仮面ライダーリューマ   作:クロバット一世

66 / 83

いよいよクライマックスです!!


其の八

「私は…神楽…全ての妖魔を滅するもの…」

 

神楽から溢れ出てくるオーラは力強くも神々しい光に包まれており俺たちはその力に動けずにいた。

 

「神楽はついに完全覚醒し、私の役目も終わった。道元様、あとはあなたの望むままに」

 

零座はそういうと自身の体を赤珠へと変えて神楽の中へと吸い込まれていった

 

「くくく、これであとは神楽に妖魔を倒させて転生の珠に戻してしまえば私の思いのまま、私は完璧な存在になることができる!!いでよ!!血塊の盟約に従い、我の元に来たれ!!」

 

神楽に気を取られていたガリューから逃げ出し道元が叫ぶと禍々しい無数の陣が光りそこから巨大妖魔が次々と出てきた。

 

「さあ神楽よ!!お前の敵はここにいるぞ!!1匹残らず滅ぼしてみるが良い!!」

 

「…全ての妖魔を、滅する」

 

巨大妖魔を見つめると神楽はゆっくりと近づいていく。

 

「ダメだ神楽!!そんなことをしたらお前は…」

 

「邪魔だ」

 

「うわぁっ!?」

 

俺が慌てて叫ぶと神楽は軽く手を振る。すると紅い斬撃が放たれて俺は吹き飛んで変身が解けてしまう。

 

「我は全ての妖魔を滅する。それが、それだけが我のなすべき事、それだけが我の存在理由」

 

「神楽…違う!!そんなの間違ってる!!」

 

俺はそれでも神楽の前に立つ

 

「お前は神楽だ!!妖魔を滅する道具でも兵器でもなんでもない!!俺の…大切な友達、神楽なんだ!!」

 

「邪魔をするなら…容赦しない」

 

神楽の紅い光の斬撃が次々と襲いかかり俺は必死で防ぎながらも一歩、また一歩と神楽に近づこうとする。

 

「無駄だ、イザナミ」

 

しかし、神楽が斬り裂いた空間から放たれる紅い光の無数の刃が俺の体を斬り裂いて俺は吹き飛ばされてしまう。

 

「ぐっ…この…」

 

俺はなんとか立ちあがろうとする。

 

 

 

『その時が来たら…覚悟を決めろよ』

 

霧夜先生の言葉が頭をよぎる。覚悟を決めていた。もしその時が来たら、俺の手で終わらせると、決着をつけると、だけど…本当にもうなにも出来ないのか?

 

 

 

「え?」

 

ふと神楽を見てあることに気づいた。

 

神楽の手が俺へと振り下ろさせる。

 

「はぁぁぁっ!!」

 

振り下ろされる神楽の斬撃から奈楽が俺を助け出す。

 

「竜司!!神楽様の眼を見たか!?」

 

「ああっ!!俺も見えた!!」

 

奈楽も気づいたようだ。そう思いながらもう一度神楽を見る

 

 

 

 

 

 

神楽の眼からは、一筋の涙が流れていた。

 

「残ってるんだ…神楽の心が、俺たちとの思い出か!!」

 

「間に合う…まだ助けられる!!」

 

それが分かれば充分だ、助けるんだ。かぐらを、俺たちの親友を

 

 

 

 

 

「そんなことさせるかぁぁぁ!!」

 

しかしそこへ道元が巨大妖魔をけしかけてくる。

 

「くそっこんな時に…」

 

「はぁぁぁ!!」

 

そこへ飛鳥たちが現れて巨大妖魔を迎え撃つ

 

「りゅーくん!!こっちは任せて!!2人はかぐらちゃんを!!」

 

「取り戻してこい!!お前らの友達を!!」

 

「飛鳥…炎佐…ありがとう!!」

 

「ぐっ…だがこいつらだけで私が召喚した巨大妖魔達を止められるわけ…」

 

「こいつらだけだと」

 

「思わないことだ」

 

その時凄まじい拳の一撃と大型手裏剣の斬撃が巨大妖魔に炸裂する。そちらを向くと炎佐達の恩師の鈴音先生と俺の尊敬する師匠、大道寺先輩が立っていた。

 

