私、龍宮院奏、自分の精神状態が悪化の為に執筆を休止していました。
現在は治療を行いながら再び創作活動に励んでいこうと思います。
文書帯が変わってしまっている場合がもしかしたら、ございますが、
何卒温かい目で見守っていてください。
本当にお待たせしました、どうぞ本編です。
どんな『非日常』でも、一定の時間を過ぎると人はそれを『日常』と錯覚してしまう。本当に怖いと思う、だって『異常』が『通常』に成ってしまうんだから……。
だけど『日常』から『非日常』を、『普通』から『狂気』を望んだのは俺自身なんだから……。
「とー君、おはよう」
「……おはよう」
俺はあの日から、目の前で恍惚な表情を浮かべ顔を近づけるこの少女。
「じゃあ……」
「…………」
花園たえに監禁されている。そして今俺を『監禁』したあの日、体中を、脳内を駆け巡るような快感をもたらした《キス》をされている。
「……ん、…………っぱ」
何度されたか記憶が思い出すのを止めてしまうほど、唾液を絡ませた舌をねじ込ませて来る。最初はただ貪られるように、突然襲われるようにされていた。けれど俺も反抗、限りなく無駄な抵抗をして拒んでいた。
手には鎖で繋がれた金属製の重い手錠、同じく足にも鎖で繋がれた金属製の足枷。これを付けたまま抵抗しようにも、身体の感覚は麻痺している状態で、何より精神的に応えるものがあった。
だからこそ……、『必死に抵抗しているとー君……、可愛いよ……。ねぇ、もっと見せてよ……』、抵抗は意味を無くし花園を楽しませる余興と成ってしまっていたのだ。
「もう抵抗しないの……?」
そしてどれだけの抵抗をしようと、最後には俺の息の根を止める寸前を見計らって首を締めてくるのだ。神経の麻痺に、監禁での精神への負荷、死への恐怖……。
「…………好きにしろ」
俺は諦めた。時間にして花園は『一週間』が経過したと言うけれど、俺には多分三日目で気力を無くし『花園の生きる人形』とかしている。
「じゃあ……、もっと……。とー君の唾液……美味しいから……」
光が花園が扉を開けた時、花園の用意してくれた飯を食べる時以外には、小さく揺らめいている蝋燭の火の様なデザインの電灯が部屋を照らしている。
今日もまた花園にこうして侵されていく……。身体も心……。
部屋の中で止まない淫靡な水の音、それを聞いて楽しむように、舌と唾液で踊らせる花園。電灯の火が僅かに俺のを顔と花園を顔を照らして、互いに『死』と『生』の両極を映し出し、瞳にその表情を見せる。
「とー君、好き……。私、とー君の事大好きだよ……」
銀色の、一本の蜘蛛の糸の様な唾液が互いの唇を結ぶ。瞳は熱を持ち、理性などとうに無くっていた……。
「…………、それに……それに俺は……何て答えろと」
『生きる人形』になろうとも、まだ少しは自我が残っているようだった。いや、これは幻覚か何かだろう。
「ふふ……、そうだね……、やっぱり答えなくていいよ……」
花園は俺に薄れかけた自我をもう一度芽生えさせた方と思うと、
「だって……とー君はもう私のモノだったんから……」
「他の誰でもない、私の、花園ランドの、『黒ウサギ』なんだから……」
あぁ……、やはり幻覚か……。全く酷いな……、希望を垂らして、救われる可能性を出して……、最後には、また突き落としていくんだから……。
「ねぇ……灯夜……。今度は灯夜からして……」
名前…、俺の事をそう呼んだのは三人だけだ。
俺を捨てたアノ女。
それと……白金先輩……。あ、白金先輩との約束……、お弁当作ってもらったんだっけ……。
でも……、もう食べられないのか……。
「……っん、……ふぁ」
先輩との約束が果せないこと、先輩の作ったお弁当が食べれないこと、募る後悔はあるはずなのに……。
「灯夜……、灯夜……」
名前を呼ぶ花園との『キス』に、罪の意識が掻き消されるようだった……。
食事は花園が作ったものを食べている。この食事も最初は拒み続けていた。何が入っているのか理解らなかったから……。
「ほら、とー君」
名前で呼ぶのは、どうにも合わなかったらしい。俺をあだ名で呼ぶ花園の手にはスプーン、餌付けの時間か……。
