リコーデッド・アライバル   作:suz.

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※3話同時更新(2話目)です。
※デュエルの書き方を模索中です。効果の説明など探り探りやっています。


暗号(コード)話者(トーカー)が呼んでいる(前編)

 まるで、海のなかにいるようだった。

 まどろみの海はあたたかい。

 そういえばLINK(リンク) VRAINS(ヴレインズ)に海辺のエリアが新規解放されたから週末にでもどうかと、大学の友人たちから誘いを受けていたのだったか。

「彼女も連れてこいよ」と揶揄(やゆ)されて、綺久(きく)はそういうんじゃないと突っぱねたのだが、水中でも呼吸できる拡張モジュールがどうのこうの、ネットに疎いせいで何の話だかさっぱりわからなかった。

 深海にまで潜っていけると聞いても、海辺育ちゆえにピンとこない。あまり外に出ない子供時代を過ごしたので、海中に落ちた記憶もなかった。

 ふと、重力を探した指先が赤いグローブごとひきつる。

 自然とまぶたが持ち上がって、ああ、眠っていたのかと遅まきな理解が追いついてきた。

 

Soulburner(ソウルバーナー)! 目が覚めたか、ああ、よかった……!』

 

「……不霊夢(フレイム)……?」

 

『ここはVR空間だ。現実のきみは閉じ込められている』

 

「閉じ込——、っあー……そうだった……」

 

 意識を失う直前の出来事がよみがえり、Soulburnerは片手で顔を覆った。

 大学から帰宅する途中、黒服の五人組に出くわしたのだ。スーツの襟に『HDR(ヒドラ)』をかたどったバッジをみとめ、綺久を先に家に帰して——それから。

 表情の読めない大柄な男。アンドロイドであったらしい巨漢は、(たける)に向かって両腕を伸ばした。

 SOLtiS(ソルティス)の倍はあろうかという重量を取り回せずにいるうちに背後から電撃に襲われ、不霊夢ごとアンドロイドの腹のなかへと閉じ込められたのだ。

 

『HDRコーポレーションの人型AIはHi-EVE(ハイヴ)という女性型(ガイノイド)だという触れ込みだったが、男性型(アンドロイド)も存在していたらしい』

 

 うかつだった、と不霊夢が拳を握る。

 このDen(デン) City(シティ)においてヒトの姿を模したAIは、二年前に廃盤になった〈SOLtiS〉を使用しているAiたったの一体だけだ——という財前晃の言葉を鵜呑みにしてしまっていた。

 いや、事実そのはずだったのだ。Aiが使用しているボディはSOLtiS最後の一体であり、SOLグループは二年前にAI開発とアンドロイド製造から手を引いている。SOLtiSの開発プロジェクトおよび製造施設をHDRコーポレーションが買収し、海外への輸出を主眼として製造された〈Hi-EVE〉は、国内での運用を前提としていない。

 観測できないものは()()だろう。

 生身の人間の目には、有機物と無機物を判別する機能が備わっていない。だからSOLtiSの喉や背中にはランプをつけ、可動関節を光らせるなどして差別化をはかった。

 衣服を除去して見れば別ものだとしても、人間にとっての着衣は肉体を防護する役割を持つ。最小単位の(よろい)だ。必ずしも相手に与える印象をコントロールするための表情ではない。(肉体のないイグニスにとっては衣服(ドレスコード)など社会性の一部にすぎないのだが……)

 人間社会のルールに基づけば、人間かロボットかを確認する目的といえど合意なく衣服を剥ぐことは許されざる暴虐にあたる。

 おかげでAiが人間に扮して生活できているわけだが、特徴さえ隠してしまえば人間側からはまったく見分けがつかないというわけだ。財前晃の目の届かないところで運用されていた人型AI(ヒューマノイド)に関して言えば、そんなものはいない、ということになる。

 わたしにもAiのような肉体(ソルティス)があれば、きみを守ることができたろうか——悔しげに顔を歪めた不霊夢に、Soulburnerが「あのさ」と呼びかける。

 

「……ちょっと寝てた間に、アバターが派手になってるような気がすんだけど……」

 

 所在なげに手のひらを閉じたり開いたりしながら、Soulburnerが視線を泳がせる。

 先日の砂漠の一件を踏まえて年齢設定を見直し、現在の穂村尊の身長・体重を反映させて〈Soulburner〉の姿かたちはアップデートされた。

 二年半分の身体的成長を加味しただけだったはずが、少々、勝手が違う。

 

