野球といえばあの回です!!
「霧夜先生、俺は大変なことに気づいたよ」
ある日、俺は衝撃的な事実に気付いて霧夜先生に話しかけた。
「なんだ竜司、真剣な顔をして?」
そんな俺に霧夜先生はポカンとしていた。
「俺は仮面ライダーリューマとして…何度もスカルと闘ってきてたけど…仮面ライダーを名乗るには足りないものがあることに気づいたんだ…」
「ほう、足りないものとは?」
仮面ライダーを名乗るのに足りないもの…それは…
「専用のバイクが無いことです!!」
仮面「ライダー」なのにバイクを持ってないのはマズい!!これじゃあ身分訴訟も同然である!!今までこんな大変なことに気づかなかった自分が不甲斐なさすぎて恥ずかしい!!
「そういうわけで霧夜先生!!神門様に専用バイクを貰えるように掛け合ってください!!」
「すまん、真剣に聞いた俺が馬鹿だった。」
霧夜先生は呆れた顔でため息をつき俺に拳骨を繰り出した。
「痛たた…なんでですか霧夜先生!?」
「お前はなぁ…最近神門様のことを未来の道具を出すポケットを持った猫型ロボットかなんかと勘違いしてないか?そんなもん簡単にくれるわけ無いだろ?」
「そんなぁ……」
霧夜先生の言葉に俺はがっかりしてしまった。
「はぁ…専用のバイク…」
お昼休みになって、俺は今なおがっくりしていた。
「わたくしもさすがにそれは霧夜先生の言う通りだと思いますよ」
そんな俺にため息を吐きながら斑鳩先輩は呟く。
「ま、まぁ…場合によってはわたくしの方からお父様に掛け合ってみますが…竜司さんには色々と恩がありますし…お父様も協力してくださるかと…」
「本当ですか!?」
斑鳩先輩の言葉に俺は飛び起き斑鳩先輩の手を握った。
「ありがとうございます!!その時は是非!!」
「あ…は、はい!!お任せください!!」
すると斑鳩先輩は顔を真っ赤にしたと思ったら嬉しそうに微笑んだ。
「ところで…飛鳥はなんでああなってるんだ?」
俺が視線を向けると飛鳥がぼーとしていた。
「どうしたの?飛鳥ちゃん。お昼、食べないの?」
雲雀が飛鳥の顔を覗き込んでいる。
「なんかあったの?」
「いや、その……知らない男の子に告白されちゃって」
「「「「「え…えええええええ!!??」」」」」
その瞬間、忍部屋のみんなの驚愕の声が響き渡った。
「ちょ…飛鳥…告白ってマジか!?」
「アタイに詳しく話しな!!」
「ひ、ひばり、驚きです」
「……男……か」
「わたくしも興味があります」
「じ、実は……」
次々と聞いてくる俺たちに飛鳥はたじろぎながらも教えてくれた。
『ありますよ』
「あるんですか!?」
竜司たちが忍部屋で昼休みをしている頃、霧夜先生は神門様と電話をしていた。先程、竜司がバイクが無いかと相談してきた時は呆れて少し叱ったがまさかあるとは思わなかった。
『リューマの戦闘サポート用として現在ちょうど開発中のものがあります。完成次第そちらに送りましょう』
「いや…なんかすみません…あいつの変なこだわりに付き合わせてしまって…」
『いえいえ、もともと開発中のものですしむしろ気に入っていただけそうで何よりです。』
感謝の言葉を述べる霧夜先生に対し神門は笑いながら答えた。
『ただ…竜司さんに伝えて欲しいことがあります。新しい未来が見えました。』
「伝えて欲しいこと?」
神門の言葉に霧夜先生は顔色を変えた。
『近いうち、スカルとの大きな闘いが始まります。その闘いは一つ目の分岐点、忍とスカルの闘いの結末を握る鍵になります。気をつけてください』
「わかりました。あいつにも言っておきます。」
『では』
神門との会話が終わり霧夜先生は電話を切った。
「分岐点か…」
「話から察するに、そのお相手は他校の野球部の生徒……ということでしょうか」
斑鳩先輩は冷静な口調で言う
「野球部!いい!将来はメジャーリーガーかよ!飛鳥、こりゃいい物件を手に入れたな!」
かつ姉はハイテンションで騒ぐ
「いやいやかつ姉、メジャーリーガーになるほどの一流アスリートはたしか忍としても十分通用する身体能力を持ってるんですよ。そんな簡単にはなれないって」
「すごーい!野球選手は手裏剣を刀で打ち返すこともできるんだね!」
雲雀は雲雀で相変わらず微妙にズレてるようだ
「にしても返事はどうすんだ?」
「どうするって言われても…」
俺が聞くと飛鳥は考えた。
「……俺たちは忍だ。それを忘れるな」
突然柳生はボソリと呟いた。氷水のような一言に周囲は一気に静かになった。あれだけ騒いでいたかつ姉も頭をかいている。