「うぉぉぉぉぉ!!ししょおォォォォォォォォォ!!」

 

思わぬ師匠の登場に俺は感激のあまり目を輝かせる

 

「竜司!!貴様はそっちに集中しろ!!己の信念を持ってなすべき事をしろ!!」

 

「はい師匠ぉ!!!」

 

「……竜司はああいう女性が好みなのか」

 

「え?」

 

「なんでもない、いくぞ竜司!!」

 

俺は師匠達に感謝を述べ神楽の方を向く。しかしなぜか一瞬奈楽がむすっとしていた。

 

「あくまで邪魔をするのか…ならば消えろ!!」

 

神楽は再び俺たちへと斬りかかる。俺は再びリューマに変身すると奈楽と共に攻撃を回避していく。見ていたわかったが神楽の攻撃は威力はあるが攻撃が大振りなことが多く隙がある。

 

「そこを突けば…近づける!!」

 

攻撃する必要はない!!今するべきなのは…俺たちの声を…俺たちの想いをかぐらに届けることだ!!

 

「なめるなぁぁぁぁ!!イザナギ!!」

 

神楽が手を挙げると周囲に紅い亀裂が生じてそこから紅い斬撃が降り注ぐ。しかし俺たちはそれを躱して神楽のすぐそばまで辿り着いた。

 

「ぐっ…このぉぉ!!」

 

神楽は負けじと力任せに手を振り下ろそうとしたがそれを俺が受け止めて神楽の腕を掴む

 

「奈楽!!いけぇっ!!」

 

「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

動きの止まった神楽へと奈楽は駆け出し

 

 

 

 

目一杯抱きしめた

 

 

 

 

 

 

 

 

竜司と別れた後、私は再び神楽様を見守る1日に戻った。

だけど、その生活は辛くなかった。竜司との思い出が、彼の笑顔が、絆が私の考えを大きく変えた。

それからというもの、もし神楽様…いや、神楽が目覚めたらと思うと楽しみで仕方なくなった。

どんな声なのだろう、どんな風に笑うんだろう、早く会いたい、そして、もし叶うのなら…竜司のような…

 

 

 

 

 

友達になりたい

 

 

 

 

 

 

 

 

転生の珠だった時のことは覚えていない、その時は暗い闇の中でただ眠り続けていた。来るその時に備え、使命を全うするために…

しかし、覚えていることがあった。暗い闇の中でそのことだけははっきりと見えていた。そこには…

 

 

 

 

笑顔でこちらをみる2人の笑顔があった

 

 

 

 

 

 

 

 

「神楽!!神楽、神楽!!私の友達……ずっと待ってた……私の友達。神楽、お前にいなくなってほしくないんだ!!お前ともっと一緒にいたい、お前と…竜司と…みんなでサッカーがしたいんだ!!」

 

そこには神楽を守護する者としてではない、幼い頃から焦がれていた想いを願う1人の少女がいた。

 

「聞いたか神楽、お前は兵器じゃない。お前の事をこれだけ想ってくれる友達がここにいるんだ、だから消えちゃダメだ!!」

 

負けじと俺も想いを叫ぶ。すると、神楽から再び涙が溢れ、目に盛りが宿った。

 

「奈楽……やっと普通に名前を呼んでくれたな」

 

「神楽…!!」

 

「竜司も……ようやくちゃんと出会えたな」

 

「ああ!!」

 

優しく微笑む神楽に俺と奈楽も思わず涙が流れてしまう

 

「奈楽…竜司…改めて、私と友達になってくれないか?」

 

「何言ってんだよ、もともと友達だろ?なぁ奈楽」

 

「ああ、まったくだ」

 

俺たちの返事に神楽は嬉しそうに笑い手を伸ばす。

そして俺たちもその手を掴もうとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、神楽の体を黒い触手が貫いた。

 

「え……?」

 

突然のことに俺は何が起こったのかわからなかった。

 

「がっ…こ、これは…私の中の…」

 

『この時を待っていたぞ』

 