『アバターデザインとしては以前よりシンプルになったと思うが』

 

「まあおまえが言うならそうなんだろうけどさ……」

 

 シンプルなアバターというのは、Playmaker(プレイメーカー )のようなデザインを指す言葉ではないだろうか。

 初期設定の無課金アバターからプロテクターのたぐいを廃した細身のボディスーツは、一見無防備なようだが抜き身の白刃のような鋭利さがある。旧式デュエルディスクという圧倒的に不利な条件でありながらイグニスのサポートなしにLINK VRAINSを自在に動き回れるアバターを作り上げたときまだ中学生だったというのだから、藤木遊作の天才性を垣間見るようだ。

 派手になったかシンプルになったかは個人の印象(センス)の問題だということにして、Soulburnerは思考を放り投げた。気絶している間に勝手にいじられるのは少々心臓によくないが、そこは不霊夢のやることだ。プロテクターが若干増えているような気がするのも不霊夢の親切心と、尊の保守的な精神性の投射だろう。

 きっと悪いようにはならない。

 

「えーと。セーフティプロテクションとかいうのは、どうなってんだ?」

 

『特に変更はしていないぞ』

 

「いや、そこを見直さなきゃならないんじゃないのか? また前回みたいな……事故、があったらどうすんだよ」

 

『きみはきみ自身が考える以上に理性的だ。少々タガを外しておいても問題あるまい』

 

「あのなぁ……」

 

 事故と言葉を濁しはしたが、あの砂漠のような醜態は二度と晒したくない。自分自身の弱さで相棒を責めるなど、格好悪いし、何より不霊夢につらい思いはしてほしくないのだ。いくらSoulburnerが穂村尊の素の部分にヒトガタを与えたアバターだとしても、悪い面まで解き放ってしまうのは避けたいのが本音である。

 しかし不霊夢は気にとめたふうもなく、ことんと首を傾ける。

 ……どうやら本気で問題ないと思っているらしい。

 はーっとため息を落として、顔を上げる。

 ふりあおいだ先は、闇のなかに白くそびえ立つ尖塔だ。灯台のように細長く、それでいて曲線的な建造物は、ビルに換算すると三階ほどの大きさだろうか。

 つるりと無機質な天守からは視線を感じる……ような気がする。

 

 

【挿絵表示】

 

 

『……きみも気がついたか』

 

「白い、塔……だよな?」

 

『チェスの駒を(かたど)っているようだな。ビショップという』

 

「……将棋で?」

 

『角行だ』

 

「あー、うん、なんとなくわかったぜ」

 

 わかったようでわからない反応に不霊夢が胡乱な顔をしたが、Soulburnerは片手で相棒を制して、塔の()を見上げた。

 

「……あんた、さっきのやつだよな?」

 

 核心をつく声に呼応するように、ぼうと暗闇が揺らぐ。

 すると沈黙していた塔から、人影が上質そうな革靴を鳴らして進み出た。いや、白い塔が黒服の人間の姿に変化したのだ。

 顔は見えない。影に沈んだ表情には、LEDのような光がちかちかと赤く点滅する。塔の天守部分の模様が、そのまま顔になっているらしい。

 不気味な仮面がまたたいて、……おそらく、笑ったのだろう。

 

「いかにも、わたしがビショップだ」

 

 黒いスーツ姿の男が一歩、一歩と進み出るたび、足元のタイルが切り替わる。Soulburnerが倒れていたのは闇ではなく、どうやら白と黒の市松模様の()のマスであったようだった。

 チェス盤の上にいる。そう自覚した途端から黒も白も曖昧になっていき、やがて完全に透明化された遊戯盤の眼下に広がったのは、Den Cityの風景だ。

 

 足もとの黒のマスも、いつの間にかDボードに姿を変えている。

 

 ガラスのフロアの下に住み慣れた街。上空から見渡す、Den City ユニバーシティのキャンパス。SOLグループの本社ビル。Den City 広場(スクエア)——パブリックビューイングの大型スクリーンとCafé(カフェ) Nagi(ナギ)。海へと合流する河口にかかる三本の橋〈トライゲート・ブリッジ〉、倉庫街。そして高校一年の二学期にだけ通ったDen City ハイスクール。

 明らかになっていく景色は、目にも留まらぬ速さで変容していく。まるで早送りの映像を見ているようだ。

 

