仮面ライダーリューマ   作:クロバット一世

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其の五十一 悪の誇りと蛇邪頂上決戦!!の巻

 

『蒼良、もし私に何かあったらあの子達を守ってあげて』

 

ある日、僕の恋人が突然昼寝をしている2人の妹を見ながらそんなことを言い出した。

 

『どうしたんですか急に…物騒なことを言わないでください』

 

『もし私に何かあったらもう頼れるのは貴方くらいだから…だからそんなことがあったらあの子達をあなたに守って欲しいの…あの子達が立派に成長するその時まで…』

 

『何言ってるんですか、死ぬなんて馬鹿なこと言わないでください。』

 

そう言って愛する彼女の肩を引き寄せ抱きしめる。

 

『貴方が死んだら2人が悲しみます。何より僕も悲しいですよ…そんなこと言わないでください』

 

『蒼良…ごめん、ちょっと不安になってた。大丈夫、私は死なないから』

 

僕の言葉に彼女は…両姫は頬を染めながら僕にもたれかかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その僅か数日後、両姫は亡骸になって帰ってきた

 

『かわいそうに…』

 

『なんでも禁術に手を出して暴走した悪忍に殺されたらしいぞ…』

 

『本当か?やはり悪忍か…なんと卑劣な…』

 

『優秀な忍だったのに…』

 

『妹が2人いるんでしょ?気の毒ね…』

 

後ろから何か声が聞こえるが何も聞こえない、ただ僕の前で目を覚さない両姫の亡骸しか目に入らなかった。

 

「う…あぁ…!!」

 

「お姉ちゃん…!!」

 

ふと気づくと、僕のそばで両備と両奈が泣きじゃくっていた。

 

『蒼良、もし私に何かあったらあの子達を守ってあげて』

 

その時、両姫のあの日の言葉が頭をよぎり、僕は2人を抱きしめた

 

『両備、両奈…これからは……僕が2人を守るから…!!』

 

 

 

 

「あの日から…僕の復讐が始まったんだ」

 

僕は両備と両奈を抱きしめる両姫の写真を見ながら呟いた。

 

「両姫…今の僕を見て、君はどう思うのかな?でも、僕はもう止められない、動かずにはいられないんだ…」

 

何やら下が騒がしいが構わない。僕は転身弓プテラアローとプテラキーを手に覚悟を決めた。

 

「さあ、復讐の始まりだ」

 

 

 

 

 

 

「またここに戻ってくるとはな…」

 

目の前に見える蛇邪学園を見て炎佐は呟いた。

 

「お前ら、準備は出来てるよな?」

 

「当たり前だ!!お前こそ修行は上手く行ったんだろうな?」

 

「勝手に行動したからにはちゃんと頑張ってもらいますわよ」

 

「せやで、ガルーダの相手は炎佐さんに任せたで」

 

「負けたら承知しないわよ!!」

 

「ふふ、責任重大ね」

 

「…心配すんな、おかげでバッチリだからな」

 

次々と言いたい放題言ってくる仲間に炎佐は笑みを浮かべて答えた。

 

「良い顔ね炎佐」

 

そんな炎佐の顔を見て春花はどこか嬉しそうに微笑んだ

 

「そうか?」

 

「ええ、道元への復讐を考えてた頃に比べたら今の顔の方がずっと良いわ」

 

「…そうだな」

 

炎佐はふと思い出す、父の命を奪った道元のことを知り奴を討つ力を手にするべく蛇邪の門を叩いた。だが学園で過ごし、仲間が出来て…いつしか憎しみは薄れていった…そしていつしか戦う理由が復讐ではなく自分を慕ってくれる仲間達の為になっていた。

 

「いくぞ!!」

 

俺達は蛇邪学園へと入っていった。

 

「待ってたぜ炎佐」

 

学園に入った途端、俺達の目の前に大勢の蛇邪生徒が武器を手に集まっていた。その顔には見覚えがある

 

「お前ら…反炎佐連合の…」

 

「こっから先は通行止めだ」

 

「学炎祭の前に俺達の相手をしてもらおうか」

 

辺りを見渡すと武器を手に臨戦態勢の反炎佐連合が殺気だっていた。

 

「お前ら選抜メンバーじゃないだろ?学炎祭のルールはどうなったんだ?」

 

「学炎祭は関係ねえよ、これは俺達の面子の問題だ」

 

「前からテメェが気に入らなかったんだよ、選抜メンバー筆頭ってだけで蛇邪の顔みたいに偉そうにしてよ」

 

反炎佐連合にとって炎佐と炎佐によってスカウトされ選抜メンバーは目の上のたんこぶだった。抜け忍になった今でも彼らを慕うものもおり今なお炎佐組の勢いは止まっていない

 

「お前らを始末すれば目障りな炎佐組の奴らも大人しくなるだろ」

 

