仮面ライダーリューマ   作:クロバット一世

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其の四十九 超絶にワイルド!!の巻

 

「う〜」

 

「なんだまだ悩んでるのか?」

 

「…うん」

 

竜舌が声をかけると長い黒髪を靡かせた女性は手に持ってた『赤ちゃんの名前』と書かれた本をテーブルに置く。彼女のお腹は大きく膨らんでおりそこに新しい命が宿っているのがわかった。

 

「この子には素敵な名前をつけてあげたいの。名前はその人を彩る大切なものだから…貴方が私に付けてくれた『叶』のように」

 

黒髪の女性、叶は頬を紅く染め竜舌の手を握る。

 

「ははっ、よせよ照れるぜ」

 

「ううん言わせて、貴方が付けてくれたこの名前がただ人を殺すだけの兵器だった私を人間にしてくれたの。だから今度は私がこの子に素敵な名前をつけてあげたい」

 

「…そうか」

 

「…っ!!ゲホッゲホッ」

 

「叶!?」

 

突然叶が咳き込み竜舌は慌てる。

 

「大丈夫か!?」

 

「だ、大丈夫…ちょっと咳き込んだだけ…」

 

心配する竜舌を宥めると叶はペットボトルの水を飲んで落ち着く。

 

「やっぱり結構体ボロボロになってるなぁ…」

 

「大丈夫だ、医者の話じゃこのまま無理しないで安静にしていれば徐々に治っていく。それまでの辛抱だ」

 

「…そうだね。ちゃんと生きないと、この子のお母さんになるんだから」

 

「ああ、俺たちでこの子を幸せにしような」

 

 

 

 

 

 

「ふふっ可愛い」

 

「ははっそうだな」

 

それからしばらくして叶は自身が産み落とした赤ん坊を抱き上げていた。その横では竜舌が優しく赤ん坊を見つめている。

 

「そういやこの子の名前は決まったのか?」

 

「うん、この子の名前は竜司!!」

 

竜舌の問いに叶は得意げに答えた。

 

「どんな意味があるんだ?」

 

「えっとね…_________」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから1年後、叶は息を引き取った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君の母親を殺したのは…善忍そのものなんだ」

 

弥勒の語った衝撃の事実にあたりは凍りつく

 

「まさ…か…善忍の世界にそんな闇があったなんて…」

 

悪忍である炎佐もその闇の深さに信じられずにいた。

 

「竜司くんの母親だけじゃない。それ以前にも数え切れないほどの忍にドライバーを使わせてその命を奪ってきた。それだけの犠牲を作っておきながら今の善忍どもは再びワイルドギアに手を出して叶の息子である君に使わせた…わかるかい?君は実験台にされてるんだよ」

 

「…………………。」

 

弥勒の言葉を聞きながら竜司はずっと俯きながら黙っていた。

 

「忍の世界は君が思ってるようなものじゃない。ううん、そもそも今の人間そのものが間違ってるんだ。それを今見せてあげよう」

 

「ま、待て弥勒…!!」

 

竜舌が止まる間も無く次の瞬間、弥勒から禍々しい光が放たれ周囲を包み込んだ。

 

 

 

 

 

「ここは…」

 

気がつくとそこは漆黒の闇の中だった。辺りを見渡すと何も見えず上も下も区別がつかないにも関わらず何故か竜司、炎佐、竜舌、弥勒の姿だけがはっきり見えた。

 

「ここは僕の心象世界、まぁ忍結界の応用だよ。ここでは僕の思い描いた映像を見せることができる。ほら、始まるよ」

 

すると、闇の中から何かの景色が見えてきた。

 

 

 

 

 

『うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 

『がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

人が争っていた。手に持った石斧や槍を手に殺し合っていた。辺りに血が流れ次々と人が死んでいく

 

「次だ」

 

その光景が消えてまた別の光景が見える。

 

『殺せぇぇぇぇぇぇ!!』

 

『奴らを1人も生かすな!!』

 

『皆殺しにしろぉぉ!!』

 

そこでも殺し合いが行われていた。時代が変わり武器が鉄になり集落から国に変わっても同じ争いが行われていた。

 

