「おお〜!!これが清水の舞台か〜!!」
「すげえな〜京都が一望できるぜ」
「うわぁ〜すごい高いね柳生ちゃん」
「そうだな雲雀」
修学旅行で京都に来た俺たちはいくつもの観光名所を廻っており、現在清水寺に来ていた。清水の舞台からの景色は美しく京都を一望できた。
「清水の舞台から飛び降りれば願いが叶うって言うけど…流石に迷惑になっちゃうからな…」
「お前ならやりかねないからな」
真下を見下ろしながら呟くと霧夜先生がジト目で見張っていた。
「あはは…流石にそこまで常識は欠けてませんよ…」
俺は苦笑いを浮かべながら霧夜先生にそう返した。
「ん?飛鳥と斑鳩先輩がいない?」
ふと周囲を見渡すと飛鳥と斑鳩先輩の2人の姿が見えなかった。
「霧夜先生、2人を見かけませんでしたか?」
「いや…見ていない…まぁどこにいるかはだいたい見当がつくが…」
なぜか霧夜先生は冷や汗をかいていた。
地主神社
清水寺の境内にある神社である。
『因幡の白兎』で知られる大国主を祀る由緒ある神社なのだがそのほかにも日本最古の縁結びの神社として知られている
そこで飛鳥は1人真剣な顔で手を合わせていた。目的はただ一つ。自身の想い人への誰にも譲れない願い
「りゅーくんが…私の想いに気づいてくれます様に…/////」
「あ〜す〜か〜さ〜ん」
突然真後ろに斑鳩が立っていた。
「ひゃ!?い、斑鳩さん…!!」
「飛鳥さん?ぬ・け・が・け・で・す・か・?」
ニコニコと笑いながらも全身から凄まじい怒気が炎の如く溢れて後ろには鳳凰が見えた。
一瞬たじろぐが飛鳥は見逃さなかった。
「斑鳩さんだって…そのお守りはどうしたんですか?」
「うっ!!」
飛鳥の言う通り、斑鳩の手には『えんむすび』と書かれた赤いお守りが握られていた。
「考えていることは同じですね」
「そうだね斑鳩さん」
目の前にいる恋敵(ライバル)に両者一歩も譲らず真っ向から向かい合っていた
「こんなところにいたの2人とも。向こうでみんな待ってるよ」
しかしそこへ何も知らない竜司がやってきた。
「竜司さん!?」
「りゅーくん!?」
突然の竜司に2人は顔を赤く染めて驚いた。
「ここの神社に参拝しに来たの?」
「あ…うん…その…////」
「これは……えっと…////」
目の前の想い人に2人ともうまく喋れない
「ん?そういえばこの神社ってなんのご利益があったんだっけ?」
「あっ!!////」
「待っ…////」
竜司はふと神社の方を見る。
「「だめぇぇぇぇぇぇぇ!!///////」」
「痛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
飛鳥と斑鳩は顔を真っ赤にして咄嗟に竜司を殴り飛ばし竜司は空の彼方へと吹っ飛んでいった。
「あ!!竜司さぁぁぁん!!」
「りゅーくぅぅぅぅぅん!!」
飛鳥と斑鳩は慌てて竜司の飛んでった方向へと走り出した
「痛た…2人ともなんで急に…」
飛鳥と斑鳩先輩に吹き飛ばされた俺は起き上がると清水寺を目指して歩き出した。遠くからでも清水寺が見えるため迷う心配は無い。そう思いながら歩いていると
「ん?」
ふとどこからか声が聞こえる。その声から妙な胸騒ぎがした俺は声のした方へと走り出した。しばらく走っていると視線の先に二つの人影が見えた。
「っ!!あれは…」
「はぁ…はぁ…」
「もうダメ…走れないよ」
視線の先にはオレンジのフードを被った少女と白い服の幼女がいた。
「君たち大丈夫!?」
「っ!!」
俺が慌てて声をかけると2人は俺に気づいてこっちを見た。フードの少女はところどころから血が出ておりしんどそうだった。
「酷い傷…待ってろ、すぐ手当を…」
「いい、自分には必要…っ!!」
