『神威?』
『ああ、お前もこの男については覚えておけ』
移動中の車の中で霧夜先生が一枚の写真を俺に見せた。
『この男はお前がリューマになる前、リューマ資格者の最終候補になった男だ』
『つまり…本来仮面ライダーリューマになるはずだった人…!!強い人ですか?』
『ああ、若手の中では随一の実力者で間違いないだろう。今回の授与式にも来るかもしれない、よく覚えておけ』
「俺は神威、リューマになるはずだった男だ」
目の前にいる神威の言葉に俺は驚きを隠せなかった。まさかこんなにあっさり聞いていた神威に遭遇するとは思っておらず驚きを隠せずにいた。お
「お、おい…これは不味くないか…?」
「ああ…神威殿から見たら竜司は自分からリューマの座を奪った張本人…」
「どうなるんだこれは…!」
あたりの人たちも俺たちを不安な様子で見ていた。
目の前で俺を鋭い目つきで見つめる神威に俺は……
「は、初めまして……俺は竜司です、よろしく…」
「た、唯の挨拶……!?」
「わざとなのか…!!」
辺りの忍たちは竜司の挨拶に固まってしまった。まさかあんな普通の挨拶をするとはここにいる誰もが予想していなかった。
「ふ、嫌味のつもりだったんだけど…通じなかったか」
神威は俺の返事に笑みを浮かべると俺の方へと手を差し伸べた。
「神威だ、よろしく」
「あ、どうも」
俺は差し伸べられた手を握り固く握手した。
「えっと…神威さんは俺にどう言った用で…?」
「神威で良い、敬語で呼ばれるのは苦手なんだ」
「そうかな?でも…」
俺と神威はそれから2人で歩きながら会話を続けていた。
「それに、お前は若獅子なんだ。凛として振る舞えば良い」
「…それもそうか、じゃあそうするよ」
本人も良いと言ってる訳だしと思い俺は楽な喋り方で話すことにした
「じゃあ改めて…神威はどうして俺に?」
「ああ、知りたかったんだ。俺に代わってリューマになった新しい若獅子がどんな奴なのか」
「うっ…!!」
神威の言葉に俺は思わず強張ってしまう。考えてみたら俺がカグラドライバーを使ったことでその後かなり揉めたんだった…そう思うと罪悪感が湧いてきた。しかし、固まっている俺を見て神威は笑みを浮かべる。
「気にするな、俺はそのことは大して気にしてない。俺にはリューマとの縁がなかった。それだけのことだ。」
「神威…」
「それに、さっきの戦いでの動き、仲間への指揮、状況判断能力…どれもなかなかだった。リューマの鎧に選ばれただけある。あとは油断さえしなければこれから先、更に強くなると思う」
「お、おう。ありがとう…」
素直な褒め言葉に俺は少し恥ずかしくなってしまった。
「竜司殿、神威殿!!こちらでしたか!!」
するとそこへ俺を会場に案内した忍が駆けつけてきた。
「至急こちらについて来てください!!最高幹部の皆様がお呼びです!!」
「おお…来たか竜司、神威」
俺と神威が駆けつけると最高幹部たちが集まっており、富嶽様が代表して俺たちに声をかける。
「竜司、先ほどの陣頭指揮は見事だったぞ。貴様がリューマの鎧を継承した当初はお主の継承を問題視する声があったが…それを払拭する素晴らしい戦いだった」
「あ、ありがとうございます」
「…ふっ」
褒められた俺を見て神威はどこか優しい笑みを浮かべた
「神威よ、其方もよくぞ竜司に助太刀してくれた。元候補者としての実力を発揮してくれたな」
「ありがとうございます」
富嶽様の言葉に神威も静かに頭を下げた。
「さて、今回の襲撃だが…首謀者が判明した」
「本当ですか!?」
「うむ、今回の首謀者はグリフォンスカルが本部に潜入していた時の手下だ」
富嶽様が取り出した資料には研究員と思われる男の写真が付いていた。
「こやつはグリフォンに協力して、スカルキーの研究を行っておった。先の戦いでグリフォンが使用していた黒い卵…あれの開発をしていたらしい」
