早速DLしてきました。
P5Rの三週目と交互にプレイしていきたいと思います。
とりあえずアセルスをプレイして、追加イベントが見たい!
目の前に突然現れたモンスターに、ジーナは舌打ちこそしなかったものの、思い切り顔をしかめた。立ち止まることないままブリューナクを構え「邪魔です!」と叫ぶと同時に引き金を引く。モンスターが倒れても一瞥を向けることなく、走り続けながら銃弾を装填。その姿に、ライザは隣で走る済王とイルドゥンに質問する。
「凄いわね、あの娘。いくら的が大きいとは行っても、動いている状態で照準を合わせて撃ち抜くなんて。何時もあんな感じなの?」
「戦闘がそんな忙しいわけがないだろう。普通に立ち止まって撃つに決まっている」
「今回はアセルスに危険が迫っているからな、ジーナには立ち止まる時間すら惜しいのだろう」
「確かに『様』付けで呼んでるから、慕っているのはそれだけで察することができたけれど……その、あの娘とアセルスって娘の関係って」
「アセルスは半妖だ。その血の相手は『魅惑の君』と呼ばれるオルロワージュ様。かの方の血はその二つ名の通り、魅了の力を持っていてアセルスもそれを受け継いでいる」
「イルドゥンから聞き齧った程度だが、その魅了は若い娘に特に有効らしいから、ジーナも影響を受けているのだろう。とは言っても、あの慕い方は血の力だけではない気もするがな」
「確かにね、どっちかっていうと尊敬というか崇拝って感じがするし。まぁ、あの娘がアセルスちゃんを大好きってのは充分理解できたわ。てかそろそろヤルートの執務室に着く頃なんだけれど……あの部屋ね」
「アセルス様ー!」
先頭をきっていたジーナだったが、話はしっかりと聞いていたらしく、勢いをつけたまま扉を開く。どうやら、こちらの部屋が当たりだったらしい。いたのは、腰を抜かしたかのように地面に尻をつけて、ズルズルと後退っている醜い男と、倒れたまま動かない女性や妖魔数人、更に「ちょっと、しっかりして!」と必死に声をかけているエミリアがいた。肝心のアセルスは、此方に背を向けたままで様子は伺えない。だが、青みがかかった髪にいつもなら感じられない強い妖気、そして右手におさまっている幻魔や月下美人とは違う形状をした剣。ライザ以外のメンバーには見覚えがあった、イルドゥンが使う妖魔の剣だ。
(何が切欠で目覚めたかは知らんが、まさか妖魔化しはじめているとはな)
「この気配……アセルスは妖魔となっているのか? イルドゥン、これは一体」
「正直、私も解らないことばかりだ。ファシナトゥールでも半妖はアセルスが初めての存在だからな。だが奴は、主の血数滴で死から甦った程だ、元々妖魔としての資質が高いのかもしれないな」
「成る程ね。さしずめ、其処で意識を失っている人たちを見て怒りで妖魔になっちゃったってところかしら。で、妖魔化ってどうやれば戻せるの?」
「知らん」
「はぁ? 知らないってどういうことよ」
「さっき言っただろう。アセルスはファシナトゥール初めての半妖だと。そもそも戻れるのか、そこから問題だ」
「そんな……アセルス様!」
イルドゥンの言葉に早速反応を示したのはジーナだった。ワナワナと全身を震わせたかと思うと、アセルスの名を叫びながら後ろから抱きつく。
「ウワッてジーナ!? あら、済王様たちも! ちょっと手伝って、アセルスの様子が」
「アセルス様、元に戻って下さい! その、妖魔になられた姿も凛々しく、少しばかり見とれていましたが、やっぱり私は何時ものアセルス様が一番好きなんです! 大好きなアセルス様が見られなくなってしまうなんて嫌です、ですからどうか、どうか!」
