仮面ライダーリューマ   作:クロバット一世

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今日は3月3日!!ひな祭りです!!
こち亀の両さんの誕生日!!あと興味無いと思いますがうちのキャラクターの理吉君の誕生日です。


其の四十 約束と救出!!の巻

「飛鳥の体に…スカルが…!?」

 

ウルフスカルの正体に俺は驚きを隠せずにいた。

 

「コノカラダ…キニイッタ…コレカラハ…オレガツカウ…」

 

「んな事……俺が許すか!!」

 

俺は両手に竜巻を纏ってウルフスカルへと連続パンチを繰り出す。

 

「グゥゥ…!!あぁぁぁぁ!!」

 

すると、ウルフスカルから飛鳥の苦しむような悲鳴が聞こえて来る。まるで俺の攻撃が飛鳥に伝わっているかのようだ。

 

「やめといた方が良いですよ」

 

すると、華びやかな服を纏った金髪の男ドラゴンが目の前に現れた。

 

「このスカルを倒せば……貴方のお友達は死にます」

 

「なっ!?」

 

俺はドラゴンから告げられた衝撃の言葉に驚愕した。

 

「今ウルフスカルキーは彼女の魂に憑依しております。その状態で鍵を壊したりしたら…彼女の魂は永遠に失われるでしょうね。尤も…もうここまできたら彼女が死なない限りは鍵は取り除けませんけどね…まぁこのまま放っといても彼女の自我を喰らってウルフが体を完全に支配するだけですが」

 

「そんな……」

 

スカルキーを破壊すれば飛鳥は死ぬ…でも放っといてもウルフスカルキーに飛鳥が支配される…どうしてそんな事に…

 

「それにしても……一気にここまで成長するなんて、なかなか良い依代を見つけられて良かったですよ」

 

「なに…?」

 

俺はドラゴンの言葉に反応した。

 

「出来ればこのまま放っといてもらいたいですね。偶然できた実験台ですが…なかなか愛着があるので」

 

「そんな事…させるかぁぁぁ!!」

 

俺は怒りに身を任せながらドラゴンへと殴りかかる。

 

「やれやれ…争いごとは苦手なんですが…」

 

『ドラゴン!!』

 

ドラゴンは腰にスカルドライバーを腰にはめドラゴンスカルキーを起動して腰にはめる。すると、スカルドライバーの髑髏の口からどす黒い泥が噴き出しドラゴンの体を包み込むと金色の西洋竜のような鎧を纏ったスカル、ドラゴンスカルへと変身した。

 

「陛下の為にも…貴方にはここで消えてもらいましょうか!!」

 

ドラゴンスカルは金色の大剣を両手で持つと刀身に黒い炎を纏わせて俺に斬りかかってきた。

 

「はあっ!!」

 

「ふっ!!」

 

俺の拳とドラゴンスカルの剣が衝突する。その衝撃で辺りの木々が揺れガラスが割れる。

 

「なるほど…このパワー…デスドラを倒しただけのことはある…ですがそんな頭に血が昇ってる状態では簡単に攻撃を読めますよ!!」

 

「うわぁっ!!」

 

俺は一瞬の隙をつかれて黒炎の斬撃を食らって吹き飛ばされてしまう。

 

「このぉっ!!邪魔をするなぁぁぁ!!」

 

俺は叫びながら竜巻を纏った高速移動でウルフスカルの方へといこうとする。

 

「だから読みやすいって言ってますって」

 

「がはっ!?」

 

しかしドラゴンスカルは高速で動いて俺の目の前に立ち黒炎を纏った掌打によって壁に叩きつけられて変身を解除してしまった。

 

「貴方は面倒ですからね…ここで始末させてもらいましょうか」

 

ドラゴンスカルは大剣の先端を俺に向けながらゆっくりと近づいてくる。

 

 

 

 

 

 

「ドラゴン、彼を殺すのはやめてくれるかい?」

 

すると、いつの間にかドラゴンスカルの背後に弥勒が立ってドラゴンスカルの肩を掴んでいた。

 

「陛下…」

 

