仮面ライダーリューマ   作:クロバット一世

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其の三十 2匹の竜で大決戦!!の巻

「もう城内で争いが起こってる…」

 

学園内を走り回っているのは炎佐の舎弟の理吉である。生徒たちへの指示を終えた彼は侵入者へ対処するために仲間達と合流しようとしていた。

 

「炎佐さんに頼まれたんだ…俺だってやれば出来るってところを見せるんだ!!」

 

いつもうっかりミスで周りに迷惑ばかり、そんなんだから『落ちこぼれ』と馬鹿にされてた俺を炎佐さんは叱りはすれど決して見捨てたりしなかった。誰よりも強く周りから慕われるそんな彼に一歩でも近づきたい、そして…願うなら…

 

「…っ!?なんだ…?」

 

突然正門近くで凄まじい揺れが起きた、そちらへ振り向くと…

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

2匹の恐竜が争っている幻影が見えた。

 

 

 

 

「おりゃぁ!!」

 

「ちぃっ!!」

 

俺のファングクナイの攻撃をガリューはスピノアクスで防ぐ。すぐさま回避するとさっきまで俺のいた場所にガリューの強力な蹴りが放たれる。

 

「これでもくらいなぁ!!」

 

ガリューはさらにスピノアクスで連撃を繰り出してきた。

 

「ぐっ…このぉっ!!」

 

俺はファングクナイで全て払い除ける。

 

「ふっ!!」

 

そして不意に放たれた右ストレートをもう片方の手で防いだ。

 

「…よく防いだな」

 

「教える人が上手いからな」

 

以前の霧夜先生による特訓が役に立って良かった。師匠との特訓もしっかり活きている。

 

「だから…俺の全力を見せてやる、はぁぁぁっ!!」

 

そして俺は全身から力を放って命駆モードへと変身した。

 

「命駆モードか…そっちがその気なら…!!」

 

『ブラキオ!!』

 

ガリューはブラキオキーを起動するとカグラドライバーの鍵穴に挿し込む。

 

『ドンドロロンロンドロンドロン!!ドンドロロンロンドロンドロン!!』

 

ベルトから音楽が流れ出す。すると、ガリューの背後に巨大なブラキオサウルスが現れた。

 

「変身!!」

 

『武装!!ブラキオ!!』

 

ガリューは鍵を回して背後のブラキオサウルスへと飛び込むとブラキオサウルスは変形して仮面ライダーガリュー・ブラキオ武装になった。

 

「さぁ…思う存分楽しもうか!!」

 

「こっちは楽しみに来たんじゃなくて仲間助けに来たんだってば!!」

 

俺は命駆モードの超高速移動でガリューの巨大へと渾身のパンチを放つ、しかし、装甲が硬く少し後ろへ退がっただけであった。

 

「おりゃぁ!!」

 

「うわぁっ!!」

 

すると、ガリューは大剣を振り回して俺へと斬りつけてくる。俺はなんとか身を躱すがその斬撃は以前闘った時より遥かに速くなってる。どうやら成長しているのは俺だけではないようだ…

 

「けど…俺だって負けてねぇよ!!」

 

俺は再び高速移動をして先程と同じところへと連続攻撃を繰り出した。

 

「ちっ…このぉっ!!」

 

ガリューは俺へと攻撃してくるが俺はそれを躱して再び同じ場所へと攻撃した。

 

「お前…まさか…」

 

ガリューも気づいたようだ。どんなに硬い装甲でも同じ場所へと何度も攻撃していけばいずれ蓄積したダメージで破壊できる。

 

「この…!」

 

ガリューは咄嗟にその場所をガードする。しかしそれは悪手だ。

 

「無駄だ!!」

 

「ぐうっ…!」

 

俺はすかさず無防備になったボディに一撃を撃ち込む。

ガードを集中させれば当然他の場所はガードが甘くなる。

 

「このままいかせてもらうぜ!!」

 

俺はすかさず畳み掛ける。

 

「これで…どうだぁ!!」

 

「ぐうぅぅぅっ!!」

 

俺の渾身の一撃によりガリューの装甲にヒビが入った。

 

「へへっ…どうだ」

 

ガリューは再び立ち上がるが装甲のヒビは大きかった。

 

「やっぱりやるな…だがなあ…俺だって負けられねぇんだよ!!」

 

ガリューはブラキオ武装の中で再びブラキオキーを回す。

 

『ブラキオモード!!』

 

すると、鎧武者の姿が変わっていき巨大なブラキオサウルスの姿になった。

 

「………まじで?」

 

「強くなってるのはなぁ…お前だけじゃねえんだよ!!」

 

そう叫ぶとガリューは巨大な前足で俺に攻撃を繰り出す。

 

「このぉっ!!」

 

俺は躱すと無防備な背中へと攻撃を繰り出そうとした。

 

「甘えよ」

 

すると背中に砲身が現れてそこから光弾が放たれた。

 

