仮面ライダーリューマ   作:クロバット一世

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其の二十八 潜入で決戦!!の巻

「鈴音先生が裏切った?」

 

蛇邪学園最上階、道元に呼び出された炎佐達選抜メンバーは衝撃の事実を告げられていた。

 

「不覚だった。鈴音が半蔵学院出身であった事を忘れてはいなかったが…… ここを知った半蔵も、恐らく奇襲を掛けて来るだろう。お前達の手でこれを迎撃し、1人残らず殲滅せしめるのだ。」

 

道元は深刻そうな顔でそう命じる

 

(白々しい…功を焦って独断で超秘伝忍法書を奪うよう命じたのはテメェだろ…)

 

そんな道元を炎佐は憎らしく睨みつけた。

 

「どうした炎佐、返事が無いが?」

 

「…御意」

 

睨みつける道元に炎佐は目を閉じて頷いた。

 

「ふん、まあ良い… これは我が学園だけでなく、悪忍存亡の戦いと心得よ。敗北は許さん!仮にもお前達が敗北した時は…即、軛の術を発動させる!」

 

軛の術とは、術者の意のままに、術を掛けられし者の生死を操る外法の術である。

 

「誇りある我が秘立蛇邪学園を代表する忍衆よ。よもや不安もあるまいな?」

 

「背水の陣ってやつね」

 

「ふん、お戯れを。我らが負ける事などあり得ません!」

 

「せやな。」

 

「寧ろ、多少の張り合いがあると言うものですわ。」

 

「所詮、私達は軛の術からは逃れられないんだし♪」

 

「…問題ありません」

 

焔達に続いて炎佐も承諾した。

 

「炎佐、貴様はリューマの小僧を倒しドライバーを回収しろ、あれほどの力…我らが使うに相応しい」

 

「…承知しました。」

 

炎佐は静かに頷くと部屋を立ち去った。

 

 

 

 

「…大変、みんなに伝えないと!!」

 

それを隠れて聞いていた雲雀は竜司達にそれを伝えるべく動き出した。

 

 

 

 

 

「炎佐さん!!鈴音先生が裏切ったって…本当ですか!?」

 

戻ってきた炎佐に理吉は慌てて問い詰める。

 

「あぁ、それで半蔵学院の奴らがもうじきここに攻めてくるそうだ。」

 

「そんな…鈴音先生ほどの人が…どうして…」

 

鈴音先生の裏切りを知った理吉はショックで落ち込む

 

「理吉、とりあえずここに書いてある配置で今動ける忍学生を動かせ。『炎佐からの命令だ』とでも言っとけば動く筈だ。」

 

炎佐はそう言って理吉に印をつけた学園の地図を渡す

 

「は、はい!!」

 

「よし、頼んだぞ」

 

炎佐は理吉の頭を撫でるとそのまま歩き出していった。

 

「…多少予定は狂ったが…問題ねえ、あとは…」

 

炎佐はヘビ丸を携帯電話モードにして春花に連絡を入れる。

 

「春花、頼んでたやつもう出来てるだろ?すぐ持ってきてくれ」

 

『出来てるわよ、こっちはちょっと手が離せないから自分で取りに来てくれない?私の部屋に置いてあるから』

 

「…なんかトラブルか?」

 

『ええ、あの子、最初から超秘伝忍法書が狙いだったみたい』

 

春花の言葉に炎佐は立ち止まった。どうやら雲雀は最初から自分達の仲間になる気はなかったようだ

 

「…そうか、残念だな。わかった、そっちは任せたぞ」

 

『まかせて♪』

 

炎佐はそのまま電話を切ろうとした。

 

『待って』

 

しかし、春花が突然それを止めようとする。いつもと違う真剣な口調で

 

『…とうとうやるのね』

 

「やっぱ気付いてたか、俺の企みに…」

 

春花は現選抜メンバーの中でも一番炎佐と付き合いが長い、同じ師である鈴音先生の元で鍛えられてた時からの付き合いだ。やっぱりこいつは騙せないかと炎佐はため息を吐く

 

『安心なさい、誰にも言わないから。ただ…やるからには確実にやりなさい。』

 

「わかった…ありがとな春花」

 

そう言うと炎佐は電話を切り春花の部屋へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

「不味いな…思ったより警備が厳しくなってる」

 

「的確に要所要所に配置している…相手側の指揮官が優秀な証拠だな」

 

蛇邪学園近くに着地した俺達は双眼鏡で学園を見てみる。

 

「下手に潜入してもすぐに応援を呼ばれて全滅するのがオチです。」

 

「じゃあどうしたら…」

 

「ねえねえみんな、良いこと思いついたんだけど…」

 

俺は思いついた作戦をみんなに話し出した。

 

 

 

 

「しかし善忍の奴ら本当に来るのかねぇ…」

 

「さあな、でも炎佐さんが言うんだから間違いないと思うぜ」

 