必死になって訴えていると、祈りが通じたのか辺りに漂っていた妖気が段々と弱くなっていき、それと同時に青みがかかった髪も何時もの色合いに戻りつつあった。髪が緑になると、意識も正気になったらしく。
「アレ、ここって何処だっけ……ってジーナどうしたの!? え、どうなってるのこの状況!」
ジーナに抱きつかれた経緯が解らずに、ワアワアと大騒ぎすることになった。その間に、ヤルートはとっとと逃げ出したのだが、誰も気にも止めずにアセルスを囲む。
「良かった、何時ものアセルスに戻って。呼び掛けても全然反応してくれないし、あの薄汚いエロ親父ばっかり睨み付けているから心配していたんだから」
「ううう。あんまりな事言われたから頭に血が上って、その後の事はよく覚えてないんだよ。心配かけてたらごめん」
「全く、戻れるかどうかも解らない状態で軽々しく妖魔化するなど。あまり感情にかられるまま行動するな、どうなっても知らんぞ」
「うう、まさかイルドゥンにまで説教されるなんて。もうしないよ、反省してます」
「とはいえ、お主に何もなくてよかった。そこで倒れている女子たちも、微かだが全員息がある。ジーナが陽術をかけているから、程度の差はあれ皆動けるようになるだろう」
「済王様、ありがとう! ……ところで、見かけない人がいるけれど、貴女は誰?」
「ああ、挨拶が遅れてごめんなさい。私は」
会話をしながら、それぞれ術やアイテムを使ってヤルートに連れ去られた彼女たちを回復させ、自力で歩ける程度にまでするとブルーたちのパーティーも此方にやってきて合流することが出来た。彼女たちの面倒はヒューズが見るという。どうやら、ヤルートの悪行を証言してもらい、それを元にトリニティの調査をしたいらしい。
「私の時みたいに、怒鳴りつけながらの取り調べをするんじゃないわよ」
「安心しな、お前さんと違って彼女らは被害者の立場にいるんだ。乱暴な事はしねぇよ。じゃあ悪いが俺は一旦IRPOに戻るぜ、これから忙しくなりそうだ。そうだ嬢ちゃん、ゾズマだったか? そんな名前の奴がお土産の礼を言ってたぜ。よく解らんが」
「なんだかヒューズさん、随分と張り切っていますね」
「ヤルートには会わなかったが、途中で仮面を着けた妙な男にあってな。そいつの存在が、奴の第六感を刺激するらしい」
「そいつ、ジョーカーだわ! アニー、何か言ってた!?」
「キューブがどうこう言ってた。きっとルーファスなら詳しい事を知ってるよ」
「とにかく、ここを出ようぜ。もう用はないし、さんざん暴れたから増援がくるだろ。ワカツ出身の俺はバレると不味いしな」
ゲンの言葉に全員が頷き、ブルーのゲートを使ってトリニティを脱出する。先にヒューズらをIRPOに送り届けてから、一行はクーロンへと戻ってきた。
「はぁ、今日は何だか疲れたな。この小汚ない宿の部屋が天国に思える」
「今日はぐっすり寝て、嫌な事はお忘れ下さい」
「私も術を存分に使ってくたびれた。明日に備えてもう休ませてもらうとしよう」
「うん、お休み」
ブルーたちが別室に行くのを見送ってから、アセルスたちも横になる。
「ジーナも寝よう。明日はいよいよ麒麟さんに会うんだから」
「はい。でもちょっと緊張していて、眠れないかもしれません」
「あら、そういう時こそしっかり睡眠をとらないと。大事な人に会うんでしょう? 目にクマを作って心配させちゃ駄目よ」
「エミリアさん……。そうですね、エミリアさんの言う通りですね。じゃあ私も頑張って寝ることにします。お休みなさい、二人とも」
「お休み」
「感動の再開になるといいわね」
灯りを消してアセルスも目を閉じると、直ぐに睡魔がやってきた。
(麒麟のリージョン、どんな所なんだろう。楽しみだなぁ)