「うーん…手がかり無しか…」
ラットスカルの襲撃後、俺と斑鳩先輩は事の顛末を霧夜先生に報告した。
その後、神門様の命によりスカルの討伐が俺と斑鳩先輩に命じられた。
「とりあえず『現代の鼠小僧』がスカルだってのは間違いなさそうだな…」
調べてみると『現代の鼠小僧』は義賊と言えば聞こえは良いが実際には富裕層の人間を襲っては金を奪うだけではなく一方的にリンチをしているらしい。これまでも何人も病院送りになっているらしい。
「これ以上被害が出ないようにするためにも俺たちがなんとかしないと…ね、斑鳩先輩」
「……………。」
しかし、斑鳩先輩は俺の問いかけに答えずだんまりとしていた。
「……先輩?」
「え?あ、はい、すみません!!ぼーっとしてました…」
「大丈夫ですか?少し休んだほうが…」
「い、いえ!!心配いりませんよ!!」
あれから斑鳩先輩は何かぼーっとしている。ラットスカルが立ち去る直前に斑鳩先輩になにか言ってたけど…
「じゃ…じゃあ今から『現代の鼠小僧』が出たっていう事件現場に行ってみますか」
「はい」
「ギ……ギギィ……」
とある屋敷の薄暗い一室、そこの中央でラットスカルがいた。その周りに銃火器や剣、さらにはアントスカルの残骸までもが転がっていた。ラットスカルはそれらを手当たり次第に掴み身体中に現れた口に放り込んだ。
「おぉ〜食ってるねぇ〜いいよいいよ〜」
するとそこへ、グリフォンスカルが拍手をしながら近づいてきた。
「マスターグリフォン…」
「お前には期待してるんだ、その力を進化させて俺たちと同じロードスカルに目覚めてくれよ」
「お任せください。貴方様から頂いたこの力のおかげで私は忌々しい富持つ者たちに制裁を下すことが出来る様になりました。必ずや貴方様の期待に応えられるようにしてみせます。」
「やる気があるようで良かった良かった。ま、頑張れよ♪」
そういうとグリフォンスカルは笑いながら部屋から出ていった。
「大したことなかったな」
突然グリフォンに華蛇が声をかけてきた。
「あれだけ持ち上げていたもんだからどんなものかと思えばああも無様な醜態を晒すとはな、確かに珍しい能力を持っているようだがあの程度の雑魚ではロードスカルになることもないだろう」
華蛇は呆れた様子でそう呟くとグリフォンスカルはニヤリと笑った。
「まぁ見てなって前にも言ったようにあいつはまだ成長段階、完全に成長すればものすごい力を手に入れるからさ」
「ものすごい力…それはどれくらいのものなんだ?」
「そうだなぁ…」
グリフォンスカルは少し考えると
「世界を滅ぼすくらい出来るかな」
「うーん…手がかり無しか…」
俺も斑鳩先輩は改めて『現代の鼠小僧』が盗みに入ったという現場を調べていた。そこは、この辺りじゃ悪い噂が絶えない所謂暴力団関連というところである。しかし、建物の中は荒らされていること以外は手がかりは掴めそうもなかった。
「それにしてもすごい荒らされてますね…」
たしかに、壁にはヒビが入っておりさらには病院送りにされた被害者のものと思われる返り血が所々にあった。
「ん?」
ふと、何かの匂いがしたような…
「気のせいか……?」
「結局手がかり無しか…」
現場を見ても結局何もなく俺たちは一度学院に戻るため街中を歩いていた。
「にしてもあの現場、ただお金目当てっていうより金持ちの人に相当の恨みがあるってことだよな…」
「……はい……そうですね……」
また斑鳩先輩は俯いてしまう
「…斑鳩先輩、何かあのスカルに言われたんですか?」
「え?」
「なんかこの前から元気ないし…何かあったのかな…って」
なんだか元気ないし少し心配になってしまう
「……実は……」
「ぐすっ…えんちょーせんせー…どこぉ…」
突然どこからか子供のすすり泣く声が聞こえてきた。
「竜司さん、あれ…」
斑鳩先輩の指差す方向には小学生低学年くらいの女の子が1人とぼとぼ歩いていた。
「ひょっとして…迷子か?」
俺はその子の方へと歩き出した。
「君、どうしたの?」
「…えんちょーせんせーと…はぐれちゃったの…」
