「ーーーーですからこの公式を使って…………って聞いてますか?」
椎名さんそう言うとこちらを見てくる。ここは図書館。近い内に来るであろうテストに向けて勉強をしている所だ。ただ、自分一人では心配なため椎名さん来てもらったと言うわけだ。
「もう、あなたが教えて欲しいって言ったんですよ?自分の言葉には責任を持ってください」
そう言われても、3~4時間も続けてしていると疲れもでてくると思うのだが……
「そうですか?私はあまり感じませんけど…」
椎名さんはそんな感じらしい。だが俺も無茶苦茶疲れていると言った訳でも無い。少し疲れたと言った具合だ。
「なら大丈夫ですね続けていきますよ」
よし、椎名さんに教えてもらえるチャンスを無駄にするわけにも行かない。気持ちを切り替えて行こう。そう思っていたのだか……
『最終下校時刻になりました。校内に残っている生徒は速やかに下校してください。繰り返します。最終下校時刻に………」
心地の良い鐘の音と共に放送が聞こえる。驚いて時計を見ると5時間ほど経っていた。体感とは全く違う。
「いつの間にか下校時刻でしたね…私達も帰りましょうか」
椎名さんと一緒に帰りの用意をしていると
『あ~!良かった~まだ生徒残ってた!』
そんな声が聞こえた方向に振り向くと先生がいた。名前は覚えてはいないが確かBクラスの先生だった気がする。
「何の用でしょうか?私達はこれから帰る所なのですが…」
『ごめんね~、先生ちょっと頼まれごとがあって図書館の鍵閉めれないから閉めて貰って良いかな?』
なるほどその程度だった良いが、他の生徒でも良かったのでは?
『あっははははは、面白いこと言うねぇ~君?他に生徒なんていないじゃん』
そう言われ、辺りを見ると俺と椎名さんと先生しか居ない。驚いて椎名さんに聞くと、
「私達が帰りの準備をしている間に皆さん帰りましたよ?」
いつもはこの時間でも数人残っていたのだが、今日に限って早く帰りやがったらしい。
『と、言うわけでよろしくねぇ~お似合いのお二人さん♪』
そう言って先生は帰って行った。この学校には嵐の様な人が多いな、と思う。
「言われてみればそうですね」
椎名さんは苦笑しながら答えてくれる。そして図書館に誰も居ないことを確認し、鍵を閉めた。
「後はこれを職員室に届ければ終わりですね」
椎名さんの言葉に頷きつつ、廊下を歩く。何時もなら多くの生徒が行き交う廊下もこの時間だと誰も居ない。まるで
「私達二人だけの世界に迷い混んでしまったみたいですね……ふふ」
ものの見事に椎名さんと同じ様な事を言ってしまった。椎名さんはそれに驚いて笑っていると言うより、自分の予想が当たったから笑っている感じがする。
「そんなことは無いですよ?私だって少し位ロマンチックな事を言いますよ」
少し怒った感じで言ってくる椎名さん。けれどそんな事をしていても俺と椎名さん以外の声は聞こえない。本当に二人の世界の様だ。
「………少し、変なことを聞いてもいいですか?」
椎名さんは俺の前を進んでいたが急に止まると、そんな事を聞いてくる。何を聞きたいのだろうか?
「……あの…ですね…」
椎名さんは少し、ためらうと口を開く。とんでもなくバカな考えだが、椎名さんはこれから告白でもしてくれそうな勢いだ。ifのストーリーならここで告白をOKし、晴れて恋人となるのだろう。けれどそれはあり得ない。椎名さんは俺のことをどう思っているのかは知らないが、良くて大切な友達ほどだろう。それに俺だって椎名さんと一緒にいると感じるこの気持ちに気づけていないのだから……
『何をやっているお前ら、既に最終下校時刻は過ぎているぞ』
急いで我に帰り、声の方に振り向くと我らの担任の坂上先生がいた。
「ぁ…あの、Bクラスの先生に頼まれまして、図書館の鍵を返しに行く所です」
椎名さんの言葉に頷く。事実を言っているから大丈夫なはず…
「はぁ、またあいつか。鍵は俺が返す。お前らはもう帰っていいぞ」
坂上先生にさようならと返し、靴箱へ向かう。その途中に
「……さっきの事は忘れてください」
椎名さんに言われれば忘れる。だから何時か何を言いたかったのかを教えてくれると嬉しい。
「っ!分かりました。楽しみに待っててくださいね!」
そう言った椎名さんの顔は忘れれない。少し赤くて、とても綺麗だったのだから…………
あぁ、本当に椎名さんには敵わない。
主人公はオリ主であり、あなたです。あなたの考えたキャラかもしれませんし、あなた自身かもしれません……
一月中にあと一つは上げるつもりです…