最近、東方にはまっておりニコニコの555の幻想入り動画を見て自分も555と東方のクロスオーバーが書きたくなったので書くことにいたしました。どうか生暖かい目でご覧ください。
長い眠りから覚めた。目を開けると燦々と光る太陽が目に入る。とても長い夢を見ていた。夢は覚めれば忘れるものだと言うが、この『夢』はとても鮮明に思い出すことができる。とある願いが引き起こした一つの物語。
「どうしたのたっくん?」
隣からとても久しぶりに思える声が聞こえてくる。隣を見ると、いつもと変わらない菊池啓太郎の姿があった。何も言わずにじっと啓太郎を見ていると、
「何かあったの巧?」
今度は反対側から声が聞こえてくる。そしてこれも、聞き覚えのある声だった。寝そべったまま反対側に首を向けると、そこには、園田真里の姿があった。真里と啓太郎は何も言わない巧を怪訝な、それでいて心配そうな顔で覗き込んでいる。
「……いや、なんでもねぇよ。」
ただ一言そう話す。真里たちは、その答えを聞きいつもと変わらない返答に安堵の表情を浮かべる。二人も再び草むらに寝転がる。そこからは啓太郎と真里のする他愛もない話を聞いていた。ふと、巧は何かを感じ頭上に手をかざす。ふと、風が吹き、巧の手から灰を運んでいく。夢から覚め、奇跡のような時間が終わり、現実が巧を襲う。もうすぐ、夢は現実となり、乾巧と言う存在は誰からも忘れ去られる。しかし、不思議と恐怖は感じなかった。ただ、満足感と少しの寂しさを感じながら、巧は再び目を閉じた。
———
深い竹藪の中を一人の女が歩いていた。彼女の名前は今泉影狼。その頭には動物のものである耳がついており、足元には尻尾が揺れており、彼女が人ではないことを示していた。ここは、人ならざるものが集う楽園幻想郷。その中の迷いの竹林を家への帰路についていた。
「(今日は、ついてなかったわ…。)」
影狼は今日のことを振り返る。まず朝、人里に向かう最中竹林の奥地にある永遠亭に住むウサギが仕掛けたであろう落とし穴に落ちた。やっと抜け出し人里の寺子屋に向かう途中で履物の紐が突如として切れ、頭から地面に突っ込み額に怪我を負った。なんとか履物の壊れを誤魔化し寺子屋の先生である友人に会いにいくと友人に途中で用事ができ1日寺子屋の先生をかわりにやることになってしまった。もちろん、友人のようにうまくいくわけがなくてんてこまいのまま1日が終わってしまった。そして、やっとそんな1日が終わり帰路についている次第であった。
「(はぁ、今日はすぐに家に帰って寝よう。これ以上の不運は嫌だもの。)」
少し、早足になりながら家を目指していると進む先に何か大きなものが落ちているのが見えた。影狼は速度を緩めそれを見る。夜目のきく影狼にはそれがなんなのかはすぐに分かった。影狼はその影に急いで駆け寄る。その影は———不思議な服装をした人間の男性だった。
「ねぇ、あなた大丈夫!?」
影狼が声をかけるが男から返事はない。だがどうやら息はしているようで影狼はほっと息をついた。しかし、このまま放置するわけにはいかず、暗い中を永遠亭までいくのも難しいと思い、外傷がないことを確認しとりあえずは家に運ぶことを決めた。
———
こうして、忘れ去られた男乾巧は、幻想郷へとやってきたのだった。ここから乾巧の幻想の物語が始まる。
というわけで第一話でした。
初っ端から結構ストーリーと違う感じにしちゃってるんですがそういうものだと思って見ていただけると嬉しいです。