「彼には出来れば僕の仲間になってほしいんだ。だからここでは彼を殺さないでほしいな」

 

「…どうでしょうか?彼が我らに協力するとは思えません。ここで始末した方が良いと思いますよ?」

 

ドラゴンスカルはそう言いながら剣を再び俺へと向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺はやめろと言ったぞヨハネ」

 

瞬間、弥勒から凄まじい殺気が溢れ出てきた。ふと見ると彼に掴まれた肩の鎧にヒビが入っていた。

 

「…………っ!!」

 

その殺気にドラゴンスカルは思わず体を硬らせる。

 

「ヨハネ…頼むよ」

 

「わ、わかりました…」

 

ドラゴンスカルは変身を解除してヨハネと呼ばれる金髪の男の姿へと戻った。

 

「それじゃあウルフを回収してくれるかい?あとは調整していけば力は安定してくると思うんだ。」

 

「わかりました。」

 

ヨハネは弥勒の命令に頷くと黒いゲートを生み出してそこへウルフスカルを連れて行く。

 

「それじゃあね竜司くん」

 

弥勒は倒れる俺にそう言うとゲートの中へと消えていった。

 

「あす……か……」

 

俺はそのゲートに手を伸ばし…意識を失った。

 

 

 

 

「竜司!!飛鳥!!どこにいる!?」

 

ヨハネと弥勒が立ち去ってから暫くすると、霧夜が慌てながらやって来た。

 

「なっ…これは…」

 

そこには傷だらけの状態で竜司が倒れており辺りはあちこち壊れていて戦いの壮絶さを語っていた。

 

「竜司!!しっかりしろ!!竜司!!」

 

霧夜は竜司に駆け寄り必死で彼を揺さぶったが微かに呼吸をしているだけで満身創痍だった。

 

 

 

 

 

 

 

「あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

弥勒達のアジトで両手を鎖に繋がれた飛鳥の悲鳴が響いた。そこではヨハネが彼女の中にあるスカルキーを調整しておりその周りに華蛇と朱音、その奥に弥勒がおり成り行きを見ていた。

 

「これでスカルキーは完全に彼女に定着しました。時間と共に彼女の自我を食らって進化するでしょう」

 

「そうか、それは楽しみだ。2人も手伝ってくれてありがとう」

 

「もったいなきお言葉です」

 

「うふふ」

 

弥勒の言葉に華蛇は頭を下げ、朱音は嬉しそうに笑った。

 

「暫くしたらまた外に放ってくれ」

 

「リューマの妨害があると思いますが?」

 

「その時は君達に任せるよ。尤も…彼らにはもう何も出来ないと思うけど…」

 

そう言うと弥勒は後ろを向いてその場を去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

「う…うう…」

 

「竜司、気づいたか!?」

 

俺が目を覚ますと霧夜先生がそれに気づいて駆け寄ってきた。

 

「竜司…一体何があったんだ?飛鳥は…」

 

「今……伝えます…みんなを呼んでください」

 

 

 

 

 

 

 

「そんな…飛鳥さんが…」

 

「マジかよ…」

 

俺から何が起こったのかを聞いたみんなはその衝撃の事実に言葉を失った。

 

「あいつ言ってたんだ…スカルキーは飛鳥の魂に憑依していて、取り除こうとすれば飛鳥は死ぬって…」

 

「でもこのままでは飛鳥さんの自我は失われてしまう…」

 

「くそっ、何か手はねえのかよ」

 

「どうすれば…」

 

「飛鳥ちゃん…」

 

 

 

 

 

『なるほど…そのようなことが…』

 

「はい…」

 

霧夜は神門へと連絡を入れた。彼女は辛そうに目を瞑ると意を決したように目を開く。

 

『霧夜殿、竜司さんに指示を…直ちにスカルを発見しこれを討伐するようにと』

 

「…やはりそうですか」

 

神門の決定を察していた霧夜は辛そうにそう呟く

 

『このまま放っておいたらスカルはロードスカルに進化して奴らの戦力を増やす事になってしまいます。そうなる前に鍵を破壊してそれを阻止しなくてはなりません…辛いと思いますが、これは命令です』

