仁: LP4000
手札
・《
・《天装騎兵ハスティレー》
・《天装騎兵スペクラータ》
・《威嚇する咆哮》
・《
「僕のターン、ドロー!」
手札5→6
めくったカードを見つめる。《天装騎兵ガレア》、レベル3の効果モンスターだ。
盤面を見渡す。相手フィールド上には[C1]を除くすべての魔法&罠ゾーンにセットカードが待ち構え、[B2]にはモンスターも召喚されている。《ベビケラサウルス》は見た目こそ愛くるしいが、迂闊に破壊するとデッキの保護者を呼びつけるという厄介な効果を持っている。
ついにデュエルは進み始めたのだという実感に、仁は静かに息を吐き出した。
(相手墓地の確認は……できないのか。けど、手札は使い切ってるはず)
相手の残り手札はおそらくゼロ。警戒すべきはずらりと威圧感を醸し出す四枚の伏せカードだ。盗み見たメッセージに
勢いでバイトをサボってしまった
夕暮れ時にひとりで飛び出してきてしまったから、弟が心配で開店どころじゃなかった……なんてことになっていたら兄にはちょっぴり申し訳ない。
早く——早く決着をつけて、行かなければならない。帰るのではなく、もっと先へ、もっと向こうへ。たどり着かなければと胸がざわつく。
「僕は手札からレベル4の《天装騎兵ハスティレー》を墓地に送り、《天装騎兵スペクラータ》を[C4]へ!」
[C4]
《天装騎兵スペクラータ》(光)
☆5【サイバース族/効果】ATK 0/DEF 1800
「ハスティレーは手札から墓地へ送られた場合——」
「この瞬間、わたしは手札より《D.D.クロウ》を墓地へ。これにより《天装騎兵ハスティレー》の自己再生は無効とする!」
「……っ、しゃべった……!?」
白い壁から突如響いた人間の声に、危うく手札を取り落としそうになる。
《天装騎兵ハスティレー》は、1ターンに一度、手札から墓地へ送られた場合に攻撃表示で特殊召喚することができる。《天装騎兵スペクラータ》のコストとして墓地へ送り、自身の効果で蘇らせてリンク召喚につなぐはずが、《D.D.クロウ》によって除外されたことで蘇生自体が不発に終わってしまった。
だが、これで本当に相手の手札はゼロだろう。
早い段階で誤解が修正できてよかったと、前向きに考える。
『白のルーク——相手は我々のデッキを対策しているようだな』
「っああ、……うん、そうみたいだ」
ライトニング謹製の【
「……僕はグラディウスを[D4]へ!」
[D4]
《天装騎兵グラディウス》(光)
☆2【サイバース族/効果】ATK 0/DEF 800
「グラディウスの効果発動! デッキからフィールド魔法《
……何も発動しない? 緊張に詰めていた息を吐きつつ気配を探るが、相手はビルのような白い城壁の中に隠れている(?)ので、視力のいい仁にも表情の変化がわからない。
だが《天装騎兵グラディウス》には、天装騎兵モンスター展開の主軸となる《天装の闘技場》をデッキからサーチする効果がある。墓地を警戒するのであれば《天装騎兵グラディウス》を通常召喚した時点で何らかの妨害が入ってもおかしくはなかったはず。
「……現れろ、光が導くサーキット! 召喚条件はレベル4以下の『天装騎兵』モンスター一体——僕はレベル2のグラディウスをリンクマーカーにセット!」
軍靴が力強く大地を蹴る。勇猛なる戦士たちを引き連れ、十人隊長が雄々しく、その剣を振り抜いた。
「LINK-1《天装騎兵デクリオン》!」
[B3]
《天装騎兵デクリオン》(光)
【サイバース族/効果】ATK 1000
「再び現れろ、光が導くサーキット! 僕はデクリオンとスペクラータをリンクマーカーにセット! リンク召喚——LINK-2《天装騎兵プリミ・オルディネス》!」