神楽の中から零座の声がすると触手が次々と神楽の中を突き破り神楽を飲み込んでいく

 

「神楽ぁ!!」

 

「だ、ダメだ奈楽!!逃げ…!!」

 

慌てて奈楽が手を伸ばすと触手は奈楽を巻き込んで神楽を飲み込み徐々に人の形を作り零座の姿へと変わった。

 

「くくく…ついに手に入れたぞ!!これで神楽の力は…私のものだ!!」

 

先ほどとは違い邪悪な笑みを浮かべながら零座は高笑いをした。

 

「お前…神楽と奈楽に何をしやがった!?」

 

「取り込んだのさ、神楽を我が身にな…奈楽の方はついでだ」

 

問い詰める俺に零座は得意げに喋り出す。

 

「神楽が食らった赤珠は私の妹達…妖魔衆のものだ。故にその赤珠に干渉することで神楽を内側から支配したのだよ。最も、お前らによって心に隙が出来なければ無理だったが…感謝するぞ、お陰で我が野望は果たせた」

 

「お…おお!!よくやったぞ零座!!まさかお前がこんな事を考えていたとは!!」

 

するとそこへ嬉しそうに道元が駆け寄る

 

「まさかこんな方法があったとはな…素晴らしい!!あとはお前が手にした力を私に取り込ませれば…私は完璧な存在になれる!!」

 

「……………。」

 

「この力があればもう何者も敵ではない!!全てが私の思うままになる!!その力で私は全てを支配し…この世の頂点になるのだ!!ふは、ふははは!!」

 

「……………。」

 

「さぁ何をしてる零座!!早くそれを私に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「五月蝿い」

 

零座の苦無が道元を貫いた

 

「が…れ、零座…何…を…」

 

「私は…あなたに造られ…命令をこなしていく内に…ふと想ったのですよ…なんで私がお前のような下等生物に従わなくてはいけないんだ?って」

 

見下した目で道元を見ながら零座は煩わしそうに聞く

 

「この力だってお前のようなカスよりも、私が使ったほうがよっぽど有効に使えると思わないか?」

 

「れ、零座…」

 

「まぁ今まで世話にはなったからな、お前の力も私が使ってやろう」

 

「零座ぁぁぁぁぁぁ!!貴様ぁぁぁぁぁぁ!!」

 

零座が触手を伸ばし包み込むと道元は怒りの叫びと共に飲み込まれていった。

 

「ふぅ、たいした力ではないが…腹の足しにはなったな」

 

道元を取り込んだ零座はニヤリと笑うと再び印を結ぶ。

 

「神楽の力を手に入れた今、今度こそ完全な存在で奴を召び出す事が出来る!!私の第三のオリジナルをな!!」

 

「第三のオリジナル…?」

 

零座はリューマとガリューの二つの能力を持った存在だ。だから奴がオリジナルと呼ぶのは1人は俺、もう1人はガリューだ。だが奴の元になった存在がもう一体…

 

 

その時、俺は一つの恐ろしい仮説に辿り着いた。もし道元が奴を生み出す際、俺たちの血だけでなく素体である妖魔の細胞にまでこだわりを持っていたとしたら、

 

「いでよ!!血塊の盟約に従い、我の元に来たれ!!」

 

俺たちの血を採取したであろう蛇邪学園の天守にて、俺たちを追い込んだあの妖魔の細胞を使っていたとしたら

 

「怨楼血!!」

 

零座の呼びかけと共に背後の2つの円環は仏像のようなレリーフが刻まれ、顔も能面のようになっている左右に半分の顔が2つずつあり、真ん中にもう一つ顔がある無数の手をもつ異形の巨人、真ナル怨楼血が現れた。

 

「あれが…怨楼血の完全体…!!」

 

蛇邪学園で対峙した時の不完全な状態とは比べ物にならない、禍々しいオーラに俺は体が震えた。

 

零座は真ナル怨楼血をみるとゆっくりと近づく

 

「真ナル怨楼血よ!!今こそ私と一つになるのだ!!完璧な存在となり、この世界を無にするのだ!!」

 

真ナル怨楼血は零座のその言葉を聞くと

 