 

その言葉は1人の少女としてでは無い善忍最高幹部の1人としての冷たい一言だった。

 

「わかりました」

 

霧夜は彼女の決定に頷くと1人その場を離れていった。

 

 

 

 

「はぁ……」

 

霧夜が立ち去ったあと、神門は椅子の背もたれに寄りかかりため息を吐きながら隣に立つ護衛に声をかける

 

「私は…酷い人でしょうね」

 

「いいえ、こればかりは仕方ありません。我々は忍、いついかなる時も死を覚悟しなくてはならないのですから…」

 

「ですが…」

 

その目は先ほどとは打って変わって後悔と悲しみが溢れ噛み締めた唇からは血が流れていた。

 

「…誰かの死を悲しめるだけ、貴方は優しいですよ」

 

そんな彼女を見て護衛の男は聞こえないように呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

「飛鳥を…!!」

 

「そんな!!」

 

俺達は霧夜先生から告げられた神門様の決定に驚愕した。

 

「それじゃあ飛鳥さんはどうなるんですか!?」

 

「アイツがどうなっても構わねえって言うのかよ!!」

 

納得のいかない決定に斑鳩先輩とかつ姉が食ってかかる。

 

「これは決定事項だ!!もう……決まったことなんだ」

 

しかし、霧夜先生はそんな俺達にピシャリといった。その顔はとても辛そうでまさに断腸の思いであることが俺達にもわかった。

 

「先生……」

 

そんな霧夜先生の顔を見て俺達はそれ以上何も言えなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はスカルを探す為に街を歩き回っていた。

他のみんなもあちこちに散らばり手分けして探している。

 

「スカルを倒したら飛鳥は死ぬ…でも、このままじゃ飛鳥はスカルに殺されてしまう…」

 

どっちに転んでも飛鳥は永遠に失われてしまう。まさに八方塞がりだ

 

「どうすれば良いんだ……」

 

prrrrrrr…prrrrrrr…

 

するとスマホモードになっているガマ吉が鳴り出した。誰からの電話なのか確認する為に俺はガマ吉を取り出して画面を見た。

 

《飛鳥》

 

「え…?」

 

そこに出ていた名前を見て俺は驚き慌てて通話モードにする。

 

「飛鳥…!!大丈夫か!?今どこに…!!」

 

『…りゅーくん?』 

 

聞こえてくる飛鳥の声はか細く弱々しかった。

 

「飛鳥…!!今どこにいるか教えてくれ…!!今助けに…」

 

『りゅーくん…お願い…私を倒して』

 

「なっ!?」

 

飛鳥からの頼みに俺は声を失う。

 

「何言ってるんだよお前…そんなこと…」

 

『わかってるの…私の中に入ってるスカルが…どんどん私を支配してくるのが…このままじゃ…私は私じゃなくなっちゃう…』

 

その声は震えていて涙を堪えているのがわかった。

 

『私…スカルになんかなりたくない…!!りゅーくん達を傷つけたくない…だから!!』

 

「何弱気なこと言ってるんだよ!!」

 

俺は明るい声で大きく飛鳥にそう叫ぶ。

 

「そんなのさ……俺の知ってる飛鳥じゃねえぞ!!いつものお前なら、こんなことじゃ諦めねぇ!なにくそって最後まで足掻き続けるだろ!!」

 

『りゅーくん…』

 

「お前はぜってースカルになんかならねえ、俺が必ず助ける!!約束だからさ…諦めんなよ」

 

その言葉を聞いて飛鳥は涙を拭い声が明るくなる。

 

『そうだね…ここで諦めてたら、じっちゃんに怒られちゃうよ!!』

 

「そうそうその調子、それでこそ俺の知ってる飛鳥だぜ!!」

 

少し明るい口調になった飛鳥の声を聞いて俺は安心して言葉を続ける。

 

「飛鳥、それじゃあ今お前がいる場所を教えてくれ。必ず助けに行く」

 

『うん、ここは…』

 