[B3]
《天装騎兵プリミ・オルディネス》(光)
【サイバース族/効果】ATK 1800
「プリミ・オルディネスの効果。リンク先……[C4]へ墓地のグラディウスを特殊召喚する。三たび現れろ、光が導くサーキット! アローヘッド確認、召喚条件はリンクモンスターを含む『天装騎兵』二体以上! 僕はリンク2のプリミ・オルディネスとグラディウスをリンクマーカーにセット!!」
大声に慣れない喉がざらりと濁り、戦いを覚えた指先があどけなさを振り払って天を指差す。強制的に呼びつけられた稲光が、避雷針のように仁のもとへ馳せ参じた。そして天高く駆け昇る。
雷光一閃。リンクマーカーが召喚条件を満たして赤々と、爆ぜる。
「サーキットコンバイン! LINK-3《天装騎兵クウァエダム・ウィンクルム》!!」
空間を染め替えるほどに強烈な光がじゃらりと金属音を鳴らして忍び寄り、爆ぜるように加速した。
煮えたつように爛々と輝く鎖は狡猾な蛇のようでいて、猛獣を封じる堅牢な檻だ。光の渦からぬうと現れ出でた人影が暴れ狂う鎖を御すように降臨する。
[B3]
《天装騎兵クウァエダム・ウィンクルム》(光)
【サイバース族/効果】ATK 1100
——だが。
「
「えっ——」
『我々は《天装騎兵クウァエダム・ウィンクルム》の効果を発動!』
「へっ? あっはい! このカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた場合——」
「効果で破壊され墓地へ送られた《ベビケラサウルス》の効果を発動。さらに自分フィールド上の恐竜族が破壊され墓地へ送られたことにより、罠カード《大地震》を発動!」
「う わ……ッ!」
畳み掛けるように地面が揺れる。砕けた鎖がたわんで、雨のように降り注ぐ。フィールドが陥没し、[E5]が落ちる。[D5]が落ちる。さらに[C5]が使用不可となり、仁はたたらを踏んだ。
[B2]
《プチラノドン》(地)
☆2【恐竜族/効果】ATK 500/DEF 500
[A1]にセットされていた《激流葬》が発動し、[B2]の《ベビケラサウルス》と[B3]の《天装騎兵クウァエダム・ウィンクルム》が破壊された。
相手フィールド上には《ベビケラサウルス》に入れ替わる格好で《プチラノドン》が守備表示でフィールドへ特殊召喚されてしまっている。《激流葬》に追加で墓地のカードを除外するカードまで発動されていたらと思うとぞっとしないが、……思わぬ妨害を食らってしまった。
「……僕はクウァエダム・ウィンクルムの効果で魔法カード《
『その後、《天装騎兵クウァエダム・ウィンクルム》を永続魔法カード扱いとして魔法&罠ゾーンに表側表示で置く。……仁、わたしのサポートを期待したのはきみだな?』
「念を押さなくても僕はきみに『黙れ』なんて言わないよ……クウァエダム・ウィンクルムのもうひとつの効果発動!」
『どうだかな。このカードが魔法&罠ゾーンに存在する場合、自分の墓地のリンクモンスター一体を対象として発動できる。対象は墓地の《天装騎兵デクリオン》。我々は《天装騎兵デクリオン》をエクストラデッキに戻し——』
「墓地の《天装騎兵プリミ・オルディネス》を[B3]へ!」
[B5]
《天装騎兵クウァエダム・ウィンクルム》(光)
【サイバース族/効果】ATK 1100
[B3]
《天装騎兵プリミ・オルディネス》(光)
【サイバース族/効果】ATK 1800
「さらにフィールド魔法《
召喚条件は『天装騎兵』モンスターを含む効果モンスター2体。避雷針のように突き上げた指先が
リンクマーカーが召喚条件を満たして赤く輝いた。