俺が声をかけると女の子はぐずりながらも答えた。
「そっか…それはこまったね。それじゃあ一緒に探そうか」
「竜司さん、外部のものとの接触は控えろと…」
そういう俺に斑鳩先輩は慌てる
「そうだけどさ、この子をほっとくなんて俺には出来ないよ」
泣いてる子供を見てみぬふりなんて…そんなカッコ悪いこと俺には出来ない。
「竜司さん…ふふ、竜司さんらしいですね」
そんな俺に微笑み一緒に女の子の手を取って歩き出した、
「唯ちゃん!!」
「あ、えんちょーせんせー!!」
しばらく一緒に探していると初老のおばあさんが女の子を見つけると慌ててこちらへと向かってきた。どうやらあの人が女の子こと唯ちゃんの探していた園長先生らしい。
「よかったわ…先生何かあったんじゃないかって…」
「ごめんなさいえんちょーせんせー」
唯ちゃんは園長先生に抱きつくと謝った。
「貴方たちもありがとう、ほんとなんてお礼を言ったら…良ければうちで何かお礼を…」
「いえいえ、どうぞお気になさらず…」
「それではわたくし達はこれで…」
そう言って俺たちは立ち去ろうとすると
「おにーちゃんたち帰っちゃうの?えんちょーせんせーのいれるお茶おいしーんだよ?」
俺の服を摘んで唯ちゃんは寂しそうに聞いてくる。
「…それじゃあお言葉に甘えますか」
「そうですね」
俺たちは結局お邪魔させてもらうことになった。
『児童養護施設みどりの園』
そう書かれた看板のある児童養護施設にお邪魔することになった俺たちは園長先生の淹れるハーブティーをご馳走になることになった。
「この度は本当にありがとうございます」
「い、いえ、こちらこそお茶をご馳走になってすみません」
俺たちは園長先生のお礼にそう返答するとハーブティーを口にする。
「っ!!すげー美味い…」
「本当です…とても良い香りがしますし…」
「ねっ!?えんちょーせんせーのお茶おいしーでしょ!!」
俺たちの反応が嬉しかったのか唯ちゃんは嬉しそうに俺たちに聞いてくる。
「ありがとうございます。」
「このハーブティーのハーブは…」
「はい、うちの園の庭で植えてあるんですよ。昔からガーデニングが趣味だったので…」
俺たちの質問に園長先生は微笑みながらそう返した。
「ん…?この香り…」
ふと、俺は何か違和感を感じた。
「なにそのひとー」
「おきゃくさま〜?」
「えんちょーせんせーその人だれー?」
すると、部屋から他の子供達が出てきた。
「りゅうじおにーちゃんこっちこっちー!!」
「お、そっちだな…待て待てー!!」
「わぁーい!!」
俺たちは結局園の子供達と鬼ごっこやかくれんぼで遊ぶことになった。
「竜司さん…相変わらず子供の世話が得意なんですね」
「ん?まぁ得意っちゃ得意かな?」
この前もなんだかんだで光に懐かれてたし。
「そういえばおにーちゃんとおねーちゃんってどんなかんけー?」
「え?」
突然子供達が俺にそんなことを聞いてきた。
「えっと…斑鳩先輩は…」
「わかったーカップルだー!!」
「ちがうよ夫婦っていうんだよー」
「ラブラブだー!!」
「「んなっ!!/////」」
突然の子供達の言葉に俺たちは思わず顔を真っ赤にしてしまった。
「い、いえ!!りゅ、竜司さんはその…」
「何言ってんだよみんな、俺と斑鳩先輩がそんな関係なわけないだろ」
「うそだー」
「だって仲良しだもーん」
俺が否定すると子供達はブーブー言い出す
「だから違うって、斑鳩先輩は俺の頼れる先輩であってだな…ね、斑鳩先輩?」
「……………………。」
ふと斑鳩先輩をみると目のハイライトが消えてる
「あ、あれ?斑鳩先輩?」
「…竜司さんの……」
「え?」
「竜司さんの馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「痛ぇぇぇぇぇぇ!!」
斑鳩先輩のビンタが俺に炸裂し俺は吹っ飛んだ。
「りゅうじにーちゃんが吹っ飛んだー」
「あたし知ってるーこれってとーへんぼくっていうんでしょー」
それをみて子供達が何か言ってた。
「ただいま〜」
すると、扉が開いてエプロンをつけた20代の若い女性が入ってきた。