少女は俺の手を振り払おうとしたが俺の顔を見て突然驚いた様に俺を見つめた。
「お前は…まさか…」
「どうしたの?」
「っ!!いや…なんでもない…ぐっ!!」
少女が俺から顔を晒した途端、傷の痛みに顔を顰めた。
「やっぱり痛いんじゃないか!!ほら、ちょっと見せて!!」
「お、おい!!だから自分に構うなと…」
「奈楽ちゃん、診てもらおう?だって奈楽ちゃん辛そうだもん」
なおも拒もうとする少女、奈楽に幼女が心配そうにそう言った。
「かぐら様…わかりました」
かぐらの言葉に従うと奈楽は大人しく俺の応急処置を受けた。
「これでよしっと…」
俺は普段持っている簡易医療キットを用いて奈楽の応急処置を終え最後に傷口に包帯を巻いた。
「うっ…!!」
「少し染みるけど我慢して?じいちゃん秘伝の塗り薬を塗ってるからすぐ良くなるよ。けど、あくまで応急処置だから病院でちゃんと治療を…」
「いや…すぐにここを離れる。さあかぐら様…」
「う、うん…」
「ちょっ…何言ってんだよ!?そんな傷じゃ…」
その時、突如空間が揺らいだ
「これって…忍結界!?」
「ちっ…もうここまで…」
そう、これは忍結界発動によるものだ。だけど忍の気配はない…一体どういう…
「っ!?な、なんだこれ…!?何か来る!!」
その時、突然ドス黒い邪悪な気配が迫ってくる。俺はとっさに身構える。するとそこへ黒いローブを纏った虚な眼をした赤黒い肌の男と10体の人形の妖魔が現れた。
「なんだお前らは…」
「その2人をこっちに渡せ」
するとローブを纏った男が奈楽とかぐらを指さして俺に向かってそう言った
「な…っ!!狙いはこの2人なのか!?なんで…」
「貴様が知る必要は無い」
なぜ2人を狙うのか聞こうとするがローブの男はそれを無視してゆっくりと近づいてくる。
「な、奈楽ちゃん…」
怯えるかぐらを見て俺はローブの男の前に立った。
「貴様…何の真似だ?」
「悪いけど…この2人には指一本触れさせない」
「…愚かな。壱座、参座、五座、七座、九座お前達がいけ」
ローブの男が命じる5体の妖魔が俺の前に立った。
「たった1人で我々を倒せると思っているのか?」
「グルルルル…」
「シャァァァァァ!!」
妖魔たちは唸り声をあげて俺に敵意を向けていた。
「なぜ自分たちを助けようとする…お前には関係ないだろ」
「もう関わってるんだ。関係なくない」
俺を止めようとする奈楽ならそう言ってカグラドライバーを装着した。
「必ず助ける!!」
『ティラノ!!』
ティラノキーを起動してカグラドライバーに挿し込む
『ドンドロロンロンドロンドロン!!ドンドロロンロンドロンドロン!!』
「変身!!」
『武装!!ティラノ!!』
ティラノキーを回して俺は仮面ライダーリューマへと変身した。
「仮面ライダーリューマ…京都でも舞い忍ぶぜ!!」
「なるほど、お前がオリジナルだったのか」
リューマになった俺を見てローブの男は何かに気づきつぶやいた。
「面白い…やれ」
ローブの男の合図とともに妖魔達は一斉に俺に襲いかかってきた。俺も後ろにいる奈楽とかぐらを守る様に妖魔たちを迎え撃った。
「くっ…!!」
壱座による攻撃をファングクナイで受け止めると参座が手に持つ長刀で斬りかかってくる。
「くそっ!!」
俺がとっさに躱すと五座の素早い足技が繰り出され俺は避けきれないので腕をクロスさせてガードした。何とか防ぐがその衝撃に吹き飛ばされると番傘を使う七座と黒い兎を操る九座が飛びかかってきた。
「なんだこいつら!?ただの妖魔じゃない!?」
怨楼血の様な今までの妖魔とは違う戦い方に俺は違和感を感じた。何よりこいつらの攻撃にどこか見覚えがあったのだ
「でも、だからって…負けるわけにはいかない!!」
後ろにいる2人を守るために!!