「現れろ、LINK-2《天装騎兵オプティオ》!」
[B3]
《天装騎兵オプティオ》(光)
【サイバース族/効果】ATK 1800
『このカードがリンク召喚に成功し、フィールド上に《天装の闘技場》が表側表示で存在する場合、デッキから『天装騎兵』モンスター一体を除外し、除外されているレベル4以下の【天装騎兵】を二体まで選んでこのカードのリンク先に特殊召喚できる』
「僕はデッキからセグメンタタを除外して、除外されているハスティレーとセグメンタタをオプティオのリンク先に特殊召喚!」
[C4]
《天装騎兵ハスティレー》(光)
☆4【サイバース族/効果】ATK 0/DEF 1600
[A4]
《天装騎兵セグメンタタ》(光)
☆4【サイバース族/効果】ATK 0/DEF 2000
リンク2の《天装騎兵オプティオ》は、平時こそ天装騎兵一体を除外経由でそのまま出すだけのカードだが、相手が既に除外してくれている場合は特殊召喚できるモンスターが増える。
うまく決まった、と仁が昂揚に拳を握った。
「墓地を警戒しすぎたみたいだね! ヤブをつついたらサソリが出てくるよ」
『藪をつついて出るのは蛇だ』とライトニングがため息をついて、はしゃぐオリジンをたしなめる。
そもそも蠍は藪には生息していないだろう。……だが、《D.D.クロウ》が相手にとって藪蛇だったのは事実だ。
にたりと邪悪な笑みを浮かべるライトニングは、楽しそうに声を弾ませる少年のねらいを察してデュエルディスクから浮き上がる。
「僕はレベル4の《天装騎兵ハスティレー》と《天装騎兵セグメンタタ》でオーバーレイネットワークを構築ッ! 雲蒸竜変、実事求是——その光、今こそ久遠の慟哭から目覚めよ!」
両の手のひらを重ね合わせれば、エクシーズ召喚のゲートが開かれる。無数の光が降り注ぐように収斂し、雷霆の飛龍が雲海を越えて高らかに嘶いた。二対の翼には甲冑をまとい、
「来いッ、RANK-4《天装騎兵ラディウス・ドラグーン》!!」
[C4]
《天装騎兵ラディウス・ドラグーン》(光)
ランク4【サイバース族/効果】ATK 1500/DEF 2300
「わたしは速攻魔法《エクシーズ・オーバーディレイ》発動。対象モンスターのエクシーズ素材をすべて取り除き、エクストラデッキに戻す!」
「っさせない、……!」
『諦めろ、仁。《エクシーズ・オーバーディレイ》の発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。無駄にカードを消費するな』
「そんな……ラディウス・ドラグーン!」
高い嘶きを残し、黄金の龍は四枚の翼をもがかせてきらきらと散る。消えていった残滓に手を伸ばしても、初陣を飾るはずだった《天装騎兵ラディウス・ドラグーン》は戻らない。
ああ、召喚するよう誘導されて、まんまと策にはまったのか。空を掻いた指先を握り込む。深爪がちの丸い爪が手のひらに食い込む。
「その後、取り除いたエクシーズ素材の中にモンスターカードがあった場合、そのモンスターを墓地から可能な限り相手フィールドに守備表示で特殊召喚する」
『そして、この効果で特殊召喚したモンスターのレベルはひとつ下がる——』
[C4]
《天装騎兵ハスティレー》(光)
☆3【サイバース族/効果】ATK 0/DEF 1600
[B4]
《天装騎兵セグメンタタ》(光)
☆3【サイバース族/効果】ATK 0/DEF 2000
「……ねえ、ライトニング。どうして生まれたばかりのラディウス・ドラグーンをあいつが知ってるの」
表情を消し去った声が低く地を這う。
