合衆国召喚~星条旗異世界にはためく~   作:アスタラビスタ

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19話

中央歴1639年 4月18日

ロウリア王国 ジン・ハーク 北 3km

 

 

ジン・ハーク北門より出撃した重装歩兵部隊はジン・ハーク北 3kmまで進出する事に成功していた。

ロウリア王国軍最精鋭を誇る重装歩兵部隊は遅々とした歩みながらも、一歩ずつ敵へと迫っていった。

重装歩兵は統一されたプレートアーマーを身に纏い、長さ2m程のランスを装備し更に身の丈程ある大盾を装備していた。

そんな集団の中に一人だけ拵えの異なる盾を装備しているものが居た。

名をスワウロと言い、代々王国軍に従軍する家系であった。

彼は家に代々伝わる盾を不安がる妻に薦められるまま持ってきていたのだった。

彼は銀色に輝く盾を撫でながらそんな妻の顔を思い浮かべていた。

そんな中先頭を行く部隊長の声が聞こえてきた。

 

「間もなく敵魔導攻撃の射程に入るぞ!総員構えろ!」

 

そんな隊長の指示に従い、前列の兵から順繰りに盾を体の前に構え、左右の同僚と密着させ隙を作らない様に隊形を作っていく。

彼らは訓練で身に覚えこませたこの動作を3km余りの行軍による疲れの中でも完璧にやってみせた。

スワウロは盾を構えながらふと横を見た。

そこには先陣を務めた騎兵部隊の無残な姿があった。

彼はその亡骸に数舜後の自分の姿を重ね恐怖したが、愛する妻と子との為とそれを飲み込んだ。

視線を正面に戻した瞬間、爆音と衝撃が身体を揺さぶった。

咄嗟に盾の陰に身を隠した、そして盾が凄まじい威力の礫で打たれたかのような衝撃を受けた。

足に力を込め、倒れそうになるのを必死で堪えた。

爆轟が収まった所で僅かに顔を覗かせると、そこにはかつて戦友であった者たちが無残な姿に変わり果てていた。

剣や矢玉を防ぐ大楯はへしゃげ、無数の穴が開き。

身に纏う鎧も同じように穴だらけになっていた。

 

「これが魔導攻撃…!?」

 

そんな言葉を口にした瞬間、風を切るような甲高い音と鉄同士がぶつかり合う音、そして悲鳴とうめき声、そして地面に倒れゆく音が次々に上がっていった。

自らの盾にも衝撃が連続して奔るが、盾自体はその正体不明の攻撃を防いで見せていた。

スワウロは先祖とこの盾を持たせてくれた妻に感謝した、だが既に部隊の八割は物言わぬ肉塊と成り果てていた。

 

 

中央歴1639年 4月18日

ロウリア王国 ジン・ハーク 北 5km

 

 

「マイ、ガッ!。信じられねぇ!あの歩兵、銃弾を弾いてるぞ!」

 

GPSから目を離しウッドはそう呟いた。

双眼鏡で同じ光景を見ていたカーライルは口笛を一つ吹いて言う。

 

「きっと、あいつは未来の世界から来たターミネーターだな…またトレーサーが飛んでいったぞ」

 

既に敵重装歩兵隊は銃弾を弾いてる1人だけになっていた。

一人相手に砲弾を叩き込むのは無駄が過ぎる為、同軸機銃で攻撃しているが、一向に効果がない様子であった。

距離もある事と一人相手に砲弾も銃弾も無駄である為、カーライルは僚車に向けて攻撃停止を命じた。

そのタイミングで司令部から通信が入る。

 

『キャッスルよりアリゲーター』

 

「アリゲーターよりキャッスル、どうぞ」

 

『ニトロが敵大部隊が出撃した事を確認した、これより敵城門に対する攻撃を実施し、第二段階に入る。貴隊は予定通り行動せよ。キャッスル、アウト』

 

「アリゲーターより、キャッスル了解した。」

 

通信を終えると直ぐに部隊内通信へと切り替え指示を出す。

 

