仮面ライダーリューマ   作:クロバット一世

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其の五十 最終決戦と師への想い!!の巻

 

「ははっ、まさか陛下が返り討ちに遭うなんてな」

 

とある一室でグリフォンスカルが笑みを浮かべる。

 

「最強生物たる恐竜の力を手懐けるとは流石リューマとガリューというわけか…ははっ良いねぇ良いねぇそうこなくっちゃ」

 

グリフォンスカルはそう言って笑うと目の前にある禍々しく光黒い卵のようなものを見つめる。

 

「こいつももうじき完全に仕上がる。そうなれば俺はもう陛下…いや弥勒に従うこともない、奴を倒して俺が頂点に上り詰めてやる」

 

そうニヤリと笑いながら呟いているとグリフォンスカルの持つ通信端末に通信が入る。

 

「ん……?呼び出しか」

 

誰からの通信か確認したグリフォンスカルは端末をしまうと変身を解除して部屋を後にする。

 

「こことももうじきお別れだな」

 

 

 

 

 

今日はいよいよ学炎祭の最終日、俺と炎佐、それから飛鳥達と炎佐紅蓮隊こと焔達は霧夜先生の前に集まっていた。俺と炎佐が鉄心様の元修行している間、飛鳥達も炎佐紅蓮隊のみんなと修行してたらしい。

 

「お前達が忍として生きていくなら、負けることは決して許されない。敗北すなわち、忍としての死、と言うことだ…竜司、飛鳥、斑鳩、葛城、柳生、雲雀。決して死ぬことなく生きて帰ってこい」

 

「「「「「「はいっ!!」」」」」」

 

霧夜先生の言葉に俺達は力強く返事をした。

 

「炎佐紅蓮隊、今回は協力感謝する。」

 

「礼などいらん、蛇邪との学炎祭に向けて良い練習になった。」

 

「俺に至ってはむしろ修行してもらった側だしな、寧ろ感謝したいくらいだ」

 

炎佐はそう言うとワイルドギアとシノビークルを見せながらニヤリと笑った。

 

「…やはり優れた忍だな」

 

「ん?」

 

「いや、良い師に鍛えられたのだなと思ってな」

 

「…あぁ、ほんとに師には恵まれたよ」

 

炎佐達はどこか嬉しそうに笑いながら霧夜にそう返した。

 

「竜司、敵は強いみたいだが負けんじゃねえぞ。お前を倒すのはこの俺なんだからな」

 

「そっちこそ、聞いた話じゃお前あのガルーダって奴に一度も勝ててないそうだけど」

 

「あの頃の俺じゃない。絶対負けねえよ」

 

「…そっか」

 

その目には確固たる自信があった。それを見た俺は安心した。

 

「それじゃ、お互い勝とうな」

 

「当たり前だ」

 

炎佐はそう俺と言葉を交わすと焔達と共に蛇邪学園へと向かっていった。

 

「よし、それじゃあ俺たちも行こう!!」

 

俺達も死塾月閃忍学館へと向かった。月閃との決着をつけるために、そして…忍としてこれからも生き続けるために、

 

 

 

 

 

美しい欠けていない月が夜を照らす中、死塾月閃忍学館にたどり着いた俺は満月(みつき)を探していた。仮面ライダーオルグに対抗できるのは同じ仮面ライダーの俺だけだ。それに、そうでなくてもこれは前回のリベンジだ。何があろうと絶対に譲れない。

 

「ん?」

 

『♪〜♪♪〜〜♪〜』

 

どこからか綺麗なハーモニカの音色が聞こえてくる。俺は引き寄せられるように音色のする方へと歩き出した。そこには満月がどこか懐かしそうにハーモニカを吹いていた。

 

「お、やっと来たか」

 

「満月…」

 

俺に気づくと満月はハーモニカを懐にしまって俺の前に立った。

 

「…なんか雰囲気変わったな、以前より強い眼になった。」

 

「そいつはどーも」

 

俺の眼を見た満月はどこか嬉しそうに笑みを浮かべた。

 

「なんか嬉しそうだな」

 

「まあな、以前程度のお前じゃ倒し甲斐が無かったからな。あのワイルドとか言う力に取り込まれているお前を倒したって意味無いし」

 

満月の言葉に俺は改めて満月達の目的を認識した。

 