白のルークとやらは、HDRの人間だろう。仁との戦いを見据えて対策をとっていた。ならば生後二週間も経っていない《天装騎兵ラディウス・ドラグーン》が切り札になるはずではないのか? これまで一度もデュエルで使用したことはなく、仁のデッキにエクシーズモンスターは一体だけ。SOLグループの財前晃と〈ハノイの騎士〉、遊作とAiと尊と不霊夢しか知らないはずの真新しいカードだ。
先日ライトニングがAiのカードを核に創造したばかりの《天装騎兵ラディウス・ドラグーン》は
『さあ、なぜだろうな』
「ライトニングッ!」
「嘘をつくAIに問いただしたところで無駄だろうよ。光のイグニス——優秀な処理能力を持ちながら、邪悪な意思を宿したAI。いつ
『…………』
「イグニスを我々に渡してくれるなら、草薙仁、きみのことは特別に解放してあげても構わない。……わたしにも息子がいるのでね、きみには少々同情的なのだよ」
画像がブレるように、白い壁が揺らぐ。ノイズのなかから革靴の音がかつと鳴って、進み出た人物が顔をあげた。顔を隠す仮面の上でLEDのような光が赤く点滅する。
向こう側にいた人間——白のルークがアバターを解除したのだろう。生身ではなくソリッド・ビジョンによる投影らしいが、姿を見せる気になったようだった。
「……あなたが僕のラディウス・ドラグーンのことを知ってた理由は、三つ考えられる」
静かに三本の指を立てると、ビジネススーツ姿の男は「みっつ」と復唱する。あたかも子供の話を聞く前振りのような仕草だ。兄もよくこんなふうに
「三つ……か。それは何かな?」
「ひとつ、ソルかハノイから情報が筒抜けだった。ふたつ、ライトニングが僕を裏切ってそちらに通じていた」
『……仁、』
「そして三つ。……あなたがあの
「面白いことを考えるものだ。残念ながら、すべてはずれだよ」
「だろうね。よかったです、ライトニングが無実で!」
仁が朗らかに笑って見せると、穏やかだった空気がざわりとさざなみ立つ。
臆面もなく三つの嘘を並べることで相手が示した誠意を踏みにじり、貴様の同情など不要だとばかりに差し伸べられた手を払ってみせたのだ。
《天装騎兵ラディウス・ドラグーン》が生まれた蟻地獄の気配は別にある。リンクセンスという第六感について仁はよく理解していないが、ここではない、もっと先から感じられる。
だが、これでSOLグループも〈ハノイの騎士〉もHDRコーポレーションへ情報を流してはいないことがわかった。
ライトニングの裏切りなら最初から疑ってなどいない。
「……なるほど。きみは十三年前に〈光のイグニス〉の
「邪悪……? ひどいです、僕は僕にできることを一生懸命やってるだけなのに……」
悲しげに目を伏せ、しかし、くちびるは弧を描く。三日月型に歪んだちぐはぐな微笑は、見る者の不安をかきたてるように不穏に冴え渡る。
「……我々はどうやら、きみを無垢な被害者と見誤っていたようだ。光のオリジン……!」
「あっいえ、お気遣いなく! あなたも仕事なんでしょ? 息子さんと博物館行ったときとか、気まずくなったら嫌ですよね」
うちは兄が過保護なんで美術館とか結構連れてってくれるんですけど。——ぱっと
黒い甲冑をまとった天装の
展開されたフィールド魔法は《天装の闘技場》。
仁の愛用するデッキには、人類の流血の歴史が詰まっている。
かつて古代ローマの
だが、足元に転がっている無数の屍は、何も人間だけではないはずだ。コロッセオでは猛獣もたくさん死んだ。闘牛、獅子、軍馬に戦象——幾千幾万の死と享楽の坩堝。死亡し、やがて白骨化し、はるかな時代を超えて発見された遺骸たちは
展示用に組み上げられた遺物たちを眺め、
闘技場の死闘に、あるいは博物館に飾られた恐竜たちの白骨死体に。
すべては観賞用の娯楽だというのに?
