仮面ライダーリューマ   作:クロバット一世

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其の四十七 恐竜と大バトル!!の巻

「ティラノサウルスが…なんで?」

 

「俺のスピノサウルスが…!!」

 

『グォォォォォォォ!!』

 

『ギャオォォォォン!!』

 

親父の竜宮結界によって顕現し目の前で雄叫びを上げるティラノサウルスとスピノサウルスに俺と炎佐は驚愕し親父に問いかける

 

「お、親父!!なんでこいつらが実体化してんだ!?」

 

「竜宮結界…この結界内ではキョウリュウキーに宿る恐竜の魂を引き出し実体化させることができる。この力でお前らと最も相性の良いティラノとスピノを実体化したんだ。」

 

「なっ…!!」

 

「マジかよ…独自の術の開発なんてベテランの忍でもできる奴は少ない高等技術だぞ…!!」

 

まさか忍結界からこんな術を独自に開発するなんて…今まで知らなかった父の凄さに俺は驚きを隠せなかった。

 

「お前らが今からすることは一つだ。こいつらを自らの力だけで屈服させてみろ」

 

「屈服って…こいつらを?」

 

目の前に立ちはだかる2匹の恐竜はそこにいるだけでも圧倒的な力を放っていた。それこそ、かつて俺達が全力で戦ってやっと倒した道元や怨楼血をも凌駕していた。

 

「もちろんこれも使用禁止だからな」

 

竜舌はいつの間に奪ったのか両手に俺達のカグラドライバーを持っていた。

 

「やるしかないな」

 

「あぁ…」

 

俺達は覚悟を決めて忍転身して2匹の恐竜へと身構えた。

 

「いくぞ!!」

 

「応!!」

 

「ガルルルルル…」

 

「ギャォォォォン!!」

 

俺達が駆け出すとティラノとスピノは雄叫びをあげて俺達へと突進した。ティラノの噛みつきを躱した俺はその頭を全力で殴りつける。一瞬ティラノが怯んだので更に連続で拳を叩きつけた。

 

「おらぁぁぁぁぁ!!」

 

(反撃の隙を与えない!!一気に畳みかける!!)

 

俺は命躯となり拳に力を込める。

 

「秘伝忍法!!激烈拳!!」

 

この一撃で決める…そう思いを込めて俺はティラノへと秘伝忍法を叩きつけた。

 

「グルァァァァァ!!」

 

「がはっ!?」

 

瞬間、ティラノの巨大な尾の一撃が俺へと炸裂し壁に激突した。その力は凄まじく全身に激痛が走り意識が途絶えそうになる。

 

「そ…そんな…」

 

目の前に立ちはだかるティラノは傷ひとつなくこちらを睨みつけていた。

 

「あれだけやって…無傷かよ…」

 

明らかに生物としての格が違う…!!恐竜の想像以上の力に俺は驚きを隠せずにいた。

 

「これが…太古の地球を支配した最強生物の力…!!」

 

その力の差を痛感しながら俺は意識を失った。

 

 

 

 

「陛下ー、陛下ー?どちらにいるのでしょう?」

 

屋敷では華蛇が弥勒を探していた。

 

「おかしいですね…いつも出かける時は私に一言言うのに…」

 

いつもと違う様子に華蛇は心配する。

 

 

 

 

「やれやれ、まさかまた同じ過ちを繰り返すとはね」

 

弥勒は人知れず目的地へと歩いていた。自分の目的を果たすために。

 

「やはり彼には伝えないといけないね。『真実』って奴を」

 

 

 

 

 

「う……俺は……一体……」

 

「よぉ……目ぇ覚めたか…さっきお前の親父さんが術を解いたよ。今日はここまでだって」

 

目を覚ますと全身ボロボロになった炎佐が寝そべってた。

 

「炎佐……お前も酷くやられたな……」

 

「あぁ…格が…全然違った…」

 

どうやら炎佐もスピノサウルスに返り討ちにあったらしい。よく見ると服や髪の毛の一部が焦げていた。

 

「こっちの攻撃が全然効かない上に信じらんねぇ威力の炎を吐いてくるし…なんだよアレ…どっやったら勝てるんだ…?」

 

炎佐はため息を吐きながら身体を少しでも楽な体勢にしようと横になった。

 

「今は少しでも身体を休めるぞ、次の訓練までに体力を取り戻さないと」

 

「そうだな…同意見…」

 

瞬間、疲労が限界まで達し俺はそのまま眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「おりゃぁぁぁぁぁ!!」

 

次の日、俺と炎佐は再びティラノ、スピノの対峙していた。しかし

 

「グォォォォォォォン!!」

 

「ギャオォォォォォン!!」

 

2匹の恐竜の力は凄まじくこちらの攻撃はびくともしない。そして

 

「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

ティラノの体当たりが、スピノの火球が俺達を飲み込みその日も見事なまでにやられてしまった。

 

 

 

 

「だ…大丈夫か炎佐?」

 