「お前は…じいちゃんより黒影さんが優れている事を証明したいのか?半蔵学院の生徒である俺達を倒すことで…」

 

「ああそうだよ、お前達を倒せれば…半蔵の意志を継ぐお前達より先生の…黒影の意志を継ぐ俺達のほうが強いことを証明する事ができれば…先生の目指した理想…『善だけの世界』を俺達が叶えることができる!!」

 

満月は転身剣トプスパーダを手に持ちその目は鋭く強い覚悟を感じた。

 

「…悪いけど。俺も負けるわけにはいかない」

 

俺はカグラドライバーを腰に装着する。

 

「『世界一カッコイイ忍者』になるって…決めてるんだからな!!」

 

「…そうかよ」

 

『ティラノ!!』

 

『トリケラ!!』

 

俺はティラノキーを、満月はトリケラキーを起動してそれぞれカグラドライバーと転身剣トプスパーダに挿し込む

 

「「変身!!」」

 

『武装!!ティラノ!!』

 

『竜装!!トリケラ!!』

 

それぞれが鍵を回すとティラノサウルスの幻影とトリケラトプスの幻影が現れ互いにぶつかり合いながらそれぞれの全身を覆い、仮面ライダーリューマと仮面ライダーオルグへと変身した。

 

「こっからは言葉じゃねえ…力で証明しようぜ、どちらが正しいのかを」

 

「俺は負けない…みんなと一緒に…忍として生きる為に!!」

 

俺はファングクナイで、オルグは転身剣トプスパーダの剣でぶつかり合いそのまま鍔迫り合いになる。

 

「この力…!!前回よりも強くなってるな!!」

 

「お陰様でな!!」

 

俺はなんとかオルグを押し切り更にファングクナイを斬りつける。しかしオルグも負けじと盾でファングクナイを防ぎ剣で反撃をする。

 

「はっ!!」

 

「ぐっ…」

 

俺もすかさずそれを躱して今度は跳び蹴りを喰らわせオルグはその衝撃で後退する。

 

「力だけじゃない…スピードも技術も桁違いになってるじゃねえか」

 

「ちょっと相棒とぶつかり合ってきたんだよ」

 

ティラノとぶつかり合い…わかり合ったことで気づくことができた。歪み合うだけじゃダメだと言うことをぶつかり合い互いを理解することでわかり合い更なる力にすることが出来るのだと

 

「力で無理やり従えようとしたって…敵対されて更なる争いを生むだけだ!!どうしてそれがわからないんだ!?」

 

「敵が出来るなら…そいつらも全員倒すだけだ!!」

 

俺の言葉を聞き入れずオルグはそう吐き捨てる。

 

「そもそも人間ってのは善と悪…生まれながらに両方備わっているもんなんだ!!どれだけ白く染めようとしたって必ずどこかに黒いシミが出来ちまう!!それをすべて否定しても始まらないだろ!!」

 

 

 

 

 

「知った口を聞くなぁ!!」

 

俺の言葉にオルグは突如激昂し剣を振る。

 

「悪忍に親を殺され…仲間を殺された苦しみが分かるか!?悪のせいで人生を…幸せを失ったこともない奴に…黒影先生の思いが分かるわけねえだろ!!」

 

「どうして…そこまで…」

 

オルグの叫びに俺はどうしてそこまで『善だけの世界』を目指すのか…なぜ黒影の為にそこまでするのかわからなかった…すると、オルグは苦しそうに静かに話し出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「長く…ねぇんだよ、黒影先生は…もう」

 

「………え?」

 

「病気が悪化してな…年もあって医者からはもう手の施しようがないって言われたよ…今じゃすっかり寝たきりの状態だ…」

 

オルグの剣を握る手は悔しさで震えていた。

 

「親を失って……行く宛のなかった俺達を親同然に育ててくれた先生が…自分の夢を叶えられないまま死ぬなんて俺達は納得できない…!!だから!!俺達が代わりに叶えて先生に見せるんだ!!先生の夢見た…憧れた世界を…『善だけの世界』を!!それが…それだけが…!!俺達があの人に出来る恩返しだ!!」

 

オルグの叫びを唯黙って聞いていた俺は、静かに口を開く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふざけんじゃねえよ」

 

もう我慢の限界だった

 

「なに?」

 

「何が…何が恩返しだよ…勘違いも甚だしいぜ…」

 

「なっ!!」

 

俺の言葉にオルグは反応する。

 

