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中央歴1639年 4月6日
アメリカ合衆国 ワシントンD.C.
ウエストウイング地下に存在するシチュエーションルームにはオブライエン大統領以下国家安全保障会議のメンバーが揃い、統合参謀本部議長ティモシー・S・シュナイダー陸軍大将が状況説明を行う所であった。
照明が暗くなり、シチュエーションルーム正面の大型ディスプレイに状況図が表示される。
「状況に関してですが、現在、陸軍緊急展開部隊として第82空挺師団の進発準備を開始しており、24時間以内にクワ・トイネ公国へ展開可能です。空軍は
ディスプレイの地図上に各部隊を示す光点が表示され、それぞれの光点に部隊名が併記される。
※大まかな位置関係
「攻撃計画に関してですが、我が軍はロウリア王国軍が越境した事を確認次第これを第82空挺師団の装甲部隊と砲兵、海軍機及び空軍機による航空攻撃で叩きます。それと並行し第82空挺師団のヘリボーン部隊が越境し敵侵攻軍の後背を遮断します」
画面がロデニウス大陸の地図へと切り替わり侵攻軍を示す赤い四角が移動し、国境線を越えた段階で待ち構えている地上部隊の青い四角と海軍機、空軍機を示す青色の矢印が赤い四角へ殺到する。
その最中に味方地上軍を示す青い四角が迂回し赤い四角の後背に回り込んでいた。
「敵の航空戦力に関しては航空偵察にて配備基地を確認していますので、離陸前にこれを撃滅します」
シュナイダーの説明に合わせて表示されたロウリア王国領内に示された複数の光点に幾つもの光点が向かっていく。
「この攻撃の後、海軍は敵海軍の撃破に移行します。現在判明しているロウリア王国海軍の戦力はキャラック船、ガレー船を中心として総数で約4000隻が確認されています」
4000隻という言葉に一瞬どよめきが生まれる。
「4000隻とは凄まじい数だが大丈夫なのかね?」
「問題ありません、大統領。攻撃に相応の時間はかかりますが問題なく撃滅可能です」
オブライエンはその言葉を聞けば一度頷いて続きを促す。
「海兵隊に関しては地上戦の推移にもよりますが、ロウリア沿岸への強襲上陸も検討しています。その場合は敵首都にほど近いこの海岸線を確保し、しかる後に敵首都への攻撃を実施します」
そこまで説明すると照明が再び明るく灯る。
「ありがとう、議長。作戦計画は今の通り進めてくれ。レンツ、ロウリアにはこちらの意思を伝えたか?」
オブライエンは議長にそう言えば、シュナイダーは自席に戻る。
そしてレンツへと視線を向けながら問う。
「は、知っての通りロウリアと我が国には国交がありません。現在駐クワ・トイネ大使館から書状を持たせた外交官を向かわせておりますが、どうなるかは検討もつきません」
合衆国も当初ロウリアとの国交締結を考えていたがクワ・トイネ、クイラ両国との国交を理由に門前払いを受けていた。
当然その報告はオブライエンにまで来ていた為レンツの言葉に溜息をついた。
中央歴1639年 4月7日
クワ・トイネ公国 クサナイ空軍基地
駐クワ・トイネ アメリカ軍の基地であるクサナイ空軍基地はクワ・トイネ公国公都から西に
クサナイは元々畜産を主産業とした小規模で長閑な街であったが、アメリカ軍基地が出来てからはアメリカ軍人を顧客に考えた商店や飲食店などが増え賑わいを増していた。
そんなクサナイの街に隣接するクサナイ空軍基地は喧騒に包まれていた。
早朝からアメリカ本土より緊急展開部隊を積載した数十機に及ぶC-5Mスーパーギャラクシー戦略輸送機やC-17BグローブマスターⅢ大型輸送機が飛来していた。
輸送機は兵員や資材、装甲車両などありとあらゆる物資を詰め込んでおり、それら物資をエプロンで吐き出すと着陸機の合間を縫って離陸していく。
またそれらの輸送機の合間に本土から前進配備された、空軍の
そんなクサナイ空軍基地には連絡将校としてクワ・トイネ公国軍から騎士ボンタと騎士ケタハが派遣されていた。
ボンタはひっきりなしに飛来するアメリカ軍機を茫然とした表情で見ていた。
