其の一
神楽とは、遥かなる山頂
神楽とは、深淵なる海溝
絶頂まで高く、極限まで深い。
神楽とは、戦神の化身
神楽とは、平和の使者
震えるほど強く、
慈愛のかけらもない。
神楽とは……。
神楽とは……。
対妖魔に特化した
究極の強者
全ての忍は
神楽に憧れる
それは高き山脈であるから、
それは広き海原であるから、
神楽とは……
神楽とは……
短い命の華が、
妖魔を滅して咲き乱れる。
神楽とは……
神楽とは……
戦いの中で閃く一瞬の光、
閃乱カグラが咲き誇る。
神楽とは……
神楽とは……
これから始まるのは、
儚くも美しい、
神楽と忍の絆の物語である。
夜の竹林を少女か走る。少女の腕には幼い白い服を着た少女が抱き抱えられていた。そんな2人の少女を崖の上から11体の異形が見下ろしていた。
「ちっ、どうしてこんなところに妖魔衆が……」
走る少女な頭から血が流れている。
「大丈夫、奈楽ちゃん?」
「ええ、心配ありません」
心配する幼女に少女は優しく微笑む
そのとき、突然鋭い刃が迫る。妖魔衆と呼ばれる者たちが少女に襲いかかる。
「変身」
その中の黒いフードを纏った影が呟くと禍々しいオーラが身体を包み込み黒い異形となる。その両手には禍々しい片手斧と牙を思わせる剣の様に巨大な苦無を手に持っていた。その姿はリューマとガリューを混ぜ合わせたような禍々しい怪人の姿だった。
「守ります、この命に変えても」
ゆっくり近づいてくる異形に少女は覚悟を決めて呟く。
「そのためだけに自分は生まれてきたのですから」
『竜司、これってなに?』
目の前の少女は幼い俺が渡したボールを持って聞いてくる。
『それはサッカーボールだよ。サッカーをするためのボール!!』
『サッカー?』
『サッカーはね、1人じゃできないの!!友達といっしょにいるから、絆があるからできるの!!』
『絆…!!』
俺がサッカーについて教えると少女は眼を輝かせる。
『このボールあずけるね!!つぎは俺の友達もつれて、⚫︎⚫︎と⚫︎⚫︎とみんなでサッカーしよ!!』
『うん!!』
「………ん、り……くん、りゅーくん!!」
突然声が聞こえて俺が眼を覚ます。どうやら気付かぬうちに眠っていたようだ。あたりを見ると俺の左右に飛鳥と斑鳩先輩が座っており心配そうにみていた。
「あ…ごめん寝てた。」
「ふふ、竜司さんの寝顔可愛かったですよ」
「あ…はは、それでどうしたの」
「あ、そうそう。もうすぐ着くよ」
「あ、ほんとだ」
俺が窓を見てみると目的地の景色が、京都が見えていた。
劇場版仮面ライダーリューマ 京都大決戦〜絆のサッカーボール〜
「京都キター!!」
京都駅に着いた俺は声高らかに叫んだ。
「いやー晴れてよかったな。修学旅行に良い日和たよ!!」
「ほんとだね。でもびっくりだよ忍学校にも修学旅行があるなんてね」
「忍学生も学生だからな。修行する時は修行する。楽しむ時は楽しむ。何事もメリハリだ。」
嬉しそうに話す俺たちに霧夜先生が優しく話した。京都、1000年の歴史を持つ古の都が俺たちを感動させていた。
「うわぁ!!」
「ど、どこ蹴ってんだよー!!」
すると、道でサッカーをしていた少年少女の声が聞こえた。そっちを向くと誤ったほうへと蹴ったボールがこっちへと飛んでくる。
「あっ…」
そのボールを見た時、先ほどの夢を思い出す。
「ほっ」
俺は飛んできたボールを額で受け止めるとボールを足の方へと移動させてリフティングを披露する。ボールは俺の足で自在に動き回りまるで舞っている様だった。
「あらよっと!!」
最後に俺が蹴り上げるとボールは少年の手の中へと吸い込まれる。
「おお〜!!」
俺のリフティングを見てあたりの人々が拍手を贈る。
「にいちゃんスゲ〜!!」
「もっかい見せて〜!!」
ボールの持ち主の少年少女も眼を輝かせて拍手していた。
「ははっ、え〜と…またの機会で!!」
俺たちは照れながらも子供達に手を振りながらその場を離れた。
「まったく…仮にも忍を目指すものがあんなふうに目立つなんて…」
「すいません霧夜先生…」
人のいないところまで離れた俺は霧夜先生に軽く叱られてしまった。サッカーボールを見たらつい体が反応してしまった。
「でもすげ〜な竜司、さっきのボール捌き」
「確かに…あんな特技があったなんて知りませんでした。」
「すごかったよ〜」
「昔やってたのか?」
かつ姉や斑鳩先輩たちも関心して聞いてくる。