「次だ」

 

次の光景も

  

「次だ」

 

次も

 

「次」

 

何度も争いは繰り返されていた。

 

「人間は力ではなく知能を進化させることで文明を気付き上げた。それが悪いと言うわけではない。でもその結果、その知識を受け止める器たる肉体は脆くなってしまった。彼らは知識を身につけるその前に自身も強く進化しなければいけなかったんだ。だからこそ人はわずか数百万年で進化が滞りこの星を唯貪るだけの存在に堕ちてしまった。」

 

弥勒はそのままずっと俯く竜司へと歩き出した。

 

「竜司くん、僕は何も人類を滅ぼしたいんじゃない。ただ今の人類は無意味に星に巣食うだけの獣だ。人類は今こそ進化しなくてはいけないんだよ。より高位の生命体とならない限り人類は滅びるだけだ。」

 

「聞くな竜司!!」

 

そこへ慌てながら炎佐は竜司へと叫ぶ

 

「奴の言葉に惑わされるな!!奴はこれまでもスカルを増やしてその結果罪もない人々を食い物にしてるんだぞ!!」

 

「今の人類が悪戯に死なせてきた数に比べればほんの一握りさ。寧ろ大義もなく唯殺す分なお悪い。」

 

「ふざけんな!!テメェは…」

 

「竜司!!」

 

そこへ竜舌がふらつきながら竜司へと叫ぶ

 

「頼む!!お前だけは堕ちないでくれ!!お前の…竜司って名前は…」

 

 

 

 

 

 

 

『えっとね…まず竜舌と同じ「竜」は絶対付けたかったの。竜は唯強いんじゃなくてこの国を護る聖なる生き物…つまり、「竜の力を司り、みんなを笑顔にする優しい子になってくれますように」って言う私の願いをこめたの』

 

 

 

 

「叶は…お前にそう願いを込めて『竜司』って名前を付けたんだ!!力で誰かを傷つけるんじゃない!!護れるようにとその名前をお前に付けたんだ!!俺もそうだ!!10年もほったらかしにして『どの口が言うんだ』って思うけど…お前を愛している!!これは紛うことなき本心だ!!だから…!!」

 

 

 

 

「うるさい!!」

 

 

 

 

瞬間、ずっと黙っていた竜司が叫んだ。その言葉を聞いた弥勒はクスリと笑う。

 

「そう、その通りだ。今まで君を置き去りにし、あろうことか母親を殺した力を君に使わせといてよく言えたものだよ」

 

そう言うと竜司へと手を伸ばす

 

「さあ、共に行こう。そして人類を正しく導いていこう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うるさい」

 

瞬間、竜司は弥勒の手を払った。

 

「…え?」

 

「なるわけないだろ、お前の仲間になんて」

 

「な…!!」

 

竜司の否定を予期してなかったのか弥勒は激しく動揺していた。

 

「親父も親父だ。『堕ちないでくれ』じゃねーよ!!本気で俺が人間見限ると思ったのかよ……んなわけあるかぁ!!」

 

「竜司…」

 

 

 

 

 

 

「まったく、みんなして俺を疑って…」

 

俺はやれやれとため息を吐きながら弥勒を見つめる。

 

「馬鹿な…君も見ただろう!?人間の醜さを…そして知っただろう!?君の母親の死の原因を!?何故…何故それでもなお忍を信じられる!?何故今の愚かな人間を変えようと思わないんだ!!」

 

弥勒は激しく取り乱し俺へと詰め寄る

 

「俺だってわかってるよ。人間が綺麗なだけじゃないって…でも」

 

瞬間、辺りの景色がどんどん変わっていく

 

「これは…まさか!!僕の心象世界を自身の心象世界に上書きしているのか!?」

 

新しく写った映像は部屋の本棚に寄りかかり一冊の本に一生懸命読んでる1人の少年がいた。

 

「あれは…竜司?」

 

『すげ〜カッコイイ〜!!』

 

幼い俺が読んでいるのはヒーローのような忍装束を着た忍者が描かれた子供向きの絵本だった。悪い奴からみんなを助け笑顔を守るカッコイイ忍者…それを俺は目を輝かせながら嬉しそうに見て憧れていた。

