★全★
★復★
★活★
「はぁ、どうしてこんなに片付けて無いんですか」
そう言って銀髪の少女…では無く、銀髪の女性は俺の部屋を片付けていく。当然、俺も片付けてはいるがどうしても彼女には追い付けない。
「まぁ、高校生時代からこんなことは何回かありましたしね。分かってますとも」
そう文句を言っている。俺は一度手を止め、彼女を彼女は俺の高校生時代初めての友達であり、俺の彼女であり、そして、俺の妻となってくれる。『椎名 ひより』だ。
「どうしました?手が止まってますよ?この部屋ともお別れするのですからちゃんと片付けてくださいね」
わかっている。そう言ってもう一度手を動かす。すると、見つけた。
「また手を止めて…って、懐かしいですね。高校の卒業アルバムですか」
そう、俺が見つけたのは高校時代の卒業アルバム。正直に言うと一番辛くて、一番幸せだった。
「そうですね。3年生のころに私とあなたで同じ大学に行ける用に一緒に勉強しましたね」
彼女は3年の頃を思いだしているようだ。俺は彼女を、懐かしい呼び方で呼んでみることにした。“椎名さん”と
「はい、椎名ひよりです。懐かしいですね…」
彼女も思いだしてくれた様だ。俺としては忘れたいようで、忘れたく無い。そんな思い出なのだ。
「そう言えば、あなたが告白して来てくれたのもこの頃でしたね」
そうだ。だから忘れたいけど忘れたく無いのだ。
「本当…懐かしい…」
彼女と一緒にあの頃を振り替える。大変だったが、楽しかった。それこそ今の俺ではあり得ないような有名人と友達とも言える関係になれたのだから。
「そうですね…綾小路さんとは、仲が良かったですからね」
彼は3年になる頃にはAクラスになっていた。俺達は結局、Dクラスになって卒業した。彼が卒業してからは詳しく知らないが、今では国にかなり関わっているらしい。それでも俺達の結婚式の話を何処からか仕入れて、『是非、呼んでくれ』とまで言われたのだ。
「そういえばそうでしたね。あと一之瀬さんや坂柳さん。掘北会長…いえ、掘北先輩でしたね。とも仲が良かったですね…」
今は三人ともどうしているのだろう。坂柳さんと一之瀬さんとは高校卒業後は会っていないが式にな招待してくれと頼まれている。先輩はどうしているのだろう。そう考えていると、彼女…椎名さんが少し、苛立っているのが見えた。理由を聞くと
「いえ、別に。あなたに幾ら綺麗な女性の友達にいても構いませんから」
どうやら嫉妬してくれているらしい。それが嬉しくて、笑ってしまう。
「もう!笑うこと無いじゃないですか。私だって嫉妬ぐらいします。それに、大切な人を取られたくないのです…」
椎名さんはそう言っているが、俺は椎名さんだからこそ、選んだのだ。他の女性に逃げるようなことはしない。
「本当ですね?逃げたら許しませんよ?」
あぁ、大丈夫だ。あの時の言葉に誓おう。そう言う。
「…じゃあ、証明してください。誓ってくれた言葉を私に伝えて?」
そう言って彼女は俺の横に並び立つ。
伝える言葉は決まってる。彼女の方を向き、目を見て伝える。
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
そう言うと彼女は俺の言葉に返すように、
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
と言う。これが俺達があの時交わした誓いの言葉。ずっと忘れないで覚えておく言葉だ。
「ふふっ、思い出しますね。綺麗な月が出ていた夜でした」
暫くはこの事について話していたが、時計が6時を指していた為、彼女は
「そろそろ、ご飯の時間ですね」
と言ってキッチンへ向かって行った。あの頃から、こんな風にしてと考えると恥ずかしくなってくるが気にしない。
「あの頃もこんなことしてもらってたな。とか思ってますね?」
そんな声がキッチンから聞こえて来た。俺の思考は彼女にとっては手に取るように分かるのだろう。
あぁ、椎名さんには敵わないなぁ。