お姉ちゃんがブラコン過ぎてやばい   作:naonakki

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第13話 ヨーソロー!

灰色がかり、クリッとした癖っ気のある肩まで伸びた髪

パッチリとした目、長い睫毛

引き締まった細い腕と足

シミ一つない真っ白なパーカー、太もも丸見えデザインの青色を基調としたホットパンツを着用した曜さんがいた。

その手には、僕と同様に大きなキャリーケースを持っている。

 

曜さんは、にっこりと、天真爛漫といった表現がぴったりの笑顔を浮かべながら

右手を真っすぐ伸ばし、肘を曲げ、ピンと伸びた指先を頭に添え、敬礼のポーズを取り

 

「かいと君、ヨーソロー!!」

 

曜さん独特の挨拶をしてきた

 

「・・・よ、よ~そろ~。」

 

曜さんの元気な勢いに押され、同じく敬礼でかえ・・・そうとしたが、途中で恥ずかしくなり、中途半端に腕を上げながら、しかし、尻すぼみながらも何とか同じ挨拶を返す。

・・・いつも思うが、この挨拶は何なのだろうか?

意味はよく分からないが、曜さんのその活発な雰囲気と非常にマッチし、何とも様になっているから不思議だ。

一方の曜さんは、そんな僕の挨拶に満足したのか、真っ白な歯を見せながら

 

「偶然だね!! かいと君もどこかに遠出をするの??」

 

駅前でキャリーケース持っていることから、僕が旅行でもするのかと思っての質問だろう。

しかし、『かいと君も』ということは、曜さんもどこかに遠出をするのだろうか?

曜さんは一人であり、周りに人影はない。

何だろう? 一人旅か何かだろうか? それともここで誰かと待ち合わせでもするのだろうか?

 

「まあ、そんなところですね。絶賛大ピンチですけど・・・。」

 

宿が取れず、一週間ネットカフェ生活が現実味を帯びてきた僕が、自虐を込めてそんな風に呟きを漏らす。

 

「えぇ!? 大ピンチってどうしたの??」

 

ここは、人一倍思いやりがあり、優しい曜さん。

僕のどうでもいい悩みに心配そうな表情を浮かべ、「力になれることなら言ってね?」と、ばかりにぐいぐいくる曜さん。

ここまで、心配されると逆に申し訳ない・・・、本当にしょうもない悩みなだけに。

 

「いや、まあ、大したことはないですよ?」

 

宿が取れずに困ってます、家には帰れません、なんて言っても曜さんを困らせるだけだろう。

僕が逆の立場なら100%困る。

ここは、うまく煙に巻いておこう。

 

しかし

 

「だ~め! 困ったこと時はお互い様だよ? さあ、言った言った!」

 

と、僕が本当は困っていることを何となく察しているのか、遠慮は無用だと伝えてくるように僕の肩をバンバンと叩きながら底抜けるような明るい声でそう言ってくる。

・・・イケメンだなぁ

お姉ちゃんから聞いたが、曜さんは誰に対しても距離感なく接し、その優しさ故に同性に非常に人気があるのだとか。

・・・今それを実感したよ。

 

このまま黙っていても曜さんは決して見逃してくれないだろう。

今こうして考えている間も「ほれほれ~、お姉さんに言ってみ??」と、人差し指で僕の体をぐりぐりしながら詰められている状況だ。

というより、なぜに周りの女性はこうも距離感が近いのだろうか?

曜さんは美人だ、いや・・・可愛いの方が・・・うん、まあどっちでもいい。

とにかく、そんな女性がこれ以上接近してくると心臓に悪いことこの上ないに違いない。

ましてや、最近はお姉ちゃんのせいで女性と接触する機会が多かったのだ、これ以上心臓に負担をかける訳にはいかない。

・・・観念しよう。

 

「実は―――」

 

お姉ちゃんが生粋の変態であることを上手く隠しつつ、家に帰れず一週間外で寝泊まりしなくてはいけないが、宿が取れず困っている旨を曜さんに伝えた。

こんな悩みには流石の曜さんも困るだろう、そう思って改めて曜さんを見る。

 

しかし

 

そこには、困り顔の曜さんはいなかった

 

代わりに

 

今日一の、にんまりとした笑顔を浮かべていた曜さんがいた

 

まるで

 

ちょうど、いい解決法を知っているぞと言いたげに

 

そんな予想外の曜さんの反応に逆にこっちが面食らってしまい、戸惑っていると

 

「いや~、かいと君、ちょうどよかったよ!!」

 

曜さんは元々高いテンションをさらに上乗せして、僕の肩に手を置き、僕の目を真っすぐに見つめ、こう続けた

 

「実は、私は今から合宿に行くんだけど、よかったら一緒に来ない??」

 

・・・・・・え? 合宿??

