「グォォォォォォォン!!」
深夜の市街地に大きな鳴き声が響き渡る。その声の主は月が雲で隠れた暗闇の中を黒い影を写しゆっくりと人1人いない道を歩いていた。
「見つけたぞ!!」
「絶対に逃すな!!」
そこへ複数の忍装束を纏った忍達が武器を手に現れて声の主を取り囲んだ。そして逃げ場を失った相手へと一斉に飛びかかった。
「グウゥゥゥ…グォォォォォォォン!!」
「ぐあぁぁぁぁぁぁ!?」
「こ、この力は…!!」
しかしその瞬間、雄叫びと共に忍達を凄まじい電撃が襲いかかり忍達は地面に倒れてしまった。そして雲が晴れ、月が現れると光が照らし、その姿を露わにする。
「つ…強すぎる…!!これが…太古を支配した…恐竜の力…!!」
「グォォォォォォォン!!」
月夜の中を一頭の恐竜の雄叫びが響き渡った。
『昨日、○○街にて停電事故が起こりました。政府からは原因は調査中とされており…』
「やっぱりこの教室が落ち着くな〜」
半蔵学院の教室で、俺はニュースを見ながら満足そうに寝っ転がった。
「でも良かったよ、りゅーくんが戻ってきてくれて」
「はい!!やっぱり半蔵学院には竜司さんがいないと!!」
俺の呟きにに飛鳥と斑鳩先輩が嬉しそうに返事した。
「そういや…あれからしばらく経ったけど…神威は元気にしているのかな?」
俺はふと神威のことが気になった。ケルベロスとの戦い以降、上層部からの無事の報告を聞いただけでずっと会えないままである。ちゃんとあって無事を確認したいけど…
するとそこへ雲雀がやってきた。
「竜司くん、お客さんが来ているよ」
「お客?」
「やぁ、竜司」
雲雀に言われてそちらを向くと、雲雀の後ろにまさに今考えていた神威が立っていた。
「神威、元気だったのか!!もう怪我は大丈夫なのか?」
「ああ、現場復帰のためのリハビリをしていて連絡する暇がなかった。すまなかったな」
「良いよ全然!!とにかく元気そうでよかった。せっかく来たんだしゆっくりしていきなよ!!」
「そうだな、お言葉に甘えるとしよう」
「あれが若手最強と言われる忍…」
「なんだか…すごいオーラだね」
「それにしても…竜司の奴なんだかすげえ仲良くねえか?」
「対等に話しているな」
「竜司くんすごいね」
茶菓子とお茶を飲みながら仲良く2人で話している竜司と神威を飛鳥達は離れた場所から見つめていた。
「それじゃあもう怪我は大丈夫なんだ」
「ああ、もう包帯はとっても大丈夫だが念を入れてもうしばらく安静にしろと言われている」
「そっか…また現場に復帰して同じ任務を受ける時は一緒に頑張ろうな」
「ああ、頼りにしている」
俺の言葉に神威は笑みを浮かべると頷いた。
「そろそろ戻らないとな、もてなしてくれてありがとう。茶菓子も美味しかった。」
「ああ、またいつでもこいよ。」
神威は俺にそう言って学校を後にした。俺も元気そうにしている神威を見れてとても安心した。
「すごいねりゅーくん、若手最強の忍とあんなに仲良くしてるなんて」
「ん?うん、なんだかすごい話が合うんだよ」
「それにしても…竜司さんもとても心を開いていらっしゃいますね」
斑鳩先輩の言葉に俺もふと気づいた。確かに神威とはどこか自然と話が合い心を開いてしまう。炎佐の様なライバル関係とも、理吉のように友達関係とも違う…そう例えば…
「なんだろう…あいつって…」
「やれやれ、ロードスカルが増えるのは良いけど、勝手なことをする奴らが多いのは面倒だな」
その頃、アジトでは弥勒が朱音を始末して回収したケルベロスキーを手にため息を吐いていた。
「やはり…もっとスカルにする者たちを厳選する方が良いのでは…?」
「いや、ロードスカルへの進化は変身者の願望に大きく影響するからね。自分の願いに忠実な方が進化の可能性が高い…全く面倒極まりないよ」
「お困りの様ですね陛下」
するとそこへ燕尾服を着たモノクルをつけた男を先頭に数名の影が笑みを浮かべてやってきた。
「お前らは…!!」
「ほお、君たちが動くのか」