「全てヲ…無ニ…良いダロウ」

 

真ナル怨楼血の了承を得ると零座は体の触手で真ナル怨楼血を包み込み体に取り込んだ。すると、体はどんどん変化していき、髑髏の様な頭に禍々しい黒炎を纏った様な体、手の甲に壱から十の数字がそれぞれ刻まれた五対の手、額にある巨大な目に零と刻まれた異形の怪人、魔神怨楼血へと変貌した。

 

「くくく…成功だ!!ついに私は忍も…妖魔をも超越した完璧な存在となったのだ!!」

 

「マジかよ…まさか怨楼血を取り込んでさらにパワーアップするなんて…」

 

「せっかくだ…お前達の力も私が食らってやろう。はぁぁぁ!!」

 

すると魔神怨楼血は手から漆黒の光線を俺へと次々と放ってくる。俺は咄嗟に回避するが今度は妖魔衆参座が持っていた長刀を生み出し間合いを詰めて斬りかかってくる。

 

「まさか…他の妖魔衆の能力が使えるのか!!」

 

「その通り!!神楽と共に取り込んだ我が妹達の能力も私の思うがまま!!つまり!!」

 

今度は十座の傀儡と七座の番傘、四座の大剣を生み出して俺に無数の連撃を繰り出す。

 

「貴様に勝機など初めからないという事だ!!」

 

「うわぁっ!!」

 

次々と繰り出される攻撃に俺は思わず吹き飛ばされてしまう

 

「くそっ…!!こんな力があるなんて…」

 

「これだけだと思うなぁ!!」

 

すると今度は腕を振るい切り裂かれた空間から紅い光を無数に放つ。

 

「それは…神楽の能力!!」

 

「今はまだ限定的な力しか使えないが、まもなく神楽の魂は完全に私に同化する!!その時こそ!!私が完璧な存在…神となるときなのだぁぁ!!」

 

「お前みたいな奴が…神なわけねえだろぉ!!」

 

『武装!!ワイルド!!一心一体最強バディ!!超絶!!超絶!!超絶にスゲー!!ダ・イ・ナ・ソー忍・者!!ワイルド!!』

 

俺はワイルドギアを起動してリューマ超絶へと変身してバスターモードのワイルドブラスターで魔神怨楼血へと斬りかかる。魔神怨楼血はすぐさま壱座の双刀を生み出してその一撃をガードする。

 

「リューマ!!貴様ら忍はこの国の脆弱な影だ!!踏み潰されるだけの羽虫だ!!貴様如きが、神である私の前に立つなど…身の程を弁えろ!!」

 

「その羽虫の羽ばたきが、いつか巨大な嵐になって…お前の野望を吹き飛ばす力になる!!お前みたいな奴が…この国を思い通りにできると思うな!!」

 

「だまれ!!すでに神楽は私が取り込んだ!!貴様に勝機など万に一つもない!!」

 

そんなことはさせない…俺にはわかる。まだ神楽と奈楽の気配が消えてない、2人はまだ生きている、ならやるべきことは一つだ!!

 

「2人を…必ず助ける!!」

 

俺は意を決して魔神怨楼血へと駆け出す。魔神怨楼血は近づく俺を止めようと漆黒の光線を連射する。その数が多く防ぎきれない。防げなかった光線が俺を貫き血が滲んでくる。全身に激痛が走る。

 

でも立ち止まらない

 

諦めない

 

必ず神楽を、奈楽を助けてみせる。

 

「負けるかぁぁぁぁぁぁ!!」

 

俺は伸ばした手を魔神怨楼血の体に突き刺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「奈楽…生きてるか?」

 

「ああ、大丈夫だ神楽」

 

零座、魔神怨楼血に取り込まれた2人は闇の中で黒い触手に縛られていた。

徐々に体の感覚がなくなっていく。まもなく体の全てを飲み込まれて2人は存在諸共消えてしまうだろう

 

「すまなかった奈楽…お前まで巻き込んでしまって…」

 

「いや、いい…お前と…神楽を見捨てるなんて…出来なかった」

 

2人は互いを見るとニコラと笑う。

 

