この世にはキョウダイが存在する。兄と弟の兄弟、姉と妹の姉妹。
兄と妹の兄妹、姉と弟の姉弟。中ではキョウダイの禁断の恋なんかもある。
五つ子が生まれてくることなんかもある。でもそれは漫画だの小説なんかの話である。
まあ前置きはこのぐらいにして本題に入ろう。今から話すことはそんな漫画だの小説なんかのお話である。でも注意してほしいこの話には禁断の恋は無いということを。さあ始まる須ヶ原 春末という男の物語が。
俺の朝は早い、いつも五時には起きて朝食を作る。
作った朝食をテーブルに並べ、余ったおかずで今度は弁当を作る。
それが全て終わる頃にはもう六時半過ぎだ。
そしてこのぐらいの時間になると。
「おはよ〜」
「ああ、おはよう」
俺にはキョウダイがいる、一番早く起きてきたのは妹の須ヶ原 冬実だ。
冬実は俺が通っている花ヶ咲学園中等部の3年。子ども頃からショートカットで綺麗な紫色をしている。背の方は百五十五センチで本人曰くクラスの中では大きい方と言っている。本当かどうかは怪しいけど。
にしても、本当綺麗な目をしている。クリクリとした大きな目にキョウダイの中で一番綺麗な紫色をしている。
「どうしたのお兄ちゃん?」
「ああ、いや、なんでもない」
妹の目をまじまじと見てたなんて言ったらキモがられるに決まってる。
「ほら、さっさと食って準備して学校行くぞ」
「は〜い」
冬実が着替えなど準備している間に俺は一足お先に食事を開始する。
まあ冬実は準備が早いからすぐにくるんだけど、ほらもう来た。
「あ、先食べてる」
「別にいいだろ先に食べても」
「別にいいけど」
そう言って自分の席につき食事を始める。かと思いきや話しかけてきた。
「それはそうと、お姉ちゃん達起こさなくてもいいの?」
「別に起こさなくてもいいの、昨日あれほど言ったのに起きないんだから」
「じゃあ葉月達は?」
「葉月達は…自分達で起きるって言ったんだから起こさないよ」
いつもならやっぱり起きれないじゃないかと言って起こすのだが今回は起こさない。絶対に。
「そう言いながらお兄ちゃん、優しいよね」
「なんでだ?」
「だってお兄ちゃん、起こしに行こうとしてるから」
俺は今席から立ちリビングを出ようとしていた。俺はかなり甘いらしい。
冬実に指摘されて恥ずかしくなり急いで席に戻り食事を開始する。
「ほ、ほら!さっさと食っちまうぞ!」
「はいはい」
それから十分ぐらいで食べ終わりちょっとばかりの準備して冬実と二人で登校する。
登校中、冬実が俺に話しかけてきた。
「ねぇお兄ちゃん」
「なんだ?」
「お兄ちゃんとお姉ちゃんって同じクラスでしょ?」
「そうだけどそれがどうした?」
「いや、登校して来たお姉ちゃんうるさいんじゃないかと思って」
確かにあの二人はうるさいだろうな。あーだこーだ言ってきそう。
「その時は軽く対応するよ」
「そう言うと思ったよ」
思ってるなら言うなよ。まあいいけど。
おっと、紹介が遅れてしまった、この俺、須ヶ原 春末は三つ子である。
須ヶ原 春末、夏樹、秋子、この三人で三つ子である。
そうこうしているうちに学校についた。
俺と冬実は玄関で別れ、自分の教室へと向かった。
教室ついた俺は次の授業の予習をする。別に勉強が好きな訳ではなく、ただ暇なのだ。
俺が予習をしていると続々とクラスメイトが登校してくる。
一クラス三十人程でそれが五クラスある。その中で俺は一年A組だ。
それからしばらくすると廊下からドタドタと音が近づいてきた。
「セーフ!」
「ち、遅刻するところだった」
騒がしいのがきてしまったか…
「あ!春君!なんで起こしてくれなかったの!」
「そうだよお兄ちゃん!」
一応この二人の説明をしよう。まず、いかにもお姉ちゃんオーラを出しているのが須ヶ原 秋子。ロングでパッツン前髪。なぜパッツンにしてしまったのかと思うが当の本人は気に入っているらしい。背はクラスの中では大きい百六十四センチもある。俺が百七十センチあるから本当に大きいと思う。そしてうちの家族は二人の姉以外全員、紫色の毛色をしている。目の色は全員紫色だ。
あとは俺のことを兄と呼んでいる自称妹の須ヶ原 夏樹。短い髪を無理しておさげにしているのが特徴的だ。なんでもおさげイコール妹らしい。背の方は百六十三センチあってこいつもでかい。