「ロードの方々が余りにも情けないので…陛下の悲願は我ら親衛隊の悲願も同然、その実現に必要な計画も進めてあります。是非我らにお任せください」
親衛隊と呼ばれる者たちの言葉に華蛇は苛立ちで歯軋りする。
「面白い、やってみると良い」
「ふふふ、期待して待っていてください」
モノクルをつけた男は得意げに答えるとその場を離れた。
「竜司さん、新しい任務を貴方に命じます」
神威が訪問してきてから暫くした頃、俺は本部に呼び出されて神門様から任務を命じられていた。
「最近東京の各市街地で停電が相次いで起きており…その調査を行っていました。」
「っ!!あのニュースの…」
俺は以前半蔵学院の教室で観ていたニュースを思い出した。
「調査の途中、その原因とされる存在を発見し捕獲を目論んだが失敗しました…これが調査員が撮影した写真です。」
そう言って神門様から渡された写真を見て、俺は驚愕した。大地をどっさりと踏みしめる4本の足、後頭部の襟巻きに生えた無数のトゲ、そして鼻先に聳え立つ槍の様に鋭い角…これは…このフォルムの恐竜は…
「スティラコサウルスーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
「ひゃいっ!?」
「全長5〜7m!!体重3トン!!白亜紀後期の北米カナダに生息していたトリケラトプスと同じ角竜!!角竜の中では小型に分類されているがその知名度は角竜の中でもトリケラトプスに次ぐ!!さらに鼻先に生えた角の長さは角竜の中ではトップクラス!!フリルには無数の角が付いていて『棘のあるトカゲ』という名前に相応しいフォルムを…」
「ふん!!」
「痛ぇっ!!」
瞬間、隣にいた霧夜先生のゲンコツが俺に炸裂した。
「お前の暴走はほんっと健在だな」
「う…すみません…」
ゲンコツの頭に頭を抱えてると神門様が咳払いをした。
「と、とにかく…停電事件解決のためにも、竜司さんにはこの恐竜の調査、さらに捕獲をお願いしたく思います。」
「わかりましたぁ!!この『若獅子』竜司!!我が命を賭けて…恐竜を捕まえます!!」
「で…出来れば事件解決を最優先で…」
そんな竜司たちの会話を小さな傀儡が見つめていた。
「長年足取りが掴めなかったがようやく見つかったか」
とある一室、傀儡から送られてくる情報を目にしながら最高幹部の一角である富嶽がつぶやいた。
「仮面ライダードライグの更なる強化の為にもこの恐竜の力はなんとしても手に入れなければならん。わかっておるな神威」
「はい、心得ております」
富嶽の前には険しい顔で神威が立っていた。
「リューマよりも先にこの恐竜を捕獲しろ。そして我が悲願達成へと歩を進めるのだ。」
「わかりました…富嶽様」
神威はそう言うと、富嶽のいる部屋を出て龍を彷彿させる仮面を顔に取り付けた。
「おっしゃみんなぁ!!必ずスティラコサウルスを捕まえるぞぉ!!」
俺たちは事件のあった市街地に辿り着くと、頭にはフェドーラ帽、上半身にはレザージャケット、下にはカーキのパンツにワークブーツ、さらに腰には鞭も常備して手には巨大な網を持った完全武装で準備を整えた。
「りゅーくん…いつになく燃えてるね」
「この状態の竜司さんは制御不能です。下手に逆らわず落ち着くまで頑張りましょう」
「だな…」
「ああ…」
「雲雀そう思う」
そんな竜司を見ながら飛鳥たちはため息を吐いた。
「それでりゅーくん、捕まえるって言ったけど…どうやって捕まえるの?」
「ふふふ…心配するな飛鳥、俺に考えがある!!」
飛鳥の質問に対して俺は自信を持って答えた。
作戦その1…餌で誘き寄せる
俺はあらかじめ用意したシダやソテツと言ったスティラコサウルスの好きそうな草を集めて、それを巨大な檻の中に入れた。
「みんなはもちろん知ってると思うがスティラコサウルスは草食恐竜だ。好物の草の匂いに釣られて必ずやってくる。」
そして餌を食べてる間に檻の扉を閉めれば任務達成だ!!