「わ……たしは《爆導索》を発動! このカードと同じ縦列すべてにカードが存在する場合、この縦列のカードをすべて破壊する!」
大地は鳴動し《爆導索》の発動によって《プチラノドン》が弾け飛ぶ。飛散する残骸が《天装騎兵オプティオ》、《天装騎兵ハスティレー》を砕く。そして魔法&罠ゾーンの《天装騎兵クウァエダム・ウィンクルム》にまでたどり着き、爆ぜた。
仁の鋭い舌打ちが空間を鞭打つ。二面性もあらわに、無垢な弟の仮面を投げ捨てる。
『効果で魔法&罠ゾーンに置かれた《天装騎兵クウァエダム・ウィンクルム》はフィールドから離れた場合に除外される』
「わたしは効果によって破壊された《プチラノドン》の効果を発動! デッキから《魂喰いオヴィラプター》攻撃表示で[B2]へ!」
[B2]
《魂喰いオヴィラプター》(闇)
☆4/闇属性/恐竜族/ATK 1800/DEF 500
「特殊召喚に成功した《魂喰いオヴィラプター》の効果を発動。デッキから《オーバーテクス・ゴアトルス》を墓地へ送る。そして墓地へ送られた《オーバーテクス・ゴアトルス》効果で、デッキから《究極進化薬》を手札に加える——」
「まだ僕のターンが終わってない! 僕はセグメンタタをリンクマーカーにセット——来い、LNK-1《天装騎兵デクリオン》!』
[B3]
《天装騎兵デクリオン》(光)
【サイバース族/効果】ATK 1000
「さらに手札のガレアを墓地へ送ってコロッセオの効果発動! スクトゥムを[D4]へ!」
[D4]
《天装騎兵スクトゥム》(光)
☆3【サイバース族/効果】ATK 0/DEF 1800
「デクリオンとスクトゥムでリンク召喚! LINK-2《天装騎兵ピルス・プリオル》!!」
[D3]
《天装騎兵ピルス・プリオル》(光)
【サイバース族/効果】ATK 2000
「ピルス・プリオルの効果! 墓地より蘇れ、セグメンタタ!」
[C4]
《天装騎兵セグメンタタ》(光)
☆4【サイバース族/効果】ATK 0/DEF 2000
「三たび現れろ、光が導くサーキット! 僕はリンク2のピルス・プリオルとセグメンタタをリンクマーカーにセット!」
「またリンク召喚を……ッ!」
「来い、LINK-3《天装騎兵レガトゥス・レオニギス》!!」
[D3]
《天装騎兵レガトゥス・レギオニス》(光)
【サイバース族/効果】ATK 2400
「リンク状態のセグメンタタがリンク素材として墓地へ送られたことにより、僕はライフを1000支払って効果発動!」
仁 LP4000→3000
『リンク状態の《天装騎兵セグメンタタ》がリンク素材として墓地へ送られた場合、LPを1000払って発動できる。 そのリンク召喚に使用した自分の墓地のリンク素材モンスターをすべてデッキに戻す。その後、リンク召喚したリンクモンスターのリンクマーカーの数だけ、墓地のカードを選びデッキに戻す』
「僕はレガトゥス・レギオニスのリンク素材に使ったセグメンタタとピルス・プリオルをデッキに戻す! それからデクリオン、プリミ・オルディネス、オプティオもデッキに戻す」
『その後、自分の墓地のカード一枚を
「…………」
「さあ、選んでください。僕の墓地にある五枚のカードから、あなたが選んで僕にください」
残る墓地のカードはレベル2の《天装騎兵グラディウス》、レベル3の《天装騎兵スクトゥム》《天装騎兵ガレア》、レベル4の《天装騎兵ハスティレー》、そしてレベル5の《天装騎兵スペクラータ》。
そのうち三枚はまだ《天装の闘技場》のコストとしてまだ使用されていないカードだ。《天装騎兵グラディウス》、《天装騎兵ハスティレー》、《天装騎兵スペクラータ》のいずれかを手札に渡してしまえ、すぐさま《天装騎兵レガトゥス・レギオニス》のリンク先に三体のモンスターが蘇るだろう。
ならば、ここは《天装騎兵スクトゥム》か。いや、よりステータスの低い安全牌が一枚ある。
「……わたしは《天装騎兵ガレア》を選択」
「そう? それじゃ、僕はガレアを手札に加えます」
デュエルディスクから差し出されたカードを手にとって、無感動に左手へ。指先がさらに何かを探すように四枚の手札の上をさまよったが、ため息とともに落とされる。
「残念だけどグラディウスの効果でデッキから《天装の闘技場》を手札に加えたターン、僕のモンスターは攻撃できない……。カードを二枚伏せて、僕はこれでターンエンド」
命拾いしましたね、と、光の子は屈託なく相好を崩す。
あどけない少年の笑顔に底知れぬ空気をまとうその姿は果たして、幼いころに誘拐され監禁されデュエルを強要されて精神を病んだ無辜の被害者のものだろうか——?