警備を任された蛇邪学園の忍学生が持ち場で話している。

 

「やっぱりあの人はすごいよ、リューマってやつが出てくるより前からガリューとしてスカルを倒していたんだから」

 

「ガリューになる前の武勇伝もたくさんあるし、本当、俺達悪忍の誇りだよ」

 

「まあでもあの人のこと良く思ってない連中もいるんだよなぁ…何度もあの人の寝首掻こうとしてるみたいだし」

 

「まあでもそういう奴らはみんな炎佐さんに返り討ちにされてるけどな」

 

「あ、でもそういえば聞いたか?『あいつら』…謹慎解けたみたいだぞ」

 

「げっ…マジかよ…このタイミングで…?空気読めって…ん?」

 

すると、橋の向こうから誰かが近づいてくる。

 

「誰だお前!?」

 

警備が武器を突きつけると、

 

「秘伝忍法!!激烈拳!!」

 

「うわぁぁぁぁぁ!!」

 

竜司は秘伝忍法で警備もろとも門を吹き飛ばした。

 

「殴り込みじゃぁぁぁぁぁ!!」

 

竜司の叫び声が学園に響き渡った。

 

 

 

『こちら正門警護班!!半蔵学院の忍学生が単身乗り込んできました!!特徴からリューマの変身者と思われます!!至急応援を!!繰り返す_____』

 

「まさか…こんな作戦で来ようとは…」

 

春花の部屋から『あるもの』を取りに行った帰り道、突如聞こえた報告に炎佐は驚愕する。竜司の考えた作戦は至ってシンプル。自分が単身正門から直接派手に乗り込んで敵の注意を引きその隙に他のメンバーが別の場所から侵入するものだ、だが考えても実行するなんてありえない。そんな作戦を実行するなんてよっぽどの馬鹿しか…

 

「いや、馬鹿だからこそか…」

 

しかし、炎佐は怒りに震えながらも笑い出す

 

「上等だ仮面ライダーリューマ…その作戦、敢えて乗ってやるよ…その上でテメェを完膚なきまでに叩きのめす…そして、俺の目的の踏み石になりな…」

 

 

 

 

「行こうみんな!!」

 

その頃、竜司を除く飛鳥達は別の場所から蛇邪学園に潜入した。

 

「竜司さん…大丈夫でしょうか…」

 

「なぁーに言ってんだよ斑鳩!!」

 

心配する斑鳩に葛城は笑って返答する

 

「あいつは簡単にやられたやつじゃねえ…それはお前も良く知ってんだろ?」

 

「葛城さん…」

 

「惚れた男のことくらい信じてやれよ」

 

「なっ…/////」

 

葛城の言葉に斑鳩は顔を真っ赤にする。

 

「…そうですね、竜司さんなら大丈夫ですね。ありがとうございます葛城さん」

 

「へへっ、どういたしまして」

 

 

 

 

 

 

「くそっ!!まさかこんな真っ正面から攻めてくるなんて…」

 

「それも一人で…俺達蛇邪学園を舐めてんじゃねえぞ!!」

 

一方その頃俺は、警備の忍学生に取り囲まれていた。全員刀やクナイ、鎖鎌などを構えている。もうかなり倒したのだが中々数が減らない

 

「こっちも友達攫われてムカムカしてんだ…全員相手してやるからかかって来い!!」

 

俺も拳を構えて迎え撃とうとする。

 

「おいっ!!炎佐さんを呼んで来い!!こいつが本当にリューマだったらこれだけの人数がいても危険だ!!」

 

 

 

 

「それには及ばねぇぜ!!」

 

「っ!?」

 

突然気配を感じて躱すと俺のいた場所に銃弾が撃ち込まれていた。

 

「キキキッ、炎佐の奴…俺らを顎で使ってどんな策かと思えば…こんな間抜け面にまんまと破られるなんて情けねえな」

 

声がした方を向くと、左耳に安全ピンをつけた小柄な男、右目下にハートマークのペイントをした男、ベレー帽とメガネをつけた長身の男、顔じゅうに傷跡のあるスキンヘッドの男、長髪にサングラスをつけた大柄の男が立っていた。

 

「げえっ!?あいつらは…」

 

「MK5!!」

 

 

 

 

 

秘立蛇邪学園男子生徒達には現在大きく分けて二つの派閥がある。

一つは選抜メンバー筆頭である炎佐を尊敬するメンバーによる炎佐組、最もこの炎佐組は彼らが炎佐を尊敬して勝手にそう名乗っているだけなのだがそれでも彼を慕う連中によって絶大な規模を持っている。

 

もう一つは炎佐のことを快く思わない連中による反炎佐連合、現在の選抜メンバーは全員元々炎佐がスカウトした連中によって形成されており、それが気に食わない者達によって成り立っている。彼らは事あるごとに炎佐の寝首を掻こうとして返り討ちに遭っている。

 

そしてこいつらは、その反炎佐連合に属しているのだが…

 