「嘘ぉっ!?」

 

俺は咄嗟に躱してなんとか難を逃れた。

 

「おらよ!!」

 

「うわぁっ!?」

 

するとそこへ巨大な尻尾の一撃が俺へと迫ってきた。咄嗟にファングクナイで防ぐが吹き飛ばされてしまった。

 

「痛てて…リーチがさっきより長くなってる…てか背中に大砲ってそんなのアリか?」

 

「こいつはキョウリュウキーの中でも最強クラスのやつでな、ただ武装として使うだけじゃない…こう言う使い方も出来るんだよ。」

 

ガリューは得意げに言うと再び突進を繰り出してきた。

 

「上等だ…そっちがその気なら!!」

 

『ステゴ!!』

 

俺は命駆モードのままステゴキーを起動した。

 

「無駄だ、並の恐竜じゃブラキオに傷はつけられねえぞ。それに、その命駆モードってやつ…ティラノの形態じゃなきゃできないんだろ?」

 

ガリューの言う通りである。竜司は修行で他の武装でも命駆モードになれるか試してみたがなれなかった。どうやら自分と最もシンクロ率の高いティラノキーだからこそ出来た形態であるようだ。

 

「まぁな…でも、こういう使い方なら出来る!!」

 

『必殺の術!!』

 

俺はファングクナイにステゴキーを挿しこみ回す。

 

「必殺忍法!!激竜手裏剣斬り!!」

 

ファングクナイを振ると巨大な手裏剣の斬撃が放たれる。

 

「なにっ…!?」

 

予想外の攻撃にガリューは驚くも躱しきれずくらってしまう。

 

「ステゴだけじゃないぜ!!」

 

『パキケファ!!』

 

今度はパキケファキーを起動してファングクナイに挿しこみ回す。

 

『必殺の術!!』

 

『必殺忍法!!激竜頭突きナックル!!』

 

ファングクナイを逆手に持ってパンチを放つと強力なパキケファロサウルスの頭突きが炸裂した。

その一撃は命駆モードの状態での一撃であるため極めて強力でブラキオの装甲にたしかにダメージを与えている。

 

「驚いたな…まさかそんな使い方があるなんてな…」

 

ガリューはつくづくリューマのセンスに驚いた。自分が思いつきもしない発想で次々と新しい技を編み出していく。

 

「だけどなぁ…俺だってなぁ…」

 

ガリューは背中の砲身を竜司へと向けて叫ぶ

 

「背負ってるもんがあるんだよぉ!!」

 

『必殺の術!!』

 

ガリューがドライバーを叩くとブラキオの口が開き背中の砲身と口が光だす。

 

「必殺忍法!!破山巨竜砲!!」

 

瞬間、背中の砲身と口から凄まじい光線が放たれた。

 

「…っ!!避けきれない……!!」

 

光線の範囲が広すぎて回避出来ない…それなら…

 

『必殺の術!!』

 

『必殺の術!!』

 

俺はすぐさまファングクナイにティラノキーを挿しこんで回しドライバーを叩く。

 

「こんなのやったことないけど…やるしかない!!」

 

おそらく奴の技は今までのどの技よりも強力なやつだ。半端な攻撃では凌げない。だからこそ自分の思いつく限りで最強の技を放つ!!

 

「必殺忍法!!激竜超命駆スラァァァッシュ!!」

 

ファングクナイから放たれた巨大な斬撃とブラキオから放たれた巨大光線がぶつかり合った。

 

「ぐぐぐ……」

 

「この………」

 

両者の技がぶつかり合い拮抗している。少しでも気を抜けば押し負けるだろう

 

「負け………るかぁっ!!」

 

俺は力の限りファングクナイを振るいなんとか光線を斬り裂くことに成功した。

 

「はぁ…はぁ…本当に…強いやつだ……」

 

まだ気は抜けない、まだガリューを倒せていない。俺は再び臨戦体制になって目の前にいるブラキオの巨大に身構えた。ブラキオはまだ稼働しておりこちらを睨みつけている。

 

「さあ来いよガリュー…俺はまだ動けるぜ…決着をつけようか!!」

 

 

 

 

 

 

 

「いいや、これで終わりだよ」

 

突然ガリューの声と共に背中に激痛が走った。

 

「がっ……」

 

突然の不意打ちに俺は対処しきれず倒れてしまった。

 

「そ…そんな…どうやって」

 

奴が入っていたブラキオはまだ目の前にいるのに…

 

「何も難しくねえよ。お前に最近散々うちの仲間が見せた術だよ」

 

そう言ってガリューが見せたのは右手についた腕輪であった。そしてガリューが指を動かすと微かに糸のようなものが見える。

 

「それってまさか…傀儡…?」

 

俺の言葉にガリューは頷く

 

「俺は春花程じゃないが傀儡の術を覚えててな、加えて春花に調整してもらったこの忍具で恐竜の力を傀儡で操れるようにしたんだよ。最後の必殺忍法を放つ際…俺だけブラキオから抜け出してお前に隙が出来るのを待ってたのさ」