『ワイルドオン!!』
『超絶ティラノ!!』
俺はワイルドギアをドライバーに装着し超絶ティラノキーを起動して鍵穴に挿し込む。
『ガルルルルルグオーン!!ライドオン!!ガルルルルルグオーン!!ライドオン!!ガルルルルルグオーン!!ライドオン!!』
ベルトから音声が流れ鎖から解き放たれたティラノが俺の隣に並び雄叫びを上げる。
「変身!!」
『武装!!ワイルド!!一心一体最強バディ!!超絶!!超絶!!超絶にスゲー!!ダ・イ・ナ・ソー忍・者!!ワイルド!!』
『超絶キー』を回すとティラノが俺に飛び込み身体を覆い尽くし仮面ライダーリューマ超絶へと変身した。
「…姿が変わった?」
ローブの男はリューマ超絶を見て驚きの表情を浮かべた。
「想定外の姿だが…構わん、いけ」
しかしローブの男はすぐさま他の妖魔に指示を出す。
「させるか!!」
しかし俺はそれよりも早く動き壱座を蹴り飛ばす。
「なに!?」
咄嗟に隣にいた参座が斬りかかるが俺はワイルドブラスターを取り出してその攻撃を防いで力で押し切る。吹き飛ばされた妖魔は後ろにいた五座を巻き込んだ。
今度は七座と九座が飛びかかってくるが俺はワイルドブラスターの刀身に力を込めて巨大な斬撃をお見舞いした。2体の妖魔は咄嗟に回避するが完全には躱しきれずに傷を負った。
「むっ!!」
今度は壱座が再びが襲いかかってきて俺と鍔迫り合いになる。しかしティラノと一緒に力をのせた俺のパワーが勝り吹き飛ばして5体の妖魔を一箇所にまとめた。
「トドメだ!!」
『必殺の術!!超絶!!』
俺は『ワイルドブラスター』に『超絶キー』を挿しこみ回すと刀身と銃口が光り輝きエネルギーが溜まっていく。
「超絶必殺忍法!!激竜ダイナソーバスター!!」
『ガォォォォォン!!』
俺の放った斬撃はティラノサウルスの姿になり妖魔たちへと向かっていき爆発した。
「やったか!?」
しかし!煙が晴れるとローブの男が他の妖魔を守る様に立っていた。
「なかなか強いな。だがこいつらを今倒されるのは困る。ここからはこの零座が相手をしよう。」
瞬間、ローブの男、零座からの凄まじい敵意が俺を包み込んだ。
「変身」
零座が呟くと禍々しいオーラが身体を包み込み黒い異形となる。その両手には禍々しい片手斧と牙を思わせる剣の様に巨大な苦無を手に持っていた。その姿はリューマとガリューを混ぜ合わせたような禍々しい怪人の姿だった。
「な、なんだその姿は…お前らはいったい何者なんだ!?」
「我らは妖魔衆…覚えなくていい。貴様はここで我に倒されるのだからな」
零座はそう言うと凄まじいスピードで両手の片手斧で俺に斬りかかってきた。その速さに不意を突かれたが俺は咄嗟にワイルドブラスターを盾にして攻撃を防いだ。
「ぐっ!?」
しかしそのパワーは凄まじく先ほどの壱座を上回っておりさらに黒い炎を纏わせてくる。
「このままじゃ…押し負ける…!!」
俺は何とか零座の攻撃を受け流し真横から斬りかかるが今度はもう片方の手にある巨大苦無に禍々しいオーラを纏って振り上げる。
「はぁぁぁ!!」
俺も負けじとワイルドブラスターにオーラを纏って叩きつけた。そのまま俺と零座の斬り合いになり両者譲らない戦いとなった。
「なるほど…想定よりも強いな。オリジナルの力もここまで強くなってるとは思わなかったぞ」
「オリジナル…やっぱりこいつら…!!」
さっきの5体の妖魔衆の技…そしてこいつの姿…やっぱりこいつら…
「俺たちの能力を使えるのか!?」
