仮面ライダーリューマ   作:クロバット一世

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其の五十六 授与式とリューマ候補者!!の巻

若獅子とは、本部より『次世代を担う若い忍』と認められたものに与えられる称号である。

 

若くして多くの実績を残し、上層部から忍の世に名を刻むものたちと認められた優秀な忍が選ばれ、この称号が授与されるのである。

 

過去、この称号が授与された若い忍はその後、忍の世で数多くの偉業を成し遂げてきた。

 

よって若獅子の称号を授与されることは、若い忍たちにとっての最高の名誉となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「とまぁ、簡単に説明するとこんな感じだ」

 

「そんなすごい称号に選ばれるなんて…」

 

霧夜先生からの説明を聞き、俺たちは驚きを隠せなかった。

 

「実を言うと以前からお前にこの称号を授ける話は出ていたんだ。リューマとしてのスカル討伐の実績、風神村でのデスドラの撃破、忍島、忍本部でのロードスカルの撃破、そして今回の京都壊滅を阻止した活躍によって正式に授与されることになった。」

 

「そ、そうだったんですか…」

 

霧夜先生の言葉に俺は少しこそばゆい気持ちになった。今まで俺がやってきたことが上層部に認められたのだと思うと嬉しくなってしまう。

 

「お前のこれまでの努力が正式に認められた証拠だ。胸を張れ」

 

霧夜先生は優しく俺にそういうと教室に出た。

 

 

 

 

 

 

 

「胸を張れと言ったものの…厄介なことになったな」

 

教室から出た霧夜は先ほどとは打って変わって険しい表情をしていた。

 

それは竜司の若獅子授与を聞いた時のことだった。

 

『なんだって?富嶽が?』

 

『ああ、奴が竜司の授与に賛同したんだ。それが決定打になって反対派も大人しくなった』

 

『なぜ奴が…!!だってあいつは…!!』

 

霧夜は歯軋りしながら思い出す。富嶽の…奴と俺たちの…竜舌との因縁を…

 

『いずれにせよ何かよからぬことを企んでるのは間違いない…気をつけろ』

 

『ああ…』

 

 

 

 

 

 

 

「あいつを…こんな戦いにまで巻き込むことになるなんてな…」

 

善忍の世界の醜い争いの中に、竜司を、俺の生徒たちを巻き込むことになるなんて思いもしなかった。

あの野心家がいったい何を企んでいるのか、なんのために竜司の利益になるようなことに賛同したのかわからない、だけど

 

「あいつらは…俺が守る」

 

そしてあいつらならきっと奴の野望をも乗り越えることができる。

そう強く信じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「やれやれ、ヨハネといい、グリフォンといい、君といい、華蛇くらいだよ。僕の言うことを聞いてくれる仲間は」

 

鎖に繋がれ電撃の苦しみに叫ぶ朱音を椅子に座りながら弥勒が微笑みながら紅茶を飲んでいた。その隣には紅茶のポットを手に持った華蛇と壁に寄りかかるヨハネがいた。

 

「くそっ…殺す!!みんな殺す!!殺して刻んで血(色)で染めて…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「無理だよ、君程度に竜司くんは殺せない」

 

「…………………は?」

 

弥勒の言葉に朱音は凍りついたように固まった。

 

「な…何を言って…!!」

 

「欲望に飲み込まれて、ただ快楽に身を染める君みたいな獣ごときに、人としての力を手にした竜司くんを殺せるわけないよ。はっきり言って…ただの獣にすぎない君はグリフォンにも劣る。」

 

「あ…ぐっ…くそ…」

 

華蛇の見下した様な目、ヨハネのつまらないものを見る目、弥勒の失望した目に朱音の体は震えていく

 

「まあ仮にもロードスカルだから戦力としては使えるからね、今回は許してあげるけどもう勝手なことして迷惑かけるなよ」

 

そういうと弥勒は紅茶のカップを置いて去っていった。それについていくように華蛇とヨハネも歩き出す。

 

「くそっ…あいつら…舐めやがって…くそっ…クソォォォォォォォォォォ!!」

 

1人取り残された朱音は悔しさのあまり絶叫をあげた。

 

 

 

 

 

 

「な、なんだか緊張するなぁ…」

 

授与式当日、正装に着替えた俺は車で忍本部へと向かっていた。

車の中には俺の他に霧夜先生が付き添ってくれているがそれでも緊張が止まらない。飛鳥や斑鳩先輩たちも行きたがっていたが今回は学園で留守番をしている。

 

「竜司、もうすぐ会場だ。気を引き締めろ」

 

「はい!!」

 

霧夜先生の言葉に俺も思わず緊張で声が大きくなってしまった。

 

「心配するな、お前はいつも通り振る舞えば良い、ドンと胸を張るんだ

 

「ありがとうございます先生…」

 

俺に優しくそう言ってくれる霧夜先生のおかげで少し心が落ち着いてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「竜司様御一行ですね?お待ちしておりました、こちらへ着いてきてください」