「くくく…子供の頃から考えてた『恐竜の捕まえ方』を実行できる日が来るなんて…!!」
嬉しさを抑えながら気配を決して隠れていると、しばらくして何かが檻に近づく気配がした。
「来たー!!今こそ恐竜をゲットー!!」
俺はスティラコサウルスを捕まえるため勢いよく飛び出した。
「…ブヒ?」
しかし、そこにいたのは車くらいあるイノシシであった。
「ブヒィィィィィィ!!」
「なんでイノシシーーーー!?」
驚いたイノシシの突進で俺は吹き飛ばされた。
「りゅ、りゅーくん大丈夫?」
飛鳥が駆け寄ると竜司は鼻血を出しながらも再び立ち上がる
「こうなったら次の作戦だ!!」
作戦その2…派手な角でおびき寄せる
「スティラコサウルスのフリルの角はメスへの求愛やオス同士の喧嘩で用いられたとされている…派手な角を見せつければ釣られてやってくるはずだ!!」
俺はダンボールと発泡スチロールでつくったスティラコサウルスのフリルの被り物をつけて辺りを見渡していた。すると、少し離れた曲がり角に気配を感じた。
「次こそスティラコサウルスだぁー!!」
俺が被り物をつけたまま曲がり角を勢いよく曲がると
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「びっくりしたじゃないのよ!!あんた何やってるのよ!!変な格好なんかして!!」
「すいません!!ほんっとすいません!!」
通りすがりのおばちゃんをびっくりさせてしまってめっちゃ叱られてしまった。
「次の作戦だ!!」
作戦その3…仲間の人形でおびき寄せる
「スティラコサウルスは大きな群れを作っていた…仲間の人形が沢山あればきっとこっちに近づいて…ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
大量に積まれた人形が崩れて下敷きになった。
「次の作戦だ!!」
失敗
「次の作戦!!」
失敗
「次のさくせぇぇぇぇん!!」
恒例の大失敗
「な…なぜだ…なぜうまくいかない…!?」
俺が考えた完璧なはずの作戦が次々と失敗し、俺は絶望のあまり崩れ落ちてしまった。
「竜司さん…流石にその作戦では無理があると思います…」
「もうちょっと落ち着いて考えてみよ?」
「がくっ…」
斑鳩先輩と飛鳥の言葉に俺は返す言葉もなくさらに落ち込んでしまった。
「はぁ…そもそも肝心のスティラコサウルスがどこにいるのかわからないんだよな…」
俺は落ち込みながら後ろの壁に寄りかかって座り込んだ。石とは違うらしく少し柔らかくまるで爬虫類に触れてるような感触がする。ふと視線に気づいて見ると飛鳥たちが口を開けたまま硬直している。
「なにみんな?どうしたの?」
「りゅ…りゅーくん…」
「う…うしろ…」
「え?」
飛鳥と斑鳩先輩に言われて振り向くと、頭に無数のトゲのあるフリル、鼻先に長いツノがある黄色の恐竜スティラコサウルスが俺の用意した罠用の草をムシャムシャ食べていた。
「す…スティラコサウルスだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「グォ!?」
俺の驚く声にスティラコサウルスは驚いてこちらを振り向いた。
「捕まえたぁぁぁぁぁ!!」
俺は手に持つ網を振りかぶってスティラコサウルスに飛びかかる。
「グォォォォォ!!」
「ぐわぁぁぁぁ!?」
するとスティラコサウルスは鼻先のツノとフリルのトゲから電気を放って俺を痺れさせた。そしてスティラコサウルスはそのまま市街地の方へと走り出す。
「いてて…今度こそ逃がさない…みんな行こう!!」
起き上がった俺は慌てて逃げるスティラコサウルスを追いかけた。
「見つけました、あれが300年前行方がわからなくなったキョウリュウキーの1体、スティラコサウルス…」
ビルの上から竜司に追いかけられるスティラコサウルスを見つめながらモノクルをつけた燕尾服の男が笑みを浮かべた。
「呑(どん)、先ずは貴様がいけ」
「へへへ、さっそく俺の出番か」
モノクルの男に命じられると背後にいた呑と呼ばれた恰幅のいい大男は前に出てくると、懐から銀色のスカルキーを取り出した。