あまりの残虐さにこの蛇邪学園でも近寄る者はいない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というか誰も近づきたくない奴らなのである。

いつも空気を読まずに炎佐に喧嘩を売り、頼んでもないのに炎佐の受けた任務に首を突っ込み、もうほんと空気読めない連中である。

 

もうほんと、マ(M)ジで・空(K)気読めない・5(5)人組である

 

そんなわけだから

 

「ふざけんなー!!」

 

「お前らなんかお呼びじゃねえんだよー!!」

 

「いつも炎佐さんの邪魔しやがってー!!」

 

「ひっこめー!!」

 

「空気読めー!!」

 

大ブーイングである。

 

 

 

 

「キキキッ、選抜メンバーだけが蛇邪じゃねえんだぜ」

 

そんな大ブーイングもお構いなしにMK5は竜司に近づく

 

「お前を倒せばそのドライバーは俺達の物」

 

「そして炎佐を蹴落として俺達が選抜メンバーになるのさ」

 

「ガリューに選ばれたってだけで偉そうにしてるあの目障りやろーも、あいつの子分も全て潰し」

 

「始まるのさ」

 

「俺達の伝説が」

 

 

 

   

 

 

 

 

「いや長い!!」

 

痺れを切らした竜司のパンチが炸裂した。

 

MK5嶋村(しまむら)、瞬殺

 

「お前ら誰だかわかんないし!!」

 

MK5中田(なかた)、瞬殺

 

「派閥とか俺知らないし!!」

 

MK5茶藤(ちゃとう)、瞬殺

 

「あとキャラ濃すぎるし!!」

 

MK5武宇(ブー)、瞬殺

 

「これ以上イライラしたくないんだよ…」

 

「ば、馬鹿な…」

 

 

 

 

 

「空気読めやぁぁぁ!!!」

 

MK5碇(いかり)、瞬殺

 

 

 

「え、MK5が瞬殺!?」

 

「強すぎる…」

 

「でもなんかスカッとした!!」

 

なんか鬱陶しい咬ませ犬っぽい連中返り討ちにすると周りが騒めく。

 

「お、俺達だって炎佐さんの元で鍛えてきたんだ、狼狽えるな!!」

 

「そうだ!!数ではこっちが勝ってる。確実に傷を与えて消耗を誘うぞ!!」

 

しかしすぐに持ち直して再び武器を構えてにじり寄ってきた。

 

「やるしかないか…」

 

俺は再び身構えた。

 

 

 

 

「待たせたなお前ら」

 

突然声が聞こえると、空から炎佐が飛び降りてきた。

 

「おおっ、炎佐さん!!」

 

「もうこっちのもんだ!!」

 

「俺らも加勢します!!」

 

炎佐の登場に他の忍学生達も士気が高まっていく

 

(まずいな…炎佐にこの人数が相手じゃ流石にきついぞ…)

 

「いや、お前らは他の場所へ向かえ」

 

しかし炎佐は彼らにそう指示を出す。

 

「え、炎佐さん!?それはどうして…」

 

「この数でいけば確実に…」

 

彼らも炎佐の指示に動揺する。

 

「こいつは陽動だ。おそらく他の奴らは手薄になったとこからもう学園内に入っている。お前らはそっちに回れ」

 

「炎佐さん…わかりました!!」

 

「ご武運を!!」

 

すると、彼らは炎佐の指示通りに各地へと向かった。

 

「さて、これで俺達を邪魔する奴はいない。心置きなくやれるぜ」

 

炎佐はそう言ってカグラドライバーを腰に装着する。

 

「あと、陽動作戦は悪くなかったが詰めが甘いな。一般生徒を引きつけたとしてもまだ焔達がいる。あいつらは俺があちこちから見つけてきた精鋭だ。他の奴らに倒せるかな?」

 

「勝てるさ」

 

炎佐の言葉に俺は迷わず答える。

 

「俺の仲間を舐めるなよ。みんな、俺の信用する最高の仲間だ!!」

 

俺はカグラドライバーを装着して叫んだ。

 

『ティラノ!!』『スピノ!!』

 

俺はティラノキーを、炎佐はスピノキーを起動してカグラドライバーの鍵穴に挿し込む

 

『『ドンドロロンロンドロンドロン!!ドンドロロンロンドロンドロン!!』』

 

ベルトから音楽が流れ出す

 

「「変身!!」」

 

『武装!!ティラノ!!』『武装!!スピノ!!』

 

鍵を回すとティラノサウルスの幻影とスピノサウルスの幻影が現れ互いにぶつかり合いながらそれぞれの全身を覆い、俺は仮面ライダーリューマに、炎佐は仮面ライダーガリューへと変身する。

 

「いくぞガリュー…今日こそ決着をつける!!」

 

「かかってきなリューマ…叩き潰してやるからよぉ!!」

 

2匹の竜の闘いが今始まる




すいません、ちょっと遊びましたw

反省はしていないw

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