か?」

 

「我々はそう考えております。ですが正面を切ってロウリア王国軍 40万と戦闘する必要はないとも考えております」

 

「その作戦は?」

 

「単純かつ効率的な案です。「衝撃と畏怖」そして「斬首作戦」です」

 

ディスプレイが元の地図画面に戻り、シュナイダーはレーザーポインタとディスプレイをタッチしながら説明を続ける。

 

「まず敵主力に対しては「衝撃と畏怖」戦略で当たります。具体的には空軍が保有する大規模爆風爆弾(MOAB)燃料気化爆弾(FAE)等を使用します。我々からすれば通常兵器の範疇でありますが、中近世の知識しかない彼の国からすれば正に未知の超兵器です。これにより敵部隊の士気崩壊と継戦能力を奪います。次に「斬首作戦」に関してですが」

 

地図がロウリア首都のジン・ハーク周辺と北部の海岸線を映す様にズームアップされる。

 

「現在ロウリア北部洋上にはロナルド・レーガンCSGとワスプ遠征打撃群(ESG)が遊弋中です。北部海岸線から首都ジン・ハークまでは僅か12mi(約20km)程しかありません、ですので海兵遠征部隊(MEU)による強襲上陸を実施し2日以内にジン・ハークを制圧する事を目標とします」

 

シュナイダーの説明を聞いたオブライエンは手にしたボールペンで何度か机を叩きながら思考する。

暫くの思考を挟み、オブライエンは一度ブリーフィングルームに居るメンバーの顔を見回したから言葉を発する。

 

「…その案でやってくれ。必要な資産は何でも使ってくれ。言っておくが私は成功報告しか聞く気はないぞ」

 

「お任せください大統領」

 

 

 

中央歴1639年 4月17日

ロウリア王国 北部海岸

 

 

 

空が曙色に染まり始めた時間帯、海岸線を目指して一艘の複合艇(RHIB)、が波を切る様に疾走していた。

RHIBには操船する者も含めて4人の人員が乗り込んでおり、全員がMARPAT ウッドランド色のバリスティック・コンバットシャツに身を包み、頭には同じ色のブーニーハットを被り、胴体にはタンカラーの第三世代プレートキャリアを身に着けていた。

3人は降ろしている自らのバックパックにそれぞれが持つ銃を依託させ、近づいていく海岸線を睨みつけていた。

RHIBはそのままの速度で海岸に乗り上げるとすぐさま全乗員が下船し、RHIBの両脇についているワイヤーを掴み砂浜へと引き上げていく。

完全に引き上げ終わるとバックパック内に収納していたAN/PRC-160無線機のハンドセットを取り出す。

 

「サーベル2よりサーベル・アクチュアルへ。海岸に到着。周囲はクリア。繰り返す海岸線はクリア」

 

『サーベル・アクチュアルよりサーベル2。了解した。引き続き偵察を続けろ。』

 

「サーベル2了解」

 

通信を終えハンドセットをしまい込むと傍らに置いていたサプレッサー付きのM4A1カービンを取ると弾倉及びチャンバー内のチェックを行ってからチームメイトを見やる。

 

「1と2はこのまま現時点を保持する。3と4は500yd(約500m)前進して偵察を実施。いいか撃たれるまで撃つなよ」

 

「「「了解」」」

 

 

 

中央歴1639年 4月17日

洋上 ワスプESG

 

 

 

海岸線から10nm(約20km)沖合で待機しているUSSワスプ艦上にある上陸部隊作戦センター(LFOC)では間近に迫った上陸作戦を前に人員が引っ切り無しに行き交っていた。

その中でマグカップに注がれたコーヒーを飲みながら大型ディスプレイを見ていたESG司令官に司令部要員の1人が近づき敬礼しながら報告を上げた。

 

「司令。サーベルより通信です。海岸線を確保したとの事です」

 

「ご苦労。では諸君、作戦を開始してくれ」

 

司令官がそう命令を下せば1-MCスピーカーから全艦放送にて作戦開始の号令が鳴り響く。

号令と共にワスプ後部最下層にあるウェルドックから海兵隊員を満載したAAVP7A1水陸両用装甲車 5輌にその後継であるEFV水陸両用装甲車 10輌が続々と出撃していく。

EFVは水上航行の為の変形機構を持っており、ウェルドックから出るとキャタピラを収納し、水切り板を展開する。

そして2基のウォータージェットの推進力によって25kt(約46km/h)の速力を発揮し海岸線目指し突き進む。

一方、甲板上では航空戦闘部隊(ACE)所属のF-35BライトニングⅡ戦闘攻撃機の発艦準備が進んでいた。

F-35は近接航空支援の為に機体下部に25mmガンポッドを装着し翼下と胴体内ウェポンベイにEGBU-12ペイブウェイⅡ 500lb(227kg)を4発に加えAIM-9Xサイドワインダー短距離空対空ミサイル 2発を装備していた。

リフトファンを展開しエンジンノズルを発艦位置に固定し発艦準備を整えたF-35は航空管制から発艦許可が出ると強力なプラット・アンド・ホイットニー製F135ターボ・ファン・エンジンの轟音を轟かせ発艦していく。

 

 

 

中央歴1639年 4月17日

クワ・トイネ公国 クサナイ空軍基地

 

 

 

上陸作戦が開始された同時刻、クサナイ空軍基地も慌ただしさを増していた。

エプロン上では第391戦闘飛行隊(391th FS)のF-15Eストライクイーグル戦闘攻撃機の離陸が進んでいた。

F-15Eは胴体下の4か所のハードポイントにBLU-118 2,0000lb(907kg)サーモバリック爆弾を搭載していた。

391thFS隊長のレックス・チャーロ少佐は最終チェックを終えた機体をタキシー・ウェイを滑走路に向け進ませながらエプロンに駐機されている1機のC-17を見た。

C-17の周囲には火器整備員が取り付き30ft(約9m)もの長さがあるMOABを積載したパレットを後部ランプから積み込んでいる所であった。

そんな光景を見ていると後席の兵装システム士官(WSO)リック・オコンネル中尉が口笛を吹いた音が聞こえてきた。

 

「少佐、MOABですよアレ。実物初めて見ましたよ。あいつを食らう奴らに同情しますね」

 

「ああだが、今回はこの機にもデカいブツを積んでるぞ」

 

「そりゃそうでした」

 

『ゴーストライダー1、滑走路への進入と離陸を許可する。風は方位1-7-0から3kt』

 

軽口を叩いている所に管制から離陸許可が下りる。

チャーロ少佐は会話を切り上げると管制へ返答する。

 

「ゴーストライダー1。離陸許可了解。」

 

左ペダルを踏み込み、機を滑走路に進入させる。

センターラインぴったりに機体を持って行き停止させる。

最終チェックとして航法・兵装システムや燃料系をチェックすればスロットルをアフターバーナー位置に入れ機体を加速させていく。

離陸速度に到達したF-15Eはフワリと浮かびあがればそのままの勢いで高度を上げていった。

 




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