「あ、はづきせんせー」
その女性をみると子供達は嬉しそうにそちらへと走っていく。
「はづきせんせーお帰りなさーい」
「ただいま皆〜元気にしていた?」
葉月先生と呼ばれた女性は子供達に笑顔を浮かべて頭を撫でた。
「お帰りなさい葉月先生」
「ただいま園長先生、そちらの方達は?」
葉月先生は俺たちに気づくと園長先生に聞く。
「こちらの方達は竜司さんと斑鳩さん、唯ちゃんが迷子になったのを助けてくれたのよ」
「こんにちは」
俺たちは葉月先生に挨拶をした。
「……そうですか、この度は本当にありがとうございます。では」
葉月先生はこちらを見つめると静かにお礼を言うと部屋から出てってしまった。
「あの子ったら…ごめんなさい、あの子昔から人見知りで…」
園長先生は俺たちに申し訳なさそうに謝った。
「昔からってことは…あの人って…」
「はい、あの子も昔はここで育った子なのよ…その後恩返しがしたいってここに就職してくれたのよ」
「…優しい人なんですね」
「え?」
俺の言葉に園長先生はキョトンとする。
「さっきの子供達に向ける笑顔、本当に子供達が大切なんだってこっちから見てもよくわかるほどの笑顔でしたから」
ちょっと人見知りだけど子供達の幸せを心から願ってるそんな人なのだろう。今も庭で子供達と楽しそうに遊んでいるのが見える。
「…えぇ、その通りです。」
俺の言葉に園長先生は嬉しそうに微笑んだ。
「…………………………。」
俺はじっと葉月先生の去った方へと視線を向けた。
「今日はありがとう、これつまらないものですが」
時間も時間になったので帰ることになった。すると、園長先生が瓶に入れたハーブティーをお土産にくれた。
「ありがとうございます。こんなにすてきなお土産まで……」
「いえいえ、子供達もあんなに楽しそうにして……こちらこそありがとね。もし良ければまた遊びにきてちょうだい」
「それはもちろん。ね、斑鳩先輩」
「はい、是非」
俺たちはそういうと『みどりの園』を去ることにした。
「……斑鳩先輩、ちょっと寄りたいところあるんだけど……いい?」
「え?別に構いませんが……」
俺たちは再び『現代の鼠小僧』の出た現場に戻ってきた。
「ちょっと気になることがあってさ……」
俺は現場に入るとあることに気づく
「やっぱり……」
「竜司さん?」
俺の予想は当たった。できることなら当たってほしくなかった悲しい予想が…
そして、もう一つわかったことも
「斑鳩先輩、これみてよ」
「っ!!これって……」
暗い夜道、美しい夜景がよく見える山に聳え立つ豪華な建物、そこは浦賀グループの御曹司兼光が所有する別荘地であった。現在兼光はここで休暇を過ごしているという情報が入っている。全身黒ずくめの影は手に持った黒いスカルキーを手に屋敷に入ろうとした。
「悪いけど、ここにはあの七光ヤローはもういないぜ『現代の鼠小僧』さん」
「っ!?」
突然聞こえた声に振り向くとそこには竜司と斑鳩が立っていた。
「くっ!!」
慌てて『現代の鼠小僧』は逃げようとするが竜司はすぐに追いつき顔を覆ってた黒い布を取る。
「逃げても無駄だぞ、あんたの正体は分かってんだ……葉月先生」
黒い布を外したそこには全身を黒い服にした『みどりの園』の葉月先生がいた。
「……やっぱりあんただったんだな」
「……どうして私だって分かったんですか?証拠になりそうなものは皆処分してたはずなのに……」
顔を強張らせて葉月先生は俺に問いかけた。
「……匂いだよ」
「匂い?」
「あんたが襲った現場に変わった匂いがしたんだ。そして園長先生のハーブティーを飲んで気付いたんだ……同じハーブ匂いだって。あの後俺たちは『みどりの園』を監視していた。そしたらあんたが出てきてここに来たって訳」
出来ることなら信じたくなかった。子供達にあれだけ慕われてる彼女がこんなことをしてるって
「……ハーブって正直ですね……まさか大好きな園長先生のハーブで犯行がバレるなんて……」
