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中央歴1639年 4月18日
ロウリア王国 ジン・ハーク 王宮
王宮内に突入した海兵隊員達は各所で抵抗を受けつつもそれらを排除しつつ目標を捜索していた。
ロウリア王国軍は近衛騎士団を侵入者排除に差し向けたが、一太刀も浴びせる事の出来ぬままに迅速に排除されていた。
しかしロウリア王国軍も愚かではなかった、剣や槍による戦闘が不可能と判明すると廊下などに家具と大盾を用いた即席の壁を作り上げ、その後ろから弓や魔導師による攻撃による遅滞戦闘へと切り替えていた。
海兵隊員は思わぬ敵の抵抗に一時足止めを余儀なくされた。
矢玉や火炎弾を柱の陰で避けながら
「マーク!あのクソったれ共を吹っ飛ばせ!」
FTLに指示を出された海兵隊員が背中に担いでいたMGL-140グレネードランチャーを取り出し、遮蔽物から僅かに身を乗り出してから狙いを付け発砲した。
シャンパンのコルクが抜ける様な大きな音と共にM441 榴弾が撃ち出される。
放物線を描いて飛翔した榴弾はバリケードのやや上側に着弾し、炸裂した。
爆発によりバリケードは破壊され、その後ろに居た騎士や魔導士は調整破片とバリケードの破片によってズタズタに引き裂かれた。
敵の抵抗がなくなった事を確認しFTLは前進を命じる。
「火点は沈黙したぞ!Move UP!」
この様な戦闘が王宮内の各所で行われ、銃声と爆発音が止めどなく響いていた。
中庭から侵入した部隊は2階までを制圧し、3階へと到達していた。
城壁上通路に降着した部隊は侵入した部隊の掩護と、増援が来た場合の排除を担っていた。
中央歴1639年 4月18日
ロウリア王国 ジン・ハーク 南の大通り
崩れ落ちた南門から王宮へと続く大通りを駆ける集団があった。
彼らは南門を守備する防衛騎士団第3騎兵大隊の騎士達だった。
城門に対する攻撃の際に幾らか損害は出たものの、他の部隊に比べれば殆ど無傷な彼らは敵兵が王宮に侵入したとの報告を受け、王宮へと向かっていた。
城門が破壊され瓦礫で塞がれた結果、重装備や騎馬を放棄せざるを得なかったものの、軽装のおかげか王宮へと続く坂道を速やかに駆ける事が出来た。
そんな部隊の先頭を行くのは特徴的な吊り目がキツネを思わせる知将カルシオと呼ばれる将であった。
カルシオは自らが率いる2000の兵があれば侵入者を撃退する事も、もしそれが困難でも北門の本隊が増援に駆け付けるまでの時間を稼げるだろうとの魂胆であった。
王宮まであと500m程まで来た所でカルシオの耳に数十ものワイバーンが同時に羽ばたくような、しかしそれよりも力強い音が聞こえてきた。
音の方向に視線を向ければワイバーンと似ても似つかなぬ異形の姿があった。
そして、ぐんぐんと近づく異形の口に光が瞬いたかと思えば、隊列の後方で爆炎が上がった。
一瞬にして数十の爆発音が鳴り響き、隊列の後方の兵たちは物言わぬ肉塊と成り果てる。
「魔導攻撃か!?隠れろ!」
カルシオはそう叫ぶが大通りという遮蔽物のない場所であった事が不幸であった。
身を隠せそうな遮蔽物はなく、敵騎の放つ魔導攻撃により次々に倒れていく。
カルシオもまた至近に着弾した攻撃の衝撃を最後に意識を手放した。
中央歴1639年 4月18日
ロウリア王国 ジン・ハーク 王宮
「現在、カタナ2が南側にて敵歩兵部隊を攻撃中との事です」
強襲部隊指揮官の傍らでマンパック無線機を背負った副官が言う。
指揮官は腕時計にて時間を確認し、敵の対応が想定よりも早い事に驚く。
「敵の対応が想定よりも早いな、こちらも早めにHVTを確保してケツを捲らねばな」
そう言いながら腕時計にて時間を確認していると爆発音と銃声が轟く。
先頭を行くファイアチームが4階へ通じる階段のバリケードを破壊した音だった。
「ようし、ラスト10ヤードだ。気を抜かずに行くぞ!」
「「ウーラー!」」
