仮面ライダーリューマ   作:クロバット一世

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其の三十一 意地と決着!!の巻

「これが目的だったのね炎佐…」

 

蛇邪学園の天守閣の屋根の上、鈴音は炎佐と竜司の闘いを見つめながら呟いた。

 

「リューマを倒し、その力を取り込むことでさらなる強さを手にする…そのために私の計画に手を貸したのね」

 

炎佐はリューマのカグラドライバーから力を取り込んでいた。

 

「良いわ、その力を手にした貴方が超秘伝忍法書に選ばれたとしたらきっと…」

 

「これがお前の望んだことか?」

 

ふと声がした方を向くと、そこにはかつての自身の恩師である霧夜が立っていた。

 

「自分の生徒が心配みたいね」

 

「いや、お前に会いに来たんだ凛」

 

霧夜の言葉を聞くと鈴音は再び炎佐の方へと目をやる。

 

「これは、証明よ。任務に失敗し、死に掛けた時、本当の強さは悪にこそある。私はそう悟った。それを証明したかったの。あなたの育てた生徒に勝つ事でね。そしてその悲願が炎佐によってまもなく成就しようとしてる。リューマの力を取り込んだ炎佐…ガリューなら、道元を倒して私の目指すスーパーニンジャに…」

 

道元の独断専行は想定外だったが今の炎佐なら奴を倒すことができる。そんな確信が鈴音にはあった。

 

「やはり今回の一件、道元の企みだったか」

 

「ええ、奴は陰と陽の超秘伝忍法書を一つにしてその力を自分のものにしようとしている。」

 

「バカな!陰と陽を1つにするのは、忍最大の禁忌だ!」

 

「問題ないわ、今の炎佐は誰よりも強い。あの子ならきっと…」

 

「否、竜司もいる」

 

ふと声がするとそこには大道寺がいた。

 

「この闘い、あやつの力が必要になる」

 

「彼は力を失ったわ…もう闘うことなんて」

 

「こんなことではあやつは折れん、力を失った程度では諦めんよ。なんたって…我の弟子なのだからな…」

 

 

 

 

 

「俺を止める…か、だったらやってみろよ!!」

 

ガリューは俺へと体を向けるとニヤリと笑いながらこちらにスピノアクスを向ける。

 

「いくぞ!!」

 

俺は拳を握りしめてガリューへと殴りかかった。ガリューはスピノアクスでガードしようと身構える。

 

「ぐっ!?」

 

しかし、ガリューはその力の強さに思わず半歩退がった。

 

「この力…どうなってる?」

 

リューマの力は完全に奪った筈だ。なのに竜司から溢れている力は間違いなく恐竜の力である。

 

「お前…いったい何をした?」

 

「ドライバーだけが仮面ライダーの力じゃねえんだよ」

 

竜司の手をよく見るとティラノキーが握りしめられていた。

 

「驚いた…まさか鍵から直接恐竜の力を引き出しているのか」

 

確かにキョウリュウキーには恐竜たちの凄まじい力が込められている。だがそもそもカグラドライバーはその力を人間が使用できるようにするためのもの、つまり鍵があっても人間に恐竜の力は使えない

 

「大したもんだよ、やっぱりお前はただもんじゃねーな」

 

「お褒めの言葉どーも!!」

 

『ティラノ!!』

 

俺はティラノキーを起動して炎佐に殴りかかった。

 

「ちぃぃぃっ!!」

 

「おりゃぁ!!」

 

俺の連撃を炎佐はガードしながら後退する。

 

「舐めるな!!」

 

「ふっ!!」

 

炎佐は反撃とばかりにスピノアクスを振り回してくるがそれを回避する。

俺は再びティラノキーを握りしめた右手でガリューを殴りつけた。

 

「ぐぉっ!?」

 

ボディに俺の一撃を喰らったガリューは吹き飛ばされる。

 

「いくぞティラノ!!」

 

俺はティラノキーの力を限界まで引き出して拳に力を蓄えた。

 