「わ、わかってるって。それぐらい」
飛鳥も慌てて返答していた。
東京のとある美術館、ここには様々な時代の絵画やアンティーク、美術品が展示されている。休日には多くの人々が集まるこの場所は東京でも知る人ぞ知る名所である。
そんな美術館に隠された秘密の部屋では
「はぁ…やはり良いものですね…この部屋の空気は…」
この美術館の館長である。初老の男が安楽椅子に腰掛けくつろいでいた。
部屋の中には描いてる途中の絵画、陸上選手のシューズ、ボクシンググローブ、バイオリンなどが並べられていた。しかし、そのすべてが破れていたり焼け焦げていたり、変形したりしていた。
「相変わらずおかしな趣味をしているな、ウォートホッグ」
館長は突然聞こえた声に振り向くと燕尾服を着た女性、メドューサが立っていた。
「これはこれはメドューサ様、いったいどのようなご用件で?」
美術館館長、ウォートホッグと呼ばれた男は笑みを浮かべ頭を下げる。
「お前に始末して欲しい相手がいる。」
「……例のリューマのことですかな?」
「流石に情報が早いな」
メドューサの言葉にウォートホッグは関心した。
「知ってるなら話が早い。奴を討ち取り陛下の野望の妨げになる障害を破壊せよ」
「お任せくださいメドューサ様…ところで」
『ウォートホッグ!!』
ウォートホッグが藍色のスカルキーを起動すると右肩に鍵穴が現れる。そこへ鍵を挿しこみ回すとどす黒い泥が溢れ出て全身を覆い、両肩に車輪が付いたイボイノシシの怪物、ウォートホッグスカルへと変身した。
「倒し方は自分のやり方でも良いのでしょう?」
「…好きにしろ。そのかわり確実に倒せ」
「はっ、はっ、はっ」
休日の朝、俺は山道でトレーニングしていた。リューマに変身できるようになった以上、その力をさらに引き出せるようにトレーニングをしっかりと熟さなくてはいけない。俺の目標、夢でもある『世界一かっこいい忍者』になる為に、
その時、突然頭に何かがぶつかってきた。
「痛てぇ!!」
突然の激痛に驚きコブをさすりながら飛んできたものを見ると
「…野球ボール?」
「あっ。ご、ごめん!!怪我は無い!?」
突然草むらから現れたのは、頭は丸坊主、顔は真っ黒に日焼けしており身長は185センチほどの野球のユニフォームを着た少年が立っていた。
「ま、まぁタンコブが出来ただけだし…大したことはないよ」
「…やっぱりコブが…傷つけるつもりは無かったんだ…本当にごめん!!」
少年は申し訳なさそうに頭を下げた。
「俺、鈴木って言うんだ…君は?」
「俺は竜司、よろしく」
野球少年もとい鈴木と俺は草むらで座って話をした。
「鈴木はいつもここで練習してんのか?」
「うん、ここには自主トレで来ていて…今日も打撃練習をしてたんだ」
どうやらその時、打った球の一つが木にぶつかって飛んでいって俺の頭を直撃したらしい
「凄い沢山練習してんだな」
俺は周りに転がった野球ボールを見て俺は呟いた。
「人より多く練習したいんだ。俺にとって…野球は特別だから…」
鈴木はボールを手に真っ直ぐな目で呟いた。
「なぁ竜司、ちょっと良いかな?」
「ん?」
「ほっ」
「ふんっ」
俺は現在、ボールを投げそれを鈴木が打っていた。所謂野球の練習である。
「凄いな竜司、コントロールバッチリだよ」
「へへっ、まあな」
霧夜先生からは外部との接触は控えるように言われているがこれくらいなら別に大丈夫だろう
「なんかえらい気合い入ってるけど…試合でもあんの?」
「うん、週末に試合があってね…この前好きな女の子を誘ったんだ」
「へぇ、どんな子?」
「いや…その…一目惚れした子でね…この近くにある半蔵学院の女の子なんだ…」
「へぇ〜半蔵学院…え?」
ちょっとまて…もしかして…
「こ、告白とか…したの?」
「したよ、一目惚れした瞬間に。その時はうっかり名前も聞かずに告白しちゃったけどね」
そう言うと鈴木は照れ臭そうに笑った。
(えーと…その女の子って…絶対飛鳥だよな…ヤベェ…めっちゃ気まずい)
まさかこんなところで飛鳥に告白した相手に遭遇するとは思いもよらなかった…
「だから…もし彼女が来た時に…良いところを見せたいんだ」
「そ、そうか…頑張れよ」
はて…どうしたものか…
その時、巨大な木がこちらへと倒れてきた。
「あぶねえ!!」
俺は慌てて鈴木を引っ張り避けると木は俺たちがさっきまでいた場所に倒れた。そのあとはまるで根っこから引っこ抜いたようだった。
(まさか…スカルか…こんなところに…!!)
