全く関係ないのですが、借りたモンハンアイスボーンが楽しくてアホみたいにやってます。アイルー可愛すぎ、自キャラメイクより時間かけた甲斐がありました。ようやくMRに突入したので、セリエナの足湯でアイルーとイチャついてばかりいます。
時術を使うという妖魔がいるリージョンは、麒麟の空間と同様に不思議な場所だった。
「こっちも……お話の中の世界みたいね」
時の止まった空間が、このリージョンの正体である。物見塔のように高くなった建物の上には、星座シンボルと共にそれに準じるモンスターが配置されているが、当然動くことはない。建物のあちこちには、大きな時計台がいくつも設置され、また建物自体にも歯車や鎖が組み込まれていて、この建物そのものが巨大な時計の部品なのではと連想させた。
そんな、蝋燭の炎の揺らめきすら起きていない世界を道なりに進んでいくと、やがてどうやって作ったのか解らない程大きな砂時計が見えてきた。同時に、砂時計の前で立ち尽くす男の子姿があった。後ろを向いているので顔は解らないが、下ろした長い髪は金色に輝き着ている赤い衣装はブルーが学院時代から愛用しているという法衣によく似ているように思える。
「あの……ルージュさん?」
恐る恐るといった風にアセルスが声を掛ければ、男が振り向く。見えた顔は先ほどまで共にいたブルと瓜二つで、若干此方の方が柔らかい表情をしていた。
想像以上に似ている顔付きに、アセルスが思わず息をのんでいると、ルージュはニコリと微笑んで口を開く。
「どうも。悪いんだけれど、僕は貴女に見覚えがないんだ。だけど、ここに来るまでに何人もの人に術の旅に誘っていたから、その中の一人だったら、覚えてなくてごめんね」
「あ、いや。多分会ったのは今日が初めて……かな? だよね、ジーナ」
「はい」
「あれ、じゃあ何で僕の名前を? いや、そんなの些細な事か。貴女たちも時術を学びに来たのかい? だとしたら残念だけれどここから先は進めないから諦めるしかないよ」
そう言いながらルージュは一歩脇に移動すると、砂時計の大きな罅が視界に入ってきた。割れた箇所からは青紫色の砂が溢れて床に広がっている。
「見ての通り、壊れていて正常に作動してくれていないんだ。この砂を上の方に運んで流せば、向こうにある橋が掛かるらしいんだけれどね、触ってみれば解るんだけれど凄く細かくてとてもじゃないが手や普通の道具じゃ掬えない。ある妖魔なら掬える道具を持っているじゃないかと、さっきヴァジュイール様にファシナトゥールというリージョンに連れていってもらったんだけれど、ゴサルスと言ったかな? その妖魔曰く、少し前に作ったものは全て城主に買い取られて手元には何も無いと言われてしまったんだ」
(ファシナトゥールのゴサルスってあのゴサルスだよね? ゴサルスの作ったもので砂を掬える物……あ!)
ここである道具の存在を思い出し、アセルスは鞄の中を探った。手に取ったのはガラスのような素材で、非常に薄く作られているにも関わらず、決して割れたりすることのない不思議な器、ゴサルスは確か『砂の器』と呼んでいたような気がする。
アセルスはしゃがみこんで、手にした容器で砂を掬ってみると、中に納めることができた。すると、アセルスの行動を怪訝そうに眺めていたルージュが、驚いた声をあげる。
「え、どうして君が砂を掬える道具を?」
「私、ファシナトゥールから来たんです。これはその時に貰った『砂の器』という物で、使い道が解らなくて鞄にしまっていたんですけれど、今の話を聞いてひょっとしたらと思って使ってみたんです」
「お願いだ、それを僕に譲ってくれないか? それがあればこの先にいる妖魔から時術の資質を得ることが出来る。勿論タダでとは言わない、出せる限りのクレジットは支払うよ」
(うーん、それだったら)
必死にいい募ってくるルージュに、アセルスは少しの間思案してから「お金は要りません、その代わり私が言う条件をのんでくれますか?」と提案をする。
「条件?」
「私たち、時術を学ぶ為じゃなくて、ブルーに言われてここにきたんです」
「……兄さんに?」
「ブルーは空術の資質を得るために、私たちと一緒に旅をしていました。そして、麒麟を殺すつもりだったけれど、ここにいるジーナにとって麒麟が育ての親だと知ると、倒す代わりに一ヶ月修行をつけてもらうことにしたんです。その間に必ず資質を手に入れてみせるって」
「だから、ルージュさんがブルーと同じように時術の妖魔を殺さないで、一ヶ月学んで資質を得ると約束してくれたら、この砂の器を差し上げます」
「条件を飲めない場合は?」
「上げません。時術については、諦めて下さい」
きっぱりと言いきれば「やれやれ」とルージュは肩を竦めて苦笑する。
「それじゃあ、頷くしかないね。あのゴサルスという妖魔に再度作成を頼んでも、一ヶ月以内に出来る確証はないし。仮に待ったとしても、その間の手持ちぶさたを考えると、効率もよくない」
「それなら」
「ちょっと待った」
ルージュの言葉にアセルスは顔を綻ばせるが、ゲンがそれに待ったをかけた。
「お前が器を受け取った後、約束を守るとは限らない。証明みたいのはないのか」
「つまり、僕が信用できないと?」
「ゲンさん、流石にそれは」
顔をしかめてアセルスが咎めても、ゲンはゆっくりを首を振って続ける。
「悪いが俺はお前の事を全く知らないからな。さっきも言ったが、ブルーは俺たちとそれなりに長い間の付き合いがあったから、麒麟を殺して資質を得ることを諦めた。お前がブルーと同じ性格だとしたら、情のない俺たちの言うことを聞く義理が無いと疑っても仕方がないと思うだろ」
「確かに、貴方の言うことも一理あるか。だったら、僕も兄さん同様に仲間とここまで旅をしたんだ。彼らを呼んで証人になってもらおう。ねぇ、皆! ちょっと此方にきてくれないかい」
ルージュが手を上げて声をかけると、奥の方から何人か出てきた。
(アレ、メカが何体かいる。メカは術を覚えられないって言われていた気がするけど……何で?)
「あら、アニーじゃない」
不思議に思っていたら、エミリアが目を丸くして名前を呟いた。アセルスもそっちへ目を向けると、ヤルートのハーレムで会った金髪の女性がいる。向こうも此方に気づいたらしく「あ、エミリア。また会ったね」と笑顔で歩いてきた。
「どうして此処に、ルーファスからの指示?」
「んー……ボランティアかな?」
「ボランティア?」
「そっ。あそこにいる彼のお手伝い」
示された方へいたのは、青い髪を逆立てたようにセットした青年。歳は同じか、あちらが若干上のように見える。
(アレ、あの人……)
どことなく懐かしい雰囲気を覚え、アセルスは首を傾げていると、相手が自分を見て驚いた顔をした。
「……アセルス姉ちゃん?」
「え、どうして私の名前を」
「やっぱり、アセルス姉ちゃんだ! 俺の事覚えてないかな、烈人だよ」
「烈人……あ、小此木先生のところの!?」