「ありがとう、必ず助けに行くから待ってろよ」

 

そうして飛鳥から場所を聞いた俺は電話を切った。

 

「…………よし!!」

 

さっきから溢れていた涙を拭って俺は動き出す。

 

 

 

 

「りゅーくん……ありがとう」

 

廃工場に蹲っていた飛鳥は電話を切った。竜司の励ましの言葉は折れていた彼女の心を掬い上げていた。

 

「そうだね…諦めたら私らしく無いよ。こんなところで…うっ!!」

 

突然の痛みに飛鳥は胸を抑える。自分の中にいるスカルが徐々に体を蝕んでくる。

 

「絶対に…負けるもんか……私は……あぁぁぁぁぁ!!」

 

必死に抑え込もうとするが胸元に現れた鍵穴からどす黒い泥が溢れて飛鳥を包み込みウルフスカルへと変貌した。

 

「ちっ……往生際の悪い奴だ。さっさと俺に体をよこせってんだ」

 

「だいぶ成長しましたねウルフ」

 

すると、拍手が聞こえてヨハネが暗闇から現れた。

 

「あぁ、あんたか。お陰様で体はだいぶ馴染んできたぜ」

 

「まだ抵抗しているようですが…それも時間の問題でしょう」

 

「最初の依代だったあのゴロツキは話にならなかったが…まさかそのあとすぐにこんな良い依代に巡り合えるとは思わなかったぜ」

 

ウルフスカルは手を動かしながらニヤリと笑った。

 

「そういえば先ほどリューマの小僧を呼び出してたようですが?」  

 

「ん、あぁ…この女がな。こいつまだあの野郎を信じているみたいだな…まったく馬鹿な女だぜ」

 

「…ちょうどいい、その女のフリをして奴を始末しなさい。人の姿にもなれるでしょう?」

 

「まあな、こんな感じか?」

 

そう言うとウルフスカルは変身を解除する。そうすると、飛鳥の姿に変わる。しかしその目は紅く肉食獣のような獰猛な顔をしていた。

 

「けど良いのか?あの陛下って奴には殺すなって言われてんだろ?」

 

「奴は始末する必要があります。貴方がロードになれば陛下も納得するでしょう」

 

ヨハネはニヤリと笑いながらウルフスカルにそう言った。

 

 

 

 

 

「とはいえ……まだ方法は見つかって無いんだよな……」

 

飛鳥と約束した俺は飛鳥に言われた場所へと向かっていた。しかし、約束したとはいえまだ飛鳥を救う方法は見つかっていない

 

「どうすれば…」

 

このままじゃ飛鳥の自我はスカルに乗っ取られる。かと言って鍵を取り除こうとすれば飛鳥が死んでしまう

 

『今ウルフスカルキーは彼女の魂に憑依しております。その状態で鍵を壊したりしたら…彼女の魂は永遠に失われるでしょうね。尤も…もうここまできたら彼女が死なない限りは鍵は取り除けませんけどね…まぁこのまま放っといても彼女の自我を喰らってウルフが体を完全に支配するだけですが』

 

「………?」

 

ヨハネの言葉を思い出してた時、俺は何かに引っかかる…何か大事な事を見落としてる

 

『彼女が死なない限りは鍵は取り除けませんけどね』  

 

「あっ…!!」

 

閃いた。これだ、これなら飛鳥を救えるかもしれない…!!

 

 

 

 

「飛鳥、来たぞ!!」

 

飛鳥に言われた場所に来た俺は飛鳥に呼びかける。

 

「りゅーくん!!」

 

すると飛鳥が笑顔で駆け寄ってきた。

 

「飛鳥、スカルは…?」

 

「うん、今はなんとか抑え込んでる。りゅーくんが私を励ましてくれたおかげ」

 

「そっか、それはよかった。とりあえず一度霧夜先生のところへ行こう。きっと何か対策をしてくれるよ」

 

「うん!!」

 

俺はそういうと飛鳥に背を向けた。

 

 

 

 

 

 

(ヒャハッ…引っかかりやがって…)

 