その言葉であのスカル軍団の理由がわかった。グリフォンはあの卵を使ってスカルの複製を作っていた。協力者ならあれと同じものを作っていてもおかしくない。
「すでに奴は逃亡していたがどこに逃げたかは調査の結果判明した。そこでだ、貴様らに緊急任務を与える」
富嶽様は俺と神威を見渡すと宣言した。
「竜司、神威!!スカルと共謀したこの男を捕縛、もしくは討伐せよ!!我ら善忍を裏切ったこの男に報いをあたえるのだ!!」
その頃、とある工場跡地
「すぐには来れないってどう言うことだ!?」
研究員の男は激昂した様子で電話越しの相手に叫んだ。
「話が違うじゃないか!!こっちはいつ追手が来るかわからない状況なんだぞ!?早くあんた達のところへ…」
『こっちの指示を待たずに焦って騒ぎを起こしたのは貴様だろう?そのせいで警備が増えて迂闊には動けない状況になったんだ。騒ぎを起こさなければすぐに動けたものを…』
「ぐっ…!!」
電話相手の華蛇の言葉に研究員の男は歯軋りをした。
『貴様の研究は我々が超獣態になるために役立つ。良いか?必ず迎えに行く、だからくれぐれも余計なことをするな』
「わ…分かった、だが頼むぞ」
華蛇の言葉に研究員の男は渋々頷き電話を切った。
「だ、大丈夫だ…こいつさえあれば私は挽回出来る…こいつさえあれば…」
そして譫言のように呟きながらケースに入った黒い卵を見つめていた。
「もう直ぐ奴の潜伏先が見えてくる。気を引き締めろ」
「わかった」
木々を掻き分け俺と神威は研究員の男が潜伏していると言う工場跡地を目指していた。
「それにしても…まさかグリフォンの手下がまだ本部に潜入していたなんて…」
「奴の研究データがスカルの手に渡れば厄介なことになる。何としてでも阻止しないとダメだ。何より奴を確保するためにおそらくロードスカルの邪魔が入る。その時はお前に頼んだぞ竜司」
「わかった、任せろ!!」
俺が力強く答えると神威は笑みを浮かべて頷いた。
「…本当に、他の忍とは全然違うな」
「そりゃまぁ、俺は『世界一カッコイイ忍者』になる男だから」
「世界一カッコイイ忍者?」
「そ、俺の目指す忍の理想」
どうやったらなれるのか?そもそもどんなものなのか?それはまだわからない。だけど誰になんと言われようと決して譲らない俺の夢、だからこそ俺は自信を持ってそう答えた。
「カッコイイ忍者か…考えたことなかったな」
それを聞いた神威は少し考えながらそう呟いた。
「神威、あれ…」
ふと俺が気づくと視線の先に木々に囲まれた廃工場が見えてきた。どうやら目的の場所に辿り着いたようだ。
「間違いない、あそこだ」
「あそこに…奴が…」
「すごいデカい工場だな…」
廃工場に辿り着いた俺たちが周囲を見渡すと、工場は思いの外大きく驚いてしまった。
「竜司、これを見ろ」
神威に呼ばれて駆け寄るとそこにはまだ新しいタイヤ跡があった。
「まだ新しい…最近ここを通った後だ。つまり…」
「俺たちが追ってる奴で間違いないな。すぐに追おう」
「ああ、トラップに気をつけて行こう」
その様子をアントスカルが草むらから覗いていた。
「ひいっ!!も、もう来たのか!?」
研究員の男はアントスカルから報告を聞き焦っていた。
自分の追手に来たのがリューマの少年、竜司と神威だと判明したからだ。
竜司は言わずもがな仮面ライダーとして数々のスカルを撃破し、グリフォンスカルまでも倒してしまった。神威も若手の忍の中では群を抜いた実力者で次期カグラとも呼ばれており、現場で数々の実績を挙げた猛者である。
「不味い…奴らもうここまで…やらなきゃやられる…!!」
研究員の男は慌てた様子で黒い卵を取り出した。
「なんだここ…?」
俺が工場内部に潜入するとそこはいくつものベルトコンベアが並んでいた。
「このコンベア…最近も使った後がある…いったいここは…」
「竜司、面白いものが見つかったぞ」
神威が見つけたものを見ると、それは作りかけの髑髏の装飾の鍵がいくつもあった。
「スカルキー…これがあるってことは…!!」