「お前!!それはどう言う…」

 

「『自分の代わりにお前らが俺の夢を叶えろ』って…本気で黒影さんがお前らにそんなこと託すと思ってんのか!?家族同然に愛情込めて育てたお前らに…自分と同じ道を辿れって…そんなこと言うと思ってんのかよ!!」

 

「ぐっ…」

 

俺の言葉にオルグはたじろぐ、図星のようだ

 

「親が…子供に…どんな願いを子供に託すのか…それは俺でもわかる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ん?』

 

ワイルドギアの修行の中、親父との話を済ませた後、ガマ吉が俺の前に現れた。

 

『どうしたガマ吉』

 

『ゲコゲコ!!』

 

すると、ガマ吉は口を開くと何か音声が流れる。

 

『……え?』

 

 

 

 

 

そこには炎佐と鉄心の会話が聞こえてきた。そこにはカグラドライバー復元の真実。そして親父がなぜ俺を置いていったのかが語られていた。俺にどれだけ恨まれても親父は唯それを受け入れ背負っていたことを…

 

『ガマ吉……ありがとう、俺に聞かせてくれて』

 

俺は多くに人に支えられて、託されていた。それを知って俺は…嬉しかった。

そして…

 

『10年もほったらかしにして『どの口が言うんだ』って思うけど…お前を愛している!!これは紛うことなき本心だ!!』

 

あの言葉を聞いた時…嬉しかった。初めて、親父の本音を聞けて…親父の想いを知ることができて…

 

 

 

 

 

 

「親が子供に……自分と同じ苦しみを味わって欲しいわけねえだろうが!!それよりも…幸せになってほしいに決まってるだろうが!!」

 

「そんなこと……わかってんだよ……」

 

 

 

 

 

 

 

『雪泉、叢、夜桜、四季、美野里、満月、お前達に伝えたいことがある。』

 

黒影先生の病が発覚してしばらく経った頃、先生はすっかり寝たきりになり痩せかけてしまっていた。そんな日々が続いたある日、先生は俺達を集めて静かに語り出した。

 

『俺は…愚かな男だ、自分の願いに拘るばかりに…本当に守らなければならない仲間を…家族を失い…挙句病に倒れ野垂れ死ぬ愚か者だ』

 

『先生……!!』

 

『だから…お前達は俺のような愚か者にはなるな。お前達は自由に、幸せに生きてくれ…それが俺の願いだ…もっと早くそれに気づければな……』

 

悲しそうに笑いながらそう俺達に話す先生の目には涙が滲んでいた。

 

(違う…違うよ先生…!!)

 

あなたの理想は間違っていない…『善だけの世界』はきっとある。俺達が見つけて見せる…貴方が生きている間に…!!

 

 

 

 

 

「それでも…俺達は…!!」

 

突如オルグの全身から禍々しい気が溢れてくる

 

「負けられないんだぁぁぁぁぁぁ!!」

 

瞬間、禍々しい気は一気に放出し、オルグの眼は真っ赤に輝いた。

 

「なんだお前…その気は…!?」

 

忍のそれとはまた違う、寧ろ……

 

「こんなところで終わらせない……先生の…『善だけの世界』を……俺達の手で……叶えて見せる!!」

 

「なっ…!!」

 

迫ってくるオルグの動きは先ほどとは比べ物にならなかった。気づけば目の前まで迫り鋭い斬撃が繰り出される。俺は咄嗟にガードするが力も先ほどを遥かに超える力で押し込まれてしまう。

 

「ガァァァァァァァ!!」

 

「うわぁ!!」

 

オルグのその圧倒的なパワーに俺はとうとう力負けしてしまい吹き飛ばされてしまう。

 

「こいつ……さっきより強い、それにこの戦い方…」

 

力だけじゃない、その戦い方は獰猛そのものでまるで俺のワイルドギアで自我を失っていた時に近く、気は禍々しく恐怖を感じる…恐竜のものとも違う…

 

「負けられないんだ…先生の願いを…俺達が…俺が…オレガァァァァァァ!!」

 

この禍々しい気は…忍のものとも、恐竜のものとも違う…どちらかと言うと…

 

「怨楼血の気に近い…?」

 

なぜ忍のオルグから妖魔と同じ気を感じるのかわからない、でも今の彼はその気によって半ば暴走している

 

「色々聞きたいことがあるけど…今はそんなことより…」

 