「最近あんたが襲ってた暴力団関係や悪い噂が多い会社を調べてみたらどこも浦賀グループと繋がっていた。そして、最近浦賀グループが計画している新しい工場開発の場所に『みどりの園』がある場所が選ばれていた。動機は……差し詰め自分達の居場所を奪おうとする金持ちの悪党へと復讐ってところか?」
そして、その奪った金を他の貧しい人たちや児童養護施設にばら撒いてたってわけか……
「ええそうよ!!私は小さい頃両親に捨てられた!!そんな私を救ってくれた園長先生は……貧しいながらも私や他の子供達を大切に育ててくれた!!なのに!!そんな優しい園長先生を……貧しい中必死に生きてる人たちをお金をたくさん持ってる奴らが喰い物にしている!!私はそんな世界が許せない!!」
瞬間、葉月先生は怒りの形相で叫び出した。
「そんな時…マスターグリフォンが私に力をくれた!!この力で私は……ひもじい思いをしている人達を救える……富持つ連中に制裁を下さるんだ!!」
『ラット!!』
葉月先生がスカルキーを起動すると彼女の左肩に鍵穴が現れる彼女はスカルキーを鍵穴に挿しこみ回すと鍵穴から黒い泥が溢れ出て彼女を包み込み鋭い爪を持つ巨大な鼠のようなスカルラットスカルへと変身した。
「私のぉ……邪魔をするなぁぁぁぁ!!」
ラットスカルは鋭い爪を武器に襲いかかる。
「……まぁやっぱりこうなるよな」
俺はカグラドライバーを腰にはめてティラノキーを回す。
「変身!!」
『武装!!ティラノ!!』
ティラノサウルスのオーラを纏い俺は仮面ライダーリューマへと変身する。
「仮面ライダーリューマ…いざ、舞い忍ぶぜ!!」
「だまれぇ!!」
ラットスカルは全身から口を生み出すとそのから2本の剣を生み出しそれを手に斬りかかってくる。
「はぁっ!!」
俺はファングクナイで剣を弾いて蹴りをラットスカルへと繰り出す。
「ぐぅぅ……貴様ぁぁぁ!!」
ラットスカルはさらに口を生み出しそこからライフルを生み出すと俺に向けて弾丸を撃ちだす。
「させません!!」
しかし、斑鳩先輩が飛燕で銃弾を弾くと銃身を斬り裂き破壊した。
「おのれぇぇぇぇ!!」
ラットスカルは激昂すると身体中の口から様々な武器を生み出し俺たちへと突撃してきた。
「ラットの奴、押されてるぞ。どうするんだ?」
リューマ達とラットスカルの闘いを少し離れたビルから華蛇とグリフォンスカルは見ていた。
「まぁ見てなって、面白いのはここからだからさ」
劣勢のラットスカルに動じることなくグリフォンスカルは笑みを浮かべる。
「お?来た来た♪」
「何?」
グリフォンスカルが何かに気づき、それを華蛇は見ると……
「よし、トドメといくか!!」
俺はラットスカルを追い詰め必殺忍法を繰り出そうとした。
「まだだ……私は……こんなところで終わらない……子供達のためにィィィィ!!」
突然、ラットスカルの体が膨れ上がり10メートルはある巨体を持つラットスカル巨獣態へと変貌し巨大な腕で俺を潰そうとしてきた。
「ここで巨大化かよ!!」
俺は慌てて回避しファングクナイで斬りつける。すると、
「無駄だァァァ!!」
突然ラットスカル巨獣態の体が膨れたと思うと背中から無数のラットスカルが生み出されて俺へと襲いかかる。
「うそぉぉぉぉ!?」
「私の薬無しで巨獣態に!?いや、それよりなんだあの能力は!?」
ラットスカルの変化に華蛇は驚きを隠せずにいた。
「どうだ?あれこそがラットの真の能力、忠実な子鼠を無限に生み出す母鼠こそがラットの真骨頂なのさ」
驚く華蛇にグリフォンスカルは得意げに話す。
「子鼠の生産に必要なエネルギーさえ補充できれば奴は同じ性能の子鼠を際限なく生み出せる。何よりすごいのは子鼠自身も食事を続けることにより新たな母鼠へと変身して更なる子鼠を生み出すことが出来るのさ」
「なるほど……まさに鼠算式に増え続けるということか……たしかにそれなら下手をすれば世界を滅ぼせる程の力だ……しかし、一体どうやってあんな力に……」
ラットスカルの恐るべき力に華蛇は疑問を抱いた。
「……スカルってのは基本その人間の『願望』を解放することによって力を手にする。『力で気に入らない奴をぶっ潰したい』というバイソン然り、『誰にも捕まらずに犯罪をしたい』というカメレオン然りってね。ラットの願望は少し特殊でね、願望が3つ存在したんだ。」