「くそっ…こっちだ鈴木!!」
「あ、ああ!!」
俺は鈴木を連れて山道を駆け下りた。
「いったい…なんだったんだ今のは…」
麓まで駆け下りると鈴木は慌てた様子で呟いた。
「もしかしたら地盤沈下かもしれない。今日はもう帰ったほうがいいよ。」
「でもボールが…」
「また今度俺が取りに行くから、だから今日は帰れって。な?」
俺はうまくごまかしてどうにか鈴木を帰らせることに成功した。
「よし…あとは…」
俺は再び山の中に入ってスカルを迎え撃つことにした。
「おや、わざわざ自分から倒されに来てくださるとは」
すると、両肩に車輪が付いたイボイノシシのようなスカル、ウォートホッグスカルが現れこちらへと近づいて来た。
「ふふふ…貴方…夢で溢れていて…とても良いですね…その夢、壊させて貰いましょうか…」
「舐めんじゃねぇ!!」
『ティラノ!!』
俺はカグラドライバーを装着してティラノキーを起動し鍵穴に挿しこんだ。
『ドンドロロンロンドロンドロン!!ドンドロロンロンドロンドロン!!』
「変身!!」
「武装!!ティラノ!!」
ドライバーの音声と共にティラノサウルスのが現れ俺を包み仮面ライダーリューマへと変身した。
「仮面ライダーリューマ…いざ、舞い忍ぶぜ!!」
俺はそのままウォートホッグスカルを殴りつけるがタフな肉体を持つウォートホッグスカルはガードをしてカウンターを繰り出してきた。
「ぐっ…舐めんな!!」
俺はすぐにガードをしてカウンターを防ぐとお返しとばかりに連続でパンチを繰り出した。
「ぬぅっ!!なるほど、やりますね。では少し本気になりますか」
ウォートホッグスカルは距離を取るとりょうかたの車輪が回転し背中のブースターにエネルギーが集中しだした。
「くらいなさい!!」
すると、背中のブースターから炎が噴出し凄まじい突進が繰り出された。
「うわぁ!!」
俺はとっさに躱すと背後にあった木々が何本もへし折られていった。
「くそっ…なんつー威力だよ」
あんなのをまともに喰らったら本気でやばい…だったら
『パキケファ!!』
俺はパキケファキーを起動して回した
「変身」
『武装!!パキケファ!!』
すると、灰色のパキケファロサウルスが現れ俺を包み仮面ライダーリューマ・パキケファ武装へと変身した。
「おりゃぁ!!」
「ぐうぅ…」
俺はパッキーナックルでウォートホッグスカルへと渾身のパンチを繰り出すとウォートホッグスカルは効いたらしく吹き飛ばされた。
「トドメだ!!」
『必殺の術!!』
俺はカグラドライバーの恐竜を叩くと、地面を踏み込み拳を構えた。すると、拳にオーラが纏わり付き拳が輝く。
「必殺忍法!!激竜空烈拳!!」
「おのれぇ!!」
俺の必殺忍法とウォートホッグスカルの突進が衝突しそのまま両者は吹き飛ばされた。
「くそっ…マジかよ…パキケファの必殺忍法と相討ちなんて…」
「くっ…やはり強いですね…今日はこの辺にしておきましょうか…」
ウォートホッグスカルはふらつきながらその場を立ち去っていった。
「くそっ…少し無茶しすぎたか…」
俺は変身を解除すると、木に寄りかかりガマ吉・スマホモードを使って仲間を呼んだ。
「ん?これは…」
退散したウォートホッグスカルはその途中で何かを拾い上げた。それは、鈴木が落とした野球ボールであった。
「これは…素晴らしい夢の匂いがしますね…」
それを拾い上げてウォートホッグスカルは笑い出す。
「そういえば…野球選手の夢はまだ壊してませんでしたねぇ…ふふ、ふふふふふ…」
ボールを拾い上げてウォートホッグスカルは悪意に満ちた笑みを浮かべ笑った。