ウルフは自分に背を向けている竜司を見て笑みを浮かべる。今なら確実に奴を殺せる。そう思いながら手に持った小太刀を握りしめる。この体はお気に入りだが自我が強いのが難点だ。前の依代の時は楽しめた殺しがこの体になってからは全然出来てない。もう我慢の限界だ。ウルフは小太刀を振り翳し竜司に斬りかかろうとした。

 

「はあっ!!」

 

「なっ!?」

 

しかし竜司は瞬時に振り向きウルフの手に握られた小太刀を蹴り飛ばした。

 

「テメェ…!!どうしてわかった!?」

 

「甘いんだよお前、いくらうまく演じたつもりでも殺気がダダ漏れじゃ嫌でもわかる」

 

竜司は鋭い眼でウルフを睨みつけながらそう言った。

 

「はっ!!でもわかってんだろうな…この体はもはや俺のもの!!手前がどう足掻こうと無駄なんだよ!!」

 

「無駄かどうかは…俺が決める!!」

 

『メガロ!!サイクロン!!』

 

俺はカグラドライバーを装着してサイクロンメガロキーを起動する。

 

『ドンドロロンロンドロンドロン!!ドンドンドロロンロンドロンドロン!!』

 

「変身」

 

『サイクロン武装!!メガロ!!』

 

俺が鍵を挿しこみ回すと竜巻が全身を包み仮面ライダーリューマ・サイクロンへと変身した。

 

「は、ガキが偉そうに…」

 

『ウルフ!!』

 

ウルフはスカルキーを起動すると胸元にできた鍵穴に挿しこみウルフスカルへと変身した。

 

 

 

 

 

「竜司さんがスカルと…!!」

 

霧夜先生から報告を受けた斑鳩達は急いで竜司達の元へと向かっていた。

 

「竜司くん…本当に飛鳥ちゃんを倒すのかな?」

 

「んなわけねーだろ、竜司が…そんなこと…」

 

心配する雲雀に葛城はそう言うがその表情は暗かった。

 

「いずれにせよ急いで行きましょう。」

 

斑鳩はそんな2人に言うとさらに速度を上げて走り出した。

 

 

 

 

 

「はぁぁぁ!!」

 

「オラァッ!!」

 

暗い工場跡地でリューマ・サイクロンとウルフスカルの戦いが続いていた。

 

「わかってるぜ!!お前、俺との戦闘の中でなんとかこいつから俺を分離出来ねえか考えてるんだろ!?」

 

ウルフスカルは双剣で斬りつけながら俺に話しかけてくる。

 

「無駄だ!!俺は今こいつの魂と完全に同化している!!そんな状態で鍵を取り除こうとすればその瞬間、こいつの心臓は止まる!!どう転んでもこいつは助からねえんだよ!!」

 

「お前の話なんか…聞いてねえよ!!」

 

俺は両手に纏った風で双剣を防ぎつつ攻撃を繰り出していく。

 

「さっさと…くたばれや!!」

 

ウルフスカルは双剣を手に構えると空中へ飛び上がり独楽のようにスピンしながら双剣による斬撃を放った。

 

「手前なんかが…飛鳥の秘伝忍法使ってんじゃねえ!!」

 

俺は風を左足に集めると強靭な蹴りでウルフスカルの技にぶつける。

その衝撃で辺りにヒビが入った。

 

「ぐ…がぁぁっ!?」

 

俺の方が上回りウルフスカルは吹き飛ばされ地面に転がる。

 

「もらったぁっ!!」

 

俺はさらに左手に風を集めてストレートの一撃を叩きつけようとした。

 

 

 

 

 

 

「りゅー…くん…」

 

瞬間、気配が変わり飛鳥の弱々しい声が聞こえる。

 

「………っ!!」

 

これに反応してしまった俺の拳はウルフスカルの鼻先で止まった。

 

「ヒャハッ、そうだよなぁ…殺せねえよなぁ!!」

 

その瞬間を逃さずウルフスカルは俺の手を掴んだ。ウルフスカルは俺の動きを止める為に一瞬だけ飛鳥の体の主導権を戻したのだ。

 