 

「よし決めた!!俺、『世界一カッコイイ忍者』になる!!」

 

それは俺が、『この夢を絶対に貫き通す』と決意した瞬間だった。

 

「忍の闇も、人間の醜さも関係ない…俺は俺の中の『世界一カッコイイ忍者』を目指す!!それが俺の、誰にも譲れない思いだ!!進化だなんだと理由をつけて…人を平気で傷付けるあんたと手を組むなんて…そんなダサい真似ができるかよ!!」

 

「ははっ…あははは…!!」

 

俺の言葉を聞いた炎佐が嬉しそうに笑い出す。

 

「そうだよな…お前はそう言う奴だったっけ…!!そんな奴に惑わされるわけねえよな」

 

そう言いながら炎佐は落ちていたカグラドライバーを拾い上げ腰に付けた。

 

「よし、それじゃあ行こうか」

 

俺は炎佐に続くようにカグラドライバーを拾い上げ装着する。

 

「グォォォォォォォ!!」

 

「ギャオォォォォォ!!」

 

その瞬間、恐竜達の雄叫びが響き凄まじいエネルギーが俺達から溢れ出るとそれぞれの手に集まり鍵へと形を変えた。

 

「これって…」

 

「あぁ…一緒に戦ってくれるってことだ!!」

 

『ガウッ♪』

 

『ギャウギャウ♪』

 

鍵からはティラノとスピノが『その通りだ』と言わんばかりに嬉しそうに鳴く声が聞こえてくる。

 

「よっしゃいくぜ炎佐!!俺達の変身だ!!」

 

「ああっ!!」

 

『『ワイルドオン!!』』

 

俺達はワイルドギアをドライバーに装着する。

 

『超絶ティラノ!!』

 

『超絶スピノ!!』

 

そして新たなキー『超絶キー』を起動して鍵穴に挿し込んだ。

 

『『ガルルルルルグオーン!!ライドオン!!ガルルルルルグオーン!!ライドオン!!ガルルルルルグオーン!!ライドオン!!』』

 

ベルトから音声が流れ鎖から解き放たれたティラノとスピノが俺達の隣に並び雄叫びを上げる。

 

「「変身!!」」

 

『『武装!!ワイルド!!一心一体最強バディ!!超絶!!超絶!!超絶にスゲー!!ダ・イ・ナ・ソー忍・者!!ワイルド!!』』

 

『超絶キー』を回すとティラノとスピノが俺達に飛び込み身体を覆い尽くすと全身を忍甲冑の様な装甲へと変貌し仮面ライダーリューマ超絶と仮面ライダーガリュー超絶へ変身した。

 

 

 

 

 

「あ…あれが…」

 

竜舌はリューマ超絶とガリュー超絶の凄まじい姿に驚きを隠せずにいた。そしてそれは弥勒も同じであった。

 

「なんだ…その姿は…!?まさか…本当に使いこなしたのか!?ワイルドギアの力を!?」

 

「試してみるか?」

 

「俺達は構わねえぞ」

 

「くっ…あぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

『ヴァンパイア!!』

 

俺達の返答に弥勒は苛立つように叫びながらヴァンパイアスカルキーを起動してスカルドライバーに挿しこみ回してヴァンパイアスカルへと変身する。

 

「君達は…倒さなくてはいけない…倒さずにはいられない!!こんなに頭の中がグチャグチャなったのは初めてだ!!」

 

今まで見せたことがないような怒りを露わにしてヴァンパイアスカルは俺達に襲いかかった。

 

「ふんっ!!」

 

しかしその攻撃を俺は片手で受け止める。

 

「なっ…!?」

 

「オリャァ!!」

 

「ぐわぁぁぁぁ!?」

 

そして動きの止まったヴァンパイアスカルにガリュー超絶がパンチを叩きつけ吹き飛ばした。

 

「くっ…」

 

ヴァンパイアスカルは2人に地面から無数の紅い槍を放つ

 

「ふっ!!」

 

「無駄だ!!」

 

しかし俺達はそれを超スピードで躱してヴァンパイアスカルへと反撃の連打を繰り出した。

 

「このパワー…このスピード…!!間違いなく恐竜の力…いや、それだけじゃない…どう言うことだ!?!!」

 

「簡単なことだ。俺達は恐竜達と…相棒と一緒に戦ってるんだ!!」

 

恐竜の力に流されるでもなく無理やり従えるでもない。力を合わせ、共に戦うことで更なる力を引き出す。それが超絶の力である!!