「ここはグリフォンスカルが管轄していたスカルキーの製造工場の一つだったということか…」
それを聞いて納得した。グリフォンスカルが倒されたことでここも破棄されたと言うことか…
「グルルルル…」
その時、気配がして振り返るとたくさんのスカルが扉から勢いよく出てきた。
「こいつら…会場に出た奴らと同じ…!!」
「ああ…奴もよほど焦ってるようだ…!!いくぞ!!」
神威の合図とともに俺はカグラドライバーを取り出し、神威も太刀を取り出し身構えた。
「任せろ神威!!変身!!」
『武装!!ワイルド!!一心一体最強バディ!!超絶!!超絶!!超絶にスゲー!!ダ・イ・ナ・ソー忍・者!!ワイルド!!』
「グォォォォォ!!」
俺はリューマ超絶に変身し、神威は忍転身して襲いかかってくるコピースカル軍団を迎え撃った。
「はあっ!!」
俺はワイルドブラスターのバスターモードでスカルたちを斬っていく。神威も凄まじい剣術で次々とスカルたちを倒していた。
「すごい…これが若手最強の実力…!!」
神威の想像を上回る実力に、共に戦う俺は驚きを隠せない…だが彼の実力がとても心強かった
「竜司!!残りのコピースカルを一掃するぞ!!」
「わかった!!」
『必殺の術!!超絶!!』
神威の言葉に頷き俺はワイルドブラスターに超絶キーを挿しこみ回した。
「必殺忍法!!激竜ダイナソーバスター!!」
「秘伝忍法!!倶利伽羅!!」
俺と神威の放つ巨大な斬撃が残りのコピースカルたちを纏めて斬り裂き爆発した。
「いくぞ竜司!!標的はこの先にいる!!」
「わかった!!」
コピースカルを一掃した俺たちは研究員の男を捉えるために走り出した。
「ふぅ…ふぅ…!!」
竜司たちが立ち去った後、黒い影がゆっくりと現れる。そして、竜司たちが走っていった方へとゆっくり、身体中から殺意を放ちながら歩いていった。
「そんな…あれだけのスカルがまるで相手にならないなんて…!!」
研究員の男は顔を絶望に染めながら逃げる準備をしていた。竜司と神威の想像以上の実力の前に自身が仕掛けたコピースカルたちはあっという間に返り討ちに会ってしまったからだ。荷物を纏めた研究員の男は恐怖に顔を染めながら逃げ出そうとするが
「そこまでだ!!」
「ひいっ!!」
すでに辿り着いていた竜司を見て恐怖に顔を染めながら別の逃げ道を走ろうとするがすでにそこには神威が立ち塞がっていた。
「もう貴様に逃げ場はない。諦めろ」
俺たちは研究員の男を捉えるためにゆっくりと詰め寄っていく。
「ちくしょぉ!!まだか!?なんで来ないんだあいつらァァァ!!」
研究員の男が叫んだ瞬間、空から何かが研究員の男の目の前に落下してきたと思うと、それはケルベロススカルの朱音であった。
「お前は朱音!?」
「奴を助けに来たのか…!!」
朱音の登場に神威は太刀を抜いて身構える。しかし、俺は朱音の様子に違和感を感じた。いつもの彼女は俺たちを見ると狂気の笑みを浮かべて問答無用か襲いかかっていた。しかし今の彼女は今まで見たことが無いような形相でこちらを睨みつけており、その顔からは信じられないほどの怒りが浮かび上がっていた。
「お、おお!!お前が俺を助けに来たスカルだな!?そうかそうか!!早くあの忍達を返り討ちにしてくれ!!」
朱音の姿に安心した研究員の男は歓喜の笑みで朱音に駆け寄った。
その時、俺は気づいた。朱音から溢れてくる殺意を
「ダメだ!!そいつから離れろ!!」
「え?」
研究員の男が俺の叫びに反応して振り向いた瞬間、
朱音は手に持った包丁で研究員の男の喉笛を斬り裂いた。
「え?あれ?なんで…?」
何が起こったのかわからないと言った顔で研究員の男は倒れてそのまま息絶えた。
「朱音…お前、どうして…!!」
俺が問い詰めようとすると朱音は鋭い目でこちらを睨みつける。
「どいつもこいつも…みんなして私を馬鹿にする…!!弥勒も、メドゥーサも、ドラゴンも、あんたも!!あの忍たちも!!どいつもこいつも!!私の邪魔ばかりして!!私を否定して!!私をコケにしやがってぇ!!」