「3つ?」
「1つ目は『富を持つもの達への復讐』、2つ目は『ひもじい思いをしたくない』、そして3つ目は……『子供達の幸せ』。その異なる願望が混ざり合うことでラットに強大な力を与えたのさ」
グリフォンスカルは暴れ回るラットスカル巨獣態を見つめながら笑みを浮かべる。
「さぁラット、その力で全てを喰いつくしな。そして、新たなロードへと進化して俺たちの力となれ」
「……狂人が」
そんなグリフォンを見つめ華蛇は恐れを抱きそう呟いた。
「貴様も……キサマも私の邪魔をするなら……富持つ者達と同罪だ……その忌々しい小娘諸共食い殺してヤルゥゥゥゥ!!」
ラットスカル巨獣態は鋭い牙を使って俺たちへと襲いかかる。
「うわぁ!!」
「きゃあ!!」
俺たちはとっさに回避するが周囲からラットスカル(子鼠)が剣や銃を手に襲いかかる。
「くそっ……こうしてる間にもどんどん子鼠が増えてくる……キリがないぞ」
圧倒的数の暴力に俺たちはどんどん劣勢になってきた。
「これは……怨みだ……キサマらがその金で豪華な生活をしている中ひもじい思いをしてきた私の……ワタシタチノウラミダァァァァ!!」
ラットスカル巨獣態は怒りの形相を浮かべて斑鳩先輩へと叫んだ。
「一切れのパンで1日を凌いだことがあるか!?真冬の夜に暖房を使えない日があるか!?私たちは…貴様が…貴様らが何不自由無い生活をしている中で…そうやって苦しんできたんだ!!私たちの憎しみを…おもいしれぇぇぇぇぇぇ!!」
「わ、わたくしは…」
ラットスカル巨獣態の言葉に斑鳩先輩は体を強張らせ…何も言い返せずにいた…しかし、
「ふざけんな」
俺は違う、俺はこいつに一言言ってやらないと気が済まない。
「竜司さん?」
「あんたが苦しい思いをしてきたことはよぉーく分かった。けどなぁ…だからなんだ?」
「自分が苦しんできたことはなぁ……誰かを苦しめて良い理由なんかにはならねえんだよ!!」
「竜司さん…」
「何ィィィィ!!」
ラットスカル巨獣態は俺を睨みつけた。
「俺はあんたがどんな生き方をしてきたか知らねえし分かってやれねぇ!!でも…お前は間違ってる!!それくらいなら俺にもわかる!!だからお前を倒す!!そしてあんたを止める…」
そして、俺は覚悟を言葉にする。
「あんたを救うために!!」
「ぐぅぅぅ…だったらここで死ねぇぇぇぇぇぇ!!」
ラットスカル巨獣態は無数の子鼠たちを竜司へと向かわせてくる。その数の暴力に竜司は防戦一方になってしまう。
「くそっ…せめて本体を叩くことができれば…」
その時、
「はぁぁぁぁぁ!!」
斑鳩の斬撃が子鼠たちを斬り裂く。
「竜司さん、子鼠はわたくしに任せてください!!」
斑鳩先輩は飛燕を構えて子鼠たちに立ち向かう。
「斑鳩先輩!!」
「竜司さん…ありがとうございます。お陰で吹っ切れました…わたくしも戦います。これ以上葉月さんに誰かを苦しませないようにするために!!」
斑鳩先輩の迷いない顔を見て俺は安心する。
「それじゃあ頼みます!!」
『ハヤウマモード!!』
俺は子鼠を斑鳩先輩に任せシノビークル・大地を起動してハヤウマモードにするとラットスカル巨獣態へと体当たりした。
「ぐぅぅぅぅ!!舐めるなぁ!!」
ラットスカル巨獣態は怒り背中から銃火器を生み出し弾丸を撃ちだす。しかし俺は弾丸を躱すとファングクナイですれ違い様にラットスカル巨獣態を切りつけた。
「しねぇ!!ワタシの邪魔をするなァァァ!!」
ラットスカル巨獣態は激昂しながら体全身から様々な武器を撃ち出して攻撃する。しかし、頭に血が上って狙いが定まらず高速で動く俺には当たらず、俺はすかさず体当たりをくらわせる。
「くそぉぉぉぉ!!私は……こんなところで終わるかぁァァァ!!」
すると、ラットスカル巨獣態は巨大な口を開くと口から青白い光が輝いた。
「最後の攻撃ってわけか」
『必殺の術!!』
「必殺忍法!!激竜大顎!!」