 

忍本部に着くと警備の者と思われる忍が待ち構えており一礼すると俺たちを会場へと案内する。会場の中には多くの人々がおり、その中には凄まじい力を持つ忍達が多数こちらを見ていた。

 

「あれが今代の若獅子か…」

 

「まだ忍学生じゃないか、奴が若獅子でほんとにいいのか?」

 

「荷が重すぎるんじゃないのか?」

 

「だが実績はすごいぞ…」

 

「なんたって長年前進しなかったスカルの問題を次々と解決してきたんだ。見た目だけじゃ侮れんぞ」

 

「うむ、たしかに…最高幹部の神門様と鉄心様の支持も得ている…それだけでも縁を結んでおいて損はないな」

 

「何よりあの伝説の忍、半蔵様の弟子だ」

 

「だが半蔵様の弟子というと…」

 

「おい!!奴の話は禁句だろ!!」

 

周囲から俺への不安や関心の声が聞こえてくる。これから俺が受け取る称号の重さが今になって体にのしかかってきた。

 

「竜司、大丈夫だ。自信を持て」

 

「霧夜先生…ありがとうございます」

 

霧夜先生が俺の肩に手を置き、優しく頷いた。それを見て俺も心が少し楽になり頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

「これより、授与式を開始する。忍学生竜司、前へ」

 

呼び出された俺は一歩ずつ前へと歩き出す。目の前には神門様と鉄心様、さらには初老の厳格そうな女性の朧、白髪の鋭い目つきをした老人の富嶽、善忍の世界を仕切る最高幹部が凛として立っていた。   

 

「貴殿は忍として若くして数々の素晴らしい成果を残した。よってその功績に敬意を評し、貴殿に若獅子の称号を与える」

 

富嶽の宣言と共に神門様が俺の方へと獅子が描かれた紋章を俺の方へと持ってきた。

 

「竜司さん、これからもこの国も為に尽力してください」

 

「はい、必ず」

 

俺は跪き、そう宣言して紋章を受け取った。それと同時に周囲の忍達から拍手があがる。

 

 

 

この日、善忍の世界に新たに名を刻む若き忍が誕生した。

 

 

 

「はぁぁぁ…疲れた」

 

式典がひと段落して、会場では豪華な食事が運ばれてパーティーが始まっていた。緊張が逸れた俺は椅子に座ってぐったりしていた。あのあと他の忍たちがどんどん俺に話しかけてきてやれぜひ我らと交流をやれ自分の娘と一度あって欲しいなどと怒涛の勢いで押しかけてきて心身ともに疲れ切ってしまった。

 

「お疲れ様です竜司さん」

 

するとそこへ神門様が優しい笑顔でやってきた。

 

「神門様…」

 

「隣、失礼しますね?」

 

神門様は周りの護衛を離れさせると、俺の隣に座った。

 

「若獅子の称号授与、おめでとうございます。最高幹部として、今日この日を迎えられたことを誇りに思います。」

 

「い、いえ!!身に余る称号だとは思いますがこの称号に恥じないよう頑張ります!!」

 

神門様の言葉に俺は思わず大きく返答して全力で頭を下げた。

 

「…いえ、寧ろ私は貴方に謝罪しなければなりません。」

 

「え?」

 

「竜司さんに若獅子の称号を授与することは以前から決めていたのです。竜司さんがリューマになった事を良しとしない者たちは数多くいます。だからこそ、その者たちが文句を言えないよう貴方にはそれに伴う実績と地位を与える必要がありました。」

 

俺に申し訳なさそうな顔で神門様は言葉を続ける。

 

「しかし、その地位を得るということは同時に善忍たちの争いに貴方を巻き込むことと同じです。これから先、貴方を利用しようとする者が貴方を取り込もうとしたり、邪魔しようとする者たちが貴方に牙を向くことになると思います…本当に、申し訳ありません」

 

「頭を上げてください!!」

 

深々と頭を下げる神門様に俺ははっきりと言った。

 

「俺は忍です!!危険な戦いには慣れてます!!何より俺には頼れる仲間がいます!!だから大丈夫です!!それに…神門様のおかげで俺はリューマとしてたくさんの人たちを救う力を手に入れることが出来たんです!!だからそのことを謝らないでください!!」

 

俺の言葉に神門様は驚いたように目を丸くし、どこか安心したかのように微笑んだ。

 

「…ありがとうございます。あなたの言葉のおかげで少し気持ちが楽になりました。」

 

「いえ…こちらこそすみません、大声出してしまって…」

 

俺もつい熱くなってしまって恥ずかしくなった。最高幹部相手に叫んでしまうなんて、自分が不甲斐ない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁ!!」

 

その時、会場の方で突然悲鳴が聞こえた。

 

「なんだ!?一体何が…」

 

「竜司さん!!ここは大丈夫です!!どうかあっちへ…」

 

「わかりました!!」

 