「大丈夫だ、竜司なら…私たちの友達ならきっと奴にも勝つことが出来る。」

 

「そうだな…あいつを信じよう」

 

神楽が縛られた手をなんとか奈楽へと伸ばしその手を奈楽が強く握りしめた。

 

「奈楽…」

 

「神楽…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「奈楽ぅぅぅぅぅ!!神楽ぁぁぁぁぁ!!」

 

「「え?」」

 

突如聞こえた声に振り向くと竜司が目一杯こちらへ手を伸ばしていた。

 

 

俺は2人の手を掴み引っ張り出そうとする。

 

 

 

 

「ぐっ…!!貴様…私から神楽達を引っ張り出すつもりか!?」

 

俺の狙いに気づいた魔神怨楼血は体から触手を出して俺を縛り付ける

 

「小癪な!!逆に貴様を取り込んでくれる!!」

 

「ぐっ…この!!」

 

触手は俺をどんどん魔神怨楼血の体内へと飲み込んでいくこのままでは俺も魔神怨楼血に肉体諸共奴の力に変えられてしまうだろう

 

 

 

 

 

 

 

「竜司!!もうやめろ!!このままじゃ…お前も奴の餌食になってしまう!!」

 

魔神怨楼血の体内で徐々に触手に飲まれていく俺に2人は必死で叫ぶ

 

「もういいやめてくれ!!お前にまで死んでほしくない!!はやく手を…」

 

「いやだ!!離さない!!絶対に…2人を諦めない!!」

 

 

 

 

 

2人の手を掴んだ時、思い出した。

あの日、何があったのか

なぜ俺が2人との思い出を忘れてしまっていたのか

 

 

  

 

『へへっ、明日はなにしてあそぼうかな』

 

奈楽と別れた俺はその日の思い出を振り返ってご機嫌だった。

 

『おい!!そこで何をしてる!!』

 

その時、護神の民の護衛が俺を見つけて叫んだ  

 

『え?うわぁ!?』

 

奈楽との思い出で上の空だったことと突然の声に驚いたこともあって、俺は足を踏み外して崖から落ちてしまった

 

 

 

 

 

 

『まさか…神楽の社に行ってたなんて…』

 

俺をここに連れてきたばあちゃん、小百合は頭に包帯を巻いて眠る俺の枕元で心配そうに見つめていた。

 

『神楽様に何かあってはそれこそ一大事…いかに子供のしたこととはいえ見過ごすわけにはいきません』

 

『その子のここでの記憶は消させてもらいます』

 

護神の民の人たちはばあちゃんに険しい目でそう言った。

 

『う…な…らく…かぐら…』

 

『…すまないねぇ…竜司』

 

ばあちゃんは申し訳なさそうに俺の頭を優しく撫でた。

 

 

 

「もう失わない!!奈楽も…神楽も…絶対に友達を失ってなるもんかぁ!!」

 

「竜司…!!」

 

 

 

 

 

 

「あいつ…まだ諦めてねえんだな、本気で神楽達を助けようとしてやがる」

 

「りゅーくんらしいね」

 

巨大妖魔達との戦いを終えたガリュー達はリューマの元に駆けつけると魔神怨楼血と戦うリューマを見ながら頷いた。

 

「俺たちも一緒に手伝うぞ!!みんなで…あいつの友達を助けるんだ!!」

 

「うん!!」

 

ガリューの言葉に飛鳥達は力強く頷いた。

 

「リューマぁ!!俺たちの力…うけとれぇぇぇぇ!!」

 

ガリュー達が手を伸ばすと彼らの力が美しい光となってリューマへと吸い込まれていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ?」

 

すると、2人の手を俺以外の手が掴む。その顔を見ると

 

「炎佐…飛鳥…みんな…」

 

俺の頼れる、心から信じられる俺の仲間達が優しく笑っていた。そしてみんなは光になると俺のカグラドライバーへと吸い込まれていくそして俺に信じられないほどの力が溢れてきた、

 

「これは…」

 

「みんなが…俺たちに…力を…!!」

 

この力ならいける…!!俺はそう確信して腕に力を込める

 