俺は懐からワイルドギアを取り出し覚悟の言葉を叫ぶ

 

「お前をそこから連れ戻す!!」

 

『ワイルドオン!!』

 

『超絶ティラノ!!』

 

そしてワイルドギアをドライバーに装着し超絶ティラノキーを起動して鍵穴に挿し込む。

 

『ガルルルルルグオーン!!ライドオン!!ガルルルルルグオーン!!ライドオン!!ガルルルルルグオーン!!ライドオン!!』

 

ベルトから音声が流れ鎖から解き放たれたティラノが俺の隣に並び雄叫びを上げる。

 

「変身!!」

 

『武装!!ワイルド!!一心一体最強バディ!!超絶!!超絶!!超絶にスゲー!!ダ・イ・ナ・ソー忍・者!!ワイルド!!』

 

『超絶キー』を回すとティラノが俺に飛び込み身体を覆い尽くし仮面ライダーリューマ超絶へと変身し手には専用武器『ワイルドブラスター』を握っていた。

 

「なんだ…その姿は…!!」

 

謎の力に取り込まれながらも残った意識で俺を見つめるオルグは明らかに動揺していた

 

「これは、仲間を守る為に…俺達が手に入れた力だ!!」

 

「ぐっ…」

 

俺はそう叫ぶとバスターモードにしたワイルドブラスターでオルグへと斬りつける。それに対してオルグも盾でガードするがその威力に思わず体が退がる。

 

「舐めるなよ…この俺を!!」

 

『大剣モード!!』

 

オルグはトプスパーダの剣と盾を合体させ大剣モードにすると刀身に禍々しい気を纏って巨大な斬撃を放つ。

 

「おりゃぁ!!」

 

「ぐわぁぁぁぁ!?」

 

しかし俺はその斬撃をティラノの尾の様なオーラを纏った斬撃で叩き潰しオルグを吹き飛ばす。さっきより攻撃の威力は高いが力任せで繊細さがない。今の俺達なら問題なく戦える!!

 

「この…!!なんでだ!?なんでお前に勝てないんだ!?」

 

自分の力が通じずオルグは困惑していた。

 

「教えてやるよ…俺は、ティラノと全力でぶつかり合って分かり合えた…互いを理解して…一緒に戦ってるんだ!!俺は1人で戦ってるんじゃない!!相棒と、2人で一緒に戦ってるんだ!!」

 

周りを見ようとしないで…自分の価値観を押し付けようとしてるだけのこいつらに…俺は負けない!!

 

「わかり合って手に入れた…仲間の力を見せてやる!!そして!!俺はお前達ともわかり合ってみせる!!」

 

『必殺の術!!超絶!!』

 

俺はカグラドライバーを叩き片足に力を込めて跳び上がる。

 

「俺だって…負けられねえんだよ!!」

 

オルグも負けじと刀身に先ほどよりも禍々しいオーラを纏い超巨大な斬撃を放つ

 

「超絶必殺忍法!!激竜ダイナソー無双キック!!」

 

ティラノサウルスのオーラと一体になり放たれたキックはオルグの巨大な斬撃を蹴り砕きながらオルグへと炸裂した。

 

「がっ…は……」

 

その一撃により吹き飛ばされたオルグはそのまま壁にぶつかり意識を失っていた。

 

「りゅーくん!!」

 

俺が変身を解除すると飛鳥達が俺の元へと走ってきた。近くには他の月閃のメンバーがおり戦いの後であることがわかった。

 

「よかった、そっちも勝ったんだな」

 

「うん、りゅーくんもお疲れ!!」

 

「竜司さんのこと…信じていました」

 

「さすが竜司だな」

 

「まあなんにせよ、俺達の勝ちだ」

 

「ひばり達も頑張ったよ!!」

 

みんなの無事な様子を見て俺は安心して笑った。

 

「満月さんまで負けるなんて…まさかみなさんがここまで強くなるなんて思ってませんでした…私達の完敗です…」

 

雪泉達他の月閃メンバーは俺たちの方を見て静かにそう喋り出した。その表情はとても暗い、負けたことで学園を燃やされることを悔やんでいるのだ。

 

「あ、そうそう言い忘れてたけどお前らの学園、燃やすつもりはねえよ?」

 

「え?」

 

俺の言葉に雪泉達は驚愕した。

 