「その場にとどまるためには全力で走り続けなければならない——という言葉を知っているかね?」

 

『赤の女王仮説だな』

 

「誰だよ、赤の女王って」

 

『きみはもう少し本を読むべきだ』

 

 種にせよ個にせよ、生き残るためには進化し続けなければならないという意味だと不霊夢がかいつまんで解説する。……生存競争とは、一度全滅を経験したイグニスには実に耳が痛い問題である。

 十三年前に六人の子供たちを犠牲に生み出され、内輪揉めで滅んだ新種族がイグニスだ。急速に進化する生命体でありながら、絶滅に対する抑止力を持っていない。イグニスには種としての不死性(ホネ)がない、というリボルバーの指摘は、抗いがたい真実だった。

 一分一秒が八十億との戦いであり、時間が否応無く流れる以上、立ち止まることは死を意味する。

 二度目の絶滅を回避するために願われたのが()()()()()()だった。

 

「……いいぜ、デュエルだ」

 

『Soulburner?』

 

「俺はてめーをブッ倒してここから出る!」

 

 ゆらりとDボードに立ち上がれば、背中から炎を吹き上げるように赤がたなびく。

 風貌は少年から青年へと成長し、精悍な横顔は不霊夢ではなく打ち勝つべき敵を見据えている。

 

『きみは……』

 

 強い意志を宿した双眸に、不安や迷いの気配はない。

 

 

 ——SPEED DUEL!!

 

 

【挿絵表示】

 

 

先攻 ビショップ: LP4000後攻 Soulburner: LP4000
手札

・《召喚僧サモンプリースト》

・《強欲で金満な壺》

・《悪夢の拷問部屋》

・《天罰》

手札

・《転生炎獣(サラマングレイト)ガゼル》

・《転生炎獣パロー》

・《転生炎獣の降臨》

・《ライジング・オブ・ファイア》

 

 

 

「わたしは手札より通常魔法《強欲で金満な壺》を発動。自分メインフェイズ1開始時、エクストラデッキからランダムに六枚除外する。除外したカード三枚につき一枚、自分はデッキからドローする。わたしは二枚ドロー」

 

ビショップ 手札4→6

 ・《ファイヤー・ソウル》

 ・《デス・メテオ》

 

「エクストラデッキのカードを、裏側表示で六枚も除外……?」

 

「手札より《召喚僧サモンプリースト》を召喚。このモンスターは、召喚に成功したとき守備表示になる」

 

 

《召喚僧サモンプリースト》(闇)

☆4 【魔法使い族・効果モンスター】

 ATK 800/DEF1600

 

 

「《召喚僧サモンプリースト》の効果。手札より魔法カード一枚を捨て、デッキからレベル4モンスター一体を特殊召喚する。わたしは手札の通常魔法《ファイヤー・ソウル》を捨て、デッキから《連弾の魔術師》を特殊召喚」

 

 

《連弾の魔術師》(闇)

☆4【魔法使い族・効果モンスター】

 ATK 1600/DEF 1200

 

 

『《連弾の魔術師》……フィールド上に表側表示で存在する限り、通常魔法の発動に連動して400ポイントの効果ダメージを与えるモンスターか』

 

「ブルーガールのちくちくを思い出すぜ……」

 

 効果ダメージによるLPの減少は地味に響くのだ。Soulburnerが戦ったときはブルーガールにアバターを改めていたが、LINK VRAINSの看板娘ことブルーエンジェルの【トリックスター】は昨今最も名の知れたビートバーンデッキだろう。

 そこへ、さらなる追撃が宣言される。

 

 

「手札より永続魔法《悪夢の拷問部屋》を発動」

 

 

「なっ、」

 

『戦闘ダメージ以外のダメージを与えるたびLPに300ダメージを与えるカード……!』

 

「さらに《デス・メテオ》発動。相手ライフに1000のダメージを与える!」

 

「っが——— !!」

 

 

 

 Soulburner LP4000→3000

 

 

 

『いけない、《連弾の魔術師》のモンスター効果がくるぞ!』

 

「《連弾の魔術師》の効果。通常魔法を発動するたび、400のダメージを与える」

 

「くるぞって言われてもな……!」

 

 

 

 Soulburner LP3000→2600

 

 

 

「さらに永続魔法《悪夢の拷問部屋》の効果。300のダメージを与える」

 

「ぐ……ッ!」

 