「うん、昔得意でよく修行の合間に練習してたんだ」
「そういえばりゅーくん、中学の時助っ人で出たサッカーの大会で優勝してプロのクラブチームからスカウトされたんだよね」
そういえばそんなこともあった。その頃には将来は忍になるって決めてたから断ったけど
「まあいい、それじゃあ早速京都旅行を始まるとするか!!」
すると霧夜先生が張り切ってそう叫ぶ。よくみると先生の手には付箋がびっしり貼られたガイドブックがしっかりと握られてた。どうやら先生も相当楽しみにしてきた様だ。
「よーし、京都観光…レッツゴー!!」
「「「「「「おお〜っ!!」」」」」」
その頃東京駅のホーム
「お前ら、忘れ物はないな?」
炎佐率いる抜け忍集団、炎佐紅蓮隊が揃っていた。
「うん。大丈夫だよ!ちゃんとおやつも300円以内で済ませたし♪」
「東京駅なんて久しぶりやな」
「まさか抜忍の身で京都観光が出来るなんてね」
そう、何を隠そう今回炎佐紅蓮隊メンバーで京都旅行に行くことになったのだ。
「ふっ、おまえら、福引を手に入れた俺に感謝しろよ」
喜ぶみんなに炎佐はドヤ顔をした。
「炎佐さんのおかげじゃないやろ、1等の京都旅行を当てたのは詠やんか」
「うぐっ!!」
「炎佐が引いたくじ全部ポケットティッシュだっただろ」
「がはっ!!」
図星を突かれて炎佐はその場に倒れ込んでしまう。
「て、テメェはリーダーの俺に向かって…ん?」
「ガクガクガク…ブルブルブル…」
ふと炎佐がみると今回大手柄の詠が何やら震えていた
「だ、大丈夫?詠お姉ちゃん?」
「なんや震えとるな?トイレなら向こうにあったで」
震えている詠を見て未来と日影も心配する。
「違います!!トイレじゃありません!!ただ…」
「ただ?」
「聞くところによれば…新幹線は200キロを超えるスピードが出るとか…」
「出るに決まってるだろ?新幹線なんだから」
「し、信じられませんわ!いくらなんでも危険です!スピード違反ですわ!!」
「…くくっ」
明らかに怯えている詠に炎佐はいたずら心が出た。
「…昔、父上に連れられて新幹線に乗ったことがあったんだが…」
「ん?」
「なぜか線路の上に全長1メートルバナナの皮が落ちてた時があってな」
「ば、バナナの皮!?しかも全長1メートル!?そんなのがあったら滑ってしまいますわ!!」
「ああ…現に俺の乗ってた新幹線もすってんころりんして…そのまま空の彼方に…」
「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「炎佐!!あんまり詠をからかわないの!!」
詠をからかう炎佐に春花が叱りつけた。
「もう!!嘘をつくのも良い加減にしてください!!」
嘘だと気づいた詠は炎佐に怒る
「悪い悪い、まさか…本当に信じるなんて…くくっ!!」
動揺する詠を思い出して炎佐は思わず再び笑い出す。
「でもまさかお前が新幹線乗ったことがなかったなんてな…」
「ええ、皆さんと普通の電車に乗ったくらいですわ。あれくらいゆっくりなら良いのですが200キロなんて…」
「うわぁぁぁぁ!!」
すると突然焔が叫んだ
「今度はなんだ」
「し、新幹線の切符が無い!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?なんで!?切符確かお前に全員分預けたよな!?」
「わ、わからない…アジトに置き忘れたのか途中で落としたのか…兎に角ないんだ!!」
「ふざけんなー!!あれがなきゃ新幹線に乗れねえだろ!!」
「うふふふ、仕方ないですね♪切符がないんじゃ京都旅行はあきらめましょう」
パニクる俺たちとは別に詠はどこか嬉しそうにそういった
「嫌じゃー!!俺が今日の旅行をどんだけ楽しみにしてきたと思ってんだ!!もう旅のしおりだって作ってんだぞ!!」
「そうよ!!八ツ橋は!?映画村は!?あぶらとり紙は!?」
「そうだ!!金閣寺は!?舞妓さんは!?清水寺は!?舞妓さんは!?伏見稲荷は!?舞妓さんは!?」
「炎佐さんほぼ舞妓さんで頭いっぱいやで」
「わたしは切符を持ってるわよ。こんなこともあろうかと自分で管理してたから」
そう言って春花は自分のチケットを取り出した。
「ず、ずるいわよ春花様!!」
「仕方ないから、わたしだけで京都を満喫してくるわ」
「いいやだめだ!!」
しかしそこで炎佐が叫ぶ