ああ、あともう一つこの二人の特徴があった。それは…今目の前にあるこの豊満なやつだ。これが揺れる度にクラスの男子共は。
『おぉぉぉ…』
だがまあ今はどうでもいい。なぜなら…
「なあ、お前ら」
「何かな、春君」
「謝る気になったんだね、お兄ちゃん」
「そんなことより、今はHR中だぞ」
「「えっ…」」
「秋子!夏樹!遅刻届を書いて来い!!」
「「す、すいませーん!!」」
本当に騒がしい奴ら。
それから授業が終わり。昼休みになった時、秋子と夏樹が俺の席に来た。
昼はいつも三人で食べているからである。
二人は俺の席に来るなり大きなため息をする。
「「はぁぁぁ…」」
「俺の席に来ていきなり大きなため息をするな。不幸が移る。」
「言い方がひどい…」
「でも、お兄ちゃん。私達ね、今月あと一回遅刻すると反省文書かないといけないんだよ」
「どうすればいいと思う、春君?」
「そんなの簡単だ、遅刻しなければいい」
「それじゃあ!毎日お兄ちゃんが…」
「俺は起こさないからな」
「「そんなぁ〜」」
そんなの当たり前だ。高校生になって起きれないとか流石にダメだ。
確かに中学の時は俺が起こしてあげていたが…もしかしてこうなってしまったのって俺のせい?
「最近、お兄ちゃん厳しい…うまっ…」
そう言いながら俺の作ったサンドウィッチを食べる。
「昔は優しかったのになぁ…うまっ…」
そう言いながら俺の作ったおにぎりを食べる。
実は一人一人好きなものが違うので昼の弁当は違うものを作っている。
夏樹は好物のサンドウィッチ。秋子はおにぎり。冬実はキャラ弁。
キャラ弁って好物に入るのかな?まあ作ってほしいって言われたから毎日作ってるけど。
「それはそうと、姉さんと葉月達もお前らと一緒に家を出たのか?」
「ううん、霧香姉さん達はもういなかったよ。」
「そうか、それは良かった」
「なんで、私達のことは心配してくれないの?」
「心配じゃないから」
「「酷い!!」」
酷く無い、酷く無い。
それから放課後。俺達、三人は帰宅するため玄関に向かっていた。
玄関につくとそこには冬実がいた。
「冬実?どうした、部活は休みなのか?」
「うん、今日は休み。だから、お兄ちゃんと一緒帰ろうかと思って」
「そうなのか、じゃあ一緒に帰るか」
冬実を入れて四人で帰ろうとすると、秋子と夏樹がそれを止める。
「ちょっと待って冬実ちゃん。」
「どうして、お兄ちゃんだけ誘ったの?」
ああ、めんどくさいのが始まった。
「別にお姉ちゃん達ともカエリタイヨ」
「「心がこもってない!?」」
「別にいいだろ、結局四人で帰るんだから」
「それはそうだけど…」
「早く帰ろ、お兄ちゃん」
そう言って冬実は俺の手を引っ張りスタスタと帰宅する。
「ちょ、ちょっと二人とも待ってよ!」
「私達を置いてかないで!」
冬実って昔から秋子と夏樹を少し敵視している気がするな。
確か昔、冬実と二人で遊んでいるところに秋子と夏樹が邪魔をしてきたことがある。もしかしてそれが原因かもな。
けどなんやかんやで仲良く帰るんだけどな。たぶん…
さて俺は帰るとすぐに家のことをしなければならない。
「俺が風呂掃除している間に弁当出しとけよ」
「「「は〜い」」」
毎日やっていることだから面倒だとか辛いとは思ったことは無い。
母さんが死んでからそうだった。
母さんは葉月達を産んでから一年後、がんが見つかった。余命一年と宣告され、母さんは頑張って生きようとしたが余命通り一年後に亡くなった。
母さんが亡くなる前に俺に言ってくれたことがあった。
『唯一の男子だからお父さんのこと支えて、お姉ちゃんや妹のこと守ってあげてね…本当はお母さんのお仕事なにのごめんね…春…』
当時の俺はこう答えたんだっけ。
『俺!母さんが安心してお星様になれるように頑張るから!……だから……泣かないで…笑顔でいてよ…俺のそばにずっといてよ…お父さん達とずっといてよ…母さんと離れるのは嫌だよ…』
『それじゃあ、矛盾してるでしょ、春』
そう言いながら笑ってたっけ。
しんみりしちゃったな、そんな暇ないのにな。
「さてと、さっさと終わして夕食作るか!」