「いっけぇぇぇぇぇ!!」

 

俺の力は魔神怨楼血の触手を振り解き2人を引っ張り出した

 

 

 

 

 

 

 

「ぐわぁぁぁぁ!?なんだ…今何が起きた!?」

 

巨大な力に吹き飛ばされた魔神怨楼血は何が起こったか分からず取り乱していた。光は眩いばかりに輝き俺を包み込んでいく。

そして輝く光は七色の装甲になり背中には『絆』と刻まれたマントを纏った姿へと変わっていた。

 

「仮面ライダーリューマ絆モード!!いざ、舞い忍ぶぜ!!」

 

「この…ふざけるなァァァァ!!」

 

魔神怨楼血は怒りに叫びながら黒いティラノサウルスの形をした火球を放つが、俺はそれをワイルドブラスターで真っ二つに斬る。

 

「俺の友達…返してもらったぞ!!」

 

魔神怨楼血は再び壱座の双刀を出して斬りかかるが、対する俺は斑鳩先輩の飛燕を呼び出して素早い抜刀術で弾き飛ばす。

 

「なにぃ!?」

 

「はぁっ!!」

 

瞬間、奈楽の巨大な鉄球が現れ、俺は鉄球を蹴り飛ばして魔神怨楼血へと叩きつける。

 

「ぐぅっ!!この…」

 

「まだまだぁ!!」

 

片手斧で斬りかかる魔神怨楼血だが、今度はそれよりも速く飛鳥の柳緑花紅を握り二刀流による連撃を繰り出しガリューのスピノアクスを目一杯叩きつけた。

 

「忍と仮面ライダーの能力を身につけただと…!!私と同じ力を!!」

 

「お前なんかに…俺たちは絶対に負けないんだ!!」

 

そして俺が手を振るうと魔神怨楼血の周囲を紅い空間の亀裂が囲み、そこから紅い光が一斉に魔神怨楼血へと襲いかかった。

 

「ぐぅぅぅ!!かくなる上は…この京都諸共貴様らを消し去ってくれる!!」

 

すると、魔神怨楼血の背後に骨でできた巨大な牙が現れその骨組みを格子状のエネルギーで覆った一見ゴールポストの様な結界が生み出され、そこに凄まじいエネルギーで出来た球体が作られていった。奴の中に残った神楽の膨大なエネルギーを一気に解放するつもりのようだ。

 

だけど俺は負けない、大切な友達との絆がここにある限り!!

 

「絆の力…お前に見せてやる!!」

 

『必殺の術!!』

 

俺がカグラドライバーを叩くとドライバーから虹色のエネルギーが溢れて頭上で輝く球体へと形を変える。

 

「はぁっ!!」

 

俺は力いっぱい飛び上がり、その球体を思いっきり蹴り飛ばす

 

「死ねぇぇぇぇぇぇ!!」

 

魔神怨楼血は俺に向かって禍々しい球体を放つと俺の蹴りつけた球体とぶつかり合う

 

「これで終わりだリューマ!!神にひれ伏せぇ!!」

 

「お前こそ…俺達を舐めるなぁ!!」

 

すると、俺の放った球体は魔神怨楼血の放った球体のエネルギーを取り込んでいき、さらに巨大になって魔神怨楼血へと向かっていった。

 

「なっ…くそおっ!!」

 

魔神怨楼血は怒りながら手を前に出すと妖魔衆達が現れて球体を止めようと向かっていく。しかし、それでも止められず魔神怨楼血は十本の腕で光球を力ずくで止めようとする。

 

「私は神だぞ!!貴様の様な忍に…私が負けるはずがないんだ!!」

 

「いいや、お前の負けだ!!」

 

そこへ俺の渾身のキックの追撃により光球が魔神怨楼血に炸裂し結界を突き破り空高く打ち上がり大気圏を突き抜けた。

 

「おのれぇ……仮面……ライダァァァァァァァァ!!!」

 

天高く打ち上げられた魔神怨楼血は断末魔をあげ、巨大な花火の如く爆発した。

 