・・・・・・何の??

 

曜さんは、お姉ちゃんも所属しているアクアというグループでスクールアイドル活動をしている。

しかし、お姉ちゃんからは、アクアで合宿に行くなんて、情報は聞いていない。

となると他の目的で合宿ということになる・・・

お姉ちゃんが仲間外れにされているという可能性もあるが、まさか・・・ね

 

「あの、合宿って何のですか??」

 

曜さんは、よくぞ聞いてくれましたと言わんばかりに元々近づけていた顔をさらにグイッと近づけてきて

 

「ふふふ~、実は飛び込みの練習をするための合宿なんだ~、最近はアクアの活動で中々練習できなかったからね~。」

 

近いっ!?

だけど、最近このパターンで顔をグイッと近づけられるパターンが多かったせいか、思っていたより、平気だぞ・・・?

心臓は少しその脈打つペースを早めたものの、その程度だ。

・・・なんだか嫌な耐性がついて来たな。

 

しかし、なるほど・・・そいういことか、とりあえずお姉ちゃんが仲間外れにされていないことは分かった。

そう言えば、曜さんは飛込でもかなりの実力があるって、千歌さんが言ってたっけ?

しかし、普段もスクールアイドル活動でへとへとになるまで練習をしているであろうのに、休日まで体を動かすとは、頭が上がらないね。

しかし、合宿と言うからには、部活動だか、スクールに通っている人かは分からないがその人たちと行くのだろう。

僕が一緒に行ってもいいものなのだろうか?

 

「あの、その合宿に僕も一緒に行っていいものなんですか?」

 

「うん♪ もちろん!! 一人増えても全然大丈夫だろうし、ご飯は美味しいし、何より一泊1000円でいいよ! 勿論食事付きでね♪ まあ飛び込みの練習している間は、暇かもしれないけど、あはは。」

 

「えっ、安い!!本当にいいんですか??」

 

「うんうん♪ もちろんだよ!」

 

笑顔でそう答える曜さんの顔は冗談を言っているようには聞こえない。

本当にその条件で泊まれる宿があるのだろうか?

もしかしたら、長い付き合いがあり、特別価格で泊まれるとか、そんな理由なのかもしれない。

 

それにしても1000円だって・・・?

一週間泊ったとしても7000円、43000円が僕のもの・・・。

確かに、練習中は暇かもしれないが、それを補っても余りあるメリットがある。

任天堂スイッチが買えるじゃないか、それもソフト付きで・・・

乗らない手はないだろう。

 

「じゃあ、ご一緒させて頂きます!」

 

僕は頭を軽くペコリと下げ、安堵を感じつつ曜さんにそう改めてお願いを申し出る。

曜さんも嬉しそうにそれを確認し、

 

「よ~しっ!! 決まりだね!!」

 

方針は決まったことを示すように右手の握った拳を天に掲げ、そう声をあげる。

 

・・・よかった、これでネットカフェ生活にならなくて済んだ。

まさに曜さんは救世主だよ

 

僕が、ほっと息を着いた時だった

 

「よしっ、それじゃあ早速行こうか! ちょうど電車のくる時間だし!」

 

・・・・・ん?

 

違和感を覚える

 

というのも、今この場には、曜さんと僕の二人しかいないのだ。

合宿に行くというからには、他にも何人か一緒に合宿に行く人がいると思ったが、いないのだろうか?

途中の駅とかで合流するのだろうか?

現地集合という可能性もあるが・・・

 

「あの、曜さん。その合宿って何人くらい参加するんですか?」

 

気になった僕は曜さんにそう尋ねる。

でもやっぱり、みんな女性なのだろうか・・・

だとしたら、少し気まずいし、人数はできれば少なめの方がいいな。

そんなことを思いつつ曜さんの顔に視線を向けると

 

そこには

 

きょとんとした、表情を浮かべる曜さん

 

そして、衝撃的な事実を知る

 

「他に参加する人はいないよ? 元々私一人で行く予定だったしね~。だからよかったよ、一緒に行ってくれる人が見つかって!」

 

・・・・・ぽぇ??

 

 

なに?

 

ていうことは・・・・

 

この合宿

 

 

 

曜さんと二人きり!!??

 

 

 

つづく

 




第13話読んで頂いてありがとうございます!

・・・全然進まなかった

ですがっ、次話より曜ちゃんとの二人きりの合宿が始まります!!

良ければ次話も読んでください!!
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