それから風呂掃除や洗い物を片付けて夕食の準備をしていると後ろから服をクイッと引っ張られた。誰に引っ張られたと思い後ろを見ると葉月達がいた。
「お兄ちゃん、何か手伝うことはあるですか?」
「私達が手伝ってやるなの」
「私達にかかれば容易いことね」
「私達が助けてやるのよ〜」
「ありがとうな、葉月、月姫、睦月、月詠」
急に出てきてわからないと思うから妹達の紹介をしないとな。まずは、須ヶ原 葉月を紹介しよう。
葉月はというか葉月達は花ヶ咲学園の初等部の四年生である。
葉月は髪型をハーフアップにしている。いつもは俺が髪をしてあげるのだがちょっと歪になっているのを見ると桃香姉さんがやったのだろう。
そして次は須ヶ原 月姫。月の姫と書いてつきひと読む。月姫はいつも髪型をツインテールにしている。
一度なぜツインテールにしているのかと聞いたことがあるな。
そしたら、月姫のやつ。
『これは、武器になるの』
とか言ってたな。
まあいいか、えっと次は睦月だな。
須ヶ原 睦月は三つ編みのついたミディアムヘアにしている。
今はその三つ編みがないから桃香姉さん、三つ編みが出来なかったな。
最後は須ヶ原 月詠だ。月詠はつくよみとは読まずにつくよと読む。
そんな月詠だが目が悪く眼鏡をかけてる。丸メガネらしいが正直わからない。なぜなら、前髪が目を隠してしまっているからだ。
月詠はロングヘアーが好きで今の髪型をやっているらしい。美容室に行ってもほとんど変わらない。
そういえばこの前、月詠の前髪を切ろうとした時めちゃくちゃ抵抗されたな。
『顔を見られるのは恥ずかしいから絶対に切らないでほしいのよ』
と言われて拒絶されたな。
「お兄ちゃん、私達に手伝えること無いの?」
「ああ、ごめん。それじゃあみんなのお皿を用意してもらおうかな」
「容易いことね!」
「私達に任せるのよ〜」
「やってやるでよす!」
「みんなでやってやるの!」
「「「「えい、えい、おー!」」」」
とても頼もしい妹達だ。
そうだ、そんな葉月達のために好物のカレーを作るか。
それから、パパッとカレーを作り、菜月達にお姉ちゃん達を呼んできてと頼んでみんなをリビングに集合させた。
「あ〜今日はカレーなのね〜」
と言いながら降りてきたのは霧香姉さんだった。
霧香姉さんは家族の中で目立つピンク色の髪色をしている。別に染めたわけでは無い、生まれた時からピンク色なのだ。ピンク色なのも特徴だが髪型もものすごくカールを巻いている。子供の時からその髪型で癖っ毛でそうなっている。それに特徴といえば、その見た目同様のむ…ゲフンゲフン。その先は言わないでおこう。
「おっいい匂いがするな」
次に降りてきたのは、桃香姉さんだった。
桃香姉さんは名前とは裏腹に目つきは鋭く怒らせたら怖いというイメージがあるが実際はとても優しい姉さんだ。桃香姉さんは黒髪だが昔は霧香姉さんと一緒で癖っ毛でピンク色の髪だった。二人は双子でキョウダイでも見分けがつかないくらいだ。でも見分けをつけるようにと髪を黒く染めて癖っ毛を直してポニーテールした。
すると桃香姉さんは俺のところに近づき耳元で囁いてきた。
「ごめんな、春。私達が不器用じゃ無ければ私達がやっていたのに」
「今に始まった事じゃ無いし。それに、好きでやってるから気にしないで」
「本当、迷惑をかける。何かあったら私を頼れよ」
本当に姉さんは優しいよ。俺の自慢の姉さん達だ。
「今日は春君のカレーだ」
「お兄ちゃんのカレー!やった!」
「あんまり、騒がないでよお姉ちゃん。まあ嬉しいのは確かだけど」
そうこうしているうちにみんな集まったな。
「みんな集まったな、よしみんな食べるか!」
そういえばこれで俺のキョウダイは全員紹介したな。まあこれが俺のキョウダイ。いろんな個性を持ったキョウダイだけど。
「よーしみんな、せーの!」
俺の大好きなキョウダイ達だ!
「「「「「「「「「「いただきます!」」」」」」」」」」
と綺麗に終わりたかったのだがこの物語はまだまだ終わらない。
この続きが見たいという人は感想をお願いします。
人気がなければ今書いている小説を終わしてからになると思います。
人気があれば近いうちに投稿しようと思います