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中央歴1639年 4月18日
ロウリア王国 ジン・ハーク 北 5km
欧州を思わせる長閑な丘陵地帯を南へと進む者たちがいた。
それは合衆国海兵隊第4戦車大隊 A中隊所属のM1A1 NAPエイブラムス
部隊は先頭を”アリゲーター”小隊が突撃隊形を取り、その後方から同じく突撃隊形を取った”ブルドッグ”小隊が続いていた。
そして部隊の最先頭である”アリゲーター”小隊の小隊長車の車長用キューポラから身を乗り出しているのは小隊長のケネス・カーライル少尉であった。
カーライルは前方に見えるジン・ハークを囲む三重の城壁と街並みを双眼鏡越しにみていた。
「見えるかウッズ、まさに異世界って風景だ」
車内無線を使ってカーライルは砲手であるスティーブ・ウッド曹長に言う。
車内から
「ええ、全くです少尉、こんな風じゃなくてカミさんと旅行で来たかったです」
「私のとこの娘はマサチューセッツの大学で考古学を専攻してるんで、羨ましがられそうです」
装填手用ハッチから上半身を出しながら言うのは装填手のジャレット・ロメロ軍曹であった。
「写真でも撮っていってやれば喜ばれるんじゃないか?」
「名案です少尉…と、キャッスルから通信です」
一度車内に引っ込んで私物の携帯電話を取り出そうとした所で、無線が司令部からの通信を知らせた。
カーライルにその旨を伝えれば通信を繋ぐ。
「アリゲーター1よりキャッスル、どうぞ」
『アリゲーターへ、ニトロが第1目標への攻撃を終了した。予定通り陽動を実施してくれ、またニトロからの報告では敵騎兵部隊が出撃しているとの事だ、任意での攻撃を許可する』
「アリゲーター、了解。アウト」
「騎兵ですか?少尉」
「あぁ、ホンモノの騎兵だそうだ」
カーライルの言葉にウッズは一度口笛を吹いた。
「小隊全車、攻撃準備」
小隊の全車に対してそう命令を出した所でGPSを覗いていたウッズが声を上げた・
「
「
報告を聞いたカーライルは素早く交戦の指示を出す。
指示を聞いたウッズは砲塔を旋回させ騎兵に照準を付ける、ロメロは車内に戻れば後部即応弾薬庫から素早くM1147 AMP砲弾を取り出し、薬室に装填する。
閉鎖器を閉じ、安全レバーを上げて大声で知らせた。
「
ロメロの合図を聞いたカーライルは更に指示を出していく。
「全車停止、隊長車が発砲後任意目標への攻撃を許可する」
直後にマイナスGと共にエイブラムスが停車し、小隊の各車も同じく停車する。
停車を確認すると接近する敵騎兵隊を双眼鏡にて確認する。
まだ距離がある為詳細は分からなかったが、少なくとも200騎以上は居る様であった。
「
ウッズが敵騎兵が距離2000を切った事を伝える。
「FIRE!!」
「ON THE WAY!」
カーライルの射撃の号令を受け、ウッズは射撃スイッチを押し込んだ。
電気信号が撃発回路を通じ弾底部にあるプライマーを発火させる。
発射装薬が爆発的に燃焼しその圧力によって
AMPは砲口から飛び出してから
そして設定された距離を飛翔した所で信管が作動し、疾走するロウリア王国軍騎兵隊に調整破片を浴びせかけた。
調整破片は騎兵が着用していた鎧を容易く貫通し、彼らが何が起こったかを理解する前に肉塊へと変えた。
騎兵隊の頭上で砲弾が炸裂し数十の騎兵が崩れ落ちたのを確認したカーライルは続けて指示を出す。
「|命中!砲手、続けて同軸機銃にて騎兵隊を攻撃しろ《TARGET! GUNNER COAX CAVALRY》」
ウッズは手元の切り替えスイッチで主砲から同軸機銃へと切り替えを行う。
自動的に仰俯角が調整される、そして突然の爆発に混乱している騎兵隊を再度捕捉する。
「
「FIRE!」
「ON THE WAY!」
射撃スイッチを押し込むと、乾いた連続音と共に同軸機銃であるM240 7.62mm機関銃から7.62mm×51 NATO弾が撃ち出される。
銃弾は放物線を描きながら飛翔し騎兵隊に死を振りまいた。
現代の軽装甲程度なら貫徹する威力を持った銃弾は調整破片の時と同じように容易く鎧を撃ち抜き騎兵隊をなぎ倒していく。
ウッズは5発に1発の割合で込められた曳光弾の軌跡を確認しながら照準を微調整する。
その間にも僚車のAMPや機銃弾が敵騎兵に浴びせ掛けられる。
十数秒間の射撃を行ったところで射撃停止の号令がかかった。
「TARGET,
射撃スイッチから指を離し、昼間照準越しに確認を行う。
爆発により巻き上げられた土埃が晴れるとそこにはかつて騎兵だったものがあった。
中央歴1639年 4月18日
ロウリア王国 ジン・ハーク
城壁上で騎兵隊の攻撃を見ていたパタジン以下軍師は目の前の光景に言葉をなくしていた。
少なくとも騎兵の機動力によって損失を出しつつも敵に取り付き、幾ばくかの損害を与えられればと考えていた。
しかし蓋を開けてみれば、騎兵隊は敵よりも遥か手前で爆裂魔導と思しき攻撃と謎の攻撃により壊滅してしまった。
誰もが言葉を発せなかったが、暫くするとぽつぽつと言葉が漏れた。
「なんという爆裂魔導だ…」
「騎兵の機動力では無理か…ワイバーンは…既に全滅していたか…」
「まさか伝説の…古の魔法帝国では…」
「バカな事を言うな!」
「しかしあれ程の魔導攻撃、早晩魔力切れを起こしてもおかしくはない。敵に休む間を与えぬ様に多方向からの波状攻撃で押せば…」
そんな軍師達の言葉を傍らで聞きながらパタジンは考えた。
だが先ほどの常軌を逸した攻撃が脳裏から離れず良い策が浮かんではこなかった。
しかし考える事を止める事は敗北へとつながる、額に冷や汗を浮かべながらもパタジンは指示を出す。
「…全軍に出撃命令だ。まず全重装歩兵部隊を北門から出撃させ敵の注意と攻撃を引き付ける。そして軽歩兵、弓兵、魔導師は各門から分散して出撃しなるべく地形に隠れながら接近しろ、多方向から接近して間合いに飛び込めばあの魔導も使えない筈だ。そして一度接近戦に持ち込めば後続にも魔導攻撃はできないだろう」
パタジンの絞り出した指示に軍師達は頷けば各部隊に指示を出すべく魔信を飛ばした。
そして暫く後、王都中に轟かんばかりの鬨を上げ、ロウリア王国が誇る重装歩兵大隊が鎧の重々しい音と共に出撃していった。
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