後方を警戒しつつ先行する部隊が制圧した廊下を進み、階段を上っていく踊り場にはバリケードの残骸と破片や銃弾を受け息絶えたロウリア王国軍兵の亡骸があった。
そんな光景を一瞥し、階段を上りきると廊下の先にある大扉の前に到達した部隊が扉にブリーチング用爆薬を設置している所であった。
胸元の硬質ケースに格納されたスマートフォンに視線を落とし、見取り図を確認する。
目の前の扉を抜ければターゲットまでもう少しであった。
「大尉!突入準備完しました!」
FTLがそう報告を上げる。
頷いて返し、ポイントマンが支えている防弾繊維製の防爆盾の背後に並んで身を隠す。
「Bleacher Your Control!!」
最後尾に着いたFTLがそう叫ぶ。
「Roger! I’m Control!!」
ブリーチャーはそう言えば、手元の点火器を再点検しカウントダウンを始める。
「Standby!!3…2…1!」
点火器のレバーを握り込み、ブリーチング爆薬に点火する。
鍵穴部分と蝶番に仕掛けられた爆薬が炸裂し、それぞれを吹き飛ばす。
「Clear!」
爆炎が収まった事を確認しブリーチャーが叫ぶ。
そして列から外れながら肩に掛けたバッテリング・ラムを両手に持ち、扉に向かって叩きつけた。
支えを失った扉は鈍い音を立て室内へと倒れる。
同時にM4カービンやM1014散弾銃を構えた海兵隊員が次々にビロード製の深紅の絨毯にブーツの跡を付け突入していく。
少し離れた所には侍女二人が倒れ込んでおり、その後ろには鎧を着た兵士らしき影が見えた。
爆圧でひるんでいる様だったが、腰に帯剣している事を確認すると、ライフルマンの1人がダットサイト越しに照準し発砲した。
胴体を狙って撃ち出されたMk.311 BALL弾が銀製の胸甲を容易く貫通し体内を滅茶苦茶にしながら進み、背中側から飛び抜けた。
兵士は銃創から血をまき散らしながら崩れ落ちる。
同時に部屋の左右に並ぶ柱からプレートアーマーに身を包み片手剣を装備した兵士達が部隊に向かって襲い掛かって来た。
「Ambush!!」
誰かが叫ぶと同時に無数の銃声と悲鳴が広間に響き渡った。
中央歴1639年 4月18日
ロウリア王国 ジン・ハーク 王宮
ロウリア王国国王ハーク・ロウリア34世は暖炉の上に据えられた自らの勇ましい姿を切り取った肖像を見上げながら己の歩んだ道を振り返っていた。
第三文明圏の雄たる列強パーパルディア皇国にそれこそ自らの額を地に着けるかの如く服従の姿勢を見せ、そして無数の屈辱的なまでの条件、そして国庫の数十年分にも及ぶ大金を積み上げ手に入れた物的、教育を含めた援助を10年もの長きにわたって注ぎ込み、更には型落ちとはいえ魔導砲や地竜までをも手に入れた。
そして満を持して臨んだロデニウス大陸統一の戦い。
負ける方が難しいといえる戦力比、忌まわしき亜人どもを根絶やしに出来る筈であった。
しかしどうだ、いざ開戦してみれば精強たるロウリア王国陸軍は国境を越えた時点で壊滅の憂き目に合い、海軍も海の藻屑と消え去った。
そして一週間もしない今日この日、遂に王都にまで侵攻を許し、あまつさえこの王宮にすら敵の侵入を許してしまった。
それもこれも全て、あのアメリカ合衆国とやらの手によるものであった。
統一後に滅ぼしてやるなどという世迷い事をいった自分を恨んだ。
そこでふと先ほどまで聞こえていた轟音と悲鳴が聞こえなくなっている事に気づいた。
遂にここまでかと覚悟を決め、ロウリア王は立てかけていた豪奢な装飾が施された片手剣を手にした。
鞘から抜けば磨き抜かれた刀身に自らの顔が映り込む、その顔は普段の自信に満ち溢れ尊厳に満ちたものではなく、悲壮感に濡れたものだった。
瞬間、爆音が轟き扉が室内に倒れ込んできた。
片手剣を手に入り口に向け振り返った瞬間、腹部に強烈な衝撃を受けた事を脳が認識したと同時に意識は闇へと落ちていった。
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