朱音は激昂しながら頭を掻きむしりそれによって髪が少し抜け、ところどころから血が流れる。その姿はまさに狂気そのものであり俺は恐怖で顔が強張った。
「殺す!!絶対に殺す!!私を馬鹿にする奴はみんな殺してやる!!」
『ケルベロス!!』
朱音はスカルドライバーを装着しケルベロスキーを起動すると鍵穴に差し込んでケルベロススカルへと変身した。そして研究員の男の亡骸の近くに落ちていた黒い卵を取り出すと、笑みを浮かべてそれを大きく口を開いて貪りだした。
「なっ!?」
猛獣のように黒い卵を咀嚼するとケルベロススカルの体から凄まじいエネルギーが溢れ出る
「あはっ♡力が漲る…この力で、みんなみんな殺してやる!!」
「竜司!!気を引き締めろ!!奴は危険だ!!ここで倒す!!」
「わ、わかった!!」
神威の呼びかけでようやく正気を取り戻した俺はリューマ超絶へと変身して神威と共にケルベロススカルへと突撃した。
「あはは♡殺す!!みんな殺す!!私を馬鹿にする奴はズタズタに斬り刻んで殺してやる!!」
「ぐっ…なんて猛攻だ…!!」
あまりの連撃に俺は思わず退がってしまう。さきほど黒い卵を取り込んだことで凄まじいほどに力を宿したようだ。
「とった!!」
俺がケルベロススカルの攻撃を防いでいる隙に神威が間合いを詰めてケルベロスへと斬りつけた。
「あはっ♡」
しかし神威の一撃はケルベロススカルに傷をつけることができなかった。
「やはりスカルに忍の力では…!!」
「死ねぇ!!」
動きが止まった神威にケルベロススカルの鋭い爪が炸裂して鮮血と共に神威は吹き飛ばされて落下していってしまった。
「神威ぃぃぃぃぃ!!」
姿が見えなくなった神威に俺は思わず叫んでしまった。
しかしそこへ狂気の笑みを浮かべたケルベロススカルが近づいてくる。
「よくも神威を…!!許さない!!」
俺は怒りに震えながらワイルドブラスターを手にケルベロススカルへと突撃した。ケルベロススカルの爪と俺のワイルドブラスターの斬撃が正面からぶつかり合う
「死ねぇ!!お前も…私をこけにするやつらも…みんなみんなこの力で殺してやる!!」
「そんなこと…絶対させねぇ!!」
激しいぶつかり合いは衝撃波となってあたりを破壊していく
「あはは♡死ねぇ!!」
ケルベロススカルの両手の爪が禍々しく光りだす。
「舐めるな!!」
『必殺の術!!超絶!!』
俺は迎え撃つためにワイルドブラスターに超絶キーを挿しこみ回す。
「超絶必殺忍法!!激竜ダイナソーバスター」
『ガオォォォン!!』
ケルベロススカルの巨大な斬撃と俺の超絶必殺忍法がぶつかり合い爆発した。
「あはは♡やっぱり私は強いんだ…!!こんな奴らに負けるはずがないんだ…あは♡あはは♡」
煙が晴れると傷だらけになりながらも自身の力に嬉しそうに笑うケルベロススカルが立っていた
「くそっ…これでも倒せないのか…!!」
強化したケルベロススカルに歯噛みしながらも俺は追撃しようとさらに一歩踏み出そうとしたその時、気配を感じて振り返る
そこには東洋龍の様な姿の機械の鎧を纏った仮面ライダーがこちらへ向かって歩いてきていた
「なんだお前…新しい仮面ライダー…!?」
今まで見たこともない新たな仮面ライダーに俺は驚いて目が離せない
「誰あんた?あんたも私を邪魔するの?」
ケルベロススカルはその仮面ライダーに標的を変えてゆっくりと近づいていく
「だったら死ねぇ!!」
そして勢いよく飛び上がり仮面ライダーへと襲いかかった。ケルベロススカルの爪が光り輝き仮面ライダーの体を引き裂こうとした。
「………え?」
しかし、仮面ライダーはケルベロススカルの爪をいとも簡単に掴んで止めてしまった。
「嘘だろ…あれを受け止めた?」
「このっ…!!離せぇ!!」
もう片方の手を振り上げて斬りつけようとするケルベロススカルだが、仮面ライダーはそれよりも早くケルベロススカルを投げ飛ばして壁に叩きつけた。