「ありがとよぉリューマ…テメェを殺して俺は完全な存在になってやるぜ!!」

 

ウルフスカルの残った手に握られた剣が俺へと振り下ろされた。

 

 

 

 

 

 

 

そして剣は俺の首筋で止まった。

 

「な…なに…!なんで…動けない…!」

 

ウルフスカルも想定できなかったのか動揺する。

 

「一瞬だけ体の主導権を飛鳥に戻した?その一瞬をあいつが見逃すと思ってるのか?」

 

飛鳥は体の主導権を取り戻した瞬間を逃さずウルフスカルを抑え込んだのだ。ウルフスカルももがくがなかなか抜け出せずにいた。

 

「くそっ…大人しくしろこのあまぁ!!依代は依代らしく黙って俺の糧になれよ!!」

 

ウルフスカルは叫びながらなんとか体を動かそうとするがまったく動かさずにいた。俺はウルフスカルの腕を振り解いて腕に竜巻を纏わせる。

 

「ま、まて!!やめろぉ!!俺を倒したら…この女も死ぬんだぞ!!良いのか!?」

 

ウルフスカルはなんとか俺を止めようと必死で俺にそう言う。しかし俺の耳には届かない

 

「飛鳥…悪い」

 

俺は飛鳥目掛けて拳を振り上げる

 

「く…くそぉぉぉぉぉぉ!!」

 

俺の拳は飛鳥の胸元に炸裂しその衝撃でウルフスカルの体は泥のように吹き飛ばされて中から飛鳥が出てきた。

 

 

 

 

 

 

「竜司さん!!」

 

程なくして斑鳩達が竜司達のいる廃工場にたどり着いた。

 

「な………っ!!」

 

その現場を見て斑鳩は固まってしまう。そこには地面に落ちたスカルキー、心臓の止まった飛鳥と彼女を抱き抱えるリューマ・サイクロンの姿のままの竜司がいた。

 

「お、おい竜司…なんで飛鳥が起きないんだよ…?」

 

震えながら葛城は竜司に近づく。しかし竜司は黙って飛鳥を見ていた。

 

「おいっ!!なんとか言えよ!!」

 

「葛城さん!!」

 

竜司の胸ぐらを掴む葛城に斑鳩が叫ぶ

 

「竜司さんが…一番辛いんですよ…」

 

斑鳩は涙を堪えながらそう呟き、それを見て雲雀は涙を流しそれを柳生が慰めていた。

 

 

 

 

 

その時、竜司が動いた。

竜司は飛鳥を寝かせると彼女の胸元に手を当てる。

 

「ふっ!!」

 

すると、そこを思いっきり叩いた。それは何度も繰り返され、みんなはそれを見届けた。すると、

 

「げほっ!!はぁ…はぁ…」

 

飛鳥が息を吹き返して呼吸をしだした。

 

「あ…飛鳥さん…?」

 

「嘘だろ?」

 

信じられない光景にみんなは驚愕する。

 

 

 

 

「ど、どういう事だよ竜司!?一体どうして…」

 

「裏技だよ」

 

問い詰めるかつ姉に俺は説明した。

 

「ドラゴンスカルが言ってた言葉を思い出したんだ『彼女が死なない限りは鍵は取り除けない』これって言い方を変えれば『飛鳥が死ねば鍵が取り除ける』って事なんじゃないかって」

 

それなら簡単だ、一度飛鳥を死なせれば良い。最初の一撃で飛鳥の心臓だけに衝撃を与えて仮死状態にする。その後、鍵が飛鳥から離れたら即座に心臓マッサージをして蘇生すれば良いって

 

「えへへ…ちょっと痛かったけど…」

 

「悪いな飛鳥、でも他に方法が思いつかなくて」

 

俺は飛鳥の頭を撫でる。

 

「約束しただろ?お前を必ず助けるって」

 

「……うん/////」

 

飛鳥は少し顔を赤く染めて俺に頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ…このガキ…俺を舐めやがって…」

 

すると、地面に落ちていたスカルキーが浮かび上がりどす黒い泥を噴き出すと形を作りウルフスカルへと姿を変えた。

 

「返せ…その体は俺のものだ…返せぇぇぇぇぇぇ!!」

 

怒りの形相で叫びながらウルフスカルは双剣を手に吼えた

 

「みんな…飛鳥を任せて良いか?」

 

「はい!!」

 

俺が頼むとみんなは俺に頷いた。

 

「それと飛鳥、これ借りるぞ」

 

俺はそう言うと地面に落ちてる飛鳥の二振りの小太刀、『柳緑花紅』を手に取った。

 

「返せぇぇぇぇぇぇ!!」

 

ウルフスカルは叫びながら俺へと突進した。

嗚呼…もう我慢の限界だ。

 

「黙ってきいてりゃあ…お前の体じゃねぇだろォォォォォォォォォォ!!」

 

俺は振り向きざまにメガロサウルスの風を纏わせた小太刀でウルフスカルを斬り裂いた。

 

「もう躊躇う必要はねえ!!今までの分100倍にして返してやるから覚悟しな!!」

 

 

 

 

「くそっ…まさかこんな事に…」

 

ウルフスカルの様子を見に来ていたヨハネは歯軋りしながら呟いた。リューマにウルフスカルは殺さない。そうたかを括っていたらこのザマだ。まさかあんな無茶な方法で依代の女を助けるなんて思ってもみなかった。ウルフスカルも依代をなくして不安定になっている。このままでは崩壊するだろう

 

「まだ終わりじゃない…加勢してリューマを倒してまたあの依代にウルフを戻せば…」

 

「させると思ってるのか?」

 

突然空間が歪みヨハネを閉じ込めた。

 

「これは…忍結界!?」

 

「やっと姿を見せたな」

 

声のする方向を見ると竜司の父、竜舌と霧夜が立っていた。

 

「ほらな霧夜、俺が言った通りだったろ?竜司に任せときゃ絶対大丈夫だって」

 

「あぁ、その通りだったな。お陰で俺達は安心してこいつに集中出来るわけだ」

 

霧夜は怒りを含んだ眼でヨハネを睨みつけながら手に忍刀を握っていた。

 

「くっ…貴様ら2人がいたところで…」

 

「2人で済むと思っておるのか?」

 

瞬間、鋭い殺気がヨハネに向けられた。そちらへ向くと鋭い眼光でヨハネを睨みつけてる半蔵が立っていた。

 

「よくも儂の可愛い孫をいたぶってくれたのぉ…これだけの事をして、儂が黙っていると思ったのか?」

 

瞬間、怒りの形相となった半蔵が両手に小太刀を持って斬りかかった。

 

 

 

 

 

 

「おりゃぁ!!」

 

「がぁぁぁぁ!?」

 

斬りかかるウルフスカルの斬撃を右手の小太刀で防ぐと左の小太刀でウルフスカルの体を斬り裂く。そのダメージでウルフスカルの動きが止まるとすかさず右の小太刀で斬りつけてさらに連続斬りを繰り出しその衝撃でウルフスカルは吹き飛ぶ。

 

「このぉ!!邪魔をするなァァァ!!」

 

ウルフスカルは双剣にエネルギーを纏わせて頭上から剣を振り下ろす。しかし、風を纏った俺の小太刀が再びそれをガードした。俺は風を纏っての高速移動でウルフスカルを四方八方から斬り裂く。

 

「何故だ…何故俺の攻撃が当たらない!?」

 

「当たるかよ」

 

確かにこいつの動きは飛鳥の技と同じ…いや、スカルの自力の分パワーと速さを上だろう。しかし、

 

「俺はいつも修行を欠かさず、自分の夢のために進み続ける飛鳥の動きを見てきたんだ。そんな魂の篭ってないモノマネなんて掠りもしないんだよ!!」

 

「ほざけぇ!!」

 

ウルフスカルは叫びながら空中へ飛び上がり独楽のようにスピンしながら双剣による斬撃を放った。

 

「これで終わりだ」

 

『必殺の術!!サイクロン!!』

 

「必殺忍法!!激竜風刃乱れ斬り!!」

 

俺は全身に竜巻を纏い空中へ飛び上がると独楽のようにスピンしながら斬撃を放った。2つの斬撃は激しく空中でぶつかるが俺の方が上回りウルフスカルを斬り刻んだ。

 

「クソがァァァァァァァァ!!」

 

ウルフスカルは断末魔をあげながら爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ……」

 

一方竜舌達とヨハネの戦闘は竜舌達が僅かに優勢だった。

 

「まさか…ただの忍にここまでやられるとは…」

 

一対一なら訳ないがこうも連携されては…そう思いながら大剣を握りしめた。

 

 

 

 

 

 

 

『撤退しろヨハネ』

 

「っ!?」

 

その時、頭に弥勒の声が響いた。その口調から彼の怒りがよく分かった。

 

「へ…陛下…」

 

『俺は言ったよな?殺すなって、それを無視してここまでの勝手な行動…少し君を甘やかし過ぎたようだ』

 

彼の怒りの篭った声に体が強張る。

 

『もう一度言うよ。さっさと戻れ』

 

「…分かりました」

 

ドラゴンスカルは頷くと黒いゲートを開いた。

 

「今回は退かせてもらいますよ。この借りは必ず…」

 

「待ちやがれ!!」

 

竜舌は止めようとするが一歩遅くドラゴンスカルはゲートの中へと消えていった。

 

「ちっ…逃げやがった。」

 

「逃げたもんは仕方ない、今は飛鳥の無事を喜ぶとしよう」

 

竜舌にそう言う半蔵は先程と打って変わって安心した顔をしていた。それを見ながら霧夜はほっとする。

 

 

 

 

 

「飛鳥!!」

 

翌日、飛鳥の見舞いに来た俺は病室のベットにいる元気な飛鳥を見てホッとした。

 

「良かった〜悪かったな無茶な方法で…」

 

「ううん、私は平気だよ。りゅーくんの事信じてたから」

 

「へへっ、まあな」

 

俺はそう言うと飛鳥を抱きしめる。

 

「本当に良かった」

 

「りゅ、りゅーくん!?」

 

それに飛鳥は驚き顔を赤くする。

 

「りゅ、りゅーくん!!ちょっと…苦しい/////」

 

「あ、悪い」

 

俺は慌てて飛鳥を離すが何故か飛鳥の顔は茹で蛸の様になってた。

 

「どうした、風邪か?」

 

「な、なんでもない!!」

 

飛鳥は叫ぶと布団の中に潜ってしまった。

 

「なんなんだ一体…」

 

 

 

 

 

「な、なぁ…あれって」

 

「間違い無いな」

 

「飛鳥ちゃん顔真っ赤だったね。なんでだろう」

 

2人の様子を見ていた葛城達はヒソヒソと語る。雲雀はよく分かってないようだが…そして、

 

「うわぁぁぁぁぁ!!遂に…遂に恐れていた事がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

斑鳩が両手で頭を押さえ天に向かって叫んでいた。

 

 

 

 

「うう〜/////」

 

一方飛鳥は、布団の中で悶絶していた。

 

どうして?いつもなら平気なのに、今までも何も変わってないはずなのに…りゅーくんに助けられてから、あの時りゅーくんに頭を撫でられてから…りゅーくんの顔を見る事が出来ない

 

「こんな事…初めてだよぉ…」

 

飛鳥は自分に宿った初めての気持ちに戸惑いを隠せずにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦闘後の廃工場、

地面には砕け散ったウルフスカルキーが落ちていた。

 

「回収完了っと」

 

すると、グリフォンスカルが現れそれを拾い上げる。

 

「ドラゴンの奴、俺に黙ってこんなもん隠してたとはな」

 

グリフォンスカルは手に取ったそれを見ながら笑う。

 

「こいつがあれば『アレ』はより完全な存在になる…最後に笑うのはこの俺だ」

 

グリフォンスカルはニヤリと笑いながらその場を離れていった。

 

 

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