壱座は飛鳥、参座は斑鳩先輩、五座はかつ姉、七座は柳生、九座は雲雀、そしてこの零座は俺とガリューの能力が使える…思わぬ強敵に驚きを隠せなかった。
「だけど…」
俺が後ろを振り向くとまだ動けずにいる奈楽とかぐらがいた。
「引き下がるわけにはいかない!!」
「あくまで退かないか…良いだろう」
俺の覚悟に気づいた零座は両手の武器を構える。
「「はぁぁぁぁぁぁ!!」」
その時、飛鳥と斑鳩先輩が零座へと斬りかかった。
「なっ!!」
突然の攻撃に零座も驚き慌てて回避した。
「りゅーくん大丈夫!?」
「わたくしたちも加勢します!!」
そして2人に続く様に他のみんなも集まってきた。
「…今日はここまでか、良いだろう。撤退する」
変身を解除した零座が命じると他の妖魔衆も彼に従い撤退を始める
「待て!!何でこの2人を狙うんだ!?」
「貴様が知る必要は無い」
追いかけようとする俺を無視して零座は姿を消した。あたりには飛鳥たちや奈楽とかぐらしかいなかった。
「忍結界と殺気に気づいてここまで来たが…一体ここで何があったんだ?」
妖魔衆が去った後、霧夜が俺にそう聞いてくる。
「あ、はい…この2人がさっきの奴らに狙われてて…」
俺が奈楽たちの方を向くと2人は立ち去ろうとしていた。
「ちょっと!!まだ応急処置しかしてないんだから安静に…」
「もう十分だ、これ以上自分たちに関わるな」
慌てて止めようとする俺に奈楽は俺を鋭く睨みつけた。
「もう奈楽ちゃん!!助けてもらったんだからちゃんとお礼言わないとダメダメだよ!!」
「はい、申し訳ありません」
奈楽の態度をかぐらが叱ると奈楽はかぐらに頭を下げて再び俺を見た
「…ありがとう」
俺に一言感謝の言葉を述べると奈楽はかぐらを抱き上げて去っていった。
「…大丈夫かな?」
「りゅーくん?」
「竜司さん?」
ふと後ろを見るとなぜか飛鳥と斑鳩先輩から恐ろしいオーラが溢れていた。
「またなのりゅーくん?」
「またなのですか?」
「えっ…何?どうしたの2人とも?」
あまりの怒気に俺は思わずたじろいてしまう。2人の顔はとうとう般若のごとき恐ろしい形相へと化した
「りゅーくぅぅぅぅん!!」
「竜司さぁぁぁぁぁん!!」
「助けてぇぇぇぇぇぇ!!」
「申し訳ありませんでした。オリジナルの乱入は想定外でして…」
森の中で零座は何者かに跪いていた。
「いや、構わない。これからはお前はリューマへの対処をメインに動け、かぐらの方は他の妖魔衆に任せろ」
「はい、我が主人よ」
零座の前に立つ影がそう命じると零座は静かに頷いて戻っていった。
「くくく…リューマたちが来たのは想定外だが、問題ない。私の計画は決して揺るがない」
影はニヤリと笑いながら空を見上げる
「今度こそ私の野望を果たして見せる。見ているがいい…くくく、くははははは!!」
「よく来てくれた霧夜、京都からわざわざすまんな」
京都から突如呼び出された霧夜の前には神門、鉄心、朧、富嶽…善忍最高幹部の4人が揃っていた。
「は!!」
霧夜も鉄心の親友としてではない、最高幹部としての言葉に頭を下げた。
「早速だが要件を言わせてもらう。現在日本各地で妖魔が出現している。これは緊急事態だ」
「はい、私たちも京都ですでに遭遇しました」
「…やはりか」
霧夜の言葉に鉄心はため息を吐きながらつぶやいた。
「もはや一刻の猶予もありません、そこで竜司さんたちに忍務を与えます。半蔵学院忍学生の皆さんで京都の妖魔を殲滅してください」
「なっ!?」