『ティタノボア!!』
呑がスカルキーを起動すると舌に鍵穴が現れる。呑が鍵穴にスカルキーを挿しこみ回すと禍々しい黒い泥が全身を包み込む。泥が全身を包み込むと目や口の無い顔、右手が骨と化した大蛇の頭、左手が骨と化した大蛇の尾、さらに肥大化した腹部に巨大な口があるスカル、ティタノボアスカルへと変身した。
「よっしゃぁっ!!リューマも恐竜も、全部俺が食い尽くしてやるぜぇっ!!」
ティタノボアスカルは高らかに雄叫びをあげると勢いよくビルの上から飛び降りた。
「くくく…早速恐竜を発見出来るとはついている、我々の親衛隊の力を見せてやろう」
「まてぇー!!絶対逃すかー!!」
俺はシノビークル大地に跨りながら全力疾走するスティラコサウルスを追跡した。スティラコサウルスは背後から追いかけてくる俺を一瞥すると鬱陶しそうに睨みつけて方向転換して俺へと突進を仕掛けてきた。
「グォォォォォ!!」
「うわぁっ!?」
俺は咄嗟に回避するが、バランスを崩して地面に転倒してしまう。スティラコサウルスは倒れた俺に再び突進を仕掛ける
「こうなったら…変身!!」
『武装!!ティラノ!!』
俺はカグラドライバーを装着して仮面ライダーリューマに変身するとスティラコサウルスの突進を全力で受け止めた。その突進は凄まじく、ティラノの力を限界まで引き出してるのにそのパワーを前に少しも気を抜くことが出来ない。
「グゥゥゥ!!」
「やべっ!!」
突如鼻先のツノに火花が見えたのに気づいた俺は離れようとするがそれよりも早くスティラコサウルスの全身から凄まじい電撃が放たれて俺は体が痺れてしまった。
「ぐっ…この電撃がコイツの能力だったのか…」
ティラノを始めとする俺の相棒の恐竜たちにはそれぞれ色々な能力がある。おそらくスティラコサウルスは電撃を操る能力を持っているのだろう
「りゅーくん!!」
するとそこへ飛鳥たちが追いついてきた。
「みんな気をつけて、このスティラコサウルスの電気攻撃、すごく強力だから」
「わかった!!」
俺の言葉に飛鳥たちも身構えて臨戦体制に入る。スティラコサウルスも飛鳥たちの増援に警戒を強めていた。
「もらったぁぁぁ!!」
その時、俺たちの背後から突如骨の大蛇が巨大な口を開いて襲いかかってきた。俺たちは咄嗟に回避すると蛇の口が俺たちのいた場所のコンクリートを粉砕した。
「なんだ!?」
俺たちが大蛇が襲いかかってきた方向を向くと両手が大蛇の頭と尾の骨になり腹部に巨大な口のあるスカル、テイタノボアスカルが待ち構えていた。
「へへへ、食べ応えのありそうな奴らが山ほどいやがる。リューマもその恐竜も、ついでに忍の力もこの俺様が食い尽くしてやるぜ!!」
ティタノボアスカルは邪悪な笑みを浮かべながら両腕を伸ばして俺たちへと襲いかかってきた。
「みんな!!まずはコイツをなんとかしよう!!」
「うん!!」
俺の掛け声と共にみんなはティタノボアスカルへと一斉に攻撃を仕掛けた。俺たちは迫り来るティタノボアスカルの大蛇の頭の噛みつきを躱して鞭の様にしなりながら襲いかかる大蛇の尾を防ぎながら攻撃を仕掛けた。
「いってえなぁ…調子に乗ってんじゃねえ!!」
しかしティタノボアスカルは効いた様子がなく、俺たちの連携攻撃を長い両腕を振るいながら防いでいく。
「だったらこれでどうだ!?」
『必殺の術!!』
俺はファングクナイにティラノキーを挿しこみ回す。
「必殺忍法!!激竜忍斬り!!」
俺がファングクナイを振り下ろすと巨大な斬撃が放たれてティタノボアスカルへと向かっていった。しかしその瞬間、ティタノボアスカルの腹部の口が大きく開いた。
「よっしゃぁ!!待ってましたァァァァ!!」
ティタノボアスカルの口は俺の放った必殺忍法の斬撃に噛み付くとそのまま斬撃を呑み込んでしまった。するとティタノボアスカルの腹部がさらに膨らんで両腕の骨の大蛇が一回り太くなった。
「ご馳走さん♪そらぁっ!!」
ティタノボアスカルはさらに両腕を振るって俺たちへと襲いかかる。その一撃は先程よりも遥かに凄まじい威力となっておりスピードも上がっていた。