神門様に言われ俺は悲鳴が聞こえた方へと走り出した。

現場に駆けつけるとそこには…

 

「グルルルル…」

 

「ギギィ!!」

 

「ガァァァッ!!」

 

バイソンスカルやマンティススカル、ウォートホッグスカルが会場内で暴れていた。

 

「こいつら…以前倒した奴ら…!!変身!!」

 

『武装!!ワイルド!!一心一体最強バディ!!超絶!!超絶!!超絶にスゲー!!ダ・イ・ナ・ソー忍・者!!ワイルド!!』

 

俺はカグラドライバーを装着して超絶キーで仮面ライダーリューマ超絶へと変身した。

 

「仮面ライダーリューマ超絶!!超絶に舞い忍ぶぜ!!」

 

「グルァ!!」

 

「ギギィッ!!」

 

「ガァッ!!」

 

スカルたちは俺を見つけるや否や一斉に俺へと襲いかかってきた。俺はワイルドブラスター・バスターモードを手に持つとスカル達を次々と斬りつける。斬られたスカルたちはダメージに苦痛の声を上げながらも理性のない獣のような唸り声をあげながら襲いかかる。

 

(こいつら…自我も持ってない?もしかして…)

 

「きゃぁぁぁ!!」

 

「こっ…こっちからも来たぁ!?」

 

すると、別のところから今度はスコーピオンスカル、コックローチスカル、ウルフスカルが現れて人々に襲いかかり、周りの人々はパニック状態になっていた。

 

「みんな焦らないで!!こいつらは蟻たちと同じ分身体のスカルだ!!おそらく通常の攻撃でも倒せる!!何より自我がない分動きも単純だ!!落ち着いて動きを見れば確実に倒せる!!」

 

「え?うわぁっ!!このぉ!!」

 

「ギャウン!!」

 

俺の言葉を聞いた忍の1人が襲いかかるウルフスカルを刀で斬りつけた。するとウルフスカルはダメージで悲鳴をあげた。

 

「本当だ…効いているぞ!!」

 

「我々も反撃するんだ!!」

 

ダメージを与えられたことによって忍たちの士気も上がり一気に巻き返していく。

 

「ブヒィィィィィィン!!」

 

その時、ウォートホッグスカルの体が一気に膨れ上がりウォートホッグスカル巨獣態へと変わって俺に突進してきた。

 

「よし!!俺だって…負けられない!!」

 

俺はワイルドブラスター・バスターモードで勢いよく突進するウォートホッグスカル巨獣態の突進を受け止める

 

「おりゃあ!!」

 

そして力任せに吹き飛ばすと、ウォートホッグスカルは空高く舞い、地面に勢いよく落下してひっくり返った。

 

『必殺の術!!超絶!!』

 

ワイルドブラスターの鍵穴に超絶キーを挿し込む。

 

「超絶必殺忍法!!激竜ダイナソーバスター!!」

 

『ガォォォォォン!!』

 

ワイルドブラスターから放たれた巨大な斬撃は、ウォートホッグスカル巨獣態に炸裂しウォートホッグスカル巨獣態は爆散した。それと同時に他のスカルたちも忍たちによって倒されていった。

 

「おぉ…」

 

その様子を見て周りの忍達は驚きを隠せない様子でこちらを見ていた。

 

「あの巨大なスカルを…」

 

「それだけじゃない、あの状況を即座に整理する判断力…パニックになっていた状況を一気にひっくり返した…見事なものだった」

 

「うむ、確かに奴なら若獅子の称号も頷ける…」

 

辺りから驚きと関心の声が聞こえてきた。

 

「なるほど…リューマの鎧に選ばれるだけのことはある。面白くなりそうだな」

 

離れたところで富嶽はニヤリと笑みを浮かべながらリューマを見つめていた。

 

「グルルルル…グギャァッ!!」

 

すると、物陰から生き残っていたウルフスカルが鋭い牙を光らせながら俺の方へと飛びかかってきた。

 

「うおっ!?やべっ!!」

 

慌てて迎え撃とうとしたが、突然の不意打ちに俺は出遅れてしまい間に合わない。傷を負うことを覚悟した。

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、

 

 

 

 

 

 

 

「ギャアッ!?」

 

俺の目の前に影が飛び込み、ウルフスカルを一刀両断してしまった。

 

「な…何が…!!」

 

突然の助太刀に俺が驚くと、影の姿が明らかになる。

 

「見事な実力だ…だけど少し油断してしまうところがある。それさえ無くせばさらに強くなるだろう」

 

黒のコートに太刀を手にした茶髪の青年が俺の前に立っていた。

 

「あ、あれは神威(かむい)殿…!!」

 

「来ていたのか…!!」

 

神威と呼ばれた青年の登場に、周りの人たちは一気にざわつき始める。

 

「あんたは…いったい…」

 

「ああ、名乗るのが遅れたな」

 

神威は太刀を鞘に収めながらゆっくりと俺に近づき、堂々と名乗った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は神威、リューマになるはずだった男だ」

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