「いっけぇぇぇぇぇぇ!!」

 

渾身の力を込めた拳をガリューに叩きつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「良い一撃だったぞ」

 

しかし、ガリューはその拳の一撃を難なくガードした。

 

「マジ…かよ」

 

「残念だったな、土壇場でここまで力を発揮したのは見事なもんだが、こんな急拵えの技で倒せるほど今のガリューは甘くないぜ」

 

するとガリューは体から赤とオレンジ色のオーラを一気に放出した。

 

「うわぁぁぁぁぁ!!」

 

その衝撃は凄まじく俺は勢いよく吹き飛び壁に激突した。

 

「感謝するぜ竜司、お前のおかげで俺は最強の忍になれた。もうお前に用はない」

 

そういうとガリューは俺に背を向けて立ち去ろうとした、

 

 

 

 

「ほんとにすごい力だ、制御には時間がかかりそうだが…道元を倒すには十分だ」

 

ガリューは自分から溢れる力に驚きを隠せずにいた。

 

「父上…あんたの無念は俺が晴らす。だからもう少し待ってくれ」

 

 

 

 

瞬間、誰かが足を掴んだ。

 

「待て…よ」

 

竜司だ、彼はボロボロになりながら足を掴んでいる。

 

「お前にもう用はない。そう言ったろ?」

 

ガリューはそう言って歩き出し竜司の手を振り解く、しかし竜司はそれでもなおガリューの足を掴んだ。

 

「待てって…いって…るだろ…」

 

「いい加減にしろ!!」

 

ガリューは叫びながら竜司を蹴り飛ばす

 

「往生際が悪いんだよ!!もう勝負はついたんだ!!もうテメェは仮面ライダーじゃねえんだよ!!諦めろよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「関係…ねえんだよ…」

 

ガリューが叫ぶと竜司はそう言いながらふらふらと立ち上がる

 

「力があるとかないとか…そんなの…関係ねえんだよ」

 

ボロボロになりながらもその目は真っ直ぐとガリューを睨みつけていた。

 

「俺は…『世界一カッコイイ忍者』になることが目標なんだ…ただ強いだけじゃない…変身する力があるからじゃない…自分の信じるもののために…目標のためにまっすぐ歩いて闘い続ける、そして守りたいものを絶対に守る!!それが俺の目指す『世界一カッコイイ忍者』なんだ!!こんなところで寝てなんかいられないんだよ!!」

 

 

 

 

「……ああそうかよ、それならもう容赦しねえぞ」

 

『必殺の術!!』

 

ガリューがドライバーを叩くと全身から赤とオレンジ色のオーラが出てガリューを包み込む

 

「必殺忍法!!煉獄炎竜蹴り!!」

 

ガリューは飛び上がり強力な蹴りを俺に向けて放った。

 

「負けるかぁぁぁ!!」

 

『ティラノ!!』

 

俺は再びティラノキーを起動して拳に力を纏って放った。

 

「ぐぅぅぅぅ…!!」

 

しかし、ガリューの一撃は凄まじく徐々に押されていく

 

「これで終わりだ…諦めろ!!」

 

勝利を確信したガリューは竜司にそう叫ぶ

 

「諦めるわけ……ねえだろうがぁぁぁ!!」

 

だけど竜司は諦めない、今も闘ってる仲間のために…そして、自分の目指す『世界一カッコイイ忍者』になるために!!