「がはっ!?この…!!」
ケルベロススカルは立ちあがろうとするが仮面ライダーはすぐさま間合いを詰めて蹴りを叩きつける。
「ぐっ…ふざける…なぁ!!」
蹴りの威力に後退するケルベロススカルは今度は凄まじい速さで辺りを走り回り仮面ライダーを翻弄しようとする。すると仮面ライダーは腰のドライバーの側面にある機械の鍵を取り出して起動した。
『ステゴ!!』
そして仮面ライダーは起動した鍵を腕に取り付けられたブレスレット型のアイテムにある鍵穴に鍵を挿しこみ回した。
『アームズ!!ステゴ!!』
すると仮面ライダーの頭上に複数のステゴスライサーが現れて一斉にケルベロススカルに襲いかかった。ケルベロススカルは必死に逃げるが遂には囲まれて全方位からステゴスライサーに斬り裂かれた。
「がっ…ぎゃあっ!!」
動きが止まったケルベロススカルに仮面ライダーは一気に間合いを詰め凄まじい連撃を浴びせて吹き飛ばした。
『ヒッサツストライク!!』
仮面ライダーがドライバーのボタンに触れると足に凄まじいエネルギーが蓄積される。そして仮面ライダーは空中に飛び上がりケルベロススカルの体に強力なキックを繰り出した。
「あ…が…ぎゃぁぁぁぁ!!」
ケルベロススカルが爆散すると煙の中から粉々に砕けたスカルドライバーが現れた。
「すげぇ………!!」
謎の仮面ライダーの途轍もない強さに俺は言葉を失う。すると仮面ライダーはゆっくりと俺の方を向いた。
「…ぐっ!?がっ…!!」
その時、仮面ライダーのドライバーから火花が出て仮面ライダーは苦しみ出す。
「お、おい!!大丈夫か!?」
俺は思わず仮面ライダーに近づいて手を取った。
「っ!?ふっ!!」
「うわぁっ!!」
すると、仮面ライダーは俺を振り解いてどこかへと去ってしまった。
「痛て…あいつ、いったいなんだったんだ…ってそうだ!!早く神威のところに行かないと…!!」
「それには及びません」
落ち上がった俺は神威のところへ行こうとすると応援に来た忍たちが俺の前に現れた。
「神威様はすでに我々が保護しております。ですのでご安心ください」
「え?そ、そうか…なら良いんだけど…」
色々言いたいことはあったが今は神威の無事にホッとした。
「あの仮面ライダー…いったい誰だったんだ…」
「はぁ…はぁ…」
仮面ライダーは人気の無い場所に寄りかかるとドライバーの鍵を抜き取った。変身が解けるとそこには苦しそうに息をする神威の姿があった。その肩からはケルベロススカルにやられた傷があった。
『ご苦労だったぞ神威、我らが編み出した新しい仮面ライダー…ドライグの初戦闘としては上出来な結果だ』
神威の端末からどこか嬉しそうな富嶽の声がきこえた。
「すみません…ロードスカルの変身者には逃げられました…」
『なに、奴の強さは大体わかった。ドライグの脅威にはならん。リューマら仮面ライダーのデータから作ったデジキョウリュウキーの性能も見ることができたしドライバーの調整に必要な記録は揃った。充分な結果だ、今迎えをそっちに向かわせたからそこで待っておれ』
「はっ…」
通信を切ると神威は肩を抑えながら壁に寄りかかり、ドライバーの反動に苦しむ自身の手を取った竜司のことを思い出した。
「本当に良い奴だな、俺とはえらい違いだ」
空を見ながらそう呟く彼はどこか悲しそうな表情だった。
「はい…すみません、間に合いませんでした…ケルベロスの暴走を止められず…すみません」
『いや、構わない。苦労をかけたね華蛇』
木の影に寄りかかりながら華蛇は弥勒に報告していた。
「ケルベロスは突如現れた謎の仮面ライダーに敗北、スカルドライバーを破壊されて本人はどこかに消えました」
『そうか…仮面ライダーの方は無視して構わない。問題はケルベロスの方だ』
椅子に座りながら、冷たい顔で弥勒は華蛇に告げる
「もう奴は僕の計画を阻む邪魔者でしかない、見つけ次第始末しろ」