次回『久遠の慟哭より(後編)』は来週(3/25)更新です。
【オリジナルカード】
《天装騎兵ハスティレー》
効果モンスター
☆4/光属性/サイバース族/ATK 0/DEF 1600
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1): このカードが手札から墓地へ送られた場合に発動できる。このカードを攻撃表示で特殊召喚する。
※今作では《
ハスティレー(Hastile)はローマ軍団において隊列最後尾が乱れないように監督するための指揮棒の一種だそうで、後退を許さないところに着想を得て、戦場に出ずに墓地に落ちたら攻撃表示で特殊召喚という設定に。
《天装騎兵オプティオ》
【挿絵表示】
LINK-2/光属性/サイバース族/ATK 1100
「アルマートス・レギオー」モンスターを含む効果モンスター2体
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1): このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手はカードを除外できない。
(2): このカードがリンク召喚に成功した時に発動できる。フィールド上に「天装の闘技場」が表側表示で存在する場合、デッキから「アルマートス・レギオー」1体を除外し、除外されているレベル4以下のアルマートス・レギオーを2体まで選んでこのカードのリンク先となるモンスターゾーンに特殊召喚する。
※ローマ軍団においてハスティレー(指揮棒)を持って部隊の後方を守った百人副官がオプティオ。「戦線離脱は許さない」というコンセプトで、墓地利用メタを見越しての除外のメタ。
リンク2にしては強すぎる気もするけど「あのハリファイバーくんもリンク2だし…」が合言葉(雑)
《天装騎兵クウァエダム・ウィンクルム》
【挿絵表示】
LINK-3/光属性/サイバース族/ATK 1100
リンクモンスターを含む「アルマートス・レギオー」2体以上
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1): このカードがEXモンスターゾーンに存在する限り、このカードの攻撃力は元々の攻撃力の倍になる。
(2): このカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。自分のデッキから「天装」魔法カード1枚を選んで手札に加える。その後、このカードを永続魔法カード扱いとして自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く。この効果で魔法&罠ゾーンに置かれたこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
(3):このカードの(2)の効果でこのカードが魔法&罠ゾーンに存在する場合、自分の墓地のリンクモンスター1体を対象として発動できる。対象のモンスターをEXデッキに戻す。その後、自分の墓地の「アルマートス・レギオー」リンクモンスター1体を選んでEXモンスターゾーンに特殊召喚する。
※今作では《裁きの矢》以下略、《天装騎兵プルンブーマ・トリデンティ》はもういらないというメッセージ性をこめたリンク3モンスターを…という思惑によるオリカ。
『
《天装騎兵ラディウス・ドラグーン》
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/サイバース族/ATK 1500/DEF 2300
レベル4モンスター×2
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに一度しか使用できない。
(1): このカードのORUをひとつ取り除いて発動できる。自分フィールドの「アルマートス・レギオー」モンスターの数まで、相手フィールドの表側表示モンスターを選んで破壊する。
(2): このカード以外の自分のサイバース族モンスターが相手に戦闘ダメージを与えた時に発動できる。自分の墓地からリンクモンスター2体を選んで特殊召喚する。
(3): 自分フィールドのモンスターが効果で破壊される場合、代わりにこのカードのORUをひとつ取り除くことができる。
※Aiの《ライトドラゴン@イグニスター》の天装騎兵ver.です。カードイラストはライトドラゴンが甲冑着てると思ってください。