目の前に差し出されたスプーンの上には、お手製の料理の一部が乗っていた。匂いは良い、味も問題は無いのだ……本当の問題は……、
「美味しい…?今日はね、血の量を少し増やしてみたんだよ」
しっかりと料理の味はするのに、後に残る鉄の様な感じ。花園は俺に『自分を食べさせている』のだ。
「ねぇ、とー君の私が食べても良い……?」
『自分のモノが、君の中で混ざっていくのが良い』、確か花園はそう言って、『血』、『髪の毛』、『爪』、etc……を含んだ物を食事として出してきている。どれも、これも、本当に気持ち悪い。
流石の俺でも、『髪の毛』を食べ慣れるのには苦労した……。『血』は料理に溶け込み、『爪』は本当に気にしているのか見えない程細かい状態で料理に入っている。だけど髪の毛だけは、どうにも飲み込めないのだ……。
一度喉に詰まらせて、花園の作った料理を吐き出してしまったことが有る。正直、あの時の花園は本当に怖っかた……。
『何で出したの……?』
笑って、笑顔で聞いてくるのだ。口角は釣り上がる事は無く、平坦な口調、無機質な目で見下ろすように、けれど笑顔で。
この時はまだ俺にも『抵抗』を試みるだけの力は有って、確か何か言ったんだ……。『食えるか……』だっけ、その所為で花園が俺の顔にそっと手を当てて、吐き出した料理の所に引きずらせたんだった。
『食べて……。これとー君の為に作ったご飯だよ、一所懸命に作ったんだよ』
冷たい花園の声を聞いて、肝が冷えるかと思った。だけど未だに後悔してるし、未だに怖いのだ……。
『だからさ…………。食べてよ…………』
固形物とも言えぬような原型を失ったものをすくい上げて、口をガッと掴まれて、開けさせられた瞬間にそれを流し込まれた。
『駄目だよ、とー君。好き嫌いしてちゃ』
小さい子供を叱るような口調で花園はそれを流し込み続ける。込み上がる吐き気を感じて、もう一度戻そうとすると、
『ダ・カ・ラ……、何度も言わせないでよね』
何処からか取り出した口全体を覆うマスクを俺に取り付けてきた。よく犬が噛まないように付けられる口を固定するような物、息をするための穴も無く、ただただ口を覆っていくのだった。
『はい、食べてね〜』
ガシャン、頭の後ろで止める金具が付けられる音がして、『髪の毛』の入った花園の料理を窒息する前に何とかして食べきった。喉を通るたびにつっかえるような感覚と、独特の苦味が口の中を支配した。
「…………っく」
食事での思い出を思い出すので忘れていたが、そう云えば俺食われたんだっけ。首筋の辺りをなぞる様に舐める舌、ざらつく感触と唾液のねっとりと纏わりつくような感じ。猫のように何度も舐めるかと思っていたけれど、今度は舐めていた箇所に歯を立ててきた。
「ふぁ〜……かぷ……」
舌と違い刺さるような痛みと、また〘キス〙と違った感覚が迸る。花園の前歯が最初に歯を慣らすためか突き立てて、徐々に口を開いて首筋に噛み付いてくる。一度噛み付くと離れずに噛んでいたり、かと思えば一度離してからまた噛む、一貫性の無い動きで、甘噛みの様な、本当に捕食する様な、不思議な感覚。
「とふぉ〜くん、おひいよ……。じゅるっ……」
〘キス〙の時よりも蕩けて、妖艶さを醸し出す花園の声。走る痛みと共に感じる快感、だんだんに脳が考えるのを止めてしまっていく……。俺もこの快感に呑まれ無いように有って無い心を保とうするも……、
「と〜くん……」
「ふぁっ……あ…あぁ……」
花園が強く噛んだ所為で出血し、首筋から出る血を吸われて思わず押し殺してきた声が出てしまった……。
俺のこの声が花園を興奮させたのか、流れ出る血液を、ちろちろと舐めたり、じゅずずっと吸い上げたり、変化を付けて俺の血を飲んでいた。血を飲み、また別の箇所を噛もうとし、緩急を付けて舐め回し、噛んでくる。何度か堪え切れずに声を出し、何度も花園を興奮させてしまい……。
「はぁ……はぁ……」
「と〜くんの……、と〜くんをもっとチョウダイ……」