「なんとかな…痛て…」

 

休憩時間、ボロボロになった身体を休めるため俺達は地面に寝っ転がっていた。あれからティラノとスピノに傷一つつけられない。このままでは彼らを屈服させワイルドギアを使いこなすのは夢のまた夢だ…でも

 

「なぁ炎佐、このままで良いのかな?」

 

「そうだな、今のままじゃ勝つことなんて…」

 

「いやそうじゃなくて…」

 

「…?」

 

「親父は『屈服させろ』って言ってたけど…なんかしっくりこないんだよなぁ…」

 

鉄心様にワイルドギアのコントロール方法を教えてもらうために来たのだけど…なんだか妙にしっくりこない…なんだか妙なモヤモヤが頭から離れない

 

「そういやあの人お前の親父なんだってな。どうりで似てると思ったよ」

 

「…ごめん、そう言われてもあんまり喜べないや」

 

「仲悪いのか?親父さんと…」

 

炎佐の質問に俺は少し黙ったが喋り始めた。

 

「あの人さ、俺が6歳の時に俺をじいちゃんに預けてからずっと会ってなかったんだよ。この前帰ってくるまでずっと」

 

「…まじか?」

 

「学校の参観日も、誕生日も、公園でキャッチボールをするなんてありきたりな思い出も碌にないんだ」

 

わかってる。あの人は俺の父親だ…あの人と母さんがいたから俺が産まれた。それは紛うことない事実なのだ…だけど、だからといって…

 

「父親だって…胸を張って言えないんだよ…」

 

「竜司…」

 

「わりぃ、ちょっと顔洗ってくるわ」

 

そう言うと竜司は立ち上がりその場を去っていった

 

「やれやれ、竜舌の奴はずいぶん息子に嫌われてるようだな」

 

するとそこへ鉄心が水のペットボトルを2つもってやってきた。

 

「ああ…あんたか、ありがとよ」

 

「ふん」

 

炎佐はペットボトルを受け取ると鉄心は隣の壁に寄りかかる。

 

「…かつて、半蔵様には4人の弟子がいた。」

 

「は?弟子?」

 

突然鉄心が喋り出す。

 

「俺と竜舌、それとあのボウズの教師の霧夜、それともう1人…その4人は半蔵様の教えの元、忍として活動していた。」

 

「あいつの親父…半蔵の弟子だったのかよ…!!なるほどどおりで…ってかあんた達って同期なのかよ!?」

 

衝撃の事実に炎佐は思わず驚いた。

 

「しかし10年前、弟子の1人が裏切りスカルキーの封印を解いた。それによりスカルの犯罪が起こり出したんだ。スカルキーに対抗できるのはカグラドライバーしかない。しかし、肝心のカグラドライバーは300年前の戦いにより力を失っていた。」

 

「…それは知ってる。俺のカグラドライバーもそうだったからな」

 

「知っての通りカグラドライバーは我々にとってトップシークレット、ましてスカル達にその復元の情報なんて知られてはならない。その復元を任されたものは政府管轄の元、表立って行動出来ん」

 

「…まさか!!」

 

鉄心の話に炎佐は真実に気づいた。

 

「そうだ、その復元を任されたのが竜舌だ。奴はカグラドライバー修復のために当時からオーバーテクノロジーだったカグラドライバー解析にあたったよ…ドライバー復元の為に全ての時間を費やし全国を駆け回り当時の資料を集め、技術班と協力をしてドライバーの復元を果たした…息子との時間を切り捨ててまでな…」

 

「なんだよそれ…でもドライバーが復元できたんだろ?だったらもう真実を伝えても…」

 

「俺もそう言ったよ…だがな、あいつはこう言った」

 

『今更真実言ったってあいつを10年もほったらかしにしてた事実は変わんねえよ…あいつの怒りを受け止めんのが俺にできる唯一の罪滅ぼしなんだよ』

 

「まったく…あいつは本当に不器用な男だよ。忍としても、父親としてもな」

 

鉄心はため息を吐きながらどこか寂しそうに呟いた。

 

「…やっぱり親子だな、仮に竜司が同じ立場だったら絶対にそうするよ」

 

「ふっ…違いない」

 

 

 

 

 

 

 

「あ…」

 

「ん?どうした?」

 

俺が歩いていると親父が水を飲んで休憩していた。

 

「…ちょうどよかった。あんたに聞きたいことがあったんだ」

 

俺は親父の隣に座って話しかける。

 

「『恐竜を屈服させろ』なんて言ってたけど本当にそれで良いのか?」

 

「ほぉ?」

 

「なんだか…恐竜を無理やり従わせるのって…なんかどうもしっくりこなくて…」

 

「…くくっ」

 

「な、なんだよ急に笑い出して…」

 

俺の話を聞いてると親父は突然笑い出す。

 

「いや、別に気にすんな。なるほど、しっくりこないか…」

 

すると親父は俺の頭を撫でる。

 

「お前が納得のいく形でやればいい」

 