「すごいぞあの巨大な鉄竜、腹の中にあんなに沢山の兵を詰め込んでるぞ」
そう言いながらエプロンに駐機され後部ランプを開きそこから次々とアメリカ軍兵士を降ろしていくC-17を指さす。
隣に立つケタハもまた驚きの表情を浮かべていた。
「いやボンタ、あのもっと大きな鉄竜なんて鉄の地龍を吐き出してるぞ」
視線の先には前部カーゴドアを開き、M8 サンダーボルト空挺戦車を降ろすC-5の姿があった。
「ロウリアが遂に攻めてくると聞いた時は正直ダメかと思っていたが、これなら勝てるかも知れんな」
「ああ、まったくだ」
中央歴1639年 4月9日
ロウリア王国 王都ジン・ハーク
ロデニウス大陸の西半分を支配するロウリア王国。
その王都であるジン・ハークは丘に築かれており周囲を三重の重厚な城壁に囲まれた堅牢な城郭都市であった。
その中央にそびえ立つのがロウリア国王の居城であるジン・ハーク城であった。
そんなジン・ハーク城の天守塔に存在する大部屋にて開戦の最終判断を下すための御前会議が執り行われていた。
室内で一段高い位置にある一際豪奢な椅子に腰かけているのはロウリア王国大王 ハーク・ロウリア34世であった。
他にもロウリア王国の宰相オマス、近衛騎士団長兼王都防衛騎士団将軍パタジン。
三大将軍と呼ばれるパンドール将軍、ミミネル将軍、スマーク将軍などを始めとしたロウリア王国を担う重鎮が勢ぞろいしていた。
沈黙が満ちている空間に宰相オマスの声が響く。
「これより御前会議を執り行います。まず大王様よりお言葉を頂きます」
会議の開始を告げるとオマスは脇に下がり、ロウリア国王 ハーク・ロウリア34世が口を開く。
「皆の者この10余年の時、大儀であった。遂に我々はこのロデニウス大陸から害獣どもを駆逐し我々ヒト種の統一国家を築き上げる時がきたのだ。その為の諸君らの働きに余は礼を言おう」
その言葉に臣下達は頭を下げた。
ハーク・ロウリア34世は立ちあがるとこぶしを振り上げ宣言する
「余はここに!クワ・トイネ、クイラ両国への開戦を宣言する!!」
その力強い言葉に臣下達は静かに歓喜の声を上げる。
部屋の熱気が高まっていくなかハーク・ロウリア34世が腰を下ろすとマオスが再び会議を進行させる。
「パタジン将軍、現在の軍の状況を」
ロデニウス大陸統一軍の総司令官であるパタジンはその言葉で立ち上がり説明を行う。
「現在統一軍はクワ・トイネ国境まで残り30kmの地点におります。予定通り4月12日にクワ・トイネ国境を越えます。相手は所詮農民の亜人と不毛の大地の貧民に過ぎません、ひと月と掛からず征服してご覧にいれます」
パタジンの言葉にハーク・ロウリア34世は満足げに頷く。
そして続ける様にとパタジンに促す。
「宰相殿にお尋ね申し上げる。1か月程前に接触してきたアメリカ合衆国という国に関して何か情報はありますでしょうか」
パタジンの言葉に宰相オマスは不敵な笑みを浮かべ答える。
「かの国はロデニウス大陸から遥か北東に離れた蛮族の新興国家であります。此度の戦には全く影響しないでしょう…それとこちらを」
オマスはそう言うと懐から何らかの書状を取り出しハーク・ロウリア34世に差し出す。
ハーク・ロウリア34世は書状を受け取れば怪訝な顔をし、これは何かをオマスに問いかける。
「これはそのアメリカ合衆国とやらの使者が昨日持参した物であります。内容に関してはとんだ荒唐無稽なもので、なんとクワ・トイネの安全を保障すると書いてあります」
その言葉に室内は失笑が響く。
それもその筈であり数千kmも離れた蛮族の新興国家が栄えあるロウリア王国に歯向かうと言っている様なものであったからだ。
ハーク・ロウリア34世は書状に一通り目を通せば書状を粉々に破り投げ捨てる。
「新興国家如きが我がロウリアに歯向かうとは、笑止千万!ロデニウス大陸を統一した後、同じように攻め滅ぼしてくれるわ!」
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いる
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