 

「竜司!!炎佐!!」

 

すると親父が俺達へとアタッシュケースを投げ渡す。

 

「そいつはワイルドの力をモノにした時に渡すはずだったお前達の専用武器だ!!使え!!」

 

「親父…ありがとな!!」

 

俺は親父に礼を言ってケースを開く。するとそこには巨大な剣のような武器『ワイルドブラスター』が入っていた。

 

「やっぱりいい親父じゃねえか」

 

「…かもな!!」

 

俺は『ワイルドブラスター』を剣の状態の『バスターモード』に、炎佐は銃の状態の『キャノンモード』へと変えて構えた。

 

「うん…しっくりくるな」

 

「ああ、これならいけるぜ!!」

 

俺の繰り出す斬撃が装甲を斬り裂き、ガリュー超絶の放つ砲撃が炸裂しどんどんヴァンパイアスカルを追い詰めていった。

 

「ぐぅぅぅ!!このこのこのぉ!!」

 

ヴァンパイアスカルは反撃と言わんばかりに紅い斬撃を放つが標準が定まらず俺達には届かない。頭に血が登って力の半分も引き出せていないのだろう

 

「君達を倒さなければ…倒せなければ…この苛立ちが消えることはない!!消えろォォォォォォォォォォ!!」

 

ヴァンパイアスカルの巨大な爪による斬撃が俺達へと襲いかかる。

 

「俺達は負けない」

 

「俺達は倒れない」

 

 

 

 

「「忍の道を…極めるまでは!!」」

 

『『必殺の術!!超絶!!』』

 

俺達はそれぞれ『ワイルドブラスター』に『超絶キー』を挿しこみ回すと刀身と銃口が光り輝きエネルギーが溜まっていく。

 

「超絶必殺忍法!!激竜ダイナソーバスター!!」

 

「超絶必殺忍法!!煉獄ダイナソーキャノン!!」

 

『『ガォォォォォン!!』』

 

俺たちが放った斬撃と砲撃はティラノサウルスとスピノサウルスの形に変わりヴァンパイアスカルへと炸裂し爆発した。

 

「ぐ…ぐわぁぁぁぁ!!」

 

ヴァンパイアスカルは防ごうとするが防ぎきれずそのまま吹き飛ばされて変身が解けた。

 

「くそ…認めない…こんなの…絶対に…!!」

 

「陛下!!」

 

ふらふらと立ち上がり再び変身しようとした弥勒の元へ華蛇が現れて彼を押さえ込んだ。

 

「陛下!!もう潮時です!!ここはもう退きましょう!!」

 

「まだだ!!まぁ僕はやれる!!こんなところで…」

 

「陛下!!」

 

反論する弥勒の頬に華蛇は平手打ちをする

 

「あなたの使命を忘れてはなりません!!今ここで倒されたらあなたの夢はどうなってしまうのですか!?」

 

「華蛇…」

 

「お願いです…どうか撤退を…」

 

華蛇の説得に落ち着きを取り戻したのか弥勒は大人しくなりヴァンパイアスカルキーを懐にしまった。

 

「そうだったね…ごめん、少し熱くなりすぎた。帰ろう」

 

「はい」

 

落ち着きを取り戻した弥勒にホッとして華蛇は黒い穴を生み出す。

 

「…竜司くん、君が仲間になってくれなくて残念だよ。」

 

最後に悲しそうな顔で俺を見つめると弥勒はゆっくりと去っていった。

 

「なんとか勝てたな」

 

変身を解除すると炎佐も変身を解除しながら俺に話しかけてきた。

 

「そうだな、でもあいつもまだ全力じゃなかった」

 

もし奴が冷静さを欠かずに最初から俺達を殺す気でいたら危なかっただろう

 