 

 

 Soulburner LP2600→2300

 

 

 

「——カードを一枚伏せ、わたしはこれにてターンを終了」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 一難去ってまた一難、ふうと細く息を吐く。

 相手の先攻では、防ぎようがなかった。手札誘発効果を持つカードを握っていなかった以上、どうしようもないダメージだ。だが、こちらのターンがまだ回ってきていないうちからライフは残り2300にまで削られてしまったのは少々痛い。

 思考する。相手がエクストラデッキから除外した六枚のカードが気にかかる。《ファイヤー・ソウル》は、炎属性モンスターの採用を前提とするカードだ。おそらくビショップのデッキには炎属性のモンスターがいる。

 考えろ。魔法&罠ゾーンに残された一枚の伏せカードが手札枚数に応じてダメージを与える効果を持っていた場合、次の通常ドローで瞬殺だ。

 不霊夢とともにここから出る。そのために、ここでビショップとかいうやつを倒す。

 

「きみは何か勘違いしているようだが、Hi-EVEは()()()()()()()()()()仕様ではない」

 

「あ? なんだそれ」

 

「勝って、外へ出られたか?」

 

「なん……っ 」

 

〈ロスト事件〉のことを言っているのだと、すぐに思い当たった。直感が告げていた。こいつは知ってる。十三年前、何があったのか。

 誘拐され、VR装置しかない部屋にたったひとりで閉じ込められた穂村尊は、ただただ負け続けたわけではない。勝つことだって当然あった。それでも救出されるまで、あの白い拷問部屋からは出られなかった。

 

「得られるものは外界の自由ではなく、日々を生きるための糧。そう、労働と同じだ」

 

「労働だって……?」

 

「人間社会は労働と報酬によって成立している。人間は働くだろう。食べるために、眠るために。生き延びるために」

 

 不気味な仮面に笑みを浮かべて、ビショップはこともなげに言い放つ。

〈ハノイプロジェクト〉の実験において、六名の被験者たちは身をもって学んだだろう。

 デュエルに勝てば食事を得られる。空腹感に耐えきれなくなれば、電撃に怯えながらも食料ほしさにVR装置に手を伸ばす。生かしてくれと訴える肉体(ハードウェア)の欲求に突き動かされ、もういやだと諦めたがるこころが涙を流しても、食欲を満たすために無謀な挑戦を続けるしかなかった。

 それが()()でなくて何なのか。ただ飢餓から解放されたい一心で、本能のままカードを手繰り続けた幼い六人の奴隷たち。

 イグニスの塔を作りあげるため、賽の河原に石を運んでいたとも知らぬまま、無心に生き延びようとした。

 

「……あれが、労働だったってのか……?」

 

「そうだ、Soulburner。命を終わらせたくなければ働いてもらおう。馬車馬のように、軍馬のように。神はきみに十三年前の続きを望んでいる」

 

「あいにくブラック企業に就職した覚えはないんでね。今の俺たちには帰りを待ってる人がいるんだ。悪ィけど、あんたが音を上げるまで勝たせてもらうぜ!」

 

 出られない仕様であるのなら、もう出て行ってくれと言わせればいい。Soulburnerの双眸は赤く熱く、剣呑な炎を揺らめかせる。

 さあ、泣きを見てもらおうではないか。

 

「俺のターン、ドロー!!」

 

 

Soulburner 手札4→5

 ・《死者蘇生》

 

 

「これは——、……俺はカードを一枚伏せ、手札から《転生炎獣ガゼル》を召喚! ガゼルの効果発動、デッキから《転生炎獣スピニー》を墓地へ送り、自身の効果で特殊召喚!」

 

《転生炎獣ガゼル》(炎)

☆3【サイバース族・効果モンスター】

 ATK 1500/DEF 1000

 

《転生炎獣スピニー》(炎)

☆3【サイバース族・効果モンスター】

 ATK 1000/DEF 1500

 

「俺はレベル3のガゼルとスピニーでオーバーレイネットワークを構築!! 幻想を断ち切る、灼熱の荒馬——」

 

 両手のひらを重ね合わせる。エクシーズ召喚のゲートが開かれる。篝火が燃える。光という光がきらめき、炎のたてがみをたなびかせた駿馬が嘶いた。

 

 

「現れろ! RANK-3《転生炎獣ミラージュスタリオ》!!」

 

 

《転生炎獣ミラージュスタリオ》(炎)