「こいつ…相手のエネルギーを吸収出来るのか…!!」
相手のエネルギーを吸収して自分の力に変えることが出来る。以前戦ったラットスカルの能力に似ているがこいつの場合、強化の度合いが桁違いであった。
「だったら…みんな!!」
俺の声を聞き、みんなは俺の狙いに気づいた様で、俺の方を見て力強く頷いた。
「何ごちゃごちゃ言ってんだごらぁっ!!」
痺れを切らしたティタノボアスカルが襲いかかってくる。しかし俺たちはその攻撃を的確に避けていき懐に入り込んだ。そして俺は命駆モードへと変身して拳を固めた。
「エネルギーを吸収させるなら…物理攻撃で倒すだけだぁっ!!」
「ぐおっ!?」
俺の拳と、みんなの渾身の一撃がティタノボアスカルへと直撃しティタノボアスカルは苦しそうな声を上げた。
「ちぃっ…!!ロードスカル共を倒してきた実力は伊達じゃねえか…!!」
俺たちの攻撃が思いの外効いたらしくティタノボアスカルはより警戒心を高めていた。
そのとき、
「グォォォォォン!!」
スティラコサウルスが鼻先のツノを振り回し全身に電撃を纏わせながら勢いよく俺たちへと突進を仕掛けてきた。
「うわっ!!」
「きゃあっ!?」
思わぬところからの攻撃に俺たちは慌てて回避する。その時、ティタノボアスカルが歓喜の声をあげながら飛び上がった。
「ひゃはっ!!ラッキー!!」
そしてスティラコサウルスへと飛びつくと腹部の口を開いてスティラコサウルスが纏う電撃を呑み込み始めた。
「グォォォォォ!?」
「まずい!!」
全身の電撃を吸収されて苦しむスティラコサウルスを見て俺は慌てて駆け寄った。
「おせえよ!!」
「うわぁっ!!」
するとティタノボアスカルは腹部の口から強力な電撃を放ち俺たちを痺れさせた。
「まさか…スティラコサウルスの電撃を取り込むなんて…!!」
「ひゃははは!!すげぇすげぇ!!こんなに力が増すとは思わなかった!!この力をもっと取り込めばロードスカル共なんて一捻りだぜ!!」
「舐めやがって…俺たちは…こんなことじゃ負けねえよ!!」
俺たちはふらつきながらもティタノボアスカルへと武器を手に身構える。
「いいねぇ…そうこなくっちゃ…!!」
対するティタノボアスカルはニヤリと笑みを浮かべながら俺たちを迎え撃とうとする。
その時、突如龍の仮面をつけた忍が俺たちの前に現れた。
「あ?なんだテメェ?」
「お前はいったい…?」
仮面の忍は俺とティタノボアスカルと電撃を吸収されて弱っているスティラコサウルスを見渡すと懐から見覚えのあるドライバーを取り出して腰に装着する。
『ドライグドライバー!!』
「あれは…」
そのドライバーは間違いなく、以前ケルベロススカルを倒した仮面ライダーが装着していたドライバーであった。
『ドライグ ACTIVATION!!』
仮面の忍がドライグドライバーの側面のレバーを下ろすと音声と共に反対側が開き鍵穴が現れた。
『龍王!!』
そして今度は東洋龍を模った機械の鍵、龍王キーを起動させて、それを天に掲げた。すると、空から東洋龍が現れて仮面の忍の頭上を飛び回る。
「変身」
『ドラゴニックライズ!!Desire!!Destiny!!Dynamic!!KAMEN RIDER・DRAIG!!』
仮面の忍が龍王キーを挿しこみ回すと、龍は雄叫びと共に各パーツごとに分裂し仮面の忍の体に装着されていき、龍を思わせる機械の鎧を纏った仮面ライダー、仮面ライダードライグへと変身した。
「りゅーくん…あれって…」
「もしかして…」
「間違いない、あの時現れた仮面ライダーだ…!!」
仮面ライダードライグはゆっくりと歩を進めながらティタノボアスカルへと近づいていく
「報告にあったケルベロススカルを圧倒したって言う仮面ライダーか…おもしれぇ!!」
自身に狙いを定めて近づいてくる仮面ライダードライグにティタノボアスカルは闘志に火をつけて勢いよく襲いかかる。しかしドライグはティタノボアスカルの攻撃を片手で受け止めるとガッチリと握り締め、動きを封じて拳で思いっきりティタノボアスカルを殴り飛ばした。