 

ガリューはそう言いながら俺のカグラドライバーを取り上げると自分のカグラドライバーに近づける。

 

「さぁガリュー…お待ち兼ねの時間だ、リューマの力を残さず喰らいな」

 

ガリューはそういうと自分のカグラドライバーに俺のドライバーをかざす。すると俺のドライバーからオレンジ色の光が溢れ出しガリューのドライバーへと流れ込んでいった。

 

「な、なにを…」

 

「悪いなリューマ、お前の力…俺がいただくぞ」

 

すると、俺のカグラドライバーは石のような鈍色になって地面に落下してしまった。

 

「今このドライバーに宿っていたリューマの鎧の力…その全てをガリューの鎧へと取り込ませた。それはもう力の欠片もない…ただの絞りカスだ」

 

「そんな……!!」

 

衝撃の事実に俺は動揺した。

 

「鈴音先生はお前たちを成長させることで俺たちと互角に戦えるようにするつもりだった…それは俺にとっちゃ都合が良かったんだよ。お前が強くなればなるほど…その力を奪った時、俺はさらに強くなれるからな。」

 

「なんで…俺の力を…」

 

「どうしても必要だったんだよ……道元を殺すためにな」

 

「なっ……!?」

 

ガリューの言葉に俺は驚きを隠せなかった。

 

「どういうことだ!?道元はお前たちの仲間じゃないのか!?」

 

「……お前が知る必要はない。どのみちお前には力がないんだからな」

 

そう言ってガリューはそのまま立ち去ろうとした。

 

 

 

 

 

『炎佐、俺たちは悪だ…悪として生まれたものは絶対に善になれない…闇の世界に生きるものは、決して光の世界では生きられない』

 

思い出すのは、俺に忍の技を教えてくれた父のことだ。

 

『だがそれでいい、悪だからこそ出来ることがある。闇の世界に生きるからこそ救える命がある』

 

父は常に俺にそう教えてきた。自分たち悪忍のあり方を…存在の意義を…

 

『誇れ炎佐、悪であることを…闇に生きるものたちを、守れる力があることを…』

 

『はい、父上』

 

俺が返事をすると父は優しく微笑んだ

 

『お前は俺の誇りだ炎佐』

 

誰よりも誇り高く強い父は俺の憧れだった。

 

 

 

 

 

父が命を落とした。

俺は信じられなかった。誰よりも強い父が、誇り高い悪忍であった父が死んだことが…

父の死後、俺は独自に父の死の真実を調べた。真実を知るために…

 

父の死を調べて少し経ったある日…俺は父がある男について調査していたことがわかった。その男は道元、悪忍の世界では名の知れた資産家で悪忍育成機関に多額の出資をしている男だ、しかしこの男は金のためなら手段を選ばず裏で人道に反することなどもしているらしい。そして、奴が裏である存在と通じている可能性があることを突き止めたそうだ。

スカル…かつて日本を滅ぼそうとした異形の怪物たち、手練れの忍をも倒す存在。 

 

力がいる…そいつらを倒す力が…奴を…道元を殺す力が…

 

 

 

蛇邪の忍教師を新たな師として弟子入りし、蛇邪学園で当時の選抜メンバー筆頭を倒して新たな選抜メンバーになった。そして腕の立つ奴らを同じ選抜メンバーとして迎えそしてとうとうガリューの力を手に入れた。奴らに対抗する力を…だがそれだけじゃ足りない、奴らを倒すには…もっと力が…

 

善忍たちにはリューマの鎧というガリューと同じ力がある。その力を手にすれば…奴らを倒せるなら…手段を選ばない…

 

 

 

   

「これがリューマの力…こりゃすげーな」

 

ガリューは体に宿ったリューマの力に歓喜する。

 

「感謝するぜリューマ、お前の力で俺は強くなれた。」

 

そしてガリューは歩き出す、道元を殺しに。春花にバレたのは想定外だったが長い付き合いが功を奏して見逃してもらえたのはよかった。

 

「見てろよ…必ず奴を殺して…」

 

 

 

 

 

「まてよ」

 

突然声が聞こえた…いや、誰かはわかる

 

「お前がなんでそんなことをするのかわかんないけど…」

 

そこには奴がいた真っ直ぐな目でこちらを見つめるアイツが

 

「そこから先に行かせちゃいけないのはわかる!!」

 

 

 

「そうだよな…力を奪われたくらいで…諦める奴じゃねえよな…」

 

ほんとにムカつく奴だ…闇の世界も碌に知らない奴のくせに…まっすぐと俺を見つめるこいつが…世界一カッコイイ忍者なんてもんを目指すこのバカが……でも

 

「だったらどうする?」

 

 

 

 

 

「お前を止める!!」

 

そんなこいつが嫌いじゃない自分がいる

 

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