 

 

 

 

    

その時、竜司の前に何かが竜司を守るように現れた。

 

「これは…カグラドライバー!?」

 

それは先程ガリューに力を奪われたリューマのカグラドライバーだった。

 

「どうなっている…なんでそれが…」

 

動揺するガリューを無視してカグラドライバーは吸い込まれるように俺の腰に装着される。

 

「え…?」

 

瞬間、目の前が真っ白になった。

 

 

 

 

 

 

「ここは…?」

 

ふと気づくと、俺は森の中にいた。そこは美しい緑が生い茂りどこからか鳥の声が聞こえた。

 

「あれ?」

 

よく見ると目の前に誰かがいる、何故か顔は見えないが自分ほどの背丈の男性であることだけは分かった。

 

「あなたは一体…」

 

『お前が望むなら…力を貸そう』

 

男はそう告げ俺に向かって手を伸ばす。

 

「…あぁ、力を貸してくれ!!」

 

この人が誰なのか…何故かそれはすぐにわかった。そして俺は差し出されたその手を見て迷わず握りしめた。何故なら、その人からとても優しく温かい気配を感じたから

 

 

 

 

「うぉぉぉぉぉ!?」

 

突然竜司の前に現れたカグラドライバーから放出されたエネルギーにガリューは思わず吹き飛ばされる。

 

「なんでだ…?カグラドライバーの力は奪った筈なのに…なっ!?」

 

煙が晴れた先から現れたのは腰に力を奪われて鈍色になったカグラドライバーを装着した竜司が立っていた。

 

「一緒に戦ってくれ…相棒!!」

 

『グォォォォォ!!』

 

竜司の言葉に答えるようにカグラドライバーから雄叫びが聞こえ元のオレンジ色へと輝きを取り戻した。

 

「馬鹿な!?リューマの力は完全に奪った筈だ!!いったい何をした!?」

 

「…俺にもわかんね」

 

取り乱すガリューに竜司は笑みを浮かべて答える。

 

「でも、これでまた戦える!!」

 

『ティラノ!!』

 

俺はティラノキーを起動してカグラドライバーに挿し込む

 

『ドンドロロロンロンドロンドロン!!ドンドロロンロンドロンドロン!!』

 

ベルトから音楽が流れ出す。

 

「変身!!」

 

『武装!!ティラノ!!』

 

ドライバーの音声と共にティラノサウルスの幻影が現れ俺を包み仮面ライダーリューマへと変身した。

 

「仮面ライダーリューマ堂々復活!!いざ、舞い忍ぶぜ!!」

 

 

 

「…まぁいい、だったらお前をもう一度倒して…今度こそ完全にその力をいただくまでだ!!」

 

ガリューはそう叫ぶとスピノアクスを振り上げて俺に斬りかかってきた。

 

「ふっ!!」

 

「ぐあっ!?」

 

しかし、俺はそれよりも早くガリューを殴り飛ばした。

 

「このっ…それなら!!」

 

『ブラキオ!!』

 

ガリューがブラキオキーを起動すると巨大なブラキオサウルスが現れた。

 

「いけぇっ!!」

 

『グォォォォォ!!』

 

ガリューが右手を前に出して命じるとブラキオサウルスは唸り声を上げながら俺へとのしかかってきた。

 

「うぉぉぉぉ!!」

 

しかし、俺はブラキオの前足を殴ってのしかかりを弾き返した。

 

「なにっ!?」

 

「せいやぁっ!!」

 

驚いたガリューへと俺は連続攻撃を繰り出し流石のガリューもそれに耐えきれず壁に激突する。

 

 

 

 

 

「そんな…馬鹿な…あいつのどこにそんな力が…」

 

ガリューはフラつきながらリューマの力に驚愕した。例え力を取り戻したとしても今の自分にはリューマから奪った力もある。だというのに今のリューマの力は以前とは比べ物にならない強さである。

 

「いや…まさ…か…」

 

その時、ガリューはある一つの答えに辿り着いた。

 

(奴は今までそのずば抜けたセンスでリューマの力を使ってきた。そのセンスで俺が思い付かないような戦い方を思いついてきた…)

 

だが…もし奴が今までそのセンスのみでリューマの鎧を使っていたとしたら?もし先程の戦いで、完全にドライバーを使いこなしたとしたら?

 

(これが奴の…仮面ライダーリューマの…本当の実力…!!)