「俺たち炎佐紅蓮隊は一蓮托生!!舞妓さん…京都に行くなら6人一緒にだ!!」
「そうは言っても切符が無いんじゃ…」
「うぐぐ…」
その時、焔が閃いた。
「まて!!私に良い考えがある!!」
「で、その良い考えってのがこれか?」
発車する新幹線の屋根の上で炎佐は震えながら焔に聞いた
「切符が無いなら…座席に座れないなら…新幹線の屋根にいればいい!!何より新幹線の屋根など修行場所としても最適!!一石二鳥とはこのことだ!!」
得意げに話す焔に全員が呆れた。ちなみに春花は「わたしは自分の席にいるから勝手にやってて」といって自分の席に座っている。
「ほ、焔さん!!こんなところにいて…新幹線が爆発したらどうするんですか!?」
「新幹線は爆発などしない!!もっと新幹線のことを信じろ!!」
「ふ…ふふふ…本当なら、座席から景色を眺めながらのんびりと京都に行くはずだったのに…それなのにお前が切符を無くしたりするから…」
堪忍袋の尾が切れたのか、炎佐は怒りに震えスピノアクスを手に持つ。
「そういや、お前とは最近戦って無かったっけな…お望み通り修行に付き合ってやるよ…」
「おお!!やる気十分だな炎佐!!」
臨戦態勢の炎佐に焔は嬉しそうに忍転身した。
「いくぞ炎佐ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ふざけんな焔ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
炎佐紅蓮隊最高戦力の2人が今ぶつかった。
「みんな、様子を見にきたわよ。どう?新幹線の屋根は?」
春花が様子を見に来るとそこは地獄絵図だった。
「あは、あはは。あたしは、お姫様…忍の国の、お姫様なの…」
「ほほほほほほ…わたくしもお姫様、もやしの国のお姫様ですわ…」
「…なんなのこれ?2人ともどうしちゃったの?」
虚ろな目で呟いている未来と詠を見て春花はドン引きしていた。
「あれや、あの2人の巻き添えになった」
日影が指差す方を見ると焔と炎佐がまだ争っていた。
「だいたいお前はいつもいつもガサツなんだよ!!もっと片付けをちゃんとしろ!!ゴミはちゃんと分別しろ!!脱いだ服はちゃんと洗濯カゴに入れろ!!理吉だってそれくらいできるぞ!!」
「お前は私のお母さんか!!抜け忍になってから急に余計なことにまで口出しして!!」
「俺はリーダーとして部隊をまとめる必要があるんだ!!それなのにお前らは…!!人を勝手にリーダーに担ぎ上げといて全然俺を敬わないし…つかそのダサい服なんとかしろ!!なんだ『自給自足』って!!」
「なんだとー!!」
「なんだよー!!」
「まったく貴方たちは…いい加減にしなさい」
ほとんど喧嘩になってた2人を諌めて春花はため息をついた。
「いや…だって炎佐が…」
「全部焔が…」
「ああん!?」
「おおっ!?」
「はいストップ」
再び始まろうとした喧嘩を再び春花は諌めた。
「もうお互い気は済んだでしょ?そろそろ席に座りましょ」
「だ、だが切符が…」
「自由席の方、見てみたら結構空いてたのよ。だから指定席のチケットが無くても座れるわ」
「おおっ!!」
「よくやった春花ー!!法律的に大丈夫か不安だがよくやった!!」
春花の情報に炎佐紅蓮隊のみんなが歓喜する。
しかし現実は非情である。
「いや春花さん、それは無理や。この新幹線もう京都駅まで停車せえへん。ドアが開かんからもう席には座れんってことや」
「え?」
日影の口から出た情報に春花も固まる。
「そ、それじゃあわたしも?」
「屋根の上やな、京都に着くまで」
「そ、そんなぁ〜」
春花はがくりとくずれ落ちた。
「まぁ良いじゃないか。炎佐も言ってただろ?炎佐紅蓮隊は一蓮托生。一緒に京都まで屋根の上で過ごそうじゃないか」
「それに、ある意味新鮮な京都旅行じゃないか。こんな旅行もありじゃないか?」
「…ふっ」
「…ははっ」
ぶつかり合ったことでお互い幾らかスッキリした2人は互いをフォローしお互いに笑い合った。
「よしお前ら!!色々あったが炎佐紅蓮隊京都旅行!!存分に楽しむぞ!!」
「「「「「おぉ〜!!」」」」」
新幹線の上で6人の声が響き渡った。
竜司たちも、炎佐たちも、この時は知らなかった。
この後に起こる大きな戦いを
登場人物にて仮面ライダーガルーダと蒼良のデータを更新しましたので良ければ確認してください!!