俺が変身を解くと光り輝き奈楽と神楽が側に立っていた。どうやら無事に戻れたようだ。

 

「神楽…奈楽…よかったぁっ!!」

 

俺は思わず2人を思いっきり抱きしめた。

 

「ひゃあっ!?りゅ、竜司…/////」

 

奈楽はなぜか顔が真っ赤になっていた。

 

「りゅーくーん!!」

 

そこへ飛鳥達も駆けつけてきた。どうやらみんなも無事だったようだ

 

「飛鳥…みんな!!無事だったんだな」

 

しかしなんでだろう、俺の顔を見た途端飛鳥と斑鳩先輩の顔が般若の如き形相となっていた。

 

「え…?2人とも?」

 

「りゅーくぅぅぅん!!」

 

「竜司さぁぁぁぁん!!」

 

「ひぃぃぃぃ!!」

 

2人の迫力に俺は思わず腰を抜かしてしまった。

 

 

 

 

 

「どうやら終わったようだな」

 

するとそこへ霧夜先生と部下を連れて鉄心様と神門様が歩いてきた。

 

「あ…やべ…」

 

そうだった、俺はまだ追われてる身なんだ…このままじゃ俺だけじゃない…神楽まで…そんなことさせない!!

 

俺は覚悟を決めて鉄心様達の前に立ちはだかる。

 

「ふん、落ち着け…お前達を捉えるつもりはない」

 

「え?」

 

俺がポカンとすると部下の忍達が神楽の周りを囲んで何かを調べ出した。

 

「鉄心様!!やはり肉体と魂に変化が起きてます。」

 

「思ったとおりか」

 

「ええ…」

 

部下の言葉を聞いて2人は頷いた

 

「ど、どういうことですか?」

 

俺が聞くと神門様が俺に話しだす。

 

「竜司さんが神楽を取り戻してあの形態になったあたりから…神楽の気に変化が生じ始めたんです。それに気づいて今詳しく調べたら…彼女の肉体はより人間に近いものへと変化していたんです。」

 

「おそらくあの形態になったことで人間としての情報が肉体に上書きされてお前達に近いものへと変化したんだろう。転生の珠の気配も完全に消えている」

 

「えっ?それじゃあ…」

 

転生の珠の気配がないってことは…えっと…つまり…

 

「転生の珠に戻ることもなくなり、京都が消滅する危険はなくなったということだ」

 

鉄心様はやれやれとため息を吐きながらそういう

 

「京都の危機も去ったことで神楽討伐の必要もなくなった。よって竜司、今回の任務の功績との相殺で貴様もお咎めなしだ」

 

「本当ですか!?」

 

「りゅーくん、よかったぁ!!」

 

俺がお咎めなしと知り斑鳩先輩と飛鳥が嬉しそうに笑う、他のみんなも安心したように微笑んだ

 

「だがっ!!」

 

しかしそこに鉄心様の怒声が響く

 

「今回は結果的にうまくいったというだけだ!!本来なら命令無視した時点で処刑されててもおかしくなかったんだ!!」

 

「うっ…」

 

「お前だけじゃない!!お前の勝手な行動で仲間達にどれだけ迷惑をかけたのかよく考えろ!!」

 

鉄心様に叱られて、思わず俯いてしまう。全くその通りだ、俺は自分のわがままでみんなに迷惑をかけた。

 

「…俺達だってお前らを守りたいんだ、あまり1人で突っ走るな…以上」

 

最後に鉄心様は優しく俺の頭を叩きながらそう言い部下を連れて去っていった

 

「全く素直じゃないのう」

 

「ほんと頑固な奴だよあいつは」

 

するとそこへじいちゃんと親父が笑いながら歩いてきた

 

「じいちゃん、親父!?」

 

「よっ、竜司。今回は派手にやったな〜」

 

親父はヘラヘラ笑いながら俺の頭をくしゃくしゃと撫でる

 

「お前はお前の気の済むようにやれ、仲間達と一緒にな」

 

 

 

 

そんな様子を弥勒は遠くから見ていた。

 

「やっぱり竜司くんは君の子供だね、竜舌」

 