首は勿論、耳、腕、腹、背中と上半身の殆どを花園の歯型、そして合間にも〘キス〙で互いの唾液を貪り、俺の身体は歯型とキスマークで花園の所有物であるという烙印を押された。
結果として、あれからどれだけの時間が経過し、どれだけ烙印が押されたのか、わからない程の時間が過ぎた。窓が無いために部屋の外の様子を見れないから、本当に時の感覚が狂ってしまう。
「……すぅ……すぅ」
花園は俺に烙印を押すことに夢中になり、元より光の差さない瞳はさらに深い闇色に染まっていき、蝋燭の火で一瞬だけ見えた花園の顔は満ち足りているようで、だけど更に更にと求めるような顔をしていた。
がしかし、今はその表情では無く、俺の隣で寝息を立てて眠っている。興奮にのぼせ、疲れたようで、背中の辺りを噛まれている時に突然寝てしまった。突然の事に思い手錠に繋がれた手で花園を揺さぶるも反応は無く、恐る恐る頬を突くも、ピクリとも動かず死んだように眠っていた。
私は遂に大好きな、だいすきな、ダイスキな、ダイスキナとー君を花園ランドに捕まえることが出来た。待ちに待った、毎日願い続けてきた日がようやく訪れた。本当はもっと色々と追い詰めてからでもよっかたんだけど、白金先輩がとー君のお家に行っちゃって、上がっちゃんだもん。とー君はあの時の約束を憶えてないにしては、本当に酷いなぁ……。
だけど……もう白金先輩には会わせてあげないよ。私ももう我慢の限界だよ、一緒に買い物をしていたり、一緒にご飯を食べたり、私はとー君に触れたことすら無いのに白金先輩はたくさん触れて……甘えて……。まさかお弁当を作ってくるだなんて……、先輩はとー君の何ですか?彼女でもなければ、友人?友人にしてはとー君との距離が近い気がして、本当に見ていて腹が立つ……。
とー君はあの先輩に浮かれているようで、その事実が一番嫌だった……。とー君はあの先輩と関わって確かに変わっていって、アノ女のトラウマを払拭していっていた。
「寝て……おけよ……」
監禁され初めて、俺と一緒に居てここまで深い睡眠に落ちているのを見逃さず、音を立てないように身体を動かす。目的は唯一つ『悪あがき』だ。
結局……、どれだけの感覚を、心を、花園に管理されて、教え込まされ、書き換えられても……。
「っつ……」
頭の、頭の消えかけた片隅に、あの人の……あの人の顔が思い浮かんで来るのだ。
「これで……」
この部屋に来て一体に何日目だっただろうか、花園は俺に有るものを見せてくれた。首から真っ黒なチェーンで繋がれ、銀色の華を飾った一本の鍵。それは俺をこの部屋に繋ぐ鎖の、俺を花園ランドに置いておくために閉ざされた扉を開くための【鍵】。
『この鍵ね……、とー君が見てた漫画のイメージで作ったんだよ。いっぱいお店探して、これ!っていうの探したんだけど……。無かったんだ〜、だからバイトで貯めてた『花園ランド・特別費用』を使って作ってきたんだ〜』
光が灯ることを忘れていた瞳に、光が灯っていた。俺と花園が出会ったあの日、『ギタリスト』と名乗って見せた淡いエメラルド色の笑顔。
「トレ……た」
カチャリ、音を立てながら手錠の鍵が外れる瞬間、何故か頭の中に花園の笑顔がよぎった。焼き付いた、焼きついた、焼きつて、焼き付き出して、離れなくて、思い出して、逃げなきゃいけないのに、足が動かない。手が震える、手錠の重みが消えた手がまるでその重みを求めるかのように震えている。逃げるべきなんだ、ここから出るべきなんだ、帰るべきなんだ……帰らなくちゃいけないんだ……。
「誰の元に?」
おたえ:「次回予告を任されたけど、何すればいいのかな?」
灯夜:「いや、俺は知らん…。てか作者に聞けっ……て」
作者:「今続き書いているから…、ごめんね…。こんな作者で…」
おたえ:「そっか〜、この状態じゃ聞いてもしかたないよね。
じゃあ私から『次回Fourteen,ヤンデレ*愛の花園ランド』お楽しみに」
「灯夜と私の愛は永遠だよ!」
灯夜:「いや……、違うだろ。ですよね……」
作者:「?何が…、あ、うん…多分」
灯夜:「不安しかない」
作者:「このお話は最終は分岐します、末永くお待ちください。」