神門から下された命に霧夜は息を飲んだ。本来妖魔討伐は最高ランクの忍たちが請け負う案件だ。それを忍学生に任せるなど前代未聞である。
「すでにほとんどの最上忍以上の忍が全国に向かっており京都に回す人手が足りん。」
富嶽の言葉に霧夜は驚いた。忍学生まで動かさなければいけないとは思わなかった。しかし霧夜は忍である。そもそも命令であれば逆らうわけにはいかない
忍務に殉じる…それこそが忍の使命なのだ
その時、鉄心がさらに忍務を追加した。
「それともう一つ、大事な忍務がある。」
「忍務?」
「わたくしたちの能力を持つ妖魔に…それに襲われる少女2人ですか…」
霧夜先生が本部に呼び出された後、俺たちは待機の為に宿泊している旅館で待機していた。そこで俺が遭遇した奴らについてみんなに改めて話した。
「修学旅行に来ていたはずがなんだかヤバそうな事件に巻き込まれちゃったみたいだな」
かつ姉も腕を組みながらそう呟く
「俺が戦ったのはみんなの能力が使える5体と零座だったけど…零座は俺の能力だけじゃなくてガリューの能力も使ってた。多分残りの5体は炎佐紅蓮隊のみんなの能力を持ってると考えた方がいいと思う」
「焔ちゃんたちの能力まで…」
「みんなの能力を持ってた5体も強かったけど…零座、あいつの強さは別格だった。」
リューマ超絶の俺と互角に戦ってた時もまだ全力と言うわけではなかった。もし奴が本気になったとしたらかなりヤバイ状況になる。
「また戦うことになるかもしれない。気を引き締めないと」
俺はみんなに向かってまっすぐと言った。
顔に2つの手形をつけて
「ほんと締まらないな竜司」
「「……………」」
俺の顔を見て柳生が呆れて飛鳥と斑鳩先輩は目を逸らした。
「お前たち、揃っているな」
すると東京に戻っていた霧夜先生が帰ってきた。
「霧夜先生」
「すまんがお前たちに緊急の忍務がある。」
霧夜先生の言葉に俺たちは気持ちを切り替え身構えた。
「現在ここ京都に多くの妖魔が現れている。お前たちでその妖魔を殲滅せよとのことだ。」
「妖魔たちを…わたくしたちがですか?」
「危険なのは承知の上だが…上層部からの命令だ。やってくれるな」
「はい!!」
少し驚いたがこの京都の人々を守る為だ。みんなと力を合わせて必ず遂行して見せる!!
「それともう一つ…竜司、お前が出会ったかぐらという少女を捕獲…いや、処分しろ」
「えっ!?」
予期せぬ命令に俺は驚いた。捕獲ではなく処分?
「霧夜先生、処分って…」
「ああ、殺せということだ」
霧夜先生の言葉に俺は信じられなかった。なぜ?あんな子供を?
「霧夜先生!!捕獲って…あの子は人間なんですよ!?どうして…」
「…悪いが今は説明している暇はない。とにかく一刻も早く遂行しろとのことだ」
霧夜先生は俺の問いに答えてくれなかった。
「鉄心様!!被害予測の結果が出ました!!」
最高幹部が集まる一室に鉄心の部下が資料を持って入ってきた。
「…想定はしてたがこれほどか」
「やはり儂の睨んだ通りじゃ、もはや捕獲では生ぬるい。」
「そうですね、神門殿…もはや異論はありませんね」
「…はい」
朧の問いに神門は渋々応じた。
「かぐらは見つけ次第処分とする。これを、善忍最高幹部による第一級厳令とする。かぐらが完全覚醒する前になんとしても遂行するように!!」
この日俺は、善忍としての現実を知ることとなる。
そして俺は、
「半蔵学院忍学生に緊急指令!!逃亡者竜司を捕縛せよ!!」
その命令に背くことになる