そして彼は静かに思い出す。かつて仲間達と過ごした日々、あの刺激的な毎日を

 

「僕も僕の気の済むようにやるよ」

 

ただ一言そう言って弥勒は人知れず去っていった

 

 

 

「さて…そうしたらこれからどうしようか」

 

こんなでかい事件が起きて忘れてたけど俺たちは修学旅行の最中だった。せっかく解決したのだからみんなで何かしたいが…

 

「みんなで京都の街を散策でもするか?」

 

「あ、良いねそれ!!どうかな2人とも、私たちとみんなで行こう!!」

 

飛鳥の誘いに奈楽と神楽は少し考えるが

 

「それも良いが…」

 

「最初にやりたいことがある」

 

「あ、そうだ!!それがあった」

 

俺も思い出す

 

あの日交わした約束を

 

『このボールあずけるね!!つぎは俺の友達もつれて、奈楽と神楽とみんなで』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「サッカーしよう!!」」」

 

 

 

 

 

 

劇場版仮面ライダーリューマ 京都大決戦〜絆のサッカーボール〜 完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ふむ…一足遅かったか』

 

「はい、神楽も討伐対象から外れてしまい…」

 

戦いの後を見ながら何者かが最高幹部の1人、富嶽と通信していた

 

『まあ良い、次の機会はすぐに来るお前の…我らが仮面ライダーのお披露目はな』

 

「はっ!!」

 

その姿は東洋龍の様な姿の機械の鎧を纏った仮面ライダーであった

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぃ〜いい湯だな〜」

 

サッカーを終えた俺たちはみんなで温泉に入っていた。激闘に激闘を重ね酷使された俺の体は確実に癒やされていく

 

「ここ数日野宿だった体にこれは効くぜ〜」

 

「俺だって妖魔討伐で忙しくてゆっくり浸かる暇なんて…」

 

『ちょっとかつ姉〜!!』

 

『ひひひっ良いではないか良いではないか〜』

 

「「…………」」

 

垣根の向こうから聞こえる艶かしい会話に俺たちは静かになる

 

「よしっいくか」

 

「どこにだよ!?」

 

垣根に登ろうとする炎佐を俺は慌てて止めた

 

「離せ!!今の会話を聞いて覗かない方が失礼だろ!!」

 

「ダメに決まってんだろやめろ!!」

 

「くそっ!!邪魔するなら…」

 

「バカ落ち着け!!こんな暴れたら…うわぁ!!」

 

垣根の頂上付近で取っ組み合いをしていた俺たちは滑って落っこちてしまう

 

「痛た…あの馬鹿暴れやがって…」

 

「りゅ…竜司////」

 

ふと下に奈楽の声が聞こえる。ふとそちらをみると

 

 

 

 

 

 

 

全裸の奈楽に全裸で覆い被さっていた

 

「な…奈楽…」

 

自分の今の状況に顔が熱くなっていく

 

「………ん」

 

奈楽は顔を逸らして体の力を抜いた

 

「ちょっと奈楽ちゃん!?」

 

「なんですかその反応は!!なんですかその『受け入れます』みたいな反応は!!」

 

そこへ飛鳥の斑鳩先輩が詰め寄ろうとする。しかし2人は濡れた床に滑ってしまう

 

「え?」

 

「きゃあっ!!」

 

「うわっ!!」

 

滑った2人がこちらに倒れ込む…そして今度は俺が仰向けになり右側に奈楽、左側に斑鳩先輩、真上に飛鳥が覆い被さっていた。全裸で

 

 

 

 

 

 

 

 

「………きゅう」

 

あまりの刺激的なシュチュエーションに俺は限界が来て気を失ってしまった。

 

「え?りゅーくん!!しっかりして〜!!」

 

「竜司さん!!大丈夫ですか!?」

 

「竜司!!おい、竜司!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃炎佐は

 

 

 

 

 

「お、同じ仮面ライダーなのに…この差はなんだよ……」

 

石の床に頭を打って1人倒れていた

 




劇場版はこれにてクライマックスです!!

次回は同時上映『京都大捜索〜絆の舞妓さぁん!!〜』を一話完結でお送りします!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。