「だって負けた相手の学園燃やすなんてかっこ悪いじゃん?な、飛鳥」

 

「うん!それに学炎祭で勝った方が相手の学園を燃やさない分にはルール上なんの問題無いって霧夜先生に確認してあるし!!」

 

このことは決戦前にみんなで決めていたんだ、たとえ俺たちが勝っても月閃を燃やさないと

 

「それで納得できないならさ、校庭でみんなとキャンプファイヤーでもしようよ。きっと楽しいよ!!」

 

「飛鳥さん…竜司さん…貴方達と言う人は……」

 

そんな俺達に雪泉は呆れた様に笑いそれに釣られて俺達も、他の月閃メンバーも笑っていた

 

 

 

 

 

 

「まだだ…まだ学炎祭は終わってない……」

 

ふと声が聞こえてそちらを向くと意識を取り戻した満月がふらつきながらトプスパーダの剣を片手に握りしめていた。

 

「満月!!もう終わったんです!!学炎祭で私達の学園も燃やされません!!だからこれ以上は…!!」

 

雪泉は慌てながら満月を止めようと近づく

 

「そう言う問題じゃねえだろ!!」

 

「きゃっ!!」

 

満月は自分を止めようとする雪泉を振り解きそのはずみで雪泉は倒れてしまう

 

「俺が…叶えるんだ…先生の願いを!!」

 

満月は叫びながら力任せにトプスパーダの剣先を突き出した。

 

「なっ…!!」

 

俺はその突きを見切り満月の剣を持つ手首を掴む

 

「もうやめろよ…満月、お前の負けだ。悪を全部否定して…敵をどんどん作っていって…その先に何が残るんだよ?」

 

このままじゃ満月は戻れなくなってしまう…そしてどんどん自分を苦しめていってしまうのが目に見えてしまう…

 

「もうやめようぜ…まだ間に合うからさ」

 

「甘い事…言ってんじゃねえぞ!!」

 

満月は叫びながら力任せに剣を振り下ろそうとし俺はそれを受け止めようとする。

 

「やめろ満月!!」

 

その時、俺と満月の間に頬に傷跡のある老人が割り込み満月の斬撃を受け止めた。

 

「なっ…!!」

 

「おじい様!!」

 

現れた老人に満月と雪泉が驚く。どうやらこの人が黒影のようだ。俺にはわかった、きっと寝たきりの体に鞭打ってでも満月達に自分の想いを伝えにきたのだと

 

「黒影様!?」

 

「おじいちゃん!?」

 

現れた黒影に他の月閃メンバーも驚く

 

「先生…なんで…?」

 

「剣を下ろせ満月、もう終わったんだ…」

 

「ダメだ先生…俺達の手で…先生の夢を…」

 

「それには及ばない、俺の夢は…もう叶っているのだから」

 

「えっ…?」

 

黒影の言葉に満月はキョトンとした。

 

「叶ったって…」

 

「俺は…善だけの世界を作りたかったんじゃない…ただ大切な仲間が…愛する家族が幸せになってくれればそれで良かったんだ…なのに俺は復讐に拘るばかりに、一番大切なものを忘れていた…それを、お前達が思い出させてくれたんだ…」

 

黒影はそう言うと優しく、それでいて力強く満月を抱きしめた

 

「ありがとうお前達、だから…もういいんだ」

 

「せ…せんせぇ…」

 

気づけば満月の目には溢れんばかりの涙が出ていた。そして雪泉達月閃メンバーも黒影に抱きついて泣いていた。

 

「どうやら間に合った様じゃの」

 

「じいちゃん!!」

 

すると優しく微笑みながらじいちゃんが現れた

 

「半蔵……」

 

「黒影よ、かつてお前とした賭けを覚えているか?」

 

 

 

『だったら………俺は悪など無い、善だけの世界を作ってみせる!!』

 

『そんなものは作れない!!賭けてもいい!!』

 

「あれはお前の勝ちじゃ……善だけの世界は確かにあった。お前の腕の中に…」

 

そう言って満月達を指差した

 

「ああ…そうだな…」

 

その言葉に黒影は嬉しそうに微笑んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

「半蔵学院が勝利しましたか…」

 

善忍本部の一室で神門が静かに呟き端末でどこかに連絡する、

 

「みなさん準備を急いでください、作戦を決行します」

 

俺達の知らないところで別の何かか動いていた。

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