「竜司…」

 

すると親父がゆっくりと俺の元へとやってくる

 

「親父…」

 

瞬間、親父は俺を力一杯抱きしめた。

 

「よかった…本当に…本当によかった…」

 

その目には涙が溢れており抱きしめられた体は少し痛かった。

 

 

 

 

 

 

 

「離れろうっとーしぃ!!」

 

「あだぁ!?」

 

鬱陶しかったので思いっきりデコピンしてやった。

 

「しっかりしろ!!あんた修行前の威厳はどこいった!?」

 

「す、すまん…」

 

「まったく…」

 

『ゲコゲコ!!ゲコゲコ!!』

 

すると慌てた様子でガマ吉が飛び跳ねてきて俺の手の中にスマホモードとなって収まる。

 

「なんだ?」

 

『りゅーくん大丈夫!?なんだかそっちが大変なことになったって聞いたけど…!!』

 

慌てた様子で飛鳥が電話をかけてきていた。

 

「心配ないよ。今そっちにいくから」

 

『え?大丈夫なの?』

 

「あぁ、バッチリだ!!」

 

今の俺なら…いや、俺達ならもう大丈夫!!必ず仲間を守ってみせる。

 

「あ…でもここの人達の手当とかとしないと…」

 

「心配すんな、こっちは俺がなんとかする。だから…行ってこい!!」

 

心配する俺に親父がそう告げる。

 

「親父…あとは頼んだ!!いくぞ炎佐!!」

 

「おう!!」

 

俺達は意を決して出口へと向かう

 

「あ、ちょっと待て炎佐」

 

「ん?」

 

すると、親父が炎佐に俺と色違いのシノビークルを渡した。

 

「俺達からの餞別だ」

 

「お、サンキュー」

 

「早くいくぞ炎佐」

 

『『シノビークル!!』』

 

俺達がシノビークルのボタンを起動して放り投げると小さな巻物は大きくなりバイクへと変わり『シノビークル大地』と『シノビークル烈火』に変わった。

 

「よっしゃ!!」

 

「いくぜ!!」

 

俺達はシノビークルに跨りそれぞれの目的地へと向かった。

大切な仲間を守るために

 

 

 

 

 

 

 

「見てるか叶…俺達の息子、竜司の奴あんなに立派になったぞ」

 

遠くへ去っていく竜司を見つめながら竜舌は静かに呟いた。

 

「…大したもんだなお前の息子は」

 

そこへ、腹を押さえながら鉄心がやってきた。

 

「…生きてたのか」

 

「ああ、こいつがあったおかげで急所を避けてた様だ。」

 

そう言って懐から出したのは盾と刀が一緒になった様な鉄製のお守りだった。そう、かつて彼らが半蔵の弟子だった頃、忍の最終試験に合格した記念に半蔵がくれたものだった。

 

「…あの頃は、こんなことになるなんて思わなかったな…」

 

鉄心はヴァンパイアスカルの攻撃でひしゃげてしまったお守りも見つめてそう呟いた。

 

「…あいつらを信じよう、今を築くあいつら若い芽を…」

 

 

 

 

 

 

 

「みなさん、それでは行きましょう」

 

死塾月閃忍学館では傷の癒えた選抜メンバー達が戦いの準備を終えて集まっていた。

 

「満月…リューマはあなたに任せます」

 

「ああ、任せろ」

 

満月は覚悟を決めた顔でトプスパーダを見つめていた。

 

「待ってろよリューマ、今度こそお前を倒してやる」

 

 

 

 

 

「蒼良、準備は良いか?」

 

秘立蛇邪学園では部屋で身支度をする蒼良に雅緋が声をかける。

 

「あぁ、大丈夫だ。今行くよ」

 

雅緋にそう返した蒼良はプテラアローを手に部屋を出る。

 

「…さて、始めるか」

 

 

 

 

 

 

 

国立半蔵学院、炎佐紅蓮隊、死塾月閃忍学館、秘立蛇邪学園、それぞれの仮面ライダー達による信念を賭けた戦い…学炎祭はいよいよ終わりを迎えようとしていた。

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