「ぐっ…舐めんなぁ!!」
ティタノボアスカルは殴り飛ばされながらもすぐに体勢を立て直して腹部の口を大きく開いてドライグに襲いかかるがドライグは素早い動きで噛みつき攻撃を躱していった。
「馬鹿が…逃がさねぇよ!!」
「くそっ…!!」
しかしティタノボアスカルも負けじと両腕の骨の大蛇の頭と尾を伸ばして空中に逃げたドライグを捉えて締めつけた。
「俺のパワーでこのまま絞め殺してやる!!」
しかしドライグは落ち着いた様子で手を開くと手の中に龍を模ったブレードが現れた。
『機龍剣ディノカリバー!!』
「ぐぅっ!?」
ドライグはディノカリバーを振るって自分を締め付けるティタノボアスカルの腕を斬り裂くとティタノボアスカルは痛みで拘束が緩み、ドライグはその隙に脱出した。
「このやろう…だったら…!!」
『撤退ですティタノボア』
すると、ティタノボアスカルの通信機からモノクルの男の声が聞こえた。
『ターゲットに加えてリューマとドライグを相手にするのは流石に危険です。一先ず退いて体勢を立て直しなさい』
「ちっ…わかったよ!!」
ティタノボアスカルはモノクルの男の通信に苛立ちながらも従った。
「テメェら覚えてろよ。今度あったらお前ら全員食い殺してやるからな」
ティタノボアスカルは怒りを露わにしながら両腕を器用に動かして立ち去っていった。
「た…立ち去った…!!」
俺はティタノボアスカルがいなくなったことにホッとした。奴の戦闘力はロードスカルとさして変わらない程の強さだった。強力な電撃を操るスティラコサウルスとの戦闘で負傷している状況で奴と対策なしに戦うのは危険だっただろう
「あ、あんた…ありがとう、おかげで助かった」
俺がお礼を言うがドライグはそれを無視して電撃を吸い取られ弱っているスティラコサウルスへと近づき腰につけてある機械の鍵を取り出すとスティラコサウルスへと向ける。
「グッ!?グォォォォォ…!!」
するとスティラコサウルスからさらにエネルギーが吸い取られていき機械の鍵の中へと吸い込まれていく。そのせいでただでさえ弱っていたスティラコサウルスはさらに弱々しい鳴き声になっていく
「なっ…!?何やってんだお前!!」
俺はファングクナイを手にドライグへと斬りかかるが、ドライグはディノカリバーで軽々と受け止めてしまった。
「こいつはもうこんなに弱ってるんだぞ!!そんなことしたらこいつが死んじゃうだろ!!」
ドライグは俺の言葉に耳を傾ける素振りを見せず標的を俺に変えてディノカリバーで俺へと襲いかかってきた。俺はファングクナイでガードするがドライグのパワーは凄まじくどんどん圧されてしまう。
「だったらこれだ!!」
『武装!!ワイルド!!一心一体最強バディ!!超絶!!超絶!!超絶にスゲー!!ダ・イ・ナ・ソー忍・者!!ワイルド!!』
俺はワイルドギアを取り付けて超絶キーを起動して仮面ライダーリューマ超絶へと変身しワイルドブラスターを振り下ろした。対するドライグもディノカリバーで斬りかかり、激しい剣の撃ち合いとなった。
「ぐっ…こいつ、強い!!」
ドライバーの性能だけじゃない、変身者自身の戦闘力の高さがさらに力を引き出している。スティラコサウルスやティタノボアスカルとの連戦のダメージがある中での戦闘は苦戦を強いられていた。
「ん…?あいつ…様子がおかしい?」
その時、周囲の気配が変わったことに気づく。俺が周囲を見渡すと自販機や電線、住宅の配電盤から電気が流れていき、スティラコサウルスの鼻先のツノに集まっていく
「まさか…!!」
「グォォォォォォォン!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!」
「……………っ!!!」
スティラコサウルスの雄叫びと共に辺りに凄まじい電撃が放たれた。その凄まじい威力に俺とドライグは巻き込まれて全身に凄まじい痛みが走る。
「こいつ…周囲の電気を取り込んだのか…!!」
「グォォォォォォォン!!」
電撃のダメージに動けない俺たちの前でスティラコサウルスが大きく雄叫びをあげた。