俺がカグラドライバーを叩くと巨大なティラノサウルスの顔がバイクを包みティラノサウルスが口を開き凄まじい突進が繰り出された。
「死ねぇぇぇぇぇぇ!!」
瞬間、ラットスカル巨獣態の口から青白い熱線が繰り出され俺の必殺忍法と衝突する。
「俺を…舐めるなぁ!!」
俺の必殺忍法はラットスカル巨獣態の熱線を撃ち破りラットスカル巨獣態を吹き飛ばす。
「トドメだ!!」
『必殺の術!!』
俺は再びカグラドライバーを叩き空中へと飛び上がりラットスカル巨獣態へと渾身のキックを繰り出した。
『必殺忍法!!激竜無双キック!!』
俺のキックが炸裂しラットスカル巨獣態の体を貫きその巨体は爆発した。
「よしっ斑鳩先輩は…」
「秘伝忍法!鳳火炎閃!!」
斑鳩先輩の方を見ると彼女は飛燕の斬撃で子鼠達を全て倒したところであった。
「斑鳩先輩!!無事だったんですね!!」
「はい、なんとか倒せました。」
所々に傷があったが斑鳩先輩は大した怪我は無いようだ。
「ぐぅ…くそぉ…」
煙から晴れると葉月先生が倒れておりその近くに粉々に砕けたスカルキーが落ちていた。
「……。」
「斑鳩先輩?」
すると、斑鳩先輩はゆっくりと葉月先生へと近づいていく。
「……あなたがわたくしの事が憎いのでしたらそれは構いません。ですから…お願いです。どうか子供達のためにこれ以上手を汚さないでください。」
膝と手を地につけ彼女へと深々と頭を下げた。斑鳩先輩の行動は心無い金持ちなら絶対にするはずもない行動だった。
「…なによ…なんなのよあんた…富持つ者のくせにぃ…」
そんな斑鳩先輩を見て葉月先生は涙を流して泣き叫んだ。
「んだよ…せっかく良いところまで行ってたのに…」
そんな様子を見ていたグリフォンスカルは苛立ちながらそう呟く。
「仮面ライダーリューマ…やはり奴は侮れん…いずれ陛下の妨げになる。必ず倒さなければならん」
華蛇はそう呟くとグリフォンスカルとともに静かにその場を立ち去った。
その後、浦賀グループは俺たちの手に入れた様々な不正や闇取引の証拠がきっかけとなり警察の捜査が入ることになった。もう悪さは出来ないだろう。
「ぶぁーはっはっは!!私はゴッドゾンビぃぃ!!神の前にひれ伏せぇぇぇぇぇぇ!!」
とある貧民街、白いゾンビのような格好をした竜司がステージの上で叫ぶ。
「待ちなさい!!」
すると、ノリのいい和風BGMが流れ始め、仮面をつけた斑鳩が現れる。
「黒髪なびかせ今日も舞う!人呼んでKP仮面、参上!!」
「KP仮面だとぉ…この神である私の前に立つとは…神の力を見せてやるぅぅぅ!!」
そこからぎこちない素人らしいながらも素晴らしい演技をみせ、それに子供達は目を輝かせる。そして、
「くそぉ…私の夢は…不滅ダァァァァ!!」
ゴッドゾンビは断末魔を叫びそのままステージから消えていった。そして、斑鳩は集まった子供達にお菓子を配っていく。
「みんな。最後まで見てくださってありがとう♪また必ず来るからね!それまでいい子にしてるのよ!」
「ありがとうございます竜司さん、わたくしの頼みを引き受けてくれて。」
ステージを終えた俺に斑鳩先輩がお礼を言う。
「いや〜斑鳩先輩がいきなりヒーローショーをやるって言った時は何かと思ったけど結構良いもんですね」
ラットスカルとの戦闘後、俺と斑鳩先輩は貧民街でヒーローショーを行い同時に少ないながらも寄付をするという活動をすることにしたのだ。
「これからは…わたくしに出来る範囲で何かやっていこうと思ったんです。それが偽善でも…子供達のためにできることなら…」
「だったら俺も協力するよ。子供達のためにね」
俺がニカッと笑うと斑鳩先輩は顔を赤く染める。
「竜司さん…今のはずるいです…」
斑鳩先輩は真っ赤な顔を隠すように後ろを向いた。
「竜司さん…」
わたくしはずっと誰かに与えられているだけの人生でした。ですがこれは違う。わたくしが自分の意思で手にした感情。わたくしの誰にも譲れない恋心。
「貴方のことが…大好きです。」
愛しい彼に聞こえないようにそっと静かに呟いた。
最後の方ちょっと遊びましたw
それと、設定更新しましたのでどうぞ