そうしてる間にも反炎佐連合は武器を手にゆっくりと炎佐達を取り囲んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

「まてぇ!!」

 

その時学園に響くような声が聞こえた。その声がする方を振り向くと知ってる顔が見えた。

 

「面子だのなんだの言ってるくせにこんな大勢で闇討ちなんて…悪忍の風上にも置けないです!!炎佐さんに用があるなら…俺たち炎佐組を相手にしてもらいましょう!!」

 

そこには理吉を中心とした炎佐組のみんなが武器を手に反炎佐連合に向かい合っていた。

 

「お前ら…」

 

「炎佐さん!!ここは俺たちに任せて炎佐さんは学炎祭に集中してください!!ここは俺たちが引き受けます!!」

 

「まかせてください!!」

 

理吉たちの言葉とまっすぐな瞳を見て炎佐はニヤリと笑う

 

「……ここはお前ら炎佐組に任せだぞ!!それだけ啖呵切ったんだからしっかりやれよ!!」

 

「炎佐さん……!!」

 

「お任せください!!」

 

自分たちに任せてくれたことに歓喜し炎佐組は全力で返事をし反炎佐連合へと身構えた。

 

「炎佐の金魚のフンどもが舐めやがって…」

 

「まずはお前らからだ!!」

 

「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」

 

それに対して反炎佐連合も標的を炎佐組へと切り替えて彼らに襲いかかった。炎佐組もそれを迎え撃ち両者がぶつかり合う

 

「あいつらは炎佐組に任せて俺たちは行くぞ」

 

炎佐は焔たちにそう言って歩き出した。

 

「嬉しそうね炎佐」

 

その炎佐の顔を見て春花がくすりと笑う

 

「…ふっ」

 

それを炎佐は隠さなかった。彼自身本当に嬉しかったのだ。自分が鍛えてきた炎佐組がここまで立派に成長していたことに

 

「………さっさといくぞ!!」

 

「はいはい」

 

炎佐達は炎佐組を信じて学園内へと入っていった。

 

 

 

 

「よう、久しぶりだな蒼良」

 

炎佐は屋上で静かに立ってる蒼良を見つけた。

 

「やあ炎佐、久しぶりだね、こうして会うのは2年前かな?」

 

「そうだな、あの頃の俺とは違うってことを見せてやる」

 

炎佐に気づいた蒼良はこちらを向いた。

 

「それにしても…思いもしなかったぜ、まさか『灰色』の忍が悪忍側の仮面ライダーになってたなんて…」

 

『灰色』…それは善忍にも悪忍にも属さない忍組織である。彼らは善忍、悪忍どちらにも潜んでおり時に善忍の情報を悪忍側に流し時には逆に悪忍側の情報を善忍側に流すことで両者の勢力バランスを調停する役割を持つ特殊組織である。

 

「…君には関係のない話だよ」

 

「そうかよ。まあ良いや、始めようぜ」

 

炎佐の言葉を皮切りに両者はカグラドライバーと転身弓プテラアローを手に取った。

 

『スピノ!!』

 

『プテラ!!』

 

炎佐はスピノキーをカグラドライバーの鍵穴に、蒼良はプテラキーを転身弓プテラアローの鍵穴に装着した

 

『ドンドロロンロンドロンドロン!!ドンドロロンロンドロンドロン!!』

 

『♪〜〜♪♪〜♪〜♪♪♪〜!!』

 

「「変身!!」」

 

『武装!!スピノ!!』

 

『竜装!!プテラ!!』

 

互いが鍵を回すとスピノサウルスとプテラノドンのオーラが両者を纏い仮面ライダーガリューと仮面ライダーガルーダへと変身した。

 

「仮面ライダーガリュー…いざ、舞い殉じる!!」

 

「仮面ライダーガルーダ、悪の誇りを…舞い掲よう」

 

ガリューはスピノアクスをガルーダは転身弓プテラアローを武器に互いにぶつかり合った。

 

「はぁ!!」

 

「ふっ!!」

 

スピノアクスの一撃をガルーダはプテラアローで受け流しそのままガリューへ斬りつける。しかしガリューもその一撃を躱してすかさずガルーダへと反撃の一撃を繰り出した。

 

「甘い!!」

 

しかし、ガルーダは身軽な動きで飛び上がると空中から矢をガリューへと連射した。

 

ガリューは咄嗟にスピノアクスで矢を弾くが一本は肩を掠めてしまう

 

「舐めんな!!」

 

「ぐっ…!!」

 

しかしガリューは動きを止めずガルーダに接近して斬りつける。その衝撃にガルーダは一瞬たじろぐがすぐさま矢を放つ。炎佐はすぐさま矢を弾きガルーダへと斬りかかりガルーダもプテラアローで反撃し鍔迫り合いとなった。