「アリゲーター1より各車。これより第二段階に入る。予定通り行動せよ」

 

通信を終了してから数十秒後、同時に城壁内で複数の爆発が起きた。

黒煙が立ち上るのを見てからカーライルは車内へと戻っていった。

 

 

中央歴1639年 4月18日

ロウリア王国 ジン・ハーク 南 10km

 

ジン・ハークから南に10km程の平原上空を飛ぶ影があった。

ワスプを発艦した中型のUH-1Yヴェノム 輸送ヘリコプター3機とヴェノムより二回りは巨大なCH-53Kキングスタリオン重輸送ヘリコプター 1機、そして護衛のAH-1Zヴァイパー攻撃ヘリコプター 2機の編隊であった。

ヴェノムとキングスタリオンは自衛用にそれぞれGAU-17 ガトリング機銃を装備し、護衛のヴァイパーはそれぞれAPKWS誘導ロケットが装填されたLAU-61 19連装ポッドを左右両翼に2基づつ搭載し、翼端には自衛用のAIM-9Mサイドワインダー空対空ミサイル(AAM)を2発搭載していた。

編隊は高度 330ft(約100m)程を135kt(約250km/h)の速度で北へと向かっていた。

キングスタリオンの機内では強襲部隊指揮官が最後のブリーフィングを行っている所であった。

 

「お前ら!あと5分で、着陸地点(LZ)だ!、予定通りに行動し30分でケリをつけるぞ。建物内は非戦闘員も多い、誤射には気を付けろ!ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズにすっぱ抜かれたくはないからな」

 

最後の一言で機内で笑いが起きる。

 

「情報では目標は建物内上階にある私室もしくは緊急控室と呼ばれる場所に居る可能性が高いとの事だ、見取り図は頭に入ってるな?迷っても迷子センターはないぞ」

 

そう言っている間に編隊はジン・ハーク上空へと差し掛かる。

城壁を2つ越えた所で、複数回の爆発音が機体を揺さぶる。

外縁部に誘引した敵部隊が引き返してくるまでの時間を稼ぐために城門を攻撃した爆音だった。

 

『LZまであと1分!』

 

コックピットのパイロットがそう叫ぶと、指揮官も人差し指を立てながら叫ぶ。

海兵隊隊員達も互いに叫びあう。

LZである王宮の中庭が近づくにつれ機体の速度が落ち、着陸姿勢に入る。

機体両側のドアガンナーはGAU-17を左右に振りながら敵兵を警戒する、時折護衛のヴァイパーの機銃掃射の音が大気を震わせる。

機速が無くなり機体が降下を始めると、強烈なダウンウォッシュが中庭に咲く色取り取りの花びらを巻き上げ幻想的な光景を作り上げた。

そんな中、中庭に通じる扉からロウリア王国軍の兵士達が躍り出てくる。

しかし彼らは次の瞬間にはGAU-17から射撃を受け物言わぬ肉塊へと成り果てた。

重い音と共にキングスタリオンがタッチダウンする。

同時に機体後部ランプから海兵隊隊員達が飛び出し、各ファイアチーム毎に分かれ王宮内に突入していく。

ヴェノムに搭乗していた強襲部隊は城壁上にラぺリングにて降下し、突入していった。

 

 

中央歴1639年 4月18日

ロウリア王国 ジン・ハーク 北門

 

 

突然城壁内から鳴り響いた爆音に城壁外を見ていたパタジンは振り返った。

第二城壁にある4個所の門の場所から黒々とした煙が立ち上る光景と王宮上空に現れた空を飛ぶ何かを見て、敵の目的を悟り叫んだ。

 

「奴らの狙いは大王様か!?」

 

パタジンは直ぐ傍に控えていた魔導通信士を通じて状況を確認させる。

そして返ってきた報告に更に顔を歪ませた。

それは城門を破壊され瓦礫の為に部隊の通行が困難になっている事、そして王宮内に敵兵が侵入しつつある事だった。




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