 

侮っていた訳ではなかった…だが、リューマの才能は自分が予想したより遥かに凄まじいものだったのだ

 

「俺は…こんなところで…」

 

その時、ガリューの脳裏に浮かんだのは自身に忍の技とあり方を教えてくれた父のこと、そしてこんな自分を信頼して今日までついてきてくれた仲間たちの顔だった。

 

「負けられないんだぁぁぁぁぁ!!」

 

『必殺の術!!』

 

ガリューはカグラドライバーを叩くとブラキオサウルスが背後に立ちそこへガリューが飛び上がりキックの構えをする。

 

「必殺忍法!!煉獄破竜蹴りィィィィ!!」

 

ブラキオサウルスの口から光線が放たれそれによって推進力の増したガリューのキックが放たれた。

 

「お前にも譲れないもんがあるんだな」

 

『必殺の術!!』

 

俺は命駆モードになるとカグラドライバーを叩き全身にオレンジ色のエネルギーを纏う

 

「でも、それは俺も同じ!!」

 

俺は飛び上がりガリューへと渾身のキックを放つ

 

「必殺忍法!!激竜命駆キック!!」

 

ガリューとリューマ、2人のキックがぶつかり合いその衝撃で木や岩が崩壊する。

 

「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

「ぐぅぅぅぅぅぅっ!!」

 

両者のキックが拮抗する

 

『________________!!』

 

「っ!!」

 

瞬間、俺の頭に声が聞こえてその内容に驚愕する。

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そして俺は更に力を放ち徐々にガリューを押していく

 

「せいやぁぁぁぁぁっ!!」

 

そしてとうとうガリューへとキックが炸裂した。

 

「ば……馬鹿なぁぁぁぁぁぁ!!」

 

俺の一撃はそのままガリューと共に天守閣近くの壁へとぶつかった。

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

城の中へと入った俺は変身を解除する

 

「さて、炎佐の奴は…」

 

「どういう…ことだ?」

 

声がしたそこには変身を解除した炎佐がいた。

 

「何故途中で手を抜いた?さっきの必殺忍法…情けをかけたつもりか?」

 

あの時、俺は放出した力は必殺忍法の力を上げるためでなく推進力に変えて壁にぶつけるためにしたものだ。炎佐もそれに気づいたみたいだ。

 

「あのままやっていれば問題なく俺を倒せていた…なのに何故…」

 

「だってお前達……負けたら死んじゃうんだろ?」

 

 

 

 

『みんな戦っちゃダメ!!蛇邪の人たちは戦いに負けると命を失っちゃう術がかけられてるの!!』

 

あの時、俺の頭に雲雀の念話が聞こえてきた。それを聞いて俺は炎佐へとダメージを最小限にするように調整したのだ。

 

「俺たちはあくまで雲雀を助けにきたんであってお前らを倒しにきたんじゃないんだよ」

 

「本気で言ってるのか?俺たちは敵だぞ」

 

「それでもだよ」

 

炎佐の問いに俺は迷わず答える。

 

「敵だから死んでも良いなんてそんなの俺の目指す忍じゃない。だから…これで良いんだ」

 

「お前、馬鹿だな」

 

「かもね」

 

呆れる炎佐に俺は笑ってそう答えた。

 

 

 

 

 

 

「なかなか楽しい見せ物だったよ炎佐」

 

ふと、声が聞こえてそちらを向くとスーツ姿ので隻眼の男が笑みを浮かべながら立っていた。

 

「あいつは確か…道元」 

 

そう、奴こそ神門様が言っていた道元、今回の事件の黒幕であった。

 

「道元…テメェ…」

 

炎佐は道元を見ると怒りを露わにして睨みつける。

 

「お前たちの戦いに共鳴し二つの超秘伝忍法書に力は限界まで引き出された!!感謝するぞ!!」

 

瞬間空中に二つの超秘伝忍法書が浮かび上がり光り輝く

 

「さぁいよいよ始まるぞ!!私の完璧な計画がなぁ!!」

 

「一体…何が始まるって言うんだ…!!」




遂に動き出した道元の野望!!
道元の「完璧な計画」とは!?
竜司達の運命やいかに!?
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