 

「やるね、確かに以前とは段違いだ」

 

「お陰様でな」

 

「だけど…それじゃあ僕には勝てない!!」

 

瞬間、ガルーダの背中から紫色の翼が生えて飛翔した。

 

「なっ…!!」

 

「それじゃあ…反撃させてもらうよ!!」

 

ガルーダは空中から矢を連射する。その矢は先程と違い直線ではなくカーブを描いて変幻自在にガリューへと襲いかかった。

 

「ちっ…!!」

 

ガリューは矢を躱しながら走り出すが矢はガリューが向かう方向を迷わず襲ってくる。その軌道はまるでガリューがどう動くのか分かっているようだった。

 

「なるほど…良い眼だな」

 

「やっぱり君なら分かるか、プテラの能力に」

 

キョウリキーに宿る恐竜にはそれぞれ異なる能力が備わっている。

圧倒的パワーを宿したティラノ、炎と一撃の破壊力を宿したスピノ、竜巻を操るメガロ、巨体による怪力のブラキオなどその能力は千差万別…そしてプテラの能力は…

 

「『飛行能力』と『超視力』ってところか」

 

翼竜故の飛行能力に加え空中から海中の魚を見つけられるプテラノドンの高い視力によってガルーダはガリューは空中からガリューの僅かな動きを見極めどのように動くのかを予測して矢を放っているのだ。

 

「…よくわかったね、だけどわかったところで君に勝ち目は無いよ」

 

「それはどうかな」

 

『ワイルドオン!!』

 

ガリューはワイルドギアを取り出してカグラドライバーに装着する。

 

『ガルルルルルグオーン!!ライドオン!!ガルルルルルグオーン!!ライドオン!!』

 

「変身!!」

『武装!!ワイルド!!一心一体最強バディ!!超絶!!超絶!!超絶にスゲー!!ダ・イ・ナ・ソー!!忍者!!ワイルド!!』

 

ガリューは超絶スピノキーとワイルドギアで仮面ライダーガリュー超絶へと変身してワイルドブラスター・キャノンモードを手にする。

 

「その力…まさか君もワイルドギアを手に入れていたのか…!!」

 

ガリュー超絶の姿にガルーダは驚愕するがすぐにプテラアローをガリューへと向けて矢を放つ

 

「はぁっ!!」

 

しかしガリューもワイルドブラスターで矢を全て撃ち落とし反撃する。ガルーダはその飛行能力で向かってくる砲弾を躱しながら矢を撃ち続ける。

 

「自我を失っていない…まさかその力を完全に使いこなすなんてね…!!」

 

「言ったろ?以前の俺と違うってな!!」

 

ガリューの凄まじい砲撃がガルーダを追い詰めるがガルーダも巧みな動きで砲撃を躱しながらガリューへと正確に矢を放ち続け膠着状態が続いた。

 

「やっぱりお前もやるな…ワイルドギアを使ってもこうも互角とはな」

 

「君も、正直ここまで強くなってるとは思わなかったよ」

 

 

 

その時、ガルーダが何かに気づく

 

「これは…他のみんなは随分苦戦しているようだな?」

 

「うちの奴らを甘く見たな」

 

ガルーダの様子にガリューは得意げになる。しかしガルーダの反応は予想したものとは違った。

 

「いや、むしろ好都合だ」

 

ガルーダは嬉しそうに言うと突如飛び立ってしまう。

 

「おい!!どこ行くんだ!?」

 

制止する俺を無視してガルーダはそのままどこかに行ってしまった

 

「…なんだか嫌な予感がする」

 

 

 

「…なかなかやるな、正直ここまでだとは思わなかった」

 

焔と雅緋の戦いは両者ほぼ互角の状態だった。

 

「貴様もな…だが私は負けない…ここで負けるようではあいつに…炎佐に一生勝てないからな…」

 

両者一歩も譲らず互いに武器を構える。

 

「手を焼いてるようだね雅緋」

 

その時、雅緋の背後に仮面ライダーガルーダが現れた。

 

「蒼良か…ここにいると言うことはガリューを倒したのか?」

 

「あいつを馬鹿にするな!!大方逃げてきたのだろう」

 

雅緋の言葉に焔は噛み付く

 

「それも合わせて教えてあげるけど…その前に大事な話があるんだ」

 

「蒼良?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「簡単に背中を見せてくれてありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、ガルーダは仕込み弓で雅緋へと矢を撃ち込む

 

「なっ……!!」

 

信じられない光景に焔は目を見開いて立ち尽くしてしまう

 

「そ……蒼良……?な……んで……?」

 

倒れながら雅緋さ信じられないと言った顔でガルーダを見つめる。そんな雅緋にガルーダは静かに、そして冷たく一言だけ言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「両姫の…………仇だ雅緋」

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