僕は当然ZEROですありがとうございました。(泣)
超短いですが、バレンタインデーのリィエルです。
ゲーム的に会話を書いてみました!では行こう!!
リィエル バレンタインイベント
––––誰かがいる……
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マスターである藤丸立香はカルデアの廊下を歩いていた。
「あっ、マスターさん。止まって」
後ろから声がしたので振り返ると、そこには紙袋を持ってとてとてと近寄るリィエルだった。紙袋には綺麗な包装で包まれたものが多く入っていた。
▶︎どうしたのリィエルさん?
もしかしてまた王様達が?
「はい、これ。今日はバレンタインなんでしょう?」
リィエルは藤丸立香に紙袋に入っていたチョコレートの中で、少し大きめの箱に包まれたものを渡す。それはウルクでシドゥリさんが用意してくれたバターケーキにチョコレートがトッピングされている。
「もし量が多ければマシュちゃんと一緒に食べて構わないわ。まああの子にはあの子で友チョコくらい用意してるんだけどね」
紙袋の中、全部チョコレート?
▶︎誰に渡すつもりなの?
「そうねぇ、先ずエルとギルは当たり前だけど、小さなギルくんとあの人にも、渡すつもり。あとは友チョコでエレシュキガルとゴルゴーン、ケツァルコアトル、シドゥリ、さっき言ったマシュちゃん、『式』さん、あとは……まあ余ったらイシュタルにでもあげるわ」
大分作ったな。と心の中で呟く藤丸。
リィエルはウルクでは料理上手、シドゥリさんにバターケーキを教えてもらったのもあるが、歳が離れたお婆さんに料理を振る舞っていたのもある為、家事はだいたい何でも出来る。
▶︎成る程、賢王には特別なんだね。
流石、リィエルさんだね。
「ちょっ!? そう言うのは言っちゃ駄目!! 私だって、全盛期で召喚されてるから貴方と同じくらいの歳なんだし……その……恥ずかしい……って言うか……」
リィエルは俯いて指が不規則に動き回ってる。
こう見ると恋する乙女に見えて、藤丸でさえ恥ずかしくなってきた。リィエルが可憐で儚さを持つ一端を垣間見た気がした。
▶︎可愛いですよ。リィエルさん。
これが萌えと言う奴か。
「あのねぇ……!! マスターさん揶揄うのはやめて……! 私だって、そっちの方面には疎いんだから……その……ああもういいからニヤニヤしないでさっさと自室で食べなさーい!!」
顔を真っ赤にするリィエル。
ただ照れ隠しでマスターを自室に繋げた転移門に押し込んだ。全く、恋愛に関しては魔術より難解だと誰が予想していたか。
ただ廊下で跪いて顔を押さえる。
ただ顔が真っ赤になっていると鏡を見なくても分かってしまう程熱を帯びていた。
「全く……魔術より、この感情の方が難解よ……」
マスターの居ない廊下で1人呟いていた。
『星の可憐な乙女より×1』を
プレゼントボックスに送りました。
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【チョコレートを渡した会話集】
子ギル
「わあぁぁ!! ありがとうございますリィエルさん! わざわざ食べやすい大きさに作られてるし、とっても美味しいです!! ホワイトデーに期待しててください!!」
ギル(弓)
「ほう、バターケーキにチョコとは。あの頃は偶に作っていたよなぁ。ふむ、美味い。しかも現代のコーヒーや紅茶の味にも変わっているとは面白い。良い献上物であったなリィエル」
エルキドゥ
「バターケーキかい? リィエルの作る物は美味しいからね。えっ? バレンタインデーで異性にチョコレートを渡す? 現代の極東は不思議な事をするんだね。うん、あの頃を思い出すよ。ありがとうリィエル」
エレシュキガル
「えっ? 私に? バレンタインって異性にチョコレートを渡すってマスターから聞いたのだけれど……。えっ? 友チョコ? 友達に贈るチョコレートですって? ……こんな私を友達と思ってくれているの? ……そう、ありがとうリィエル。今度、お茶会でもしましょう」
ゴルゴーン
「むっ、何のようだ? 何? チョコレートだと? 私にか……? ……酔狂な人間も居たものだな。まあ、いいだろう。女神の捧げ物としては上々のものと見える。有り難く受け取ってやろう」
ケツァルコアトル
「ハーイ! 私、リィエルにプレゼントがあるのデース!! あら? リィエルも私に同じチョコレートを、じゃあ交換しましょう!! 友チョコって何だか楽しい催しなのデース!!」
シドゥリ
「リィエル様? ……これは、チョコレートですか? バレンタインの友チョコと言うものですね? なら私も用意しております。これが私の友チョコです。……ふふ、なんか照れ臭いですね」
キングゥ
「……何のようかな星の巫女? ……何これ? チョコレート? バレンタインだからチョコを送る? はっ、やっぱり旧型の考えは理解が出来ないね。……まあ、渡してくれただけ感謝してやるよ。……その、ありがとう」
『両儀式』
「あら、私にチョコレート? バレンタインは異性に贈るものなんじゃ……友チョコねぇ。有り難く受け取るわ。こんな夢のような存在を友達と思ってくれているなんて、嬉しいわ」
イシュタル
「げっ……何のようかしらリィエル。はっ? 私にチョコレート? 毒でも入ってるんじゃないでしょうね!? これ余ったからくれてやる、ってアンタ私の時だけギルガメッシュみたいじゃない!! い、いや別に文句はありません……はい……」
賢王ギルガメッシュ
「むっ、何の用だリィエル。我は今忙しいと言うのに……。何? チョコレートだと? ああ、雑種どもの言っていたバレンタインと言う奴か。……ほう。宝石箱のように色々と入れたのだな? 着いてくるがいい。我の部屋で一緒に食べるとしよう、我直々にココアくらいなら出してやる。何? 少し恥ずかしいだと? 全く……愛い奴め」
『星の可憐な乙女より』
リィエルが賢王ギルガメッシュと和解した後に少しだけ、この感情に戸惑っていた。ギルガメッシュの求婚とは違い、恋仲から始まった事で恋を知らないリィエルはあたふたしてしまって、落ち着きが無くなってしまった。よくある彼氏の顔を直視出来ないと言う奴だ。そんな恋をする少女からの贈り物がチョコを使ったバターケーキなのだろう。
逆にギルガメッシュはそんなリィエルが可愛さが増したようで愛いと言って、揶揄っている。振り回すギルガメッシュに振り回されるリィエルにはもしかしたら、こんな光景は2人にとって当たり前なのかもしれない。