 ランク3

【サイバース族・エクシーズ・効果モンスター】

 ATK 2000/DEF 900

 

 

「ミラージュスタリオのO(オーバー)R(レイ)U(ユニット)をひとつ取り除いて《転生炎獣J(ジャック)ジャガー》を守備表示で特殊召喚! 俺はミラージュスタリオをリンクマーカーにセット——現れろ、LINK-1《転生炎獣ベイルリンクス》!」

 

《転生炎獣ベイルリンクス》(炎)

【挿絵表示】

【サイバース族・効果モンスター】

 ATK 500

 

 

『いい調子だぞ、Soulburner! 《転生炎獣ミラージュスタリオ》がリンク素材として墓地へ送られたことで——』

 

「《連弾の魔術師》には手札に戻ってもらう!」

 

 フィールド上の魔術師がぐっと杖を握りしめたが、《連弾の魔術師》は敢えなく持ち主の手札へと戻る。

 

「ベイルリンクスの効果発動! デッキからフィールド魔法《転生炎獣の聖域(サラマングレイト・サンクチュアリ)》を手札に加える。さらにベイルリンクスとJジャガーをリンクマーカーにセット! リンク召喚、LINK-2《転生炎獣サンライトウルフ》!」

 

《転生炎獣サンライトウルフ》(炎)

【挿絵表示】

【サイバース族・効果モンスター】

 ATK 1800

 

 

『《転生炎獣サンライトウルフ》の効果により墓地の《転生炎獣ガゼル》を手札に加えることができる!』

 

「ああ! さらに俺は墓地のJジャガーの効果を発動! ミラージュスタリオをエクストラデッキに戻し、Jジャガーをサンライトウルフのリンク先に特殊召喚する! リンク2のサンライトウルフとJジャガーをリンクマーカーにセット! 現れろ、未来を変えるサーキット!」

 

 天空を指し示す指先から、猛然と炎がほとばしる。リンクマーカーが召喚条件を満たして赤く輝いた。

 

 

「LINK-3《転生炎獣ヒートライオ》!!」

 

 

《転生炎獣ヒートライオ》(炎)

【挿絵表示】

【サイバース族・効果モンスター】

 ATK 2300

 

「ヒートライオのモンスター効果発動! このカードがリンク召喚に成功した場合、相手の魔法&罠ゾーンのカード一枚を持ち主のデッキに戻す!」

 

『対象はむろん《悪夢の拷問部屋》だ!』

 

 

「リザウディング・ロアー!!」

 

 

  咆哮が響き渡る。ヒートライオの雄叫びが空間を震わせ、剥がれ落ちた拷問部屋はビショップのデュエルディスクへと吸い込まれた。

 

「そしてフィールド魔法《転生炎獣の聖域》の効果発動! 逆巻く炎よ、浄化の力でヒートライオに真の力を呼び覚ませ! 転生リンク召喚!! 蘇れ、炎の平原を駆け抜ける百獣の王——《転生炎獣ヒートライオ》!」

 

 爆炎をくぐり、たてがみが猛然と火勢を増す。

 

「転生したヒートライオのモンスター効果!! そっちのセットカードも、」

 

「あなたがデッキに戻そうとした罠カードを発動。これは《天罰》です!」

 

『なにっ?』

 

「先ほど手札に戻してくれた《連弾の魔術師》を捨て、カウンター罠《天罰》の効果を発動。《転生炎獣ヒートライオ》のモンスター効果を無効にして破壊!」

 

「なっ……」

 

 ヒートライオは耐えるように鉤爪をわななかせたが、しかし敢えなくデータの塵となって砕け散る。

 

「……だが俺は手札から装備魔法《ライジング・オブ・ファイア》を発動するぜ! 墓地のヒートライオを蘇生して、このカードを装備する!」

 

『いいぞ、Soulburner! ちなみに《ライジング・オブ・ファイア》を装備したモンスターの攻撃力は500アップだ!』

 

 

「バトル!!」

 

 

『《転生炎獣ヒートライオ》で守備表示の《召喚僧サモンプリースト》に攻撃!』

 

 

「ヒート・ソウル!!」

 

 

《転生炎獣ヒートライオ》の攻撃力は2800。火柱がほとばしる。

 守備力1600の《召喚僧サモンプリースト》が燃え上がり、あがく腕ごと噛み砕かれた。

 

「これで俺はターンエンドだ」

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