「え?」

 

「『屈服させろ』なんてのはあくまで一番手っ取り早い方法ってだけだ、お前がそれで納得いかないならお前のやりたいようにやればいい」

 

「親父…」

 

「心配すんな、お前ならきっとできる。なんだってお前は母さんに似てるからな」

 

そう言うと親父は立ち上がって去っていった。

 

「…『母さんに似てる』か」

 

その言葉に少し引っかかりながらも俺は親父の背を見つめ続けた。

 

 

 

 

「いよいよ明日…炎佐達と戦うのか…」

 

秘立蛇邪学園では、仮面ライダーガルーダこと蒼良が窓から月を見ていた。

 

「正直想定外だけど…問題ない」

 

「…義兄さん」  

 

「お兄ちゃん…」

 

「ん?」

 

ふと声が聞こえて振り返ると同じく新蛇邪選抜メンバーの両備と両奈が立っていた。

 

「両備…両奈…」

 

「大丈夫なの?あのガリューって奴、噂じゃ相当強い奴って聞いたけど…」

 

心配そうにする両備と両奈に蒼良は優しく微笑んで2人の頭を撫でた。

 

「大丈夫だよ、2人は気にしないで学炎祭に集中していればいい」

 

「…わかった。けど無理はしないでよ」

 

「わかったよ」

 

蒼良は頷くとそのまま立ち去る。そして2人が見えなくなると目を鋭くする。

 

「待っててくれ」

 

『蒼良、もし私に何かあったらあの子達を守ってあげて』

 

そして思い出す。2人が尊敬し、自分が愛した彼女のことを

 

「必ず君の無念は果たして見せるよ…両姫。」

 

 

 

 

 

「さて、いよいよ3日目…月閃の奴らが傷を治して万全の体制になって攻めてくるのを考えれば今日中には成果が欲しいところだが…モヤモヤは晴れたか?」

 

3日目、炎佐と俺は結界内で恐竜達を待ち構える

 

「…正直わかんねえ。けど、俺は俺の納得のいくやり方でやろうと思う。」

 

「ふっ、じゃあ俺もそうするかな」

 

「ギャオォォォォォン!!」

 

「グルァァァァァァァ!!」

 

そして俺たちの目の前にティラノサウルスとスピノサウルスが現れ雄叫びをあげる。

 

「よし、いくぞ!!」

 

「おう!!」

 

 

 

「雰囲気が変わったな…これならいけるかもしれん」

 

モニターから2人の様子を見ていた鉄心はニヤリと笑いながら呟く

 

「頼んだぞリューマ、ガリュー…お前達は我ら忍の希望なのだからな…」

 

やはり彼らを信じてよかった、あの2人ならきっとワイルドギアをものにすることが出来る。我々の長年の成果が身を結ぶ。

 

その時、建物のどこかから轟音が響き渡る

 

「どうした!!何があった!?」

 

「鉄心様!!」

 

すると突然部下の1人が慌てた様子で駆けつけてきた。

 

「大変です!!スカルの連中にここの情報が漏れました!!現在連中の襲撃にあってます!!」

 

「なんだとぉ!?」

 

部下の言葉に鉄心は驚愕する。この施設は忍の中でも一部のものしか知られていない。仮に知られても周囲に張られた結界により厳重に守られているのだ。

 

「とにかくすぐに迎え撃つんだ!!なんとしても竜司達がワイルドギア制御を果たすまで持ち堪えろ!!」

 

「はっ!!」

 

鉄心の指示に部下は即座に行動を開始した。

 

「…まさか、あいつか?だとしたらマズイ!!」

 

 

 

「止まれ!!ここは貴様らが来ていい場所ではない!!」

 

武器を構える忍達の視線の先にはアントスカルやアーミーアントスカルを引き連れた黒髪の青年、弥勒が歩いていた。

 

「悪いけど…君たちに用はない」

 

そういうと弥勒はスカルドライバーを取り出して腰にはまる。

 

『ヴァンパイア!!』

 

そして金色のスカルキーを起動するとそれを宙へと放る。すると、ヴァンパイアキーは自らスカルドライバーへと挿し込まれて回り黒い泥に包まれ、血のように紅い鎧と闇夜のように黒いマントに身を包んだヴァンパイアを彷彿させるスカル、ヴァンパイアスカルへと変身した。

 

「くっ…かかれぇ!!」

 

「うぉぉぉぉぉ!!」

 

忍達は目の前の怪物を前に覚悟を決めて一斉にかかる。

 

「悪いけど…向かってくるなら容赦しないよ」

 

 

   

 

 

それから一瞬だった。一人一人が歴戦の忍である精鋭部隊、彼らはほとんど何もできないままたった1人のスカルに返り討ちにあい地面に倒れ込んでいた。かろうじて息はあるがもはや戦闘不能である。

 

「さて、彼を迎えにいくか」

 

こうして、スカルの頂点である陛